『希望の国のエクソダス』は、村上龍が2000年に発表した社会派長編です。全国の中学生が一斉に学校へ行くのをやめ、自分たちでネットビジネスを立ち上げ、やがて国の経済そのものを動かしていくという筋立てで、刊行当時から大きな話題になりました。
作中の舞台は2001年から2002年。2000年の時点で「その先」を書いた作品として読むと、現在からの見え方がまた変わります。
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著者・村上龍さんの逝去について
著者の村上龍さんは、2026年10月17日に自宅で逝去されました。74歳でした。版元の幻冬舎BOOKSが同年10月23日に公表し、葬儀は家族葬として執り行われたと発表されています。謹んでお悔やみ申し上げます。本ページは追悼を目的としたものではなく、村上さんが遺した作品を読み継ぐための資料としてまとめています。
『希望の国のエクソダス』の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 著者 | 村上龍 |
| 単行本 | 2000年7月・文藝春秋 |
| 現在の版 | 文春文庫(む 11-2)/2002年5月10日発売 |
| ページ数 | 464ページ |
| ISBN | 978-4-16-719005-7 |
| 関連書 | 『希望の国のエクソダス』取材ノート(2000年9月・文藝春秋) |
| その他 | このミステリーがすごい! 第13回 34位(2000年) |
本作には取材ノートが別冊で刊行されているという珍しい特徴があります。作中の経済・制度の描写がどこから来ているかを知りたい場合、そちらも手がかりになります。
あらすじ|一斉に学校をやめた中学生たち
版元・文藝春秋による紹介では、物語は次のように要約されています。
2002年。一斉に不登校を始めた中学生がネットビジネスを展開し、遂には世界経済を覆した! 閉塞した現代日本を抉る超大型長篇
きっかけは、一人の中学生の行動でした。やがてそれは全国に広がり、80万人規模の中学生が学校に行かなくなります。
彼らはただ学校を離れただけではありません。ネットを使って自分たちで事業を立ち上げ、やがて独自の経済圏をつくり上げていきます。物語は彼らを取材する大人の記者の視点から語られ、大人たちが状況をまったく理解できないまま事態が進んでいく構図になっています。
本作でもっとも引用されるのは、中学生たちの代表が国会で語る、「この国には何でもある。だが、希望だけがない」という趣旨の発言です。タイトルの「エクソダス(脱出)」は、彼らがこの国の既存の枠組みから出ていくことを指しています。
2000年に書かれたという前提

本作が単行本として出たのは2000年7月です。作中の舞台は2001年から2002年で、当時から見た近未来にあたります。
| 項目 | 本作の扱い |
|---|---|
| 舞台 | 2001年〜2002年(執筆時点の近未来) |
| 中学生の武器 | インターネットと情報技術 |
| 大人側 | 状況を把握できないまま後追いする |
スマートフォンもSNSも存在しない時期に、ネットを基盤にした集団が既存の経済の外側に自分たちの仕組みをつくるという筋を立てていた点が、本作がいまも読まれ続ける理由です。
同じ1990年代後半から2000年前後の村上龍には、ネットが人を動かす構造を扱った『共生虫』(2000年・第36回谷崎潤一郎賞)もあります。同じ年に、ネットが個人を壊す話と集団を立ち上げる話を並行して書いていたことになります。
よくある質問
Q. 『希望の国のエクソダス』はどんな話ですか?
A. 全国の中学生が一斉に学校へ行くのをやめ、ネットビジネスを立ち上げて独自の経済圏をつくり、やがて国の経済そのものを動かしていく社会派長編です。
Q. いつ書かれた作品ですか?
A. 単行本は2000年7月に文藝春秋から刊行されました。作中の舞台は2001年から2002年で、執筆時点から見た近未来です。
Q. 何ページありますか?
A. 文春文庫で464ページです。村上龍の長編のなかでは長い部類にあたります。
Q. 「取材ノート」とは何ですか?
A. 2000年9月に文藝春秋から刊行された『『希望の国のエクソダス』取材ノート』という別冊です。本編の背景にある取材をまとめたもので、本編とは別の書籍です。
Q. 続編はありますか?
A. 続編はありません。1冊で完結します。
まとめ|2000年に書かれた「この国の外に出る」話
『希望の国のエクソダス』は、中学生たちが既存の枠組みから出ていく過程を464ページで描いた社会派長編です。2000年という執筆時期を踏まえて読むと、何が予見されていたかが見えてきます。
ほかの作品との比較は村上龍のおすすめ小説ランキングにまとめています。
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出典・参考情報
- 文藝春秋 公式製品情報『希望の国のエクソダス』(文春文庫・発売日・ページ数・ISBN・内容紹介)
- 「文学賞の世界」村上龍の候補記録(このミステリーがすごい! 第13回 34位)
- 国立国会図書館サーチ(単行本および『取材ノート』の書誌)
- NHK・共同通信・オリコンニュース 各報道(2026年10月23日/逝去日・年齢・発表者)




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