『赤ひげ診療譚』は、山本周五郎が書いた時代小説で、小石川養生所を舞台に、無愛想な医師「赤ひげ」と、そこへ配属された若い医師の関係を描いた連作短編集です。黒澤明監督・三船敏郎主演の映画『赤ひげ』(1965年)の原作として知られています。長編ではなく短編の連なりなので、山本周五郎を初めて読む人にも入りやすい1冊です。この記事では、あらすじ・読みどころ・版の選び方まで紹介します。
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赤ひげ診療譚とは|映画『赤ひげ』の原作にあたる連作短編集
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 著者 | 山本周五郎 |
| 形式 | 連作短編集 |
| 舞台 | 小石川養生所(幕府の施療施設) |
| 文庫 | 新潮文庫(ISBN 4101134065) |
| 新装 | 新潮社・2019年2月・414ページ(ISBN 978-4-10-113485-7) |
| 映像化 | 映画『赤ひげ』1965年・黒澤明監督・三船敏郎主演 |
出典:国立国会図書館サーチ(2026年9月2日時点)
『さぶ』や『樅ノ木は残った』のような長編と違い、本作は1話ごとに患者が変わる連作です。分量の面でいちばん手を出しやすい代表作といえます。
赤ひげ診療譚のあらすじ|若い医師が、望まない場所に配属される

長崎帰りの若い医師
主人公は、長崎で学んで戻ってきた若い医師保本登(やすもと のぼる)です。
彼は幕府の医官になることを期待していましたが、命じられたのは小石川養生所への勤務でした。
養生所は、金のない病人を診るための施設です。登にとっては望まない配属で、最初は反発します。
「赤ひげ」と呼ばれる医師
そこを取り仕切っているのが、新出去定(にいで きょじょう)——通称「赤ひげ」です。
無愛想で、説明もせず、命令口調。登は最初この人物を受け入れられません。
患者たちの物語
各話で、養生所に運ばれてくる患者とその背景が描かれます。
貧困、身売り、家族の断絶。病そのものより、その人がなぜそこに至ったかに焦点が当たります。
登は患者と向き合ううちに、赤ひげが何をしていたのかを少しずつ理解していきます。説教で人を変える話ではなく、見せることで変える話です。
赤ひげ診療譚の3つの読みどころ

1. 連作短編という形式
1話ごとに患者が変わるため、どこで中断しても構いません。長編を読み切る自信がない人でも入りやすい構成です。
2. 主人公が最初は感じが悪いこと
保本登は当初、養生所を見下しています。その状態から始めるので、変化の幅が大きく、成長が実感できます。
3. 赤ひげが説明しないこと
新出去定は自分の考えをほとんど語りません。読者も登と同じように、行動から推測することになります。説明を省くことで人物に厚みを出す書き方です。
赤ひげ診療譚の版と入手方法

『赤ひげ診療譚』は長く読み継がれており、複数の版があります。
| 版 | 出版社 | 刊行 |
|---|---|---|
| 文庫 | 新潮文庫 | ISBN 4101134065(1985年ほか) |
| 新潮CD/新装 | 新潮社 | 2019年2月・414ページ |
| 文庫 | 角川春樹事務所 | 2008年11月・331ページ |
いちばん入手しやすいのは新潮文庫版です。本文は同じなので、活字の大きさや解説で選んで構いません。
山本周五郎は2018年1月に角川文庫と講談社文庫からも文庫が出るようになりました(詳しくはさぶ レビューで触れています)。
赤ひげ診療譚の読了時間と難易度
連作短編集なので、1話あたり30分前後で読めます。全体では5〜7時間程度が目安です。
医療の専門用語はほとんど出てきません。時代小説を読み慣れていなくても入れます。山本周五郎の入口としてよく挙げられるのはこの読みやすさのためです。
赤ひげ診療譚に関するよくある質問
赤ひげ診療譚は長編ですか
連作短編集です。1話ごとに患者が変わるので、区切って読めます。
映画『赤ひげ』の原作ですか
はい。1965年公開、黒澤明監督・三船敏郎主演の映画『赤ひげ』の原作です。
主人公は誰ですか
長崎で学んで戻った若い医師・保本登です。「赤ひげ」と呼ばれる新出去定は指導する側にあたります。
どの版を買えばいいですか
新潮文庫版が入手しやすい版です。本文は同じなので活字の大きさや解説で選んで問題ありません。
山本周五郎を初めて読むならどれがいいですか
本作は連作短編で分量が区切られているため、入口としてよく挙げられます。長編なら『さぶ』や『樅ノ木は残った』があります。
紙と電子で価格が違います。電子版はセールとポイント還元で実質の支払いが下がることがあります。在庫と価格は変動するのでAmazonで確認してください。
まとめ|1話ずつ読める、山本周五郎の入口
- 『赤ひげ診療譚』は、小石川養生所を舞台にした連作短編集
- 望まない配属をされた若い医師・保本登が、無愛想な「赤ひげ」こと新出去定のもとで変わっていく
- 病そのものより、患者がなぜそこに至ったかに焦点がある
- 黒澤明監督・三船敏郎主演の映画『赤ひげ』(1965年)の原作
- 連作短編なので1話ずつ区切って読める。山本周五郎の入口に向く
長編を読み切る自信がない方は、まずこの1冊から入るのが確実です。
長編や積んだままの本ほど、聴くと最後までたどり着けます。
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