『怖い絵』は、中野京子が書いた美術エッセイで、2007年7月に朝日出版社から刊行されました。西洋名画20点をカラー図版で収録し、見慣れた名画に込められた怨念や冷酷や非情を読み解いていく一冊です。2013年7月には角川文庫にも収められました。ただし角川文庫版は刊行順が単行本と入れ替わっているため、買う前に確認しておきたいところです。この記事では、内容・読みどころ・版ごとの刊行順の違いまで紹介します。
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- 西洋名画20点をカラー図版で収録した美術エッセイ
- 朝日出版社版は全3冊・角川文庫版も刊行されている
- 単行本・角川文庫・電子書籍版すべてチェック可能
怖い絵とは|名画20点をカラー図版で収録した美術エッセイ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 著者 | 中野京子 |
| ジャンル | エッセイ・美術エッセイ |
| 単行本 | 2007年7月(朝日出版社・B6判248ページ・1,980円税込) |
| 単行本ISBN | 978-4-255-00399-3 |
| 文庫 | 2013年7月(角川文庫) |
| 文庫ISBN | 978-4-04-100912-3 |
| 収録点数 | 名画20点(カラー図版で収録) |
| シリーズ | 朝日出版社版は全3冊(怖い絵/怖い絵2/怖い絵3) |
| 受賞 | 版元公式に記載なし |
『怖い絵』は、中野京子が西洋名画を題材に書いた美術エッセイです。
2007年7月に朝日出版社から刊行され、2013年7月に角川文庫に収められました。
朝日出版社は本書を、「親切でやさしく『怖いもの見たさ』の感情に強く訴える美術エッセイ」と案内しています。
扱う絵は20点、すべてカラー図版で収録されています。
小説ではなくエッセイである点は、読み始める前に押さえておいてください。
物語を追う本ではなく、一枚の絵を読み解いていく本です。
怖い絵のあらすじ|見慣れた名画の前を平然と通り過ぎられなくなる

版元が公表している内容紹介の範囲で、本書の入り口を整理します。
だれもが知っている名画から始まる
本書が扱うのは、だれもが知っている西洋名画の数々です。
特別に不気味な絵を集めた本ではありません。
そこに込められたものを見る
朝日出版社は、見慣れた名画には驚くべき怨念や冷酷や非情や無惨が込められていると案内しています。
絵の「その後」や「背景」を知る
たとえば一見幸せな家族を描いた『グラハム家の子どもたち』。
けれど、この絵の完成後は――という問いが立てられます。
スポットライトを浴びるドガの『踊り子』についても、
じつは、この時代のバレリーナは――と背景が掘り下げられます。
キューピッドのキスを受ける豊満な裸体『愛の寓意』も、
でもほんとは、このふたりは――と関係が問い直されます。
絵の前を通り過ぎられなくなる
朝日出版社は、一読すれば、以後、平然と絵の前を通り過ぎることができなくなること請け合いと結んでいます。
残る17点がどんな絵で、どんな「怖さ」を抱えているのかは、ぜひ本編でお確かめください。
怖い絵の3つの読みどころ

1. 「読み解き方」そのものを教えてくれること
朝日出版社は本書の白眉を、卓抜した絵の読み手による「絵画の読み解き方」の丁寧なレクチャーになっている点だと説明しています。
| 著者が総動員するもの | 記事で言えば |
|---|---|
| 絵の構図、色彩、筆遣いの分析 | 作品そのものを見る目 |
| 作者の生い立ちや性格 | 描いた人を知る |
| 絵の描かれた状況、当時の習俗 | 時代を知る |
| 絵にまつわる神話・秘話 | 語り継がれてきたものを知る |
これら全てを総動員して一幅の絵を読み解いていくというのが、版元による本書の説明です。
つまり本書は、怖い絵のカタログではなく、絵の読み方の教科書として読めます。
2. 「怖さ」が一種類ではないこと
朝日出版社は、本書の怖さについて見るからにぞっとするものから、じんわりぞくぞくくるものまで多岐にわたると案内しています。
いろんな怖さを、まるで極上の短編小説を読むような感覚で味わえるというのが版元の紹介です。
20点それぞれで怖さの種類が違うため、どこから読んでも一話完結で成立します。
3. 予備知識が要らないこと
本書は美術史の知識を前提にしていません。
朝日出版社が「親切でやさしく」と表現しているとおり、
絵を見るのが好きな方、恐怖好きの方、歴史好きの方に向けて開かれた書き方がされています。
美術書として構えず、エッセイとして読み始められるところが、
本書が長く読まれてきた理由と紹介されることが多いです。
怖い絵の読む順番|朝日出版社版と角川文庫版で刊行順が違う

