『Ank: a mirroring ape』は、佐藤究が書いたミステリーで、京都で起きた原因不明の大暴動と、チンパンジー研究施設をつなぐ長編サスペンスです。第20回大藪春彦賞と第39回吉川英治文学新人賞をダブル受賞しました。講談社から2017年8月に475ページで刊行され、講談社文庫版は653ページです。直木賞と山本周五郎賞をダブル受賞した『テスカトリポカ』の前に書かれた作品にあたります。この記事では、あらすじ・読みどころまで紹介します。
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- 第20回大藪春彦賞・第39回吉川英治文学新人賞のダブル受賞
- 講談社2017年8月・475ページ。講談社文庫は653ページ
- 『テスカトリポカ』の前に書かれた長編
Ank: a mirroring apeとは|2つの賞をダブル受賞した長編
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 著者 | 佐藤究 |
| 単行本 | 講談社・2017年8月・475ページ(ISBN 978-4-06-220713-3) |
| 文庫 | 講談社文庫・2019年9月・653ページ(ISBN 978-4-06-517124-0) |
| 受賞 | 第20回大藪春彦賞/第39回吉川英治文学新人賞(いずれも2018年) |
| 著者の他の受賞 | 『QJKJQ』江戸川乱歩賞/『テスカトリポカ』直木賞・山本周五郎賞/『幽玄F』柴田錬三郎賞 |
出典:国立国会図書館サーチ、Wikipedia『佐藤究』(2026年9月2日時点)
佐藤究は受賞歴の密度が高い作家です。江戸川乱歩賞(2016年『QJKJQ』)、本作で大藪春彦賞と吉川英治文学新人賞(2018年)、直木賞と山本周五郎賞(2021年『テスカトリポカ』)、柴田錬三郎賞(2023年『幽玄F』)と続きます。
Ank: a mirroring apeのあらすじ|京都で暴動が起き、原因が分からない

説明のつかない暴動
物語は、京都市内で突発的に発生した大規模な暴動から始まります。
人々が理由もなく互いを攻撃し合い、都市機能が崩壊していきます。政治的な動機も、扇動者も見当たりません。
チンパンジー研究施設
同じ京都には、霊長類の研究施設があります。
そこで研究されている1頭のチンパンジーと、この暴動が結びつくのではないか——という筋で物語が進みます。
「鏡」というモチーフ
題名の a mirroring ape(鏡像する類人猿)が示すとおり、この小説の中心にあるのは模倣です。
人が人を真似ることで感情が伝播し、それが制御を失うとどうなるか。作品はそこに科学的な説明の枠組みを与えようとします。
ミステリーとしての謎解きと、霊長類学・神経科学の知見を組み合わせる構成が、この作品の骨格です。
Ank: a mirroring apeの3つの読みどころ

1. 都市が壊れる規模で書くこと
事件が個人の殺人ではなく都市全体の崩壊として起こります。被害の規模が最初から大きいので、読者は「なぜ」を知りたい動機で引っ張られます。
2. 科学の説明を物語に組み込むこと
霊長類研究の知識が説明として挿入されますが、それが謎解きの手続きそのものになっています。知識のパートが退屈にならない設計です。
3. 『テスカトリポカ』の前身として読めること
暴力の規模、異文化の知識、章ごとの構成——のちに直木賞を取る『テスカトリポカ』に通じる要素が、すでにこの作品にあります。作家の系譜を追う楽しみがある1冊です。
Ank: a mirroring apeの版と入手方法

| 版 | 出版社 | 刊行 | ページ数 |
|---|---|---|---|
| 単行本 | 講談社 | 2017年8月 | 475ページ |
| 文庫 | 講談社文庫 | 2019年9月 | 653ページ |
いま入手しやすいのは講談社文庫版です。文庫のほうが178ページ多いのは判型が小さいためで、本文の分量は同じです。
Ank: a mirroring apeの読了時間と難易度
単行本475ページ、文庫653ページ。一般的な読書速度で8〜10時間が目安です。
専門用語が出てきますが作中で説明されるため、理系の予備知識は要りません。ただし暴力描写の規模が大きいので、そこが苦手な場合は向きません。
Ank: a mirroring apeに関するよくある質問
Ank: a mirroring apeはどんな賞を受賞しましたか
第20回大藪春彦賞と第39回吉川英治文学新人賞を、いずれも2018年に受賞しています。
何ページありますか
講談社の単行本が475ページ、講談社文庫版が653ページです。
題名はどういう意味ですか
a mirroring ape は「鏡像する類人猿」の意味で、作品の中心にある模倣というモチーフを指しています。
『テスカトリポカ』とどちらを先に読むべきですか
独立した作品なのでどちらからでも読めます。刊行順では本作(2017年)が先、『テスカトリポカ』(2021年)が後です。
佐藤究の他の作品は何がありますか
江戸川乱歩賞の『QJKJQ』、直木賞・山本周五郎賞の『テスカトリポカ』、柴田錬三郎賞の『幽玄F』などがあります。作品一覧は佐藤究のおすすめ・作品ガイドにまとめています。
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まとめ|京都が壊れる規模から始まる、模倣の物語
- 『Ank: a mirroring ape』は、京都で起きた原因不明の大暴動とチンパンジー研究施設をつなぐ長編サスペンス
- 第20回大藪春彦賞と第39回吉川英治文学新人賞のダブル受賞
- 題名が示すとおり中心にあるのは模倣。感情の伝播が制御を失うとどうなるかを科学の枠組みで扱う
- 講談社単行本475ページ/講談社文庫653ページ
- のちの『テスカトリポカ』に通じる要素がすでにある
暴力描写の規模は大きいので、そこが苦手な方には向きません。
長編や積んだままの本ほど、聴くと最後までたどり着けます。
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