『恋愛犯』は、『流浪の月』『汝、星のごとく』で本屋大賞を二度受けた凪良ゆうの作品で、2026年9月29日に徳間書店のキャラ文庫から出ます。新作ではありません。2008年5月に白泉社の花丸文庫BLACKから出た『恋愛犯―Love holic』の新装版です。長く入手困難だった初期作が、版元を変えて18年ぶりに戻ってきます。この記事では、あらすじと旧版との違いを一次資料で整理します。
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※本記事は発売前に公表された情報にもとづいています。
※本作はBL(ボーイズラブ)レーベルの作品です。
- 2026年9月29日・徳間書店 キャラ文庫・242ページ・935円(税込)
- 2008年『恋愛犯―Love holic』(白泉社)の新装版
- イラストは笠井あゆみ(旧版はサクラサクヤ)
恋愛犯とは|本屋大賞作家の「入手できなかった一冊」
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 著者 | 凪良ゆう |
| イラスト | 笠井あゆみ |
| レーベル | 徳間書店 キャラ文庫 |
| 発売日 | 2026年9月29日 |
| 判型・頁 | 文庫判(148×105mm)・242ページ |
| 価格 | 935円(税込・本体850円) |
| ISBN | 978-4-19-901206-8 |
| 原本 | 『恋愛犯―Love holic』白泉社 花丸文庫BLACK・2008年5月 |
出典:版元ドットコム(徳間書店登録データ)、国立国会図書館サーチ(ISBN 978-4-592-85022-9・2008年5月・白泉社)、2026年9月28日時点
🔴 「文庫化」ではなく、版元をまたいだ復刊
新刊情報でこの本が「文庫化」と流れることがありますが、正確ではありません。
国立国会図書館サーチには、『恋愛犯 : love holic』凪良ゆう・白泉社・2008年5月(ISBN 978-4-592-85022-9)が記録されています。元から文庫で、レーベルは花丸文庫BLACKでした。今回はそれが徳間書店のキャラ文庫に移って新装版になるという形です。
出典:国立国会図書館サーチ(2026年9月28日時点)
背景にある「凪良ゆう作品集」
徳間書店は2024年12月、「小説家・凪良ゆうさんのBL作品のうち、入手困難となっている20作超をキャラ文庫『凪良ゆう作品集』としてシリーズ化、新装版として2025年より順次発売」すると発表しました。第1弾は『未完成』(2025年1月28日発売)です。
出典:徳間書店プレスリリース(PR TIMES・2024年12月)(2026年9月28日時点)
第1弾『未完成』では、単行本未収録の番外編2本が新たに収録されました。同じ枠組みで復刊が続いています。
恋愛犯のあらすじ|バイオリンと、勢田だけ

なんの価値もない高校生活
主人公は日永。なんの価値もない高校生活のなかで、夢中になったのはバイオリンと勢田だけでした。
名前も知らなかったクラスメイトに、褒められる
名前も知らなかったクラスメイトの勢田にバイオリンを褒められ、日永は急速に恋に落ちます。
灯りを見つめるだけで幸せだった
毎晩、勢田の家の近くから部屋の灯りを見つめるだけで幸せだった——その距離のまま、日々が過ぎます。
噂が立ち、暴力事件を起こす
やがて日永は学校でストーカーだと噂され、いじめが勢田にまで及びそうになり、暴力事件を起こしてしまいます。
四年後、勢田が現れる
四年後。生まれた街を離れ孤独に暮らす日永の前に、ふたたび勢田が現れます。
理由を聞く前に、記憶を失う
その理由を聞く前に、勢田は階段から転落し、記憶を失ってしまいます。
「居合わせただけの他人」だと嘘をつく
自分の名前も思い出せず行くあてのない勢田に、日永は居合わせただけの他人だと嘘をつき、過去の経緯を隠して一緒に暮らすことを提案します。
出典:版元ドットコム(徳間書店登録データ)の内容紹介(2026年9月28日時点)
版元は本作を「罪深いとわかりながらも、どうしても手放せない——究極の激重執着愛」と紹介しています。
恋愛犯の3つの読みどころ

