今村夏子(いまむら なつこ)の新刊・作品情報、デビュー作『こちらあみ子』から第161回芥川賞受賞作『むらさきのスカートの女』、芦田愛菜主演で映画化された『星の子』まで、代表作と読みどころをこの1ページで完結。基本は一冊ごとに世界が独立した「単発型」の寡作な作家ですが、入門におすすめの一冊、受賞歴、実写映画化された作品まで、現代日本文学を代表する芥川賞作家の全体像を網羅します。
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今村夏子とは|芥川賞『むらさきのスカートの女』で知られる現代文学の名手のプロフィール
今村夏子は「いまむら なつこ」と読みます。1980年2月20日生まれ、広島県広島市安佐南区の出身で、大阪市在住の作家です。2026年6月時点でも現役で活動しています。
2010年、「あたらしい娘」で第26回太宰治賞を受賞してデビュー。同作は『こちらあみ子』と改題され、新作中篇を併録して2011年に筑摩書房から単行本化されると、翌年に第24回三島由紀夫賞を受賞しました。その後しばらく執筆から離れた時期を経て、2016年の『あひる』で本格的に文壇へ復帰。同作で第5回河合隼雄物語賞を受け、2017年の『星の子』で第39回野間文芸新人賞を受賞します。そして2019年、『むらさきのスカートの女』で第161回芥川龍之介賞を受賞しました(3度目の候補での受賞)。
作風の特徴は、子どもや「ふつう」からはみ出した人物の視点を、淡々とした文体で描きながら、読み進めるほどに不穏でいびつな世界が立ち上がってくる独特の語りにあります。やさしい言葉づかいの奥に、人間の残酷さや孤独、信じることの危うさが潜む。多作ではなく、一冊ごとに練り上げられた作品を発表する寡作な作家として知られます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 読み方 | 今村夏子=いまむら なつこ |
| 生年・出身 | 1980年2月20日生まれ・広島県広島市出身(大阪市在住) |
| デビュー作 | 2011年『こちらあみ子』(筑摩書房/原型は2010年太宰治賞「あたらしい娘」) |
| 主な受賞歴 | 太宰治賞(2010)/三島由紀夫賞(2011・こちらあみ子)/河合隼雄物語賞(2017・あひる)/野間文芸新人賞(2017・星の子)/芥川賞(2019・むらさきのスカートの女) |
| 主な活動領域 | 純文学・短編小説 |
| 映像化 | 『星の子』(2020映画)/『こちらあみ子』(2022映画) |
ヨムマップ編集部の注目ポイント|今村夏子の新刊・作品を読むなら
今村夏子を語るうえで外せないのは、「やさしい文章なのに、読み終えるとぞっとする」というこの作家ならではの読み心地です。むずかしい言葉は一切使わず、子どもの作文のようにすら見える文体。それなのに、読者はいつの間にか登場人物の歪んだ世界の内側に立たされ、何が「ふつう」で何が「異常」なのかが分からなくなっていく。この感覚は、ほかの作家ではなかなか味わえません。
初めての一冊として安心して薦められるのは、芥川賞受賞作『むらさきのスカートの女』です。「むらさきのスカートの女」をひそかに観察し、なんとか友達になろうとする「わたし」の語り。読みやすく一気に読めるうえ、語り手と読者の認識がずれていく構造が、今村作品の魅力をもっとも分かりやすく体験させてくれます。芥川賞の入口としても定番の一冊です。
今村夏子の原点を知りたいなら、デビュー作『こちらあみ子』へ。周囲とうまくかみ合わない少女・あみ子の純真さが、本人に悪意がないぶん、まわりの世界に決定的な亀裂を生んでいく——三島由紀夫賞を受けた表題作は、やさしさと残酷さが同居するこの作家の本質が最初から完成されていたことを教えてくれます。2022年には実写映画化もされました。
そして、「信じること」をテーマに踏み込んだ『星の子』も外せません。新興宗教にのめり込んでいく両親と、その娘の視点を静かに描いた長編で、2020年に芦田愛菜主演で映画化されました。今村夏子は寡作ですが、その一冊一冊が深く記憶に残る。気になった作品から、構えずに飛び込んでください。
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【2026年】今村夏子の新刊・新作情報

単行本の最新作: とんこつQ&A(2022年7月21日)
今村夏子の単行本としての最新作は、短編集『とんこつQ&A』。講談社より2022年7月21日に刊行されました。町中華「とんこつ」で働きはじめた「わたし」を描いた表題作ほか、予想のつかない展開の全4編を収めた作品集で、人間の取り返しのつかない一瞬を、今村夏子らしい淡々とした語りですくい取ります。
- 出版社: 講談社
- 発売日: 2022年7月21日(単行本)
- ジャンル: 純文学(短編集)
なお、本作は2025年に講談社文庫として文庫化されています。
寡作な作家である点に注意
今村夏子は、一冊ごとに時間をかけて作品を練り上げる寡作な作家です。デビューから現在まで、刊行された単行本は数えるほどで、毎年のように新刊が出るタイプではありません。そのぶん一作の密度が高く、過去作を読み返す価値も大きい作家といえます。
今後の新刊について
2026年6月時点で、今村夏子の新たな単行本・長編の刊行予定として当編集部が確認できる一次情報はありません。寡作な作家のため次作の時期は読みにくいものの、これまでの受賞歴・話題性から、新作が出れば大きな注目を集めることは間違いありません。最新情報は朝日新聞出版・筑摩書房・講談社・文藝春秋・KADOKAWAなど各出版社の公式サイトでご確認ください。なお、既刊作品の文庫化は近年も続いており(2025年に『とんこつQ&A』が講談社文庫化)、文庫で読める作品は今後も増える見込みです。
今村夏子の新刊・代表作に関するよくある質問

