『美しい贄』は、『ほねがらみ』でデビューした芦花公園のホラーで、2026年10月23日に角川ホラー文庫から出ます。990円(税込)・文庫判288ページ、収録は三編です。主人公は四国に住む最強の拝み屋・物部斉清。
この主人公は、本作で初めて出てくる人物ではありません。芦花公園の既刊『極楽に至る忌門』(2024年3月22日・角川ホラー文庫)に、「最強の拝み屋・物部斉清も阻止できなかった」という形で既に登場しています。この記事では、既刊でどう扱われていた人物なのかと、本作がその人物の何を描くのかを公式情報で整理します。
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※本記事は発売前に公表された情報にもとづいています。
- 2026年10月23日・角川ホラー文庫・990円(税込)・288ページ
- 四国の拝み屋・物部斉清の半生を描く三編
- 既刊『極楽に至る忌門』に登場した人物が主役に
美しい贄とは|角川ホラー文庫の三編構成

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | 美しい贄(ウツクシイニエ) |
| 著者 | 芦花公園(ロカコウエン) |
| 版元・レーベル | 角川ホラー文庫 |
| 発売日 | 2026年10月23日 |
| 判型・ページ | 文庫判 右開き・288ページ |
| 価格 | 990円(税込・本体900円) |
| ISBN | 978-4-04-117628-3 |
| Cコード | C0193(一般・文庫・日本文学、小説・物語) |
出典:版元ドットコム(KADOKAWA登録データ)、KADOKAWA公式商品ページ(2026年10月5日時点)
収録は三編です。
| 収録順 | 題名 |
|---|---|
| 1 | あの日神と話した |
| 2 | 一番恐ろしいのは、 |
| 3 | 私の話のお終いに |
出典:版元ドットコム(KADOKAWA登録データ)の目次(2026年10月5日時点)
2編目の題名が読点で終わっています。「一番恐ろしいのは、」——その先が書かれていません。三編のうち真ん中だけが途中で切れている形です。
美しい贄のあらすじ|「ほとんど神」と呼ばれる男が背負わされたもの

版元の紹介
四国に住む最強の拝み屋・物部斉清。
「何かあれば、ナリキヨさんが助けてくれる」――”ほとんど神”と称される彼が背負わされたものと、その半生を描く、美しすぎる恐怖に満ちた三編。
出典:版元ドットコム(KADOKAWA登録データ)の内容紹介(2026年10月5日時点)
KADOKAWA公式はこれに「祓へ給ひ、清め給へ――彼は、今日も祈り、祓う。この世の天秤を保つため。」というキャッチを添えています(KADOKAWA公式)。
版元が選んでいる言葉を分解する
| 版元の表現 | 読み取れること |
|---|---|
| 最強の拝み屋 | 作中世界での能力の序列で頂点に置かれている |
| 「何かあれば、ナリキヨさんが助けてくれる」 | 周囲からの評価・期待。地の文ではなく人々の声として示される |
| “ほとんど神”と称される | 称される=これも周囲の見方 |
| 背負わされたもの | 「背負った」ではなく「背負わされた」=本人が選んだのではない |
| その半生を描く | 現在進行の事件ではなく、来歴の話 |
「背負わされた」という受動態が、この紹介文の要です。最強と呼ばれ、ほとんど神と称される男が、それを自分で選んだわけではない——という構図が、最初から提示されています。
キャッチの「この世の天秤を保つため」も同じ方向を向いています。誰かを助けるためではなく、天秤を保つために祈るという言い方です。
美しい贄の3つの読みどころ

