『樅ノ木は残った』は、山本周五郎が書いた歴史時代小説で、日本三大騒動の一つ・伊達騒動で暗躍した仙台藩の宿老・原田甲斐を主人公にした長編です。新潮社は本作を「雄大な構想と斬新な歴史観の下に、原田甲斐の肖像を刻んだ歴史長編」と案内しています。新潮文庫では上中下の全3巻(計1,440ページ)で読め、詳細な注解・家系図・地図が付いています。この記事では、あらすじ・読みどころ・上中下それぞれが扱う範囲まで紹介します。
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- 伊達騒動で暗躍した原田甲斐を描いた山本周五郎の歴史長編
- 新潮文庫は上中下の全3巻(480/448/512ページ)
- 単巻・電子書籍版・合本版すべてチェック可能
樅ノ木は残ったとは|伊達騒動を原田甲斐の側から描いた歴史長編
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 著者 | 山本周五郎 |
| ジャンル | 歴史時代小説 |
| 主人公 | 原田甲斐(仙台藩の宿老) |
| 題材 | 伊達騒動(新潮社の惹句では「日本三大騒動の一つ」) |
| 新潮文庫 上 | 480ページ・825円(税込)・整理番号 や-3-1・ISBN 978-4-10-113464-2 |
| 新潮文庫 中 | 448ページ・825円(税込)・整理番号 や-3-2・ISBN 978-4-10-113465-9 |
| 新潮文庫 下 | 512ページ・880円(税込)・整理番号 や-3-3・ISBN 978-4-10-113466-6 |
| 文庫の刊行日 | 2003年2月19日(上中下とも同日) |
| 装幀 | 澁澤卿/カバー装画、新潮社装幀室/デザイン(上中下とも同じ) |
| 付属 | 詳細な注解・家系図・地図(新潮社の案内) |
| 単行本 | 講談社・1969年・520ページ |
| 合本版 | 新潮社『樅ノ木は残った(上中下)合本版』が電子書籍で刊行 |
| 映像化 | ドラマスペシャル『樅ノ木は残った』2010年2月放映 |
| 受賞 | 版元公式に記載なし |
『樅ノ木は残った』は、山本周五郎が仙台藩の宿老・原田甲斐を主人公に書いた歴史時代小説です。
新潮社は本作を「雄大な構想と斬新な歴史観の下に、原田甲斐の肖像を刻んだ歴史長編」と紹介しています。
新潮文庫では上中下の全3巻に分かれており、上巻480ページ・中巻448ページ・下巻512ページ、
合計で1,440ページの長編です。3巻とも2003年2月19日の刊行で、
カバー装画は澁澤卿、デザインは新潮社装幀室が担当しています。
新潮社はこの文庫版について「詳細な注解、家系図、臨場感溢れる地図が付いた! 今こそ読みたい、新・山本周五郎。」と案内しています。
登場人物の家系が入り組んだ話なので、家系図と地図が付いているのは実務的にありがたい仕様です。
単行本は講談社から1969年に520ページで刊行されています。
また、新潮社からは上中下をまとめた電子書籍の合本版も出ています。
樅ノ木は残ったのあらすじ|藩主の逼塞から評定の場での最後の賭けまで

版元が公表しているあらすじの範囲で、物語の流れを整理します。
仙台藩主・伊達綱宗の逼塞
物語は、仙台藩主・伊達綱宗が幕府から逼塞を命じられたところから始まります。
新潮社の紹介によれば、放蕩に身を持ち崩したからだという理由でした。
「上意討」の名の下に斬殺される藩士四名
明くる夜、藩士四名が「上意討」の名の下に次々と斬殺されます。
藩政は疑心暗鬼に陥り、混乱を来すことになります。
権勢を増す伊達兵部と酒井雅楽頭
その混乱に乗じて権勢を増したのが、
仙台藩主一族・伊達兵部と幕府老中・酒井雅楽頭の二人でした。
その謀略を見抜いた宿老の原田甲斐は、ただひとり、藩を守る決意をします——
これが新潮社による上巻の紹介です。
明らかになる密約と、忍従を装う日々
中巻では、酒井雅楽頭と伊達兵部とで交された密約が明らかになります。
その中身は仙台藩六十二万石を寸断するというものでした。
新潮社は、嫡子を藩主の座に据えることに血眼になる兵部も、
藩の取潰しを目論む幕府にとってはその駒に過ぎないと書いています。
罠に気付いた原田甲斐はあえて兵部に取り入り、内部から非謀を破却します。
そして風前の灯となった伊達家の安泰のため、ひたすら忍従を装う——これが中巻の主題です。
堪え忍んだ果ての、評定の場
下巻で描かれるのは切腹、闇討ち、毒殺です。
新潮社は「親しき友が血を流す様を『主家大切』一義のため原田甲斐はひたすら堪え忍ぶ」と紹介しています。
藩内の権力をほしいままにする伊達兵部は他の一門と激しく対立し、ついに上訴へと発展します。
そして評定の場で最後の賭けに出る甲斐。すべては仙台藩安堵のために——。