Q. 今村夏子の最新刊・代表作は?
A. 単行本としての最新作は2022年7月刊行の短編集『とんこつQ&A』(講談社)で、2025年に講談社文庫化されています。代表作は第161回芥川賞を受賞した『むらさきのスカートの女』(2019)です。寡作な作家のため、2026年6月時点で新たな新刊の刊行予定は当編集部では未確認です。
Q. 今村夏子の読み方は?
A. 今村夏子は「いまむら なつこ」と読みます。1980年生まれ、広島県広島市出身で大阪市在住の作家です。2010年に「あたらしい娘」で太宰治賞を受賞してデビューし、2019年に『むらさきのスカートの女』で芥川賞を受賞しました。
Q. 今村夏子のおすすめ・初めて読むならどれ?
A. 初めて読むなら、芥川賞受賞作で読みやすい『むらさきのスカートの女』が定番です。今村夏子の原点を知るならデビュー作で三島由紀夫賞を受けた『こちらあみ子』、信じることの危うさを描いた話題作を読むなら映画化もされた『星の子』がおすすめです。詳しくは下記の代表作TOP10をご確認ください。
Q. 今村夏子はどんな賞を受賞している?
A. 太宰治賞(2010・あたらしい娘)、三島由紀夫賞(2011・こちらあみ子)、河合隼雄物語賞(2017・あひる)、野間文芸新人賞(2017・星の子)、そして芥川龍之介賞(2019・むらさきのスカートの女)を受賞しています。主要文学賞を幅広く受けている、現代日本文学を代表する作家のひとりです。
Q. 今村夏子の作品は映像化されている?
A. はい。『星の子』は2020年に大森立嗣監督・芦田愛菜主演で実写映画化され、『こちらあみ子』は2022年に実写映画化されています。詳しくは「映像化作品」の項目をご確認ください。
今村夏子の作品はどう読む?|単発型の作家

今村夏子の作品は、基本的に一冊ごとに世界が独立した「単発型」です。住野よるや有名シリーズ作家のような続きもの・長編シリーズは持たず、表題作と数編の短編をまとめた作品集や、一冊で完結する中長編を発表してきました。そのため読む順番に決まりはなく、あらすじや受賞歴で惹かれた一冊から手に取って問題ありません。
ただし、作家の歩みを追って読みたい場合は、刊行順が分かりやすい入口になります。
刊行順のおおまかな流れ:
1. こちらあみ子(2011・三島由紀夫賞)— デビュー作
2. あひる(2016・河合隼雄物語賞)— 文壇復帰作
3. 星の子(2017・野間文芸新人賞)— 映画化
4. 父と私の桜尾通り商店街(2019)— 短編集
5. むらさきのスカートの女(2019・芥川賞)
6. 木になった亜沙(2020)— 短編集
7. とんこつQ&A(2022)— 短編集
なお、各作品はそれぞれ独立しているため、まずは芥川賞受賞作『むらさきのスカートの女』やデビュー作『こちらあみ子』から入り、気に入ったらほかの作品へ広げていくのがおすすめです。
今村夏子のおすすめ代表作TOP10|新刊と並んで読みたい名作
| 順位 | タイトル | 発売年 | ジャンル | 入門度 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | むらさきのスカートの女 | 2019 | 純文学(芥川賞受賞作) | ★★★ |
| 2 | こちらあみ子 | 2011 | 純文学(デビュー作/三島由紀夫賞) | ★★★ |
| 3 | 星の子 | 2017 | 純文学(野間文芸新人賞・映画化) | ★★★ |
| 4 | あひる | 2016 | 短編集(河合隼雄物語賞) | ★★ |
| 5 | とんこつQ&A | 2022 | 短編集(単行本最新作) | ★★ |
| 6 | 木になった亜沙 | 2020 | 短編集 | ★★ |
| 7 | 父と私の桜尾通り商店街 | 2019 | 短編集 | ★★ |
1位: むらさきのスカートの女(2019)
第161回芥川賞を受賞した、今村夏子の代表作。近所に暮らす「むらさきのスカートの女」をひそかに観察し、なんとか友達になろうと画策する語り手「わたし」。読みやすく一気に読めるのに、語り手の認識と読者の見え方が少しずつずれていく構造が忘れがたい一作です。芥川賞入門としても、今村夏子入門としても、まず最初に読みたい王道。
2位: こちらあみ子(2011)
第26回太宰治賞を経て、第24回三島由紀夫賞を受賞したデビュー作。周囲とうまくかみ合わない少女・あみ子の純真さが、悪意がないぶんかえって周りの世界に取り返しのつかない亀裂を生んでいきます。やさしさと残酷さが同居する今村夏子の本質が、最初の一冊からすでに完成されていることに驚かされる名作。2022年に実写映画化もされました。ちくま文庫版には「ピクニック」「チズさん」も併録されています。
