『見えるか保己一』は、江戸もの時代小説の実力派・蝉谷めぐ実が、7歳で失明しながら国内最大の叢書『群書類従』を編纂した全盲の学者・塙保己一(はなわ ほきいち)の生涯を描いた一代記です。第39回山本周五郎賞を受賞し、さらに2026年の第175回直木賞候補にも選ばれた話題作。単なる偉人伝ではなく、「見える者」と「見えない者」がついに分かり合えない断絶の苦悩を描き切ります。本記事では、あらすじ・読みどころを紹介します。
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- 第175回直木賞候補・第39回山本周五郎賞受賞作
- 全盲の学者・塙保己一を描く江戸の時代小説
- 単行本・電子書籍・オーディオブック版あり
見えるか保己一とは|蝉谷めぐ実の第175回直木賞候補作
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 著者 | 蝉谷めぐ実 |
| ジャンル | 時代小説/歴史人物 |
| 出版社 | KADOKAWA |
| 発売日 | 2026年3月13日 |
| ISBN | 978-4-04-116032-9 |
| 受賞 | 第39回山本周五郎賞 |
| 候補 | 第175回直木賞(2026年上半期) |
| 題材 | 全盲の国学者・塙保己一 |
『見えるか保己一』は、蝉谷めぐ実が全盲の国学者・塙保己一の生涯を描いた長編時代小説です。
第39回山本周五郎賞を受賞し、第175回直木賞候補にも選ばれた、2026年上半期を代表する時代小説のひとつです。
著者の蝉谷めぐ実は、デビュー作『化け者心中』で注目を集めて以来、江戸を舞台にした人間ドラマを得意とする実力派として評価されてきました。
本作は書籍発売と同日にオーディオブックも配信され、幅広い読者に届いています。
見えるか保己一のあらすじ|全盲の学者が『群書類従』に挑む

物語がたどるのは、実在の学者・塙保己一の波乱の生涯です。
7歳で光を失い、学問を志す
保己一は幼くして病により視力を失い、7歳で全盲となります。
それでも学問への志を捨てず、類まれな記憶力を武器に、耳で聞いた知識を積み上げていきます。
やがて彼は、国内最大の叢書『群書類従』の編纂という、前代未聞の大事業へと踏み出していきます。
輝かしい経歴の傍らにあった断絶
学者として名を成していく保己一。
しかしその傍らには常に、晴眼者――妻や学者仲間、弟子たちとのすれ違いがありました。
「見える者」と「見えない者」は、互いの本当の思いをどこまで分かり合えるのか。物語はこの問いを静かに掘り下げていきます。
偉人伝ではなく「心の葛藤のドラマ」
本作は、保己一の偉業を讃えるだけの物語ではありません。
盲人と晴眼者の双方が、相手の内面を見通せないまま抱える苦悩と断絶――そこに生まれる緊迫した心の葛藤こそが、この小説の主題です。
タイトル「見えるか保己一」には、その問いかけが込められています。
見えるか保己一の3つの読みどころ

1. 「見える/見えない」をめぐる普遍的な主題
本作が描くのは、視力の有無を超えて、人が人を理解することの難しさです。
目が見える者どうしでさえ、相手の本心は見えない――保己一の物語を通して、その普遍的な断絶が浮かび上がります。
歴史小説でありながら、現代の人間関係にも通じる深い問いを投げかけます。
2. 実在の偉人を血の通った人物として描く筆力
『群書類従』編纂という歴史的偉業を成した塙保己一を、蝉谷めぐ実は弱さや葛藤を抱えた一人の人間として描きます。
偉人の「業績」ではなく「内面」に踏み込むことで、保己一という人物が生き生きと立ち上がってくるのが本作の醍醐味です。
3. 山本周五郎賞が認めた完成度
本作は、直木賞と並ぶエンタメ文学の権威・第39回山本周五郎賞を受賞しています。
さらに第175回直木賞候補にも選ばれ、二つの権威ある賞に評価された確かな完成度を備えています。
山本周五郎賞のまとめもあわせてどうぞ。
見えるか保己一と第175回直木賞の候補作
『見えるか保己一』は、受賞作『けんぐゎい』(朝倉かすみ)と同じく「江戸もの」として第175回直木賞候補に並びました。
| 候補作 | 著者 | レビュー |
|---|---|---|
| けんぐゎい ★受賞 | 朝倉かすみ | 「圏外」に置かれた女たちの時代小説 |
| 見えるか保己一 | 蝉谷めぐ実 | 本記事 |
| 多類婚姻譚 | 凪良ゆう | 現代の愛と結婚を描く連作短編集 |
| #台所のあるところ | 原田ひ香 | 深夜ドラマが人生を交差させる物語 |
| 青天 | 若林正恭 | アメフトに挑む高校生の青春小説 |
見えるか保己一の読了時間と難易度
- 読了時間目安: 約6〜9時間(長編)
- 難易度: ★★★☆☆(歴史背景は丁寧に描かれる)
- おすすめタイプ: 直木賞・山本周五郎賞の受賞/候補作を追いたい人/実在の人物を描く歴史小説が好きな人
歴史小説に不慣れな方でも、保己一の人生ドラマとして引き込まれる一作です。
見えるか保己一に関するよくある質問
Q. 塙保己一とは実在の人物?
A. はい。江戸時代に実在した全盲の国学者です。
7歳で失明しながら学問を志し、国内最大の叢書『群書類従』を編纂したことで知られています。
Q. 『見えるか保己一』はどんな賞を受賞・候補になった?
A. 第39回山本周五郎賞を受賞し、第175回直木賞の候補にも選ばれました。
Q. 歴史を知らなくても読める?
A. 予備知識がなくても読めます。
保己一の生い立ちから偉業までが物語のなかで描かれ、人間ドラマとして楽しめます。
Q. オーディオブックはある?
A. 書籍発売と同日にオーディオブックも配信されています。
まとめ|見えるか保己一は「見える者と見えない者」の断絶を描く直木賞候補作
『見えるか保己一』は、蝉谷めぐ実が全盲の学者・塙保己一の生涯を通して、人が人を理解することの難しさを描いた、第39回山本周五郎賞受賞・第175回直木賞候補作です。
偉業の裏にあった孤独と断絶を静かに掘り下げる筆力は、二つの文学賞に認められた確かなもの。
歴史小説が好きな方・直木賞候補作を追いたい方におすすめの1冊です。受賞作『けんぐゎい』とあわせて、2026年上半期の「江戸もの」の充実を味わってみてください。
- 山本周五郎賞受賞・第175回直木賞候補作
- 単行本・電子書籍・オーディオブック版あり
- 受賞作『けんぐゎい』もあわせてチェック
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見えるか保己一・関連作品の読書ガイド
出典・参考情報
- KADOKAWA『見えるか保己一』公式製品情報
- 公益財団法人 日本文学振興会(直木賞・第175回)
- openBD 書誌データ(ISBN 978-4-04-116032-9)
- 各社報道(最終確認: 2026年7月16日)




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