この賭けがどうなるかは、ぜひ本編でお確かめください。
樅ノ木は残ったの3つの読みどころ

1. 「暗躍した男」を、その内側から描いていること
新潮社が中巻の惹句に掲げているのは「日本三大騒動の一つ、伊達騒動で暗躍した原田甲斐の真実」という一文です。
つまり本作は、外から見れば「暗躍」にしか見えない振る舞いを、
当人の側から描き直すという構えを取っています。
| 外から見た原田甲斐 | 本作が描く原田甲斐 |
|---|---|
| 兵部に取り入った人物 | 罠に気付いたうえで、あえて取り入った |
| 友の死を黙って見ていた | 「主家大切」一義のため堪え忍んでいた |
| 評定の場で騒ぎを起こした男 | 仙台藩安堵のための最後の賭け |
新潮社が「斬新な歴史観」という言葉を使っているのは、この描き直しの部分です。
2. 「己を偽る」ことが物語の中心にあること
新潮社は下巻を「人間いかに生きるべきか――。己を偽り仙台藩のため鬼と化した男・原田甲斐の姿に涙!」という一文から始めています。
主人公は、敵に取り入り、味方に誤解され、親しい友が血を流す様を黙って見るという立場に置かれ続けます。
その忍従がどこまで続くのかが、中巻から下巻にかけての読みどころです。
派手な立ち回りで解決する話ではありません。
むしろ動かないこと・言わないことが最大の行動になるという、静かな緊張が持続します。
3. 「誰が敵で、誰が味方か」が最後まで揺れること
中巻の惹句は「誰が敵で、誰が味方だ?」という問いから始まります。
- 仙台藩主一族の伊達兵部は、藩の内側にいながら藩を割ろうとする
- 幕府老中の酒井雅楽頭は、その兵部と密約を交わす
- しかし幕府にとって兵部は駒に過ぎない
このように利害が三層に重なっているため、
「藩内 対 幕府」という単純な図式では読めません。
新潮文庫版に家系図と注解が付いているのは、この構造を追うための実用的な助けになります。
樅ノ木は残ったの上中下3巻それぞれが扱う範囲

本作は上中下の全3巻で完結します。読む順番は上→中→下です。
新潮社の3巻それぞれの内容紹介は、「陰謀の発端」「忍従を装う日々」「評定での最後の賭け」という
きれいな三段構成になっています。どの巻が何を扱うかを整理すると次のとおりです。
| 順番 | 巻 | ページ数 | 定価 | 整理番号 | ISBN | この巻が扱う範囲 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 上 | 480ページ | 825円(税込) | や-3-1 | 978-4-10-113464-2 | 陰謀の発端。伊達綱宗の逼塞、藩士四名の「上意討」、伊達兵部と酒井雅楽頭の台頭、原田甲斐が藩を守る決意をするまで |
| 2 | 中 | 448ページ | 825円(税込) | や-3-2 | 978-4-10-113465-9 | 忍従を装う日々。仙台藩六十二万石を寸断する密約の露見、甲斐があえて兵部に取り入り内部から非謀を破却するまで |
| 3 | 下 | 512ページ | 880円(税込) | や-3-3 | 978-4-10-113466-6 | 評定での最後の賭け。切腹・闇討ち・毒殺に堪え忍ぶ日々、兵部と一門の対立が上訴へ発展し、評定の場に至るまで |
巻ごとに主人公の立ち位置が変わるのがこの3巻構成の特徴です。
上巻の甲斐は謀略を見抜いて決意する側、中巻の甲斐は敵陣に入り込んで忍ぶ側、
下巻の甲斐は堪え忍んだ果てに動く側になります。
3巻とも2003年2月19日刊行で、合計1,440ページ。
まとめて読みたい場合は、新潮社の電子書籍の合本版(上中下)という選択肢もあります。
著者の山本周五郎(1903-1967)は山梨県生まれ。新潮社の著者紹介によれば、
『日本婦道記』が1943年上期の直木賞に推されたものの、受賞を固辞しています。
以後は本作を含め、「柳橋物語」「寝ぼけ署長」「栄花物語」「赤ひげ診療譚」「五瓣の椿」「青べか物語」「虚空遍歴」「季節のない街」「さぶ」「ながい坂」と、
死の直前まで途切れなく傑作を発表し続けたと紹介されています。
どれから読むかは山本周五郎のおすすめ小説ランキングにまとめています。
樅ノ木は残ったの映像化
2010年2月にドラマスペシャル『樅ノ木は残った』が放映されました。
これは新潮社の書誌ページの「テレビ化」欄に記載があります。
放送局・監督・出演者については新潮社の公式ページに記載が無いため、本記事では触れません。
ドラマ版と原作の異同も公表されていません。
樅ノ木は残ったの読了時間と難易度
- 読了時間目安: 約14〜18時間(新潮文庫 上中下・計1,440ページ)
- 難易度: ★★★★☆(登場人物が多く、藩内の関係を追う必要がある)