3位: 星の子(2017)
第39回野間文芸新人賞受賞作。病弱だった娘を救いたい一心で新興宗教にのめり込んでいく両親と、その家族の中で育つ少女・ちひろの視点を静かに描いた長編です。「信じること」の純粋さと危うさを、善悪で割り切らずに描く筆致が深い余韻を残します。2020年に大森立嗣監督・芦田愛菜主演で実写映画化された話題作。
4位: あひる(2016)
文壇復帰のきっかけとなり、第5回河合隼雄物語賞を受賞した作品集。表題作「あひる」は、一家で飼いはじめたあひるをめぐって近所の子どもたちが家に集まるようになる——という何気ない日常から、じわりと不穏なものがにじみ出す名短編です。第155回芥川賞の候補にもなりました。今村夏子の「淡々とした怖さ」を味わうのに最適な一冊。
5位: とんこつQ&A(2022)
2022年刊行、今村夏子の単行本としての最新作にあたる短編集。町中華「とんこつ」で働きはじめた「わたし」を描いた表題作ほか、予想のつかない展開の全4編を収録。人間の取り返しのつかない一瞬を、独特の語りですくい取る現在地の一冊です。2025年に講談社文庫化されています。
6位: 木になった亜沙(2020)
杉の木に転生した亜沙がわりばしになって若者と出会う「木になった亜沙」、どんぐりやドッジボールがなぜか当たらない少女を描く「的になった七未」など、奇妙で不穏で純粋な三つの愛の物語を収めた短編集。寓話のような設定の中に、満たされない思いや切実さがにじむ意欲作です。2023年に文春文庫化されています。
7位: 父と私の桜尾通り商店街(2019)
商店街の外れでパン屋を営む父と娘を描いた表題作ほか、「白いセーター」「ルルちゃん」「せとのママの誕生日」など、市井の人々のいびつな日常をすくい取った短編集。芥川賞受賞の直前、2019年2月に刊行された一冊で、短編の名手としての今村夏子を堪能できます。
今村夏子の映像化作品
今村夏子作品のうち、2026年6月時点で当編集部が確認できる主な映像化は以下のとおりです。
- 星の子(実写映画: 2020年公開/大森立嗣監督・芦田愛菜主演)
- こちらあみ子(実写映画: 2022年公開)
『星の子』は芦田愛菜が主演を務めたことでも大きな話題となりました。今村夏子の小説は、淡々とした語りの奥にある「見え方のずれ」や不穏さが持ち味のため、原作と映画では受ける印象が大きく異なります。まず原作小説で物語を体験してから映像版に進むのがおすすめです。上記以外の作品の映像化が今後告知された場合は、本ページで随時更新します。最新情報は各出版社・配給・製作の公式情報でご確認ください。
まとめ|今村夏子の新刊・作品で何を読むべきか
今村夏子(いまむら なつこ)は、太宰治賞・三島由紀夫賞・河合隼雄物語賞・野間文芸新人賞、そして2019年に『むらさきのスカートの女』で芥川賞を受賞した、現代日本文学を代表する作家のひとりです。やさしい言葉づかいの奥に人間の残酷さや孤独、信じることの危うさを潜ませる独特の語りで知られ、一冊ごとに世界が完結する「単発型」かつ寡作なスタイルを貫いてきました。単行本の最新作は2022年の短編集『とんこつQ&A』で、毎年新刊が出るタイプではないぶん、いま過去作をじっくり追いかけるのに良い作家です。
初めての方には:
– 芥川賞受賞作『むらさきのスカートの女』 → 読みやすく、今村夏子入門の王道
– デビュー作・三島由紀夫賞『こちらあみ子』 → やさしさと残酷さが同居する原点(2022映画化)
– 『星の子』 → 信じることの危うさを描いた話題作(2020映画化・芦田愛菜主演)
作風の幅を味わいたい方には:
– 『あひる』『木になった亜沙』『父と私の桜尾通り商店街』 → 不穏で純粋な短編の名手としての一面
– 『とんこつQ&A』 → 単行本最新作で味わう今村夏子の現在地
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出典・参考情報(今村夏子 作品情報の確認元)
- 筑摩書房『こちらあみ子』製品ページ(https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480431820/)
- 講談社『とんこつQ&A』製品ページ(https://www.kodansha.co.jp/book/products/0000418754)
- openBD/版元ドットコム 書誌データベース(ISBN照合・最終確認: 2026年6月24日)
- Wikipedia「今村夏子」「こちらあみ子」「星の子」項目(最終確認: 2026年6月24日)









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