白石一文(しらいし・かずふみ、1958年生まれ)は、働く大人の「生き方の揺らぎ」を正面から書く小説家です。2010年1月に『ほかならぬ人へ』で第142回直木賞、2009年5月に『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』で第22回山本周五郎賞を受賞しました。
父は『海狼伝』で第97回直木賞を受賞した白石一郎。父子でともに直木賞を受賞しています。
本ページでは、受賞作・入手しやすい文庫を軸に、どれから読むべきかを整理します。
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- 直木賞受賞作『ほかならぬ人へ』をワンクリック
- Kindle・文庫・中古もまとめてチェック可能
- 主要作は角川文庫・文春文庫・講談社文庫で入手できます
白石一文のおすすめ|まず結論(初心者はこの3冊から)
- はじめての1冊は『ほかならぬ人へ』 … 直木賞受賞作。単巻で、恋愛小説として読み始められます。
- 本気の長編を読むなら『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』 … 山本周五郎賞受賞作。講談社文庫で上下2巻です。
- デビュー作から追うなら『一瞬の光』 … 2000年の第1作。角川文庫で単巻です。
白石一文のおすすめ 人気ランキングTOP10

順位は、①受賞歴、②入門しやすさ(巻数)、③現在も文庫で入手しやすいかから、ヨムマップ編集部が整理しました。
| 順位 | タイトル | 文庫 | 巻数 | 受賞 | 入門度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ほかならぬ人へ | 祥伝社文庫 | 単巻 | 第142回直木賞 | ★★★ |
| 2 | この胸に深々と突き刺さる矢を抜け | 講談社文庫 | 上下 | 第22回山本周五郎賞 | ★★ |
| 3 | 一瞬の光 | 角川文庫 | 単巻 | デビュー作 | ★★★ |
| 4 | 僕のなかの壊れていない部分 | 文春文庫 | 単巻 | 初期の代表作 | ★★★ |
| 5 | 私という運命について | 角川文庫 | 単巻 | 第136回直木賞候補作の前作 | ★★★ |
| 6 | 草にすわる | 文春文庫 | 単巻 | 短編集 | ★★★ |
| 7 | 君がいないと小説は書けない | 新潮文庫 | 単巻 | 作家自身を書いた長編 | ★★ |
| 8 | どれくらいの愛情 | — | 単巻 | 第136回直木賞候補 | ★★ |
| 9 | 快挙 | 新潮文庫 | 単巻 | 夫婦を描いた長編 | ★★★ |
| 10 | 一億円のさようなら | — | 単巻 | テレビドラマ化 | ★★ |
1位. ほかならぬ人へ(祥伝社文庫・単巻)
2010年1月に第142回直木賞を受賞した中編2作です。単巻で、ページ数も抑えめなので、白石作品の入口としてもっとも確実です。
「自分にとってかけがえのない相手は誰なのか」を、仕事や家庭の現実のなかで問い直す話です。
2位. この胸に深々と突き刺さる矢を抜け(講談社文庫・上下)
2009年5月に第22回山本周五郎賞を受賞した長編です。主人公は週刊誌の編集長カワバタ・タケヒコ、43歳。大物政治家Nのスキャンダルを追う過程で、人生が本来の軌道から外れていきます。
講談社の公式紹介は本作を「小説が真理に近づく限界を極めた」と書いています。講談社文庫で上下2巻です。
3位. 一瞬の光(角川文庫・単巻)
2000年のデビュー長編です。大企業のエリート社員と、孤独な女子大生の関わりを描きます。
白石一文は1992年に「瀧口明」の筆名で第16回すばる文学賞の佳作(「惑う朝」)を受けていますが、作家デビューはその8年後でした。その経緯を知ってから読むと手触りが変わる1冊です。
4位. 僕のなかの壊れていない部分(文春文庫・単巻)
初期の代表作です。2005年に光文社文庫、2019年に文春文庫と2つのレーベルで文庫化されています。現在入手しやすいのは文春文庫版です。
5位. 私という運命について(角川文庫・単巻)
一人の女性の十数年を追った長編です。白石作品で女性を主人公に据えた代表作で、ドラマ化もされました。
6位. 草にすわる(文春文庫・単巻)
短編集です。1編が短いので、長編を読む前の試し読みに向きます。こちらも光文社文庫(2006年)→文春文庫(2021年)の順で文庫化されています。
7位. 君がいないと小説は書けない(新潮文庫・単巻)
作家・野々村保古が、15歳下の女性と4匹の猫と暮らしながら、還暦を前に知人の死をきっかけに来し方を振り返る長編です。作家自身の姿を重ねて読める作品として知られます。
8〜10位|さらに読みたい作品
- 8位 どれくらいの愛情 … 2006年刊。第136回直木賞の候補作。『ほかならぬ人へ』での受賞の4年前です。
- 9位 快挙(新潮文庫) … 夫婦を描いた長編。2024年には鉄筆文庫からも出ています。
- 10位 一億円のさようなら … 2018年刊。テレビドラマ化されました。
※8位・10位は現在の文庫版が確認しづらいため、書影カードは掲載していません。購入時は最新の版をご確認ください。
父・白石一郎と「父子で直木賞」

