川上弘美(かわかみ・ひろみ、1958年生まれ)は、1996年に「蛇を踏む」で第115回芥川賞を受賞した作家です。2001年には『センセイの鞄』で第37回谷崎潤一郎賞、2015年に『水声』で第66回読売文学賞、2023年に第76回野間文芸賞を受賞し、2025年には日本藝術院賞・恩賜賞を受けています。
不思議なものが日常にまぎれこんでいる作風で知られますが、作品ごとの手触りがかなり違うため、本ページではどこから入るとつまずかないかを整理します。
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- 谷崎潤一郎賞『センセイの鞄』ほか代表作をワンクリック
- Kindle・文庫・中古もまとめてチェック可能
- 主要作は新潮文庫・文春文庫・中公文庫で入手できます
まず確認|川上弘美と川上未映子は別の作家です
同じ「川上」姓の芥川賞作家が二人いるため、しばしば混同されます。
| 川上弘美 | 川上未映子 | |
|---|---|---|
| 生年 | 1958年 | 1976年 |
| 芥川賞 | 第115回(1996年)「蛇を踏む」 | 第138回(2008年)「乳と卵」 |
| 代表作 | センセイの鞄/神様 | 乳と卵/ヘヴン |
本ページで扱うのは川上弘美です。川上未映子の作品は川上未映子のおすすめ小説ランキングで紹介しています。
川上弘美のおすすめ|まず結論(初心者はこの3冊から)
- はじめての1冊は『センセイの鞄』 … 37歳の女性と恩師の、静かな日々を描いた谷崎潤一郎賞受賞作。いちばん読みやすい1冊です。
- 芥川賞受賞作から入るなら『蛇を踏む』 … 踏んだ蛇が女になる、という短編。川上弘美の「不思議さ」が最も濃い作品です。
- 短編で試すなら『神様』 … デビュー作「神様」を含む作品集。1編が短く、作風の見本になります。
川上弘美のおすすめ 人気ランキングTOP10

順位は、①代表作としての定着度、②入門しやすさ、③現在も文庫で入手しやすいかから、ヨムマップ編集部が整理しました。
| 順位 | タイトル | 文庫 | 受賞・特徴 | 入門度 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | センセイの鞄 | 新潮文庫 | 第37回谷崎潤一郎賞 | ★★★ |
| 2 | 蛇を踏む | 文春文庫 | 第115回芥川賞 | ★★ |
| 3 | 神様 | 中公文庫 | デビュー作・紫式部文学賞 | ★★★ |
| 4 | ニシノユキヒコの恋と冒険 | 新潮文庫 | 連作短編・映画化 | ★★★ |
| 5 | 溺レる | 文春文庫 | 伊藤整文学賞・女流文学賞 | ★★ |
| 6 | 真鶴 | 文春文庫 | 芸術選奨文部科学大臣賞 | ★★ |
| 7 | 大きな鳥にさらわれないよう | 講談社文庫 | 泉鏡花文学賞・日本SF大賞候補 | ★★ |
| 8 | 水声 | — | 第66回読売文学賞 | ★ |
| 9 | 光ってみえるもの、あれは | — | 木山捷平文学賞候補 | ★★ |
| 10 | 恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ | — | 第76回野間文芸賞 | ★ |
1位. センセイの鞄(新潮文庫)
新潮社の紹介によれば、ひとり通いの居酒屋で37歳のツキコさんがたまさか隣あったご老体は、学生時代の国語の恩師でした。カウンターでぽつりぽつりと交わす世間話から始まったセンセイとの日々が、露店めぐりやお花見、ささいな喧嘩をはさみながら進んでいきます。
2001年に第37回谷崎潤一郎賞を受賞。川上作品のなかではもっとも静かで、不思議な要素もほとんどありません。最初の1冊として最も安全です。
2位. 蛇を踏む(文春文庫)
文藝春秋の紹介は簡潔です。「女は藪で蛇を踏んだ。蛇は女になり食事を作って待つ」。母性の眠りに惹かれつつも抵抗する、女性の自立と孤独を描いた第115回芥川賞受賞作で、ほかに2篇を収めます。
川上弘美の「不思議さ」が最も濃く出た作品です。ここから入ると強烈ですが、作風の核には最短で触れられます。
3位. 神様(中公文庫)
デビュー作「神様」を含む作品集です。「神様」は1994年に第1回パスカル短篇文学新人賞を受賞し、作品集『神様』は1999年に第9回紫式部文学賞と第9回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受けています。
くまに散歩に誘われる、という一文から始まる表題作が有名です。1編が短いので、作風の見本として読むのに向いています。
4位. ニシノユキヒコの恋と冒険(新潮文庫)
新潮社の紹介によれば、姿よしセックスよし、女には一も二もなく優しく、懲りることを知らない。だけど最後には必ず去られてしまう——そんな男ニシノユキヒコを、関わった女性たちの側から描いた連作短編集です。
