推理小説界の最高峰の登竜門「江戸川乱歩賞」の歴代受賞作を完全網羅。最新受賞作の情報から、東野圭吾・池井戸潤・桐野夏生らがデビューを飾った名作10選の読みどころまで、この1ページで完結します。
最終更新日: 2026年6月4日
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江戸川乱歩賞とは
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主催 | 日本推理作家協会 |
| 創設 | 1954年制定・1955年に第1回 |
| 開催頻度 | 年1回 |
| 対象 | 広い意味の長編推理小説(未発表のオリジナル長編を一般公募) |
| 賞・副賞 | 江戸川乱歩像+賞金500万円+講談社からの刊行 |
江戸川乱歩賞は、推理小説の巨匠・江戸川乱歩が1954年に私財を投じて創設した、長編推理小説の公募新人賞です。受賞作は講談社から刊行され、これまで西村京太郎・森村誠一・東野圭吾・桐野夏生・池井戸潤ら、後に国民的人気作家となる書き手を数多く世に送り出してきました。例年300〜500編規模の応募が集まる大型公募賞で、「推理作家への登竜門」として国内最高峰級の権威を誇ります。なお賞金は第68回(2022年)より、それまでの1000万円から500万円に改定されています。
【最新】江戸川乱歩賞の近年の受賞作

第71回(2025年): 殺し屋の営業術(野宮有)
第71回江戸川乱歩賞は、野宮有『殺し屋の営業術』(講談社)が受賞しました。
第70回(2024年): 遊廓島心中譚/フェイク・マッスル(霜月流/日野瑛太郎)
第70回は霜月流『遊廓島心中譚』と日野瑛太郎『フェイク・マッスル』の2作が同時受賞となりました。
第69回(2023年): 蒼天の鳥(三上幸四郎)
第69回は三上幸四郎『蒼天の鳥』(講談社)が受賞しています。
江戸川乱歩賞からデビューした著名作家

