『伊豆秘湯殺人ルート』は、西村京太郎の中編を地域別に編み直した「西村京太郎トラベルミステリー・セレクション」の第4弾で、2026年12月9日に光文社文庫から出ます。440ページ・1,034円(税込・本体940円)。伊豆半島を舞台にした中編5編を収めます。
先に、検索して来た方がつまずきやすい点を3つ書きます。
ひとつ目。書き下ろしの新作ではありません。 西村京太郎は2022年3月3日に91歳で亡くなっています。 本書は既発表の中編を地域別に選び直したアンソロジーです。
ふたつ目。収録5編の題名が、発売前にもう分かります。 第3弾『信濃迷宮殺人ルート』は発売1週間前でも目次が未公表でした。第4弾は版元が目次を先に出しています。 既刊を持っている方は、買う前に重複を確認できます。
みっつ目。編者が亡くなっています。 版元は本書を「博覧強記のミステリー研究家・山前譲が生前に編纂した最期のアンソロジー!」と紹介しています。山前譲は2026年1月29日に70歳で亡くなりました。
※本ページはアフィリエイトリンクを含みます。
※本記事は発売前に公表された情報にもとづいています。
- 2026年12月9日・光文社文庫・440ページ・1,034円(税込・本体940円)
- 地域別セレクション第4弾・伊豆半島編/中編5編
- 編者は推理小説研究家・山前譲
伊豆秘湯殺人ルートとは|伊豆半島を舞台にした中編5編のアンソロジー

まず書誌を並べます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 著者 | 西村京太郎 |
| 編者 | 山前譲(推理小説研究家) |
| 版元・レーベル | 光文社・光文社文庫 |
| 書店発売日 | 2026年12月9日 |
| 出版年月日 | 2026年12月20日 |
| ページ | 440ページ |
| 価格 | 1,034円(税込・本体940円) |
| ISBN | 978-4-334-11232-5 |
| 構成 | 中編5編(地域別編集・伊豆半島編) |
出典:光文社『伊豆秘湯殺人ルート』(2026年10月19日時点)
表題作は「爆弾予告で止まった踊り子号」から始まる
版元の紹介文は、巻頭作のあらすじをそのまま出しています。
伊東へ向かうL特急踊り子号に「爆弾を仕掛けた」という電話が東京駅総合指令所にあった。
三島田町で緊急停車した車内からは爆発物は発見されなかったが、刺殺された消費者金融の社長の骸が見つかった。
捜査線上のに浮かぶ有力容疑者にはアリバイがあったが、十津川警部は踊り子号の運行に着目する……。
出典:光文社『伊豆秘湯殺人ルート』(2026年10月19日時点)
→ 爆弾予告は空振りで、出てきたのは刺殺体という入り方です。「十津川警部は踊り子号の運行に着目する」とあるとおり、列車のダイヤそのものがトリックの土台になります。西村京太郎のもっとも得意な型です。
→ なお「捜査線上のに浮かぶ」は版元ページの表記のままです。引用の都合でそのまま載せています。
版元が本書に付けた位置づけは「好評シリーズ第四弾」
首都圏に近い人気の伊豆半島を舞台にした傑作中編五話を収録した好評シリーズ第四弾。
博覧強記のミステリー研究家・山前譲が生前に編纂した最期のアンソロジー!
