『不倫、その他の選択』は、アンドレ・デビュースの小説集で、訳は村上春樹。2026年11月6日に中央公論新社から出ます。3,465円(税込)・四六判376ページ・十編収録。
先に、この本の位置を2つ書きます。ひとつ、アンドレ・デビュースの邦訳は1994年以来32年ぶりです。 既訳は紀伊國屋書店から3冊出ていますが、いずれも1992〜1994年で、それ以降この作家の単行本は日本語になっていません。 訳者も島田絵海から村上春樹へ替わります。
ふたつ、同じ名前の別人がいます。 『砂と霧の家』の著者は長男のアンドレ・デュバス3世で、本書の著者(1936−1999)とは別人です。国立国会図書館の書誌は生年(1936− と 1959−)で親子を区別しています。検索すると混ざるので、買う前に確認してください。
※本ページはアフィリエイトリンクを含みます。
※本記事は発売前に公表された情報にもとづいています。
- 2026年11月6日・中央公論新社・3,465円(税込)・四六判376ページ
- 著者アンドレ・デビュース(1936−1999)/訳 村上春樹・全十編
- デビュースの邦訳は1994年以来32年ぶり。訳者も替わる
不倫、その他の選択とは|村上春樹が訳すアメリカ短篇作家の小説集

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 著者 | アンドレ・デビュース(André Dubus/1936−1999・米) |
| 訳 | 村上春樹 |
| 版元 | 中央公論新社(単行本) |
| 発売予定日 | 2026年11月6日 |
| 初版年月日 | 2026年11月10日 |
| 判型・頁 | 四六判・376ページ |
| 価格 | 3,465円(税込・本体3,150円) |
| ISBN | 978-4-12-006073-1 |
| Cコード | C0097(一般・単行本・外国文学小説) |
| 収録 | 十編 |
出典:版元ドットコム、国立国会図書館サーチ(2026年10月9日時点)
版元の紹介
村上春樹が新たに翻訳を手がける小説集。著者は良質の短編作品を残した米国作家アンドレ・デビュース、主人公は少年、若い女性、従軍中の兵士……人との関わりがもたらす心のうちのさざ波、生きていく中で芽生える痛みと慈しみを色合い深く描いて胸に迫る十編
出典:版元ドットコム(2026年10月9日時点)
主人公は「少年、若い女性、従軍中の兵士」と列挙されています。十編で視点人物が入れ替わる構成だと読めます。
中央公論新社の公式サイトにはまだ載っていない
2026年10月9日時点で、中央公論新社の公式サイトに本書の商品ページはありません。 単行本の一覧・新刊情報・サイト内検索のいずれにも出てきません。
| 情報源 | 本書の掲載 |
|---|---|
| 版元ドットコム(版元自身が登録する書誌DB) | あり(登録日2026年9月16日) |
| 国立国会図書館サーチ | あり(2026年11月10日) |
| 中央公論新社 公式サイト | なし |
出典:中央公論新社 サイト内検索、版元ドットコム(2026年10月9日時点)
→ 現時点で一次情報は版元ドットコムとNDLサーチの書誌だけです。そのため本記事では、原題・収録作の題・訳者あとがきの有無など、書誌に無い項目は断定しません。
著者アンドレ・デビュースとは
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 生没 | 1936年8月11日〜1999年2月24日 |
| 出身 | ルイジアナ州レイクチャールズ |
| 経歴 | 1958年マクニース州立大学卒 → 海兵隊に6年勤務(大尉) → アイオワ・ライターズ・ワークショップでMFA |
| 師 | リチャード・イェーツ |
| のち | マサチューセッツ州に定住、ブラッドフォード大学教授 |
| 評価 | 短篇作家として高く評価された |
出典:版元ドットコム(著者プロフィール)、Wikipedia「アンドレ・デビュース」(2026年10月9日時点)
受賞歴は情報源によって挙がる賞が違います。
| 情報源 | 挙げている賞 |
|---|---|
| 版元(中央公論新社) | O・ヘンリー賞を三度受賞 |
| Wikipedia日本語版 | L.L.Winship/PEN New England賞(1975)、PEN/マラマッド賞(1991)、ジーン・スタイン賞、グッゲンハイム・フェローシップ、マッカーサー・フェローシップ |
出典:版元ドットコム(著者プロフィール)、Wikipedia(2026年10月9日時点)