1. ★物部斉清は新キャラではない。既刊では「止められなかった側」だった
本作を読む前に知っておくと効くのがこれです。
芦花公園の既刊『極楽に至る忌門』(2024年3月22日・角川ホラー文庫)のあらすじに、物部斉清が出てきます。
連綿と伝わる儀式とわらべ歌、3つの捧げ物、猿神信仰。
最強の拝み屋・物部斉清も阻止できなかった土地の因縁と禍々しい怪異に戦慄する物語。
出典:カドブン「因習に満ちた村の怪異に戦慄する――芦花公園『極楽に至る忌門』(角川ホラー文庫)作品紹介」(2026年10月5日時点)
ここが重要です。
| 『極楽に至る忌門』(2024年) | 『美しい贄』(本作) | |
|---|---|---|
| 物部斉清の扱い | 「最強の拝み屋」だが「阻止できなかった」 | 主役。その半生を描く |
| 呼ばれ方 | 最強の拝み屋 | 最強の拝み屋/”ほとんど神” |
| 舞台 | 四国の山奥・城川村 | 四国 |
既刊では、物部斉清は「最強なのに止められなかった存在」として名前だけが出ます。怪異の恐ろしさを測る物差しとして使われている、という置かれ方です。
本作は、その男の半生を描きます。つまり、「最強でも止められなかった」と語られた人物の、そうなるまでの話ということになります。舞台が四国で一致していることも、2作のつながりを示しています。
順番について。『美しい贄』の版元書誌情報にシリーズ表記はありません。どちらから読んでも成立する作りとみられますが、『極楽に至る忌門』を先に読むと、本作の主人公が「どう語られてきた人物か」を知った上で読めます。
2. 「ナリキヨさん」という呼び方が本文の距離感を決めている
版元の内容紹介は、人々の声を直接引いています。
「何かあれば、ナリキヨさんが助けてくれる」
「物部斉清」という漢字の名前ではなく、「ナリキヨさん」とカタカナ+さん付けで書かれています。地元の人が日常的に口にしている呼び方だと分かります。
この一行だけで、作中の共同体と主人公の関係が示されています。
| 呼び方 | 含意 |
|---|---|
| 物部斉清 | 拝み屋としての名 |
| ナリキヨさん | 地元の人の口語。頼る相手として日常に組み込まれている |
「何かあれば」という前置きも効いています。特別な時だけでなく、困ったら行く場所として定着しているということです。そういう存在であることが、「背負わされた」という受動態につながっていきます。
なお、「斉清」の読み方を明記した一次資料は確認できませんでした。版元が「ナリキヨさん」と書いているので本記事ではその表記に従いますが、漢字の正式な読みについては版元に確認するのが確実です。
3. 芦花公園のデビュー経緯と作品の広がり
版元の著者紹介はこうです。
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| — | 東京都生まれ |
| 2020年 | カクヨムで発表した中編「ほねがらみ‐某所怪談レポート-」がTwitterで話題となり書籍化決定 |
| 2021年 | 同作を改題した『ほねがらみ』でデビュー |
| 現在 | 『異端の祝祭』『漆黒の慕情』『聖者の落角』『無限の回廊』『極楽に至る忌門』『悪魔の微睡』『とらすの子』『食べると死ぬ花』『みにくいふたり』等 |
出典:版元ドットコム(KADOKAWA登録データ)の著者紹介(2026年10月5日時点)
ウェブ小説投稿サイト発で、SNSでの話題が先行して書籍化が決まったという経緯の作家です。版元の紹介には「古今東西のホラー映画・ホラー小説を偏愛する」という一文も入っています。
著者紹介に挙がる既刊のうち『極楽に至る忌門』が、本作と直接つながる1冊です(読みどころ1参照)。
美しい贄に関するよくある質問
シリーズものですか。前の巻を読む必要はありますか
版元の書誌情報にシリーズ表記はありません。ただし主人公の物部斉清は既刊『極楽に至る忌門』(2024年3月・角川ホラー文庫)に「最強の拝み屋」として登場済みです。本作から読んでも成立する作りとみられますが、『極楽に至る忌門』を先に読むと、「最強なのに阻止できなかった」と語られた人物の半生として本作を読めます。
長編ですか、短編集ですか
三編を収めた構成です。版元は「美しすぎる恐怖に満ちた三編」と紹介しています。収録は「あの日神と話した」「一番恐ろしいのは、」「私の話のお終いに」で、全体で物部斉清の半生を描くという作りです。
書き下ろしですか
版元の書誌情報に、初出(雑誌掲載など)の記載はありません。書き下ろしかどうかは版元に確認するのが確実です。
「物部斉清」は何と読みますか
版元の内容紹介は「ナリキヨさん」と書いています。ただし漢字の正式な読み方を明記した一次資料は確認できませんでした。本記事では版元の表記に従っています。
芦花公園は初めてです。これから読めますか
読めます。ただしデビュー作から入りたいなら『ほねがらみ』(2021年・カクヨム発表の中編を改題)、本作と直接つながる1冊を先に読みたいなら『極楽に至る忌門』(2024年・角川ホラー文庫)です。
どれくらい怖いですか
版元は「美しすぎる恐怖に満ちた」と紹介しています。KADOKAWA公式のキャッチは「祓へ給ひ、清め給へ――彼は、今日も祈り、祓う。この世の天秤を保つため。」で、祈祷・祓いを扱う作品です。既刊『極楽に至る忌門』は猿神信仰・わらべ歌・捧げ物といった因習を扱うカルトホラーで、民俗的な題材を軸にする作風です。
発売日が10月25日と書かれている場所がありますが、どちらですか
書店に並ぶのは2026年10月23日です。版元ドットコムには「発売予定日 2026年10月23日」と「初版年月日 2026年10月25日」の2つが載っていますが、初版年月日は奥付に印刷される日付で、書店発売日ではありません。
288ページは読むのにどれくらいかかりますか
三編で288ページなので、通しで4〜5時間が目安です。編ごとに区切れるので、1編ずつ読めます。
まとめ|「止められなかった」と語られた男の、そうなるまで
- 『美しい贄』は2026年10月23日・角川ホラー文庫・990円(税込)・288ページ
- 収録は三編(あの日神と話した/一番恐ろしいのは、/私の話のお終いに)。2編目だけ題名が読点で終わる
- 主人公は四国に住む最強の拝み屋・物部斉清。版元は“ほとんど神”と称されると書く
- ★物部斉清は新キャラではない。既刊『極楽に至る忌門』(2024年3月・角川ホラー文庫)に「最強の拝み屋・物部斉清も阻止できなかった」として登場済み
- ★既刊では「最強なのに止められなかった存在」として名前が出るだけ。本作はその男の半生を描く
- 舞台も一致している(『極楽に至る忌門』=四国の山奥・城川村/本作=四国)
- 版元の「背負わされたもの」は受動態。最強と呼ばれる立場を本人が選んだわけではないことが示されている
- 版元の書誌情報にシリーズ表記は無いので、本作から読んでも成立する作りとみられる
- 著者は2020年にカクヨムで発表した中編がSNSで話題になり、2021年『ほねがらみ』でデビュー
「何かあれば、ナリキヨさんが助けてくれる」という一行は、周囲の声として書かれています。頼られる側がそれをどう引き受けたのか——版元が「背負わされた」という言葉を選んでいる以上、そこが本作の中心だと読めます。



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