『ラブカは静かに弓を持つ』は、安壇美緒が書いた青春小説の長編で、著作権侵害の証拠を集めるため、身分を偽って音楽教室に潜入した男が、音楽と人に触れるうちに自分の過去をほどかれていく作品です。2022年5月に集英社から刊行され、第25回大藪春彦賞を受賞、本屋大賞2023年(第20回)で第2位に入りました。この記事では、あらすじ・潜入という設定が効く理由・タイトルの意味まで紹介します。
※本ページはアフィリエイトリンクを含みます。
- 第25回大藪春彦賞 受賞作
- 2023年本屋大賞 第2位
- 集英社文庫版は344ページ(2025年5月20日)
ラブカは静かに弓を持つとは|大藪春彦賞を受けた潜入の物語
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 著者 | 安壇美緒 |
| 単行本 | 集英社・2022年5月(ISBN 978-4-08-771784-6) |
| 文庫 | 集英社文庫・2025年5月20日・344ページ・902円(ISBN 978-4-08-744768-2) |
| 受賞 | 第25回大藪春彦賞(2023年1月) |
| 評価 | 第20回本屋大賞 第2位(2023年)/第44回吉川英治文学新人賞 候補 |
出典:集英社『ラブカは静かに弓を持つ』(集英社文庫)、本屋大賞公式 第20回、文学賞の世界(安壇美緒)(2026年9月14日時点)
著者のデビュー作は『天龍院亜希子の日記』で、第30回小説すばる新人賞を受賞しています。本作は3作目にあたります。
ラブカは静かに弓を持つのあらすじ|身分を偽って教室に通う

潜入という仕事
主人公の橘は、音楽著作権関連の団体に勤めています。
上司から命じられたのは、音楽教室でのレッスンが著作権侵害にあたる証拠を集めることでした。
生徒として通う
橘は身分を隠し、一般のチェロ生徒として教室に通いはじめます。
教えるのは講師の浅葉です。
橘は録音し、記録を取り、報告を上げ続けます。
裁判の日が近づく
レッスンを重ねるうち、橘は教室の人たちと関係を持ちはじめます。
自分が壊すために来た場所で、自分がほどけていくという状態が進みます。
そして、裁判の期日が近づいてきます。
ラブカは静かに弓を持つの3つの読みどころ

1. 潜入者が「加害者であり被害者」になる
橘は組織の命令で動いています。
同時に、彼自身が子ども時代に負ったものを抱えたままそこにいます。
嘘をついている側なのに、読者は彼を責めきれません。責められない加害者という位置に人物を置いたことが、この小説の中心です。
2. 音楽が上達物語として書かれない
チェロを習う話ですが、うまくなることが目的にはなりません。
橘にとってレッスンは任務であり、上達は副産物です。
だからこそ、弾けるようになってしまったこと自体が彼を追い詰めます。
3. タイトルが最後に回収される
「ラブカ」は深海に棲むサメの名前です。
深いところから動かない生き物が、なぜ弓を持つのか。
その意味は作中で説明されます。読み終えてからタイトルを見ると、別の言葉に見えます。
ラブカは静かに弓を持つの版と入手方法

| 版 | 出版社 | 刊行 |
|---|---|---|
| 単行本 | 集英社 | 2022年5月 |
| 文庫 | 集英社文庫 | 2025年5月20日・344ページ・902円 |
新刊書店で手に入りやすいのは集英社文庫版です。
ラブカは静かに弓を持つの読了時間と難易度
文庫344ページで、一般的な読書速度で5〜6時間が目安です。
音楽の知識も、著作権法の知識も不要です。制度の話は橘の業務として自然に説明されます。ただし主人公の過去に関わる描写には、読み手を選ぶ重さがあります。筋の展開は穏やかで、心理の変化を追う読み方が向いています。
ラブカは静かに弓を持つに関するよくある質問
ラブカは静かに弓を持つはどんな賞を受賞しましたか
第25回大藪春彦賞(2023年1月)を受賞しています。本屋大賞は2023年(第20回)で第2位、第44回吉川英治文学新人賞は候補どまりです。三島由紀夫賞の受賞作ではありません。
音楽の知識がなくても読めますか
読めます。チェロの奏法や楽曲は作中で説明され、演奏経験は前提になっていません。
実際の裁判がもとになっていますか
音楽教室でのレッスンにおける著作権をめぐる争いは現実にありましたが、本作は小説であり、登場する団体・人物・裁判は創作です。
映像化されていますか
2026年9月時点で、映像化は確認できていません。
安壇美緒の他の作品はどれを読むべきですか
デビュー作『天龍院亜希子の日記』が第30回小説すばる新人賞受賞作です。本作から入って、さかのぼる読み方でも問題ありません。
まとめ|壊しに行った場所で、ほどかれてしまう
- 『ラブカは静かに弓を持つ』は、著作権侵害の証拠集めのため身分を偽って音楽教室に潜入した男の長編
- 第25回大藪春彦賞受賞、2023年本屋大賞第2位
- 潜入者を責めきれない加害者として置いたことが中心にある
- 現行版は集英社文庫(2025年5月・344ページ)
嘘をつき続けることでしか、その場所にいられなかった人の話です。
長編や積んだままの本ほど、聴くと最後までたどり着けます。
- 30日間の無料体験。期間内に解約すれば料金はかかりません
- 数十万タイトルが聴き放題(無料体験後は月額1,500円)
- 通勤・家事・散歩の時間が、そのまま読書の時間になります
※対象タイトル・料金・キャンペーン内容は変更される場合があります。作品によっては対象外です。最新の条件は公式ページでご確認ください。




コメント