O・ヘンリー賞三度受賞は版元の著者紹介にある記述で、Wikipediaの受賞欄には記載がありません。本記事では「版元がそう書いている」事実として扱い、独自に裏が取れていないため断定しません。
不倫、その他の選択と既訳の関係|32年ぶり、訳者も替わる

デビュースの邦訳は、紀伊國屋書店から3冊出ています。 国立国会図書館サーチで著者名を引いて確認しました。
| # | 書名 | 版元 | 訳者 | 刊行年 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | アダルタリー アンドレ・デビュース作品集 | 紀伊國屋書店 | 島田絵海 | 1992年 |
| 2 | プリティ・ガール アンドレ・デビュース作品集2 | 紀伊國屋書店 | 島田絵海 | 1993年 |
| 3 | 月からの声 アンドレ・デビュース作品集3 | 紀伊國屋書店 | 島田絵海 | 1994年 |
| 4 | 不倫、その他の選択(本作) | 中央公論新社 | 村上春樹 | 2026年11月 |
出典:国立国会図書館サーチ(著者「デビュース」・2026年10月9日取得)、Wikipedia
32年の空白があった
1994年の『月からの声』以降、デビュースの単行本は日本語になっていません。 本作は32年ぶりの新刊邦訳です。作家の没年(1999年)より後に邦訳が止まり、没後27年で再開するという形になります。
既訳3冊はすべて同じ訳者だった
1992〜1994年の3冊は、すべて島田絵海の訳です。島田絵海は1987年にボストンの慈善朗読会でデビュース本人と出会い、以後その作品を訳してきた訳者です。
→ 本作は、この作家の邦訳としては初めて訳者が替わる1冊になります。
書名から原著を推定できるが、版元は原題を示していない
書名『不倫、その他の選択』は、デビュースの1977年の短篇集 Adultery and Other Choices の直訳にあたります。 この原著は短篇9編+中篇1編の計10編で構成され、版元が示す「十編」と数が一致します。
| Adultery and Other Choices(1977) | 不倫、その他の選択(本作) | |
|---|---|---|
| 構成 | 短篇9編+中篇1編=10編 | 十編 |
| 表題作 | 中篇 Adultery | (公表されていない) |
| 著名な収録作 | Killings(映画『イン・ザ・ベッドルーム』の原作)、The Fat Girl | (公表されていない) |
出典:Barnes & Noble “Adultery and Other Choices: Nine Short Stories and a Novella”、版元ドットコム(2026年10月9日時点)
ただし、中央公論新社も版元ドットコムも原題を公表していません。 書名と編数が一致するだけでは同一と言い切れないため、本記事では「この原著の全訳である」とは断定しません。 原題と収録作は刊行時の奥付・目次で確認することになります。
表題の「アダルタリー」は1992年に既訳がある
もし本作が Adultery and Other Choices であれば、表題中篇「Adultery」は1992年の『アダルタリー』(紀伊國屋書店・島田絵海訳)として既に日本語になっていることになります。その場合、本作は新訳を含む1冊になります。これも原題が公表されていないため推定にとどまります。
不倫、その他の選択の3つの読みどころ

1. 村上春樹の翻訳としての位置
村上春樹はサリンジャー『キャッチャー・イン・ザ・ライ』、フィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』、チャンドラー『ロング・グッドバイ』などを訳してきた作家です。版元の訳者紹介にも、この3点が挙げられています。
サリンジャー『キャッチャー・イン・ザ・ライ』、フィッツジェラルド『グレート・ギャツビー』、チャンドラー『ロング・グッドバイ』ほか訳書も多数。
出典:版元ドットコム(訳者プロフィール)(2026年10月9日時点)
デビュースを村上春樹が訳すのは、公表されている邦訳の一覧で見るかぎり初めてです。当サイトでは、村上春樹が訳した絵本『あらゆるものがおくりもの』もレビューしています。
2. 「海兵隊」という経歴が収録作に出ている
版元のあらすじは、主人公として「従軍中の兵士」を挙げています。著者自身が海兵隊に6年勤め、大尉まで昇進した経歴を持つので、ここは実体験と地続きの題材です。
| 著者の経歴 | あらすじに挙がる主人公 |
|---|---|
| 海兵隊に6年勤務(大尉) | 従軍中の兵士 |
| 大学で創作を学ぶ(アイオワ) | 少年 |
| ルイジアナ出身・のちマサチューセッツ | 若い女性 |
