『夢違』は、『蜜蜂と遠雷』で直木賞と本屋大賞を同時受賞した恩田陸の長編で、2026年10月23日に角川文庫から出ます。1,342円(税込)・文庫判512ページ。KADOKAWA公式のキャッチは「もうすぐ奴らが来てしまう――夢が現実を侵食する、幻視ホラーサスペンス!」です。
ただし、買う前に知っておくべきことが1つあります。角川文庫版の『夢違』は2014年2月に既に出ています。今回の本は同じ角川文庫で、ISBNだけが違う2冊目です。この記事では、2つのISBNの関係と全13章の構成を一次情報で整理します。
※本ページはアフィリエイトリンクを含みます。
※本記事は発売前に公表された情報にもとづいています。
- 2026年10月23日・角川文庫・1,342円(税込)・512ページ
- 学校で頻発する集団白昼夢を「夢判断」で追う全13章
- 角川文庫版は2014年2月刊にもある。購入前に手持ちの確認を
夢違とは|角川文庫に2つのISBNが併存する

| 項目 | 2026年版(本作) | 2014年版 |
|---|---|---|
| 版元・レーベル | 角川文庫 | 角川文庫 |
| 発売日 | 2026年10月23日 | 2014年2月 |
| ページ | 512ページ | — |
| 価格 | 1,342円(税込・本体1,220円) | — |
| ISBN | 978-4-04-117709-9 | 978-4-04-101223-9 |
| Cコード | C0193(一般・文庫・日本文学) | — |
| 判型 | 文庫判 右開き | 文庫判 |
出典:版元ドットコム(KADOKAWA登録データ・2026年版)、KADOKAWA公式商品ページ、openBD(2014年版 ISBN 9784041012239)(2026年10月5日時点)
2014年2月に角川文庫版が出ており、今回の2026年10月版は同じ角川文庫の別ISBNです。
この本の扱いについて、注意して書いておきます。
- KADOKAWA公式の商品ページには「新装版」の表記がありません(2026年10月5日時点で確認)
- 一方で書店の商品データでは「新装版」と付くものもあります
- 版元ドットコムにも「旧版ISBN」欄はありません
公式が「新装版」と明記していない以上、本記事では新装版と断定しません。確実に言えるのは、角川文庫に『夢違』のISBNが2つ存在し、2026年10月23日に新しいほうが出るという事実です。すでに角川文庫版をお持ちの方は、手元のISBNを確認してから判断してください。
夢違のあらすじ|学校で起きる集団白昼夢

版元の紹介
何かが教室に侵入してきた――学校で頻発する集団白昼夢。
「夢判断」を手がける浩章のもとに夢の解析依頼が入る。しかし浩章も亡くなったはずの女の影を見る。
悪夢が現実となるのを、止めることはできるか?
出典:版元ドットコム(KADOKAWA登録データ)の内容紹介(2026年10月5日時点)
KADOKAWA公式はこれに「もうすぐ奴らが来てしまう――夢が現実を侵食する、幻視ホラーサスペンス!」というキャッチを添えています(KADOKAWA公式)。
設定を分解するとこうなる
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 主人公 | 浩章。職業は「夢判断」を手がける人 |
| 起きていること | 学校で集団白昼夢が頻発する |
| 依頼 | その夢の解析依頼が浩章のもとに入る |
| 主人公側の異変 | 浩章自身も「亡くなったはずの女の影」を見る |
| 問い | 悪夢が現実になるのを止められるか |
「夢を分析する専門家が、自分も夢に侵食される」という二重構造です。調べる側が巻き込まれるという型で、版元が「ホラーサスペンス」と呼ぶのはこの構造によります。
版元の一行目が「何かが教室に侵入してきた」であることも押さえておく価値があります。舞台は学校で、侵入してくるものの正体は伏せられています。
夢違の3つの読みどころ

