『望み』は、雫井脩介が書いたミステリーで、失踪した息子が殺人事件の被害者なのか加害者なのかで、父と母の願いが正面から割れる長編です。KADOKAWAから2016年9月5日に344ページで刊行され、角川文庫版は2019年4月です。2020年10月9日には堤幸彦監督・堤真一主演で映画が公開されました。この記事では、あらすじ・読みどころまで紹介します。
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- 父と母で「息子に望むこと」が正反対になる長編
- KADOKAWA2016年9月・344ページ。角川文庫は2019年4月・397ページ
- 2020年10月に堤幸彦監督・堤真一主演で映画化
望みとは|家族の願いが正面から割れる長編
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 著者 | 雫井脩介 |
| 単行本 | KADOKAWA・2016年9月5日・344ページ(ISBN 978-4-04-103988-5) |
| 文庫 | 角川文庫・2019年4月24日・397ページ(ISBN 978-4-04-108209-6) |
| 映画 | 2020年10月9日公開・堤幸彦監督・堤真一/石田ゆり子主演 |
| 舞台 | 埼玉県。建築家の一家 |
出典:国立国会図書館サーチ、Wikipedia『望み (雫井脩介の小説)』(2026年9月2日時点)
『検察側の罪人』が検事2人の正義を割ったのに対し、本作が割るのは父と母です。同じ家のなかで願いが正反対になります。
望みのあらすじ|息子が帰ってこないまま、事件が報じられる

建築家の一家
主人公は、埼玉県で一級建築士として働く石川一登です。
妻の貴代美は校正者、高校生の息子・規士と中学生の娘・雅との4人暮らし。設計した自宅で、平穏に見える生活を送っています。
息子が帰らない
息子の規士は、怪我でサッカー部を辞めてから遊び仲間が増え、無断外泊が目立つようになっていました。
ある日、彼は家を出たまま連絡が取れなくなります。
同級生が殺害される
やがて、規士の同級生が殺害されたというニュースが流れます。
行方が分からない少年が複数いること、そして警察の見方から、規士が事件に関与している可能性が浮上します。
願いが割れる
ここで父と母の立場が分かれます。
父は息子の無実を信じようとし、母は息子が加害者である可能性を恐れる。
そして、どちらの願いも残酷です。息子が無実であるということは、被害者側にいるということでもあります。息子の無事と無実を同時には願えない——この構造が作品の中心です。
望みの3つの読みどころ

1. 願うこと自体が残酷になる構造
「息子が犯人でないでほしい」と願うことは、「息子が殺されていてほしい」に近づきます。願いの選択肢がどちらも苦しいという一点で、この小説は成立しています。
2. 家族の外側の描写
報道、近隣の視線、娘の学校生活。事件の当事者でない家族が何を受けるかが丁寧に描かれます。
3. 父と母のどちらも責められないこと
信じる父も、恐れる母も、それぞれの理屈があります。検察側の罪人と同じく、どちらかが間違っているとは書かれません。
望みの版と入手方法

| 版 | 出版社 | 刊行 | ページ数 |
|---|---|---|---|
| 単行本 | KADOKAWA | 2016年9月5日 | 344ページ |
| 文庫 | 角川文庫 | 2019年4月24日 | 397ページ |
映画から入る場合も、いま入手しやすいのは角川文庫版です。
望みの読了時間と難易度
単行本344ページ、文庫397ページ。一般的な読書速度で6〜7時間が目安です。
難しい語彙はありませんが、読んでいて楽な話ではありません。息子の生死が分からない状態が長く続くため、緊張を保ったまま読み進めることになります。
望みに関するよくある質問
望みはどんな話ですか
失踪した高校生の息子が殺人事件の被害者なのか加害者なのか分からないまま、父と母の願いが正反対に割れる家族小説です。
何ページありますか
KADOKAWAの単行本が344ページ、角川文庫版が397ページです。
映画化されていますか
2020年10月9日に公開されました。監督は堤幸彦、主演は堤真一と石田ゆり子です。
ミステリーとして読めますか
犯人当ての要素はありますが、中心は家族の心理です。謎解きを主目的にすると期待が外れる可能性があります。
雫井脩介の他の作品は何がありますか
『犯人に告ぐ』『検察側の罪人』などがあります。作品一覧は雫井脩介の新刊・新作ガイドにまとめています。
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まとめ|息子の無事と無実を、同時には願えない
- 『望み』は、失踪した息子が被害者か加害者かで父と母の願いが割れる長編
- 「無実であってほしい」と願うことが「殺されていてほしい」に近づくという、願い自体が残酷になる構造
- 事件の当事者でない家族が受けるもの(報道・近隣の視線・娘の学校生活)も丁寧に描かれる
- KADOKAWA単行本344ページ/角川文庫397ページ
- 2020年10月に堤幸彦監督・堤真一/石田ゆり子主演で映画化
犯人当てを期待して読む小説ではありません。
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