1編ずつ語り手が替わるので読みやすく、映画化もされました。
5位. 溺レる(文春文庫)
2000年に第11回伊藤整文学賞と第39回女流文学賞を受賞した短編集です。男女が現実から少しずつずれていく話が並びます。
6〜10位|さらに読みたい作品
- 6位 真鶴(文春文庫) … 夫が10年以上前に日記に「真鶴」と記して失踪した——という設定の長編。2007年に第57回芸術選奨文部科学大臣賞を受賞しました。
- 7位 大きな鳥にさらわれないよう(講談社文庫) … 遠い未来の人類を描いた連作。2016年に第44回泉鏡花文学賞を受賞し、第37回日本SF大賞の候補にもなりました。
- 8位 水声 … 2015年2月に第66回読売文学賞を受賞した長編。
- 9位 光ってみえるもの、あれは … 高校生を主人公にした長編。第8回木山捷平文学賞の候補作です。
- 10位 恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ … 2023年11月に第76回野間文芸賞を受賞した近年の代表作。
※8〜10位は版が複数あるため、書影カードは掲載していません。購入時は最新の版をご確認ください。
川上弘美の受賞歴
| 年 | 賞 | 対象 |
|---|---|---|
| 1994年4月 | 第1回パスカル短篇文学新人賞 | 「神様」 |
| 1996年7月 | 第115回芥川賞 | 「蛇を踏む」 |
| 1999年 | 第9回紫式部文学賞/第9回Bunkamuraドゥマゴ文学賞 | 『神様』 |
| 2000年 | 第11回伊藤整文学賞/第39回女流文学賞 | 『溺レる』 |
| 2001年 | 第37回谷崎潤一郎賞 | 『センセイの鞄』 |
| 2007年3月 | 第57回芸術選奨文部科学大臣賞 | 『真鶴』 |
| 2015年2月 | 第66回読売文学賞 | 『水声』 |
| 2016年10月 | 第44回泉鏡花文学賞 | 『大きな鳥にさらわれないよう』 |
| 2023年11月 | 第76回野間文芸賞 | 『恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ』 |
| 2025年4月 | 第81回日本藝術院賞・恩賜賞 | — |
約30年にわたって主要な文学賞を受け続けている作家です。
川上弘美のおすすめをタイプ別に
| こんな人に | おすすめ |
|---|---|
| 静かな小説が読みたい | センセイの鞄 |
| 芥川賞受賞作から | 蛇を踏む |
| 短編で試したい | 神様 |
| 連作短編が好き | ニシノユキヒコの恋と冒険 |
| SF的な設定も好き | 大きな鳥にさらわれないよう |
よくある質問
Q. 川上弘美は何から読むのがおすすめ?
A. 『センセイの鞄』(新潮文庫)です。川上作品のなかでは最も静かで読みやすく、谷崎潤一郎賞の受賞作でもあります。
Q. 芥川賞を受賞した作品はどれですか?
A. 「蛇を踏む」です。1996年7月に第115回芥川賞を受賞しました。文春文庫で読めます。
Q. 川上未映子とは同じ人ですか?
A. 別の作家です。川上弘美は1958年生まれで第115回芥川賞(「蛇を踏む」)、川上未映子は1976年生まれで第138回芥川賞(「乳と卵」)を受賞しています。
Q. 映像化された作品は?
A. 『センセイの鞄』『ニシノユキヒコの恋と冒険』などが映像化されています。最新の配信状況は各公式サイトをご確認ください。
Q. 近年の作品も読めますか?
A. 読めます。2023年11月に第76回野間文芸賞を受けた『恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ』が近年の代表作です。
まとめ|まずは『センセイの鞄』から
川上弘美は、デビューから約30年にわたって主要な文学賞を受け続けている作家です。入口に迷ったら『センセイの鞄』。作風の核に最短で触れたいなら芥川賞の『蛇を踏む』、短編で試すなら『神様』へ進んでください。
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出典・参考情報
- 新潮社 公式製品情報『センセイの鞄』『ニシノユキヒコの恋と冒険』(内容紹介・書誌)
- 文藝春秋 公式製品情報『蛇を踏む』『溺レる』『真鶴』/中央公論新社 公式製品情報『神様』
- 「文学賞の世界」川上弘美の受賞・候補記録(芥川賞・谷崎潤一郎賞・読売文学賞・泉鏡花文学賞・野間文芸賞・日本藝術院賞ほか)
- openBD(書誌・ISBNの確認)








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