ここが本書でいちばん間違えやすいところです。
朝日出版社版(単行本)は全3冊で、素直に1→2→3の順で刊行されました。
| 順番 | 書名 | 刊行 | ISBN |
|---|---|---|---|
| 1 | 怖い絵 | 2007年7月 | 978-4-255-00399-3 |
| 2 | 怖い絵 2 | 2008年4月 | 978-4-255-00427-3 |
| 3 | 怖い絵 3 | 2009年6月 | 978-4-255-00480-8 |
一方、角川文庫版は刊行順が入れ替わっています。
| 文庫での刊行順 | 書名 | 刊行 | ISBN |
|---|---|---|---|
| 1冊目 | 怖い絵 泣く女篇 | 2011年7月 | 978-4-04-394002-8 |
| 2冊目 | 怖い絵 死と乙女篇 | 2012年8月 | 978-4-04-100439-5 |
| 3冊目 | 怖い絵 | 2013年7月 | 978-4-04-100912-3 |
シリーズ第一弾である『怖い絵』が、角川文庫では最後に出たという形です。
KADOKAWAは文庫版を「観れば観るほど怖くなる……大ヒットシリーズの第一弾、いよいよ文庫化!」と案内しています。
書店で「泣く女篇」を先に見かけても、それは1冊目ではありません。
本書(無印の『怖い絵』)から読むのがおすすめです。
中野京子の他の著作は中野京子の作品ガイドにまとめています。
怖い絵の関連書|「新怖い絵」と「怖い絵」展
2016年7月には『新怖い絵』(KADOKAWA・ISBN 978-4-04-104642-5)が刊行されました。
こちらも2020年3月に角川文庫(ISBN 978-4-04-108980-4)に収められています。
2017年には「怖い絵」展が開催されています。
動員数や会期については一次情報を確認できていないため、本記事では数字に触れません。
このほか、『「怖い絵」で人間を読む』(2010年8月・NHK出版 生活人新書)、
『怖い絵の中のモノ語り』(2024年12月・角川文庫)など、
「怖い絵」を冠した著作が継続して刊行されています。
怖い絵の読了時間と難易度
- 読了時間目安: 約3〜4時間(B6判248ページ)
- 難易度: ★☆☆☆☆(美術史の予備知識は不要)
- おすすめタイプ: 絵を見るのが好きな人/恐怖好きの人/歴史好きの人/エッセイを少しずつ読みたい人
20点それぞれが独立しているので、1点ずつ読み進められます。
通しで読む必要がないため、細切れの時間で読めるのが利点です。
怖い絵に関するよくある質問
Q. 怖い絵は小説?
A. 小説ではなく美術エッセイです。
朝日出版社自身が「美術エッセイ」と案内しています。西洋名画20点を、カラー図版とともに読み解いていく本です。
Q. 怖い絵は何冊ある?
A. 朝日出版社版は全3冊です。
『怖い絵』(2007年7月)/『怖い絵 2』(2008年4月)/『怖い絵 3』(2009年6月)という並びです。
このほか『新怖い絵』(2016年7月・KADOKAWA)があります。
Q. 怖い絵はどれから読めばいい?
A. 無印の『怖い絵』からです。
ただし角川文庫版は刊行順が入れ替わっており、文庫では『泣く女篇』(2011年)→『死と乙女篇』(2012年)→
『怖い絵』(2013年)の順で出ています。文庫の並び順=シリーズの順番ではないので注意してください。
Q. 怖い絵には何点の絵が載っている?
A. 20点です。すべてカラー図版で収録されています。
版元が名前を挙げているのは『グラハム家の子どもたち』、ドガの『踊り子』、『愛の寓意』の3点です。
まとめ|怖い絵は絵の読み方そのものを教えてくれる一冊
『怖い絵』は、中野京子が西洋名画20点を読み解いた美術エッセイです。
朝日出版社は本書を、見慣れた名画には驚くべき怨念や冷酷や非情や無惨が込められていると案内し、
一読すれば、以後、平然と絵の前を通り過ぎることができなくなること請け合いと結んでいます。
読みどころは、絵の構図・色彩・筆遣いの分析に加えて、作者の生い立ちや性格、当時の習俗、
絵にまつわる神話・秘話までを総動員する読み解き方そのものです。
版元はこれを本書の白眉と呼んでいます。
2007年7月に朝日出版社から単行本、2013年7月に角川文庫で読めます。
朝日出版社版は全3冊。角川文庫版は刊行順が入れ替わっているので、
まずは無印の『怖い絵』から手に取ってください。
- 西洋名画20点をカラー図版で収録
- 一話完結なので細切れの時間で読める
- 単行本・角川文庫・電子書籍版が選べる
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怖い絵・関連作品の読書ガイド
出典・参考情報
- 朝日出版社 書誌ページ『怖い絵』(内容紹介・解説・名画20点をカラー図版で収録・B6判248ページ・1,980円税込・ISBN 978-4-255-00399-3)
- KADOKAWA 公式 角川文庫『怖い絵』(文庫版の惹句「大ヒットシリーズの第一弾、いよいよ文庫化!」)
- 国立国会図書館サーチ 書誌データ(『怖い絵 2』978-4-255-00427-3/『怖い絵 3』978-4-255-00480-8/角川文庫『泣く女篇』978-4-04-394002-8/『死と乙女篇』978-4-04-100439-5/角川文庫『怖い絵』978-4-04-100912-3/『新怖い絵』978-4-04-104642-5・978-4-04-108980-4・書名・出版社・刊行年月)
- openBD 書誌データ(ISBN 9784255003993/9784041009123・書名・著者・出版社・レーベル・刊行年月)
- 最終確認: 2026年8月21日




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