白石一文の受賞歴でもっとも特徴的なのは、父も直木賞作家という点です。
| 受賞者 | 回 | 時期 | 受賞作 |
|---|---|---|---|
| 白石一郎(父) | 第97回 | 1987年7月 | 『海狼伝』 |
| 白石一文(子) | 第142回 | 2010年1月 | 『ほかならぬ人へ』 |
23年差での父子受賞です。父・白石一郎は海洋歴史小説の作家で、1999年には『怒濤のごとく』で第33回吉川英治文学賞も受けています。作風はまったく違うので、片方が好きでももう片方が合うとは限りません。
白石一文の受賞歴
| 年 | 賞 | 対象 |
|---|---|---|
| 1992年9月 | 第16回すばる文学賞 佳作 | 「惑う朝」(瀧口明名義) |
| 2007年1月 | 第136回直木賞 候補 | 『どれくらいの愛情』 |
| 2009年5月 | 第22回山本周五郎賞 | 『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』 |
| 2010年1月 | 第142回直木賞 | 『ほかならぬ人へ』 |
白石一文のおすすめをタイプ別に
| こんな人に | おすすめ |
|---|---|
| 直木賞受賞作から | ほかならぬ人へ |
| 短いものから | 草にすわる(短編集) |
| 本格的な長編を読みたい | この胸に深々と突き刺さる矢を抜け |
| デビュー作から順に | 一瞬の光 |
| 女性が主人公の作品 | 私という運命について |
| 作家の内側が読みたい | 君がいないと小説は書けない |
よくある質問
Q. 白石一文は何から読むのがおすすめ?
A. 直木賞受賞作の『ほかならぬ人へ』(祥伝社文庫・単巻)です。長編が読みたいなら山本周五郎賞の『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』(講談社文庫・上下)をどうぞ。
Q. 直木賞を受賞した作品はどれですか?
A. 『ほかならぬ人へ』です。2010年1月に第142回直木賞を受賞しました。2007年に『どれくらいの愛情』で第136回の候補になっています。
Q. 白石一郎とはどういう関係ですか?
A. 父子です。父の白石一郎は1987年に『海狼伝』で第97回直木賞を受賞しており、父子でともに直木賞受賞者です。ただし父は海洋歴史小説、子は現代小説で、作風は大きく異なります。
Q. 同じ作品が2つの文庫から出ているのはなぜ?
A. 文庫化の権利が移ったためです。『僕のなかの壊れていない部分』は光文社文庫→文春文庫、『草にすわる』も光文社文庫→文春文庫、『快挙』は新潮文庫→鉄筆文庫と、複数レーベルで出ています。内容は同じなので、入手しやすい版を選べば問題ありません。
Q. 上下巻の作品はありますか?
A. 『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』が講談社文庫で上下2巻です。それ以外の主要作はおおむね単巻です。
まとめ|まずは『ほかならぬ人へ』から
白石一文は直木賞と山本周五郎賞の二冠を持ち、父・白石一郎と合わせて父子で直木賞という珍しい経歴の作家です。迷ったら直木賞受賞作の『ほかならぬ人へ』から。長編に慣れたら『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』へ進んでください。
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出典・参考情報
- 講談社 公式製品情報『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』/新潮社 公式製品情報『君がいないと小説は書けない』
- 「文学賞の世界」白石一文・白石一郎の受賞/候補記録(直木賞・山本周五郎賞・すばる文学賞・吉川英治文学賞)
- openBD(書誌・ISBN・巻数の確認)










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