『高瀬庄左衛門御留書』は、砂原浩太朗が書いた歴史時代小説で、講談社は本作を「美しく生きるとは、誇りを持ち続けるとは何かを問う、正統派時代小説」と案内しています。第9回野村胡堂文学賞・第15回舟橋聖一文学賞・第11回 本屋が選ぶ時代小説大賞を受賞し、さらに第165回直木賞と第34回山本周五郎賞の候補にもなりました。この記事では、あらすじ・受賞と候補の書き分け・読みどころまで整理します。
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- 講談社が「正統派時代小説」と案内する砂原浩太朗の代表作
- 講談社文庫は464ページ・913円(税込)
- 2021年1月の単行本・2023年6月の文庫・電子版すべてチェック可能
高瀬庄左衛門御留書とは|妻と息子を失った郡方の武士を描く正統派時代小説
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 著者 | 砂原浩太朗 |
| ジャンル | 歴史時代小説 |
| 主人公 | 高瀬庄左衛門(神山藩の郡方) |
| 単行本 | 2021年1月・講談社・ISBN 978-4-06-519273-3・335ページ |
| 講談社文庫 | 2023年6月15日・ISBN 978-4-06-529629-5・464ページ・913円(税込・本体830円)・A6判・整理番号 す49-2 |
| 電子版 | 2023年6月15日配信 |
| 受賞 | 第9回野村胡堂文学賞/第15回舟橋聖一文学賞/第11回 本屋が選ぶ時代小説大賞 |
| 候補 | 第165回直木賞候補・第34回山本周五郎賞候補(いずれも受賞ではありません) |
| ランキング | 「本の雑誌」2021年上半期ベスト10 第1位/「本の雑誌が選ぶ2021年度ベストテン」第3位 |
| 関連シリーズ(講談社の表記) | 雫峠/霜月記/黛家の兄弟 |
『高瀬庄左衛門御留書』は、砂原浩太朗が神山藩の郡方・高瀬庄左衛門を主人公に書いた歴史時代小説です。
講談社は本作を「美しく生きるとは、誇りを持ち続けるとは何かを問う、正統派時代小説」と紹介しています。
2021年1月に講談社から単行本(335ページ)として刊行され、
講談社文庫の巻末にも「本書は2021年1月に、小社より単行本として刊行されました。」と記載があります。
文庫化は2023年6月15日で、講談社公式のページ数は464ページです。
受賞歴については誤って伝わっていることが多いため、受賞した賞と候補になった賞を後半の専用セクションで表にして整理します。
高瀬庄左衛門御留書のあらすじ|妻と息子を失った男の、その後の日々

版元が公表しているあらすじの範囲で、物語の入り口を整理します。
神山藩で郡方を務める高瀬庄左衛門
舞台は神山藩。主人公の高瀬庄左衛門は、この藩で郡方を務めています。
50歳を前に、妻を亡くす
講談社の紹介によれば、庄左衛門は50歳を前にして妻を亡くしています。
さらに息子をも事故で失う
そのうえ息子をも事故で失い、ただ倹しく老いてゆく身となります。
残された嫁・志穂とともに、絵を描きながら
庄左衛門のそばに残ったのが、嫁の志穂です。
講談社は、庄左衛門が残された嫁の志穂とともに、手慰みに絵を描きながら、寂寥と悔恨の中に生きていたと案内しています。
そこへ、藩の政争の嵐が襲う
しかし物語はそこで止まりません。
ゆっくりと確実に、藩の政争の嵐が庄左衛門を襲う——ここまでが講談社が公表している範囲です。
政争の中身、志穂のその後、庄左衛門が描く絵の題材については版元公式に記載が無いため、本記事では触れません。
