『さぶ』は、山本周五郎が書いた時代小説で、不器用な男さぶと、才気にあふれた男栄二の友情を描いた長編です。無実の罪で人生を折られた栄二を、さぶが黙って支え続けます。新潮文庫のほか、2018年1月には角川文庫(451ページ)と講談社文庫(424ページ)が同じ月に刊行されました。この記事では、あらすじ・読みどころ・版の選び方まで紹介します。
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- 不器用なさぶと才気ある栄二、対照的な2人の友情小説
- 新潮文庫・角川文庫・講談社文庫と複数社から出ている
- 2018年1月に角川と講談社から同月刊行
さぶとは|複数の出版社から文庫が出ている長編
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 著者 | 山本周五郎 |
| 文庫 | 新潮文庫(ISBN 9784101134109・2002年3月ほか) |
| 文庫 | 角川文庫・2018年1月・451ページ(ISBN 978-4-04-106234-0) |
| 文庫 | 講談社文庫・2018年1月・424ページ(ISBN 978-4-06-293839-6) |
| 舞台 | 江戸・経師屋 |
| 主要人物 | さぶ/栄二 |
出典:国立国会図書館サーチ(2026年9月2日時点)
書誌を見て目を引くのが、2018年1月に角川文庫と講談社文庫が同じ月に出ていることです。長く新潮文庫で読まれてきた作品に、この時期から複数社の版が並ぶようになりました。
さぶのあらすじ|無実の罪で折れた男を、不器用な友が支える

対照的な2人
舞台は江戸の経師屋です。
さぶは要領が悪く、何をやっても人並み以下の若者。栄二は器用で腕が立ち、周囲からも一目置かれています。
2人は同じ店で働く仲間ですが、能力の差ははっきりしています。
栄二が疑われる
ある日、栄二が盗みの疑いをかけられます。
本人はやっていません。しかし疑いは晴れず、彼はそれまで築いたものを失います。
折れた栄二と、変わらないさぶ
栄二は人を信じられなくなり、荒れていきます。
一方のさぶは、何ができるわけでもありません。それでも離れずに、変わらずそばにいます。
この小説が描くのは、才能のある男が転落する話ではなく、才能のない男が動かずにいることの意味です。
さぶの3つの読みどころ

1. 「役に立たない友情」を書いていること
さぶは栄二の疑いを晴らせません。助言も気の利いたことも言えません。何もできないまま、いなくならない。その一点だけが彼のしたことです。
2. 転落を長く書くこと
栄二が立ち直るまでには時間がかかります。すぐには変わらないという書き方が、回復を安っぽくしていません。
3. 題名がさぶであること
物語の事件はほとんど栄二に起きます。それでも題名は『さぶ』です。誰の物語として読むべきかが、題名で示されている構造になっています。
さぶの版と入手方法

| 版 | 出版社 | 刊行 | ページ数 |
|---|---|---|---|
| 文庫 | 新潮文庫 | 2002年3月ほか | — |
| 文庫 | 角川文庫 | 2018年1月 | 451ページ |
| 文庫 | 講談社文庫 | 2018年1月 | 424ページ |
同じ作品の文庫が3社から出ているのがこの作品の特徴です。角川文庫と講談社文庫は2018年1月の同じ月に刊行されています。
本文は同じなので、手に入りやすい版・解説の書き手・活字の大きさで選んで構いません。長く読まれてきたのは新潮文庫版です。
さぶの読了時間と難易度
角川文庫版451ページ、講談社文庫版424ページ。一般的な読書速度で7〜9時間が目安です。
時代小説ですが、経師屋という職人の世界が舞台で、合戦や政争は出てきません。時代小説を読み慣れていなくても入りやすい部類です。
さぶに関するよくある質問
さぶの主人公は誰ですか
題名の通りさぶですが、物語上の事件は主に栄二に起こります。誰の物語として読むかを考えさせる構造です。
どの出版社の文庫を選べばいいですか
新潮文庫・角川文庫・講談社文庫のいずれでも本文は同じです。入手しやすさや活字の大きさで選んで問題ありません。
何ページありますか
角川文庫版が451ページ、講談社文庫版が424ページです。
時代小説を読んだことがなくても大丈夫ですか
大丈夫です。江戸の職人の世界が舞台で、合戦や政争は登場しません。
山本周五郎の他の作品は何がありますか
『樅ノ木は残った』などがあります。作品一覧は山本周五郎のおすすめ代表作ガイドにまとめています。
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まとめ|何もできない男が、いなくならないという物語
- 『さぶ』は、不器用なさぶと才気ある栄二の友情を描いた長編時代小説
- 無実の罪で人生を折られた栄二を、さぶは何もできないまま支え続ける
- 事件は栄二に起きるのに題名は『さぶ』。誰の物語かが題名で示されている
- 新潮文庫・角川文庫・講談社文庫の3社から出ており、角川と講談社は2018年1月の同月刊行
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