1. 題名が「罪」を先に宣言している
『恋愛犯』という題は、物語の結論を先に置いています。
主人公がやっているのは、記憶を失った相手に嘘をつき、その状態のまま同居を続けることです。読者はそれを最初から罪だと知らされた上で読み進めることになります。免罪の余地を作らずに書く——題名がその構えを決めています。
2. 「見つめるだけで幸せ」から始まる距離の設計
日永の恋は、灯りを見つめるだけの段階から始まります。話しかけもせず、近づきもしない。
この始まり方があるからこそ、後半の「一緒に暮らす」が異常な近さとして効きます。距離ゼロが目的ではなく、そこへ至るまでに何を踏み越えたかが本作の中身です。四年の空白と、記憶の喪失という装置は、その落差を最大にするために置かれています。
3. 本屋大賞作家の原型が読める
凪良ゆうはBL作品の書き手として長く書いてきたのち、『流浪の月』で2020年、『汝、星のごとく』で2023年の本屋大賞を受けました。
一般文芸で読者が知っている主題——社会が「そう見る」ことと、当人たちの実感がずれる関係は、本作にすでに出ています。学校で「ストーカー」と呼ばれた側から書くという視点の取り方は、『流浪の月』で報道と世間が貼ったラベルを内側から剥がした書き方とつながります。2008年の作品でそれをやっているのが、本作を読む意味です。
恋愛犯の新装版と旧版の違い

買い間違いを防ぐための整理です。
| 旧版 | 新装版(本作) | |
|---|---|---|
| 書名 | 恋愛犯―Love holic | 恋愛犯 |
| 版元・レーベル | 白泉社 花丸文庫BLACK | 徳間書店 キャラ文庫 |
| 刊行 | 2008年5月 | 2026年9月29日 |
| イラスト | サクラサクヤ | 笠井あゆみ |
| 頁 | — | 242ページ |
| 価格 | — | 935円(税込) |
| ISBN | 978-4-592-85022-9 | 978-4-19-901206-8 |
出典:国立国会図書館サーチ、版元ドットコム(徳間書店登録データ)(2026年9月28日時点)
副題「Love holic」は新装版で外れています。古いレビューや古書で『恋愛犯―Love holic』『恋愛犯~LOVE HOLIC~』という表記を見たら、同じ作品です。
⚠️ 新装版に加筆や書き下ろしが入るかは、2026年9月28日時点で公表されていません。シリーズ第1弾『未完成』には番外編2本の新規収録がありましたが、本作について同様の告知は確認できません。旧版を持っている人は、収録内容の告知が出てから判断するのが確実です。
恋愛犯の読了時間と、こんな人におすすめ
242ページで、3〜4時間が目安です。凪良ゆうの文章は平易で、一人称の内側を延々と追うタイプです。分量に対して読みやすさは高めです。
おすすめタイプは、一般文芸の凪良ゆうから入って初期作をさかのぼりたい人/執着と罪の意識を描く恋愛小説が読める人/長く入手できなかった本を追っている人です。
注意点として、本作はBLレーベルの作品です。性描写を含む可能性が高い前提で選んでください。また主人公の行動は、作中でも「罪」として提示されます。そこを肯定的に読ませる話ではありません。
恋愛犯に関するよくある質問
恋愛犯は新作ですか
新作ではありません。2008年5月に白泉社の花丸文庫BLACKから出た『恋愛犯―Love holic』の新装版です。版元が徳間書店(キャラ文庫)に変わっています。
旧版を持っています。買い直す必要はありますか
イラストは変わります(サクラサクヤ→笠井あゆみ)。加筆や書き下ろしの有無は2026年9月28日時点で公表されていません。収録内容の告知を確認してから判断してください。
『恋愛犯~LOVE HOLIC~』という本とは別ですか
同じ作品です。旧版には「Love holic」という副題が付いていました。新装版では外れています。
『流浪の月』の凪良ゆうと同じ人ですか
同じ人です。凪良ゆうはBL作品から出発し、『流浪の月』で2020年、『汝、星のごとく』で2023年の本屋大賞を受けています。
他にも復刊されますか
されます。徳間書店は入手困難な初期BL作品20作超を「凪良ゆう作品集」として新装版化すると発表しており、2025年1月の『未完成』から順次刊行されています。
まとめ|18年入手できなかった本が、版元を変えて戻る
- 『恋愛犯』は2026年9月29日・徳間書店 キャラ文庫・242ページ・935円(税込)
- 2008年5月刊『恋愛犯―Love holic』(白泉社 花丸文庫BLACK)の新装版
- イラストはサクラサクヤ→笠井あゆみに交代
- 「凪良ゆう作品集」=入手困難な初期BL作品20作超の復刊の一冊
- 加筆の有無は未公表。旧版所持者は告知を待つのが確実
本屋大賞を二度受けた作家が、まだ誰にも知られていなかった頃に書いた執着の話です。一般文芸から入った読者にとっては、主題の原型を確認する一冊になります。
長編や積んだままの本ほど、聴くと最後までたどり着けます。
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