- おすすめタイプ: 歴史時代小説の定番を読みたい人/組織のなかで耐える人間の物語が好きな人/山本周五郎の長編を読んでみたい人
上中下で1,440ページの長編なので、まとまった読書時間を確保できるときに向いています。
読みにくさの原因になりやすいのは登場人物の数と、藩内の血縁関係です。
ただし新潮文庫版には詳細な注解・家系図・地図が付いているので、
迷ったら家系図に戻る、という読み方ができます。
一方で、物語の骨格そのものは「上=発端/中=忍従/下=評定」の三段とはっきりしています。
中巻の忍従が最も長く感じられる構成なので、
中巻で止まらずに下巻まで通す前提で読み始めるのがおすすめです。
樅ノ木は残ったに関するよくある質問
Q. 樅ノ木は残ったの主人公は誰?
A. 原田甲斐です。仙台藩の宿老として登場します。
新潮社は上巻の紹介で「その謀略を見抜いた宿老の原田甲斐はただひとり、藩を守る決意をする」と書いています。
Q. 樅ノ木は残ったは何巻ある?
A. 新潮文庫では上中下の全3巻です。上巻480ページ、中巻448ページ、下巻512ページで、合計1,440ページです。
3巻とも2003年2月19日の刊行で、電子書籍では上中下をまとめた合本版も出ています。
Q. 樅ノ木は残ったは何を題材にした小説?
A. 伊達騒動です。新潮社は中巻の惹句で「日本三大騒動の一つ、伊達騒動で暗躍した原田甲斐の真実」と紹介しています。
仙台藩主・伊達綱宗の逼塞から、仙台藩六十二万石を寸断しようとする密約、そして評定の場までが描かれます。
Q. 樅ノ木は残ったはドラマ化されている?
A. 2010年2月にドラマスペシャル『樅ノ木は残った』が放映されています。
新潮社の書誌ページの「テレビ化」欄に記載があります。放送局・監督・出演者は同ページに記載が無いため、本記事では触れていません。
まとめ|樅ノ木は残ったは己を偽って藩を守ろうとした男の物語
『樅ノ木は残った』は、山本周五郎が仙台藩の宿老・原田甲斐を描いた歴史時代小説です。
仙台藩主・伊達綱宗の逼塞に始まり、「上意討」の名の下に斬殺される藩士四名、
その混乱に乗じて権勢を増す伊達兵部と酒井雅楽頭——
その謀略を見抜いた原田甲斐は、ただひとり藩を守る決意をします。
中巻では仙台藩六十二万石を寸断する密約が明らかになり、
甲斐はあえて兵部に取り入り、内部から非謀を破却し、ひたすら忍従を装います。
下巻では切腹・闇討ち・毒殺に堪え忍んだ果てに、評定の場で最後の賭けに出ます。
新潮社は本作を「雄大な構想と斬新な歴史観の下に、原田甲斐の肖像を刻んだ歴史長編」と案内しています。
新潮文庫の上中下(480/448/512ページ・計1,440ページ)で読め、
詳細な注解・家系図・地図が付いています。ドラマスペシャルは2010年2月放映です。
- 日本三大騒動の一つ・伊達騒動を原田甲斐の側から描いた歴史長編
- 新潮文庫の上中下で完結(計1,440ページ)
- 単巻・電子書籍版・合本版が選べる
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樅ノ木は残った・関連作品の読書ガイド
出典・参考情報
- 新潮社 書誌ページ『樅ノ木は残った(上)』(内容紹介・480ページ・825円税込・ISBN 978-4-10-113464-2・整理番号 や-3-1・2003年2月19日発行・装幀 澁澤卿/カバー装画、新潮社装幀室/デザイン)
- 新潮社 書誌ページ『樅ノ木は残った(中)』(内容紹介・448ページ・825円税込・ISBN 978-4-10-113465-9・整理番号 や-3-2・2003年2月19日発行)
- 新潮社 書誌ページ『樅ノ木は残った(下)』(内容紹介・512ページ・880円税込・ISBN 978-4-10-113466-6・整理番号 や-3-3・2003年2月19日発行・テレビ化 2010年2月ドラマスペシャル)
- 新潮社 著者ページ『山本周五郎』(1903-1967・著者プロフィール・代表作一覧)
- 新潮社 電子書籍『樅ノ木は残った(上中下)合本版』(新潮文庫)
- 国立国会図書館サーチ 書誌データ(単行本 講談社 1969年 520ページ・新潮文庫 上中下・書名・出版社・刊行年月)
- openBD 書誌データ(ISBN 9784101134642/9784101134659/9784101134666・書名・著者・出版社・レーベル・刊行年月)
- 最終確認: 2026年8月26日




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