ある男 平野啓一郎 レビュー|他人の人生を生きた男の謎、アイデンティティを問う名作 あらすじ・読みどころ完全ガイド【2026年最新】
平野啓一郎の『ある男』を読むべき理由を、他人の人生を生きた男という謎・「その人は誰か」というアイデンティティの問い・調査する弁護士自身の物語という3観点で完全解説。
愛した夫は、まったくの別人だった——弁護士が「ある男」の正体を追う物語を、ネタバレを最小限に紹介します。
最終更新日: 2026年7月28日
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ある男とは|平野啓一郎がアイデンティティを問う名作
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 著者 | 平野啓一郎 |
| ジャンル | ミステリ/ヒューマンドラマ |
| 単行本発売 | 2018年(文藝春秋) |
| 文庫化 | 文春文庫(2021年) |
| 文庫ISBN | 978-4-16-791747-0 |
| 受賞 | 第70回 読売文学賞 |
| 主人公 | 城戸章良(弁護士) |
| 関連作 | 日蝕/マチネの終わりに |
『ある男』は、平野啓一郎が第70回読売文学賞を受賞した長編です。
弁護士・城戸章良は、かつての依頼者・里枝から、亡くなった夫「谷口大祐」の身元調査を頼まれます。
里枝が再婚して幸せに暮らした夫は事故死しますが、法要で兄が遺影を見て「これは弟ではない」と告げる——調査を進めると、夫は他人と戸籍を交換し、別人の人生を生きていたことが判明します。「その人は誰か」というアイデンティティの謎を追う名作です。
ある男のあらすじ|愛した夫は「別人」だった

物語は、弁護士・城戸章良のもとに、かつての依頼者・里枝が訪ねてくるところから始まります。
夫は、別人だった
里枝は数年前、再婚した夫「谷口大祐」と穏やかな家庭を築いていました。
しかし、その夫は事故で急逝。法要の席で、夫の兄が遺影を見て「これは弟ではない」と告げます。
里枝が愛し、ともに暮らした夫は——まったくの別人だったのです。
「ある男」の正体を追う調査
依頼を受けた城戸は、「谷口大祐」を名乗っていた男が、いったい何者だったのかを追い始めます。
やがて浮かび上がるのは、他人と戸籍を交換し、過去を捨てて別人の人生を生きていた男の姿でした。
「人は、他人の人生を生きられるのか」「その人は本当は誰なのか」——調査は、城戸自身の生き方にも問いを投げかけていきます。
※物語の真相や結末には触れていません。
ある男の3つの読みどころ

1. 他人の人生を生きた男という謎
本作の核心は、「他人と戸籍を交換し、別人として生きた男」という謎です。
なぜ彼は過去を捨てたのか、彼は本当は誰だったのか——ミステリとしての強い牽引力が、読者を引き込みます。
「人は過去から自由になれるのか」という問いが、物語を貫きます。
2. 「その人は誰か」というアイデンティティの問い
平野啓一郎が一貫して探究してきた、「人間のアイデンティティ」というテーマが本作に凝縮されています。
名前や戸籍ではなく、その人を「その人」たらしめるものは何か——深い問いが読者に残ります。
謎解きを超えた、思索的な読書体験を味わえます。
3. 調査する弁護士自身の物語
本作は謎の男の物語であると同時に、調査する弁護士・城戸自身の物語でもあります。
在日コリアンとしての出自や、自身の家庭を抱える城戸が、「ある男」の人生に自分を重ねていきます。
調べる者が、調べられる者に近づいていく構成が、本作に奥行きを与えています。
ある男と平野啓一郎の作品世界

平野啓一郎は、人間のアイデンティティや他者との関係を、知的な筆致で描く作家です。
| 関連作品 | 概要 | 関係性 |
|---|---|---|
| 日蝕 | 芥川賞受賞のデビュー作 | 初期の重厚な観念小説 |
| マチネの終わりに | すれ違う大人の恋 | 渡辺淳一文学賞受賞 |
恋愛を描いた『マチネの終わりに』と同時期の作品で、あわせて読むと平野啓一郎の現代小説の幅が見えてきます。
デビュー作『日蝕』の重厚さから、現代のアイデンティティを問う本作まで——作風の進化も楽しめます。
ある男の読了時間と難易度
- 読了時間目安: 約7〜9時間(文春文庫版)
- 難易度: ★★★☆☆(読みやすいが、テーマは思索的)
- おすすめタイプ: 謎のある物語が好きな人/アイデンティティのテーマに関心がある人/読売文学賞受賞作を読みたい人
ミステリとしての牽引力と、深い問いを両立した一冊です。
平野啓一郎の現代小説を読みたい方におすすめできます。
ある男に関するよくある質問
Q. ミステリですか?
A. 謎を追う構成のミステリでありながら、思索的な人間ドラマでもあります。
「その人は誰か」という謎解きと、アイデンティティの問いが両立した作品です。
Q. 映画になったと聞きました。
A. 2022年に映画化されました。
妻夫木聡さん・安藤サクラさんらが出演し、日本アカデミー賞で多数の賞を受賞しました。原作もあわせて楽しめます。
Q. 平野啓一郎を初めて読むなら本作からでも大丈夫?
A. はい、ミステリ的な牽引力があり入門にも向いています。
謎を追う物語として引き込まれやすいため、まず本作から平野作品に触れるのもおすすめです。
まとめ|ある男はアイデンティティを問う平野啓一郎の名作
『ある男』は、平野啓一郎が第70回読売文学賞を受賞した長編。
愛した夫が実は戸籍を交換した別人だったという謎を、弁護士・城戸が追う——「その人は誰か」というアイデンティティの問いを、ミステリの牽引力とともに描いた名作です。
謎のある物語が好きな方・アイデンティティのテーマに関心がある方・読売文学賞受賞作を読みたい方におすすめできる作品。
文春文庫版で手に取って、平野啓一郎のおすすめ小説 人気ランキングや、『マチネの終わりに』とあわせて、平野啓一郎の世界を味わってみてください。
- 文春文庫版がおすすめ・電子書籍版あり
- 他人の人生を生きた男の謎を追う長編
- 『日蝕』『マチネの終わりに』もまとめてチェック可
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ある男・関連作品の読書ガイド
出典・参考情報
- 文藝春秋『ある男』公式書籍情報(文春文庫 ISBN 978-4-16-791747-0)
- 第70回 読売文学賞 受賞結果
- 版元ドットコム/各書店データベース
- Wikipedia「ある男」「平野啓一郎」項目(最終確認: 2026年7月28日)




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