出典:光文社『伊豆秘湯殺人ルート』(2026年10月19日時点)
→ 「首都圏に近い」という条件が、今回の地域選定の理由として挙げられています。第1弾の北海道、第2弾の東北が「遠さ」で成立していたのに対し、伊豆は近さで選ばれていることになります。
伊豆秘湯殺人ルートの収録作|中編5編の題名が発売前に全部わかる

ここが第4弾の最大の違いです。版元が目次を発売前に公開しています。
収録5編はこの並び
| # | 題名 |
|---|---|
| 1 | L特急踊り子号殺人事件 |
| 2 | 湯煙の中の殺意 |
| 3 | 伊豆下田で消えた友へ |
| 4 | 河津七滝に消えた女 |
| 5 | 午後の悪魔 |
出典:光文社『伊豆秘湯殺人ルート』目次(2026年10月19日時点)
→ 版元の紹介文に書かれているあらすじは、1番目の「L特急踊り子号殺人事件」のものです。書名の『伊豆秘湯殺人ルート』と同じ題名の収録作はありません=本書の書名は、既存作の表題ではなくシリーズ用に付けられた総題です。
題名から舞台になる伊豆の地名が読み取れる
| 題名 | 読み取れる舞台 |
|---|---|
| L特急踊り子号殺人事件 | 踊り子号(東京〜伊豆急下田・修善寺) |
| 湯煙の中の殺意 | 温泉地(具体名は題名に無し) |
| 伊豆下田で消えた友へ | 下田 |
| 河津七滝に消えた女 | 河津七滝(河津町) |
| 午後の悪魔 | 題名からは不明 |
→ 5編中3編が地名を題名に持っています。 版元が「伊豆秘湯」と総題に付けたとおり、温泉地が通奏低音になる構成です。
第3弾では同じ時期に目次が出ていなかった
第3弾『信濃迷宮殺人ルート』のときは、発売1週間前の時点でも収録5編の題名が公表されていませんでした。版元ドットコム・BOOK☆WALKER・国立国会図書館サーチのいずれにも目次がありませんでした。
→ 第4弾は発売の約2か月前に目次が出ていることになります。既刊の文庫を広く持っている読者にとっては、重複を事前に確認できるのが実利です。西村京太郎の中編は複数の作品集に重ねて収録されることが珍しくないので、ここは確認しておく価値があります。
伊豆秘湯殺人ルートとシリーズ既刊|4冊でページも価格も上がり続けている

本シリーズは2026年6月に始まり、隔月で刊行されています。第4弾まで、間隔は崩れていません。
4冊を並べるとページ数が一貫して増えている
| 巻 | 書名 | 地域 | 書店発売日 | ページ | 価格(税込) |
|---|---|---|---|---|---|
| 第1弾 | 北海道周遊殺人ルート | 北海道 | 2026年6月10日 | 376ページ | 990円 |
| 第2弾 | 東北縦断殺人ルート | 東北 | 2026年8月7日 | 400ページ | 1,012円 |
| 第3弾 | 信濃迷宮殺人ルート | 長野県 | 2026年10月8日 | 416ページ | 1,012円 |
| 第4弾 | 伊豆秘湯殺人ルート | 伊豆半島 | 2026年12月9日 | 440ページ | 1,034円 |
→ 376→400→416→440と、巻を追うごとにページ数が増えています。 第1弾から第4弾で64ページ増です。価格も990円→1,012円→1,012円→1,034円と上がっています。
→ 収録数はいずれも5編前後なので、1編あたりの長さが伸びていると読めます。本書が「中編五話」と明記されていることとも整合します。
地域の取り方が「地方」から「半島」へ細かくなっている
| 巻 | 範囲 | 広さの種類 |
|---|---|---|
| 第1弾 | 北海道 | 地方(道全体) |
| 第2弾 | 東北 | 地方(6県) |
| 第3弾 | 長野県 | 1県 |
| 第4弾 | 伊豆半島 | 県の一部(半島) |
→ 広い地方から始まって、1県、さらに半島へと範囲が絞られています。 西村京太郎の作品量が、半島単位でも1冊分あるということです。版元は伊豆を「首都圏に近い人気の」と形容しています。
編者・山前譲は2026年1月に亡くなっている
山前譲(やままえ・ゆずる)は推理小説研究家で、本シリーズの全巻を編んできました。共著『幻影の蔵』で日本推理作家協会賞・評論その他の部門を受け、文庫解説やアンソロジーの編纂・監修を数多く手がけました。
2026年1月29日に70歳で亡くなっています。
出典:本格ミステリ作家クラブ(公式X)/琉球新報(共同通信配信)(2026年10月19日時点)
→ 光文社が本書を「生前に編纂した最期のアンソロジー」と書いているのは、この経緯によります。第5弾以降が同じ編者で続くのかどうかは、2026年10月19日時点で発表されていません。
- 440ページ・1,034円(税込・本体940円)・光文社文庫
- 収録5編の題名が発売前に判明済み=重複を確認して買える