この先がどうなるかは、ぜひ本編でお確かめください。
高瀬庄左衛門御留書の3つの読みどころ

1. 「何かを失ったあと」から物語が始まること
多くの時代小説が事件の発生から始まるのに対し、本作は妻を亡くし、息子も事故で失った後の庄左衛門から始まります。
| 庄左衛門が置かれた状況 | 講談社の紹介での言葉 |
|---|---|
| 年齢 | 50歳を前にして |
| 失ったもの | 妻、そして事故で失った息子 |
| 現在の暮らし | ただ倹しく老いてゆく身 |
| 心の状態 | 寂寥と悔恨の中に |
読売新聞(2021年1月19日)の記者・佐藤憲一氏は本作について、
「誰でも歳を取れば、違う生き方もあったのではとの悔悟を抱くもの。その迷いにどう向き合うか。考えさせられた。」とコメントしています(講談社公式ページに掲載)。
2. 嫁の志穂とともに絵を描く時間
もう一つの軸が、残された嫁の志穂とともに手慰みに絵を描くという日々です。
剣戟や合戦ではなく、静かな時間が物語の土台になっています。
書評家の大矢博子氏は「小説すばる」3月号で、
「美しい物語だ。穏やかで、静かで、そして強い物語だ。」と評しています(講談社公式ページに掲載)。
3. 静かな日々を、藩の政争が襲うこと
そしてゆっくりと確実に、藩の政争の嵐が庄左衛門を襲います。
穏やかな日常と、藩という組織の力学が交差する——この落差が本作の推進力です。
作家の江上剛氏は朝日新聞(2021年6月5日)で、
「『心が洗われる』というのは、こういう感覚を言うのだと実感した。」と書いています(講談社公式ページに掲載)。
高瀬庄左衛門御留書の受賞歴|受賞した3賞と、候補どまりの2賞

本作でもっとも誤解されやすいのが受賞歴です。
直木賞と山本周五郎賞は「候補」であって、受賞ではありません。
| 賞 | 結果 | 時期 |
|---|---|---|
| 第9回 野村胡堂文学賞 | 受賞 | 2021年10月15日 |
| 第11回 本屋が選ぶ時代小説大賞 | 受賞 | 2021年10月27日 |
| 第15回 舟橋聖一文学賞 | 受賞 | 2021年11月30日 |
| 第165回 直木賞 | 候補(受賞ではない) | 2021年 |
| 第34回 山本周五郎賞 | 候補(受賞ではない) | 2021年 |
つまり本作が受賞したのは、野村胡堂文学賞・本屋が選ぶ時代小説大賞・舟橋聖一文学賞の3つです。
混同されやすいのが、山本周五郎賞を受賞したのは翌年の別作品『黛家の兄弟』(第35回)という点です。
講談社の著者紹介にも、2021年『高瀬庄左衛門御留書』で第34回山本周五郎賞・第165回直木賞の候補、
2022年『黛家の兄弟』で第35回山本周五郎賞を受賞と書き分けられています。
「本の雑誌」でのランキング
賞のほかに、「本の雑誌」2021年上半期ベスト10で第1位、
「本の雑誌が選ぶ2021年度ベストテン」(2021年12月10日)で第3位に選ばれています。
同じ神山藩を舞台にした作品
同じ神山藩を舞台にした作品として、講談社は『雫峠』『霜月記』『黛家の兄弟』を関連作に挙げています。
これらが続きものかどうかについては講談社公式に記載が無いため、本記事では触れません。
シリーズ名としての呼称も版元公式の語ではないので、本記事では使いません。
なお、講談社は本作を藤沢周平・乙川優三郎・葉室麟に連なる正統派時代小説と位置づける惹句を掲げています。
高瀬庄左衛門御留書の読了時間と難易度
- 読了時間目安: 約6〜8時間(講談社文庫・464ページ)
- 難易度: ★★☆☆☆(架空の藩が舞台のため、史実の予備知識は不要)