江戸川乱歩賞は、受賞をきっかけに大成した作家の宝庫です。代表的な顔ぶれを挙げます。
| 受賞回 | 受賞作 | 著者 | その後の活躍 |
|---|---|---|---|
| 第3回 | 猫は知っていた | 仁木悦子 | 公募長編の最初の受賞作 |
| 第11回 | 天使の傷痕 | 西村京太郎 | 「十津川警部」シリーズで国民的作家に |
| 第15回 | 高層の死角 | 森村誠一 | 『人間の証明』など社会派の巨匠に |
| 第29回 | 写楽殺人事件 | 高橋克彦 | 直木賞も受賞、歴史・伝奇の名手に |
| 第31回 | 放課後 | 東野圭吾 | 直木賞・国民的ベストセラー作家に |
| 第39回 | 顔に降りかかる雨 | 桐野夏生 | 『OUT』で直木賞、日本ペンクラブ会長 |
| 第44回 | 果つる底なき | 池井戸潤 | 「半沢直樹」「下町ロケット」で大ヒット |
| 第51回 | 天使のナイフ | 薬丸岳 | 社会派ミステリの旗手に |
| 第62回 | QJKJQ | 佐藤究 | 『テスカトリポカ』で直木賞・山本周五郎賞 |
江戸川乱歩賞の傑作10選|受賞作から読みたい名作
1. 放課後(東野圭吾・第31回)
女子高で起きた毒殺・絞殺事件。命を狙われる数学教師が、密室状況で殺された同僚をめぐり、思春期の少女たちの心理の闇に迫る学園本格ミステリ。国民的作家・東野圭吾のデビュー作です。東野圭吾の全作品ガイドもどうぞ。
2. 果つる底なき(池井戸潤・第44回)
銀行員の同僚がスズメバチに刺され急死する。残された「貸してくれ」の謎の言葉を端緒に、行員・伊木が巨大銀行の不正と陰謀に切り込む金融ミステリ。「半沢直樹」へ連なる池井戸潤のデビュー作です。池井戸潤の全作品ガイドもどうぞ。
3. 顔に降りかかる雨(桐野夏生・第39回)
女性私立探偵・村野ミロが、消えた友人と8700万円の行方を追ううち、犯罪の渦中へ。日本のハードボイルドに新風を吹き込んだミロ・シリーズ第1作です。
4. QJKJQ(佐藤究・第62回)
家族全員が殺人鬼という少女・市野亜李亜。ある日、兄と父の死体が見つかり、彼女が信じてきた「家族」の前提が崩れていく。叙述と狂気が交錯する異色の新本格、佐藤究のデビュー作です。
5. 天使のナイフ(薬丸岳・第51回)
妻を少年に殺された男が、加害少年たちが次々と殺される事件に巻き込まれる。少年法と被害者遺族の問題を正面から問うた社会派ミステリ。薬丸岳のデビュー作です。
6. 写楽殺人事件(高橋克彦・第29回)
浮世絵研究者の津田が、正体不明の絵師・東洲斎写楽の謎に迫る論文を進めるうち、周囲で殺人が連鎖する。美術ミステリと歴史推理を融合させたデビュー作です。
7. 高層の死角(森村誠一・第15回)
大ホテルチェーンの社長が、施錠された最上階スイートで他殺死体となって発見される。完璧な密室とアリバイの壁に刑事が挑む、ホテル業界を舞台にした本格密室ミステリです。
8. 天使の傷痕(西村京太郎・第11回)
新聞記者が、公害病とおぼしき奇病をめぐる殺人事件を追う社会派推理。後にトラベルミステリーの第一人者となる西村京太郎の出世作です。
9. 猫は知っていた(仁木悦子・第3回)
兄妹が下宿する病院で、家人が次々と失踪・変死する。医学生の兄・雄太郎と妹・悦子の素人探偵コンビが連続殺人の謎に挑む、戦後本格ミステリの記念碑的作品です。
10. Twelve Y.O.(福井晴敏・第44回)
在日米軍基地を舞台にしたテロと、自衛隊の特殊組織をめぐる軍事サスペンス。国家の暗部と日米関係を骨太に描き、後の『亡国のイージス』へ連なる福井晴敏の出世作です。
よくある質問(FAQ)
Q. 江戸川乱歩賞の最新受賞作は?
A. 第71回(2025年)は野宮有『殺し屋の営業術』(講談社)が受賞しました。第70回は霜月流『遊廓島心中譚』と日野瑛太郎『フェイク・マッスル』の2作同時受賞です。
Q. 江戸川乱歩賞はどんな賞?
A. 江戸川乱歩が私財を投じて1954年に創設した、長編推理小説の公募新人賞です。受賞作は講談社から刊行され、推理作家の登竜門として最高峰級の権威を持ちます。
Q. 江戸川乱歩賞からデビューした有名作家は?
A. 西村京太郎、森村誠一、東野圭吾、桐野夏生、池井戸潤、佐藤究など、後に国民的人気作家・直木賞作家となった書き手を多数輩出しています。
Q. 江戸川乱歩賞の賞金はいくら?
A. 現在の賞金は500万円です(第68回・2022年に1000万円から改定)。正賞として江戸川乱歩像が贈られ、受賞作は講談社から刊行されます。
まとめ
江戸川乱歩賞は、後の人気作家を数多く世に送り出してきた推理小説の登竜門です。東野圭吾『放課後』、池井戸潤『果つる底なき』、桐野夏生『顔に降りかかる雨』――いま夢中になっている作家の「原点」をたどれるのが、この賞の受賞作リストの面白さ。気になる作家のデビュー作から手に取ってみてください。
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出典・参考情報
- 日本推理作家協会 公式(江戸川乱歩賞)
- 各出版社 公式商品ページ
- Wikipedia「江戸川乱歩賞」項目(最終確認: 2026年6月4日)












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