- シリーズ最厚(第1弾376p→本書440p)
伊豆秘湯殺人ルートの3つの読みどころ
1. 「どの本に入っていたか」を気にせず伊豆編をまとめて読める
西村京太郎は600冊を超える著書を残しました。中編は膨大な作品集に散っていて、同じ作品が別の本に重ねて入ることも珍しくありません。
→ 本シリーズの値打ちは、「伊豆半島が舞台の5編」という一本の条件で束ね直したことにあります。既刊を買い集めなくても、土地でまとめて読めます。
2. 踊り子号という具体的な列車が軸になっている
巻頭作はL特急踊り子号が舞台です。東京から伊豆へ向かう特急で、首都圏からの距離が近いぶん、時刻表トリックの余白は短くなります。
→ 短い所要時間の中でアリバイを作るという制約は、北海道編や東北編の長距離列車とは別種の難しさです。同じ作者の時刻表ものでも、伊豆編は組み立てが違うと期待できます。
3. 5編の題名が分かっているので重複を避けて買える
既刊をお持ちの方は、収録5編の題名を手持ちの文庫と突き合わせてから買えます。 これは第3弾ではできなかったことです。西村京太郎を長く読んできた読者ほど、この差は大きいはずです。
伊豆秘湯殺人ルートに関するよくある質問
伊豆秘湯殺人ルートはいつ発売ですか
2026年12月9日です。光文社文庫から1,034円(税込)で出ます。光文社の公式ページは出版年月日を2026年12月20日としていますが、店頭に並ぶ書店発売日は12月9日です。
新作ですか
いいえ。既発表の中編を地域別に選び直したアンソロジーです。 西村京太郎は2022年3月3日に91歳で亡くなっています。
何編入っていますか
中編5編です。「L特急踊り子号殺人事件」「湯煙の中の殺意」「伊豆下田で消えた友へ」「河津七滝に消えた女」「午後の悪魔」の5本で、題名は版元が発売前に公表済みです。
『伊豆秘湯殺人ルート』という作品は入っていますか
入っていません。 書名はシリーズ用に付けられた総題で、同じ題名の収録作はありません。版元の紹介文に載っているあらすじは、1番目の「L特急踊り子号殺人事件」のものです。
シリーズのどれから読めばいいですか
どれからでも読めます。 各巻は地域でまとめた独立のアンソロジーで、巻をまたいだ続きものではありません。伊豆に土地勘がある方や、東京発の特急が好きな方は本書からで問題ありません。
既刊と作品が重複しませんか
可能性はあります。 西村京太郎の中編は複数の作品集に重ねて収録されることがあります。本書は5編の題名が公表されているので、手持ちの文庫と突き合わせてから買えば避けられます。
十津川警部は出てきますか
巻頭作には出ます。 版元の紹介文に「十津川警部は踊り子号の運行に着目する」とあります。残り4編に出るかどうかは公表されていません。
編者の山前譲とはどんな人ですか
推理小説研究家です。共著『幻影の蔵』で日本推理作家協会賞の評論その他の部門を受け、文庫解説やアンソロジーの編纂・監修を数多く手がけました。2026年1月29日に70歳で亡くなっており、光文社は本書を「生前に編纂した最期のアンソロジー」と紹介しています。
第5弾は出ますか
2026年10月19日時点で発表されていません。 シリーズはここまで6月→8月→10月→12月と隔月で続いています。
まとめ|シリーズ最厚の440ページ、そして目次が先に出た巻
- 『伊豆秘湯殺人ルート』は2026年12月9日・光文社文庫・440ページ・1,034円(税込・本体940円)
- ★収録5編の題名が発売前に全部判明している=「L特急踊り子号殺人事件」「湯煙の中の殺意」「伊豆下田で消えた友へ」「河津七滝に消えた女」「午後の悪魔」
- ★第3弾は発売1週間前でも目次が未公表だった=第4弾は既刊との重複を買う前に確認できる
- ★シリーズ4冊でページが一貫して増えている=376→400→416→440ページ(第1弾から64ページ増)。価格も990円→1,012円→1,012円→1,034円
- ★地域の取り方が「地方→1県→半島」と細かくなっている=北海道・東北・長野県、そして伊豆半島
- ★編者の山前譲は2026年1月29日に70歳で死去。版元は本書を「生前に編纂した最期のアンソロジー」と紹介している
- 書名と同じ題名の収録作は無い=総題はシリーズ用に付けられたもの
- 巻頭作は爆弾予告で緊急停車した踊り子号で刺殺体が見つかる話。十津川警部が列車の運行に着目する
- 新作ではない=西村京太郎は2022年3月3日に91歳で死去
- 第5弾の予定は2026年10月19日時点で未発表
既刊を持っている方は、まず5編の題名を手持ちと突き合わせてください。 それができる巻は、このシリーズでは本書が初めてです。



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