- おすすめタイプ: 静かな時代小説を読みたい人/歴史時代小説の現代の書き手を知りたい人/人生の後半を描いた物語が好きな人
文庫で464ページの長編ですが、舞台は神山藩という一つの藩に絞られ、
主人公・庄左衛門の視点を軸に進むため、登場人物を追いにくいタイプの作品ではありません。
一方で、合戦や剣戟の派手さで引っ張る作品ではありません。
寂寥と悔恨という言葉が版元の紹介にそのまま出てくるとおり、
静かな筆致をじっくり味わう読書に向いています。
高瀬庄左衛門御留書に関するよくある質問
Q. 高瀬庄左衛門御留書は直木賞の受賞作?候補作?
A. 候補作です。第165回直木賞の「候補」であり、受賞はしていません。
本作が受賞したのは第9回野村胡堂文学賞・第15回舟橋聖一文学賞・第11回 本屋が選ぶ時代小説大賞の3つです。
Q. 高瀬庄左衛門御留書は山本周五郎賞の受賞作?候補作?
A. 候補作です。第34回山本周五郎賞の「候補」にとどまりました。
山本周五郎賞を受賞したのは、翌年の別作品『黛家の兄弟』(第35回)です。混同されやすいので注意してください。
Q. 高瀬庄左衛門御留書の主人公は誰?
A. 高瀬庄左衛門です。神山藩で郡方を務める武士で、
50歳を前にして妻を亡くし、さらに息子をも事故で失い、残された嫁の志穂とともに絵を描きながら暮らしています。
Q. 高瀬庄左衛門御留書の文庫は何ページ?
A. 講談社文庫で464ページです。2023年6月15日刊行、913円(税込)、ISBN 978-4-06-529629-5。
単行本は2021年1月に講談社から刊行され、335ページでした。
まとめ|高瀬庄左衛門御留書は静かな筆致で「その後の人生」を描く一冊
『高瀬庄左衛門御留書』は、砂原浩太朗が神山藩の郡方・高瀬庄左衛門を描いた歴史時代小説です。
50歳を前にして妻を亡くし、さらに息子をも事故で失った庄左衛門が、
残された嫁の志穂とともに手慰みに絵を描きながら、寂寥と悔恨の中に生きる——
そこへゆっくりと確実に、藩の政争の嵐が襲うという物語です。
受賞歴は第9回野村胡堂文学賞・第15回舟橋聖一文学賞・第11回 本屋が選ぶ時代小説大賞の3賞を受賞、
第165回直木賞と第34回山本周五郎賞は候補という整理になります。
この2賞は受賞ではありません。 山本周五郎賞を受賞したのは翌年の『黛家の兄弟』(第35回)です。
講談社文庫は464ページ・913円(税込)で、単行本は2021年1月・335ページ。
「本の雑誌」2021年上半期ベスト10では第1位に選ばれています。
- 野村胡堂文学賞・舟橋聖一文学賞・本屋が選ぶ時代小説大賞の3冠
- 第165回直木賞・第34回山本周五郎賞の候補作
- 講談社文庫(464ページ)・単行本・電子書籍版が選べる
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高瀬庄左衛門御留書・関連作品の読書ガイド
- 砂原浩太朗の新刊・時代小説ガイド
- 歴史時代小説のおすすめガイド
- 直木賞 歴代受賞作と最新受賞作(本作は第165回の候補作)
- 山本周五郎賞 歴代受賞作完全ガイド(本作は第34回の候補作)
出典・参考情報
- 講談社 書誌ページ『高瀬庄左衛門御留書』(内容紹介・講談社文庫 2023年6月15日・464ページ・913円税込・ISBN 978-4-06-529629-5・整理番号 す49-2・受賞歴・候補歴・推薦コメント・関連シリーズ欄・著者紹介)
- 講談社文庫版の初出表記「本書は2021年1月に、小社より単行本として刊行されました。」
- 国立国会図書館サーチ 書誌データ(単行本 2021年1月・講談社・ISBN 978-4-06-519273-3・335ページ)
- openBD 書誌データ(ISBN 9784065296295・書名・著者・出版社・レーベル・刊行年月)
- 推薦コメント出典: 江上剛(朝日新聞 2021年6月5日)/佐藤憲一(読売新聞 2021年1月19日)/大矢博子(「小説すばる」3月号)
- 最終確認: 2026年8月26日




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