軍隊を内側から知っている書き手が、兵士を主人公にした短篇を書いているという読み方ができます。師はリチャード・イェーツ(『レボリューショナリー・ロード』の作者)で、郊外の生活と人間関係の軋みを書く系譜にあたります。
3. 「その他の選択」という題の立て方
書名は『不倫、その他の選択』です。不倫を「選択のひとつ」として並列に置く題の付け方で、版元の紹介も「人との関わりがもたらす心のうちのさざ波」「痛みと慈しみ」という語を使います。
裁く書き方ではないことが、題と紹介文の両方から読めます。ただし各編の具体的な内容は公表されていません。
不倫、その他の選択に関するよくある質問
不倫、その他の選択は村上春樹の小説ですか
違います。 村上春樹は訳者です。著者はアメリカの作家アンドレ・デビュース(1936−1999)。CコードもC0097(外国文学小説)で、外国文学の棚に置かれる本です。
原題は何ですか
2026年10月9日時点で版元が公表していません。 書名はデビュースの1977年の短篇集 Adultery and Other Choices(短篇9編+中篇1編=10編)の直訳にあたり、版元が示す「十編」と数は一致しますが、原題の記載がないため本記事では同一と断定しません。
収録作の題は分かりますか
公表されていません。 版元ドットコムの書誌に収録作の一覧はなく、中央公論新社の公式サイトにも商品ページがありません。十編であることだけが公表されています。
デビュースの他の邦訳はありますか
紀伊國屋書店から3冊出ています。 『アダルタリー』(1992)、『プリティ・ガール』(1993)、『月からの声』(1994)で、すべて島田絵海訳です。本作はこの3冊以来32年ぶりの邦訳で、訳者も替わります。
『砂と霧の家』の作者と同じ人ですか
違います。 『砂と霧の家』(DHC・2001年)の著者は長男のアンドレ・デュバス3世です。国立国会図書館サーチは生年で親子を区別しており、本書の著者は Dubus, Andre, 1936−1999、『砂と霧の家』は Dubus, Andre, 1959− と登録されています。書名で検索すると混ざるので注意してください。
映画化された作品はありますか
あります。 短篇「Killings」が映画『イン・ザ・ベッドルーム』(2001年・トッド・フィールド監督)の原作で、アカデミー賞5部門にノミネートされました。また「We Don’t Live Here Anymore」と「Adultery」の2編が映画『夫以外の選択肢』(2004年・日本劇場未公開)の原作です。ただし、これらが本書に収録されているかは公表されていません。
3,465円は高くないですか
外国文学の単行本としては標準的な水準です。 四六判376ページで本体3,150円。文庫化の予定は2026年10月9日時点で公表されていません。
376ページは読むのにどれくらいかかりますか
四六判376ページで十編なので、通しで6〜8時間が目安です。短篇集なので1編ずつ区切って読めます。
まとめ|32年ぶりの邦訳で、訳者が島田絵海から村上春樹へ
- 『不倫、その他の選択』は2026年11月6日・中央公論新社・3,465円(税込)・四六判376ページ・十編
- 著者はアメリカの短篇作家アンドレ・デビュース(1936−1999)、訳は村上春樹。CコードはC0097(外国文学小説)
- ★デビュースの邦訳は1994年『月からの声』以来32年ぶり。 既訳3冊(1992・1993・1994/紀伊國屋書店)はすべて島田絵海訳で、本作で初めて訳者が替わる
- ★書名はデビュースの1977年の短篇集 Adultery and Other Choices(短篇9編+中篇1編=10編)の直訳にあたり、版元の「十編」と数が一致する。 ただし版元は原題を公表していないため同一と断定しない
- ★『砂と霧の家』の著者は長男のアンドレ・デュバス3世で別人。 NDLは生年(1936− / 1959−)で親子を区別している
- 著者は海兵隊に6年勤務(大尉)ののちアイオワ・ライターズ・ワークショップでMFA、師はリチャード・イェーツ
- 版元のあらすじが挙げる主人公は少年・若い女性・従軍中の兵士
- O・ヘンリー賞三度受賞は版元の著者紹介にある記述で、Wikipediaの受賞欄には記載がない
- 2026年10月9日時点で中央公論新社の公式サイトに商品ページがなく、一次情報は版元ドットコムとNDLの書誌のみ
- 収録作の題・訳者あとがきの有無・文庫化の予定はいずれも未公表
32年のあいだ、この作家の新しい日本語訳は出ませんでした。 没後27年で、訳者を替えて再開します。読める日本語のデビュースが、3冊から4冊になります。



コメント