1. 全13章の章題が、ほぼすべて漢字2字で揃っている
版元の書誌情報には全13章の目次が載っています。
| 章 | 章題 |
|---|---|
| 一章 | 幽霊 |
| 二章 | 仕事 |
| 三章 | TV |
| 四章 | 侵入 |
| 五章 | 車窓 |
| 六章 | 地図 |
| 七章 | 少女 |
| 八章 | 事件 |
| 九章 | 過去 |
| 十章 | 霧中 |
| 十一章 | 吉野 |
| 十二章 | 現在 |
| 終章 | 夢違 |
出典:版元ドットコム(KADOKAWA登録データ)の目次(2026年10月5日時点)
13章のうち12章が漢字2字で、例外は三章の「TV」だけです。
この並びから読み取れることが2つあります。
1つ目は、十一章だけが固有名詞だということ。「吉野」は地名です。他の12章がすべて普通名詞なので、物語の終盤で具体的な土地が前に出てくる構成になっていると読めます。
2つ目は、九章「過去」と十二章「現在」が対になっていること。しかもその間に十章「霧中」と十一章「吉野」が挟まります。過去をたどってから現在に戻るという流れが、章題の並びに出ています。
そして終章が書名の「夢違」です。タイトルの意味は最後に明かされる構成です。
2. ★「夢違」という言葉そのものが本書の問いになっている
「夢違」は恩田陸の造語ではありません。辞書に載っている古い言葉です。
夢違(ゆめちがえ)=悪い夢を見た時、それが正夢となって災難が来ないように、まじないをすること。
出典:コトバンク「夢違(ゆめちがい)」(2026年10月5日時点)
悪夢を「違える」=そらすという発想です。この語義が、版元の紹介文とそのまま噛み合います。
| 言葉の意味 | 本書の問い |
|---|---|
| 悪い夢が正夢にならないようまじなう | 「悪夢が現実となるのを、止めることはできるか?」 |
書名が、そのまま作中の問いになっています。終章の章題が「夢違」であることも、この読み方を支えます。
この言葉には、有名な仏像も結び付いています。奈良・法隆寺の国宝「観音菩薩立像」には「夢違観音(ゆめちがいかんのん/ゆめたがいかんのん)」という愛称があり、この像に祈ると悪夢が吉夢に変わるという伝承で信仰を集めてきました。像高86.9cmの金銅像で、現在は法隆寺の大宝蔵院に収められています(コトバンク「夢違観音」)。
「悪い夢を、現実にならないよう振り替える」という発想が、昔から名前を持っていた——本書のタイトルは、その言葉を現代の集団白昼夢に当てたものになっています。
3. 恩田陸の受賞歴から見た本書の位置
版元の著者紹介にある受賞歴を並べると、本書がどのあたりの時期の作品かが見えます。
| 年 | 作品 | 受賞 |
|---|---|---|
| 1992 | 『六番目の小夜子』 | デビュー |
| 2005 | 『夜のピクニック』 | 第26回吉川英治文学新人賞・第2回本屋大賞 |
| 2006 | 『ユージニア』 | 第59回日本推理作家協会賞 |
| 2007 | 『中庭の出来事』 | 第20回山本周五郎賞 |
| 2017 | 『蜜蜂と遠雷』 | 第156回直木三十五賞・第14回本屋大賞 |
出典:版元ドットコム(KADOKAWA登録データ)の著者紹介(2026年10月5日時点)
本書そのものに受賞歴はありません。版元の著者紹介にも本書の受賞記載はなく、上記の受賞作に本書は含まれていません。
恩田陸は「学校」と「ホラー」を何度も書いてきた作家です。デビュー作の『六番目の小夜子』が学校の怪談を題材にした長編で、本書も学校で起きる集団白昼夢を扱います。30年以上にわたって同じ鉱脈を掘り続けている書き手という見方ができます。
当サイトでは恩田陸のおすすめ・新刊ガイドのほか、『チョコレートコスモス』、『中庭の出来事』、『エンド・ゲーム 常野物語』などのレビューを公開しています。
夢違に関するよくある質問
角川文庫版をすでに持っています。買い直す必要はありますか
まず手元の本のISBNを確認してください。角川文庫の『夢違』には978-4-04-101223-9(2014年2月)と978-4-04-117709-9(2026年10月23日)の2つがあります。KADOKAWA公式の商品ページに「新装版」の表記はなく、加筆や新規解説の告知も確認できません。本編が同じ作品である以上、読むためだけなら買い直す必要はないと考えられますが、違いの有無は版元に確認するのが確実です。
これは新装版ですか
KADOKAWA公式の商品ページでは「新装版」と書かれていません(2026年10月5日時点)。書店の商品データには「新装版」と付くものもありますが、公式が明記していない以上、本記事では断定しません。確実なのは角川文庫に2つのISBNが併存することです。
シリーズものですか
いいえ。単独の長編です。版元の書誌情報にシリーズ表記はなく、前提となる既刊はありません。
ホラーですか、ミステリーですか
KADOKAWA公式は「幻視ホラーサスペンス」と呼んでいます。夢の解析を仕事にする人物が依頼を受けて調べていくという進み方なので、調査の筋はミステリーの形をとります。怪異の正体を追うという点で両方の要素があります。
恩田陸は初めてです。これから読めますか
読めます。単独の長編で前提知識は要りません。ただし代表作から入りたいなら『蜜蜂と遠雷』(2017年・直木賞と本屋大賞を同時受賞)、学校ものが好きなら『夜のピクニック』(2005年・本屋大賞)が定番です。恩田陸のおすすめ・新刊ガイドで全体像を整理しています。
「夢違」は何と読みますか
「ゆめちがい」です。版元ドットコムの読み仮名は「ユメチガイ」で登録されています(版元ドットコム)。
発売日が10月25日と書かれている場所がありますが、どちらですか
書店に並ぶのは2026年10月23日です。版元ドットコムには「発売予定日 2026年10月23日」と「初版年月日 2026年10月25日」の2つが載っていますが、初版年月日は奥付に印刷される日付で、書店発売日ではありません。
512ページは読むのにどれくらいかかりますか
文庫版で512ページなので、通しで8〜10時間が目安です。全13章に分かれているので、区切って読み進められます。
まとめ|買う前にISBNを確認したい1冊
- 『夢違』は2026年10月23日・角川文庫・1,342円(税込)・512ページ
- ★角川文庫版は2014年2月(ISBN 978-4-04-101223-9)に既に出ており、今回は同じレーベルの別ISBN(978-4-04-117709-9)
- ★KADOKAWA公式の商品ページに「新装版」の表記は無い。書店データには付くものもあるが、公式が明記していないので断定しない
- 角川文庫版を持っている方は、手元のISBNを確認してから判断を
- あらすじは学校で頻発する集団白昼夢を、「夢判断」を手がける浩章が解析するもの。浩章自身も亡くなったはずの女の影を見る
- KADOKAWA公式のキャッチは「夢が現実を侵食する、幻視ホラーサスペンス!」
- ★全13章のうち12章が漢字2字(例外は三章「TV」)。固有名詞は十一章「吉野」だけで、九章「過去」と十二章「現在」が対
- 終章の章題が書名と同じ「夢違」。タイトルの意味は最後に回収される構成
- 本書そのものに受賞歴は無い
「夢違」は、悪い夢が現実にならないよう祈ることを指す言葉です。版元の「悪夢が現実となるのを、止めることはできるか?」という問いは、書名をそのまま言い換えたものになっています。



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