『オレンジカテドラル1996』は、『チーム・バチスタの栄光』でデビューした海堂尊の長編で、2026年10月21日に講談社から出ます。2,200円(税込)・四六判256ページ。版元は本作を「ブラックペアンシリーズ最新刊」「全『桜宮サーガ』がクロスする」と紹介し、海堂尊のデビュー20周年にあたる刊行です。舞台は作中1996年——阪神・淡路大震災と地下鉄サリン事件の翌年の東城大病院で、院内の“ヤングガン・コンテスト”をめぐって速水晃一と島津吾郎が競います。さらに6日前の10月15日に、同シリーズの前日譚『プラチナハーケン1980』が講談社文庫で出ます。この記事では、あらすじと読む順番を一次資料で整理します。
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※本記事は発売前に公表された情報にもとづいています。
- 2026年10月21日・講談社・2,200円(税込)・256ページ
- ブラックペアンシリーズ最新刊。デビュー20周年
- 6日前に前日譚『プラチナハーケン1980』が文庫化
オレンジカテドラル1996とは|デビュー20周年の書き下ろし単行本

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | オレンジカテドラル1996 |
| 著者 | 海堂尊 |
| 版元 | 講談社(単行本) |
| 発売日 | 2026年10月21日 |
| 判型・ページ | 四六判・256ページ |
| 定価 | 2,200円(税込・本体2,000円) |
| ISBN | 978-4-06-544030-8 |
| Cコード | C0093(一般・単行本・日本文学) |
| シリーズ | ブラックペアンシリーズ(桜宮サーガ) |
出典:版元ドットコム(講談社登録データ)(2026年10月4日時点)
256ページは、シリーズでも短めです。版元が本作を「オールスター登場! シリーズが鮮やかに交錯する極上のオムニバス」と呼んでいるとおり、長編ひと筋ではなく複数の筋を束ねた構成であることが、この分量と対応しています。
海堂尊は2005年に『チーム・バチスタの栄光』で第4回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、翌2006年にデビューしました。本作の刊行は2026年で、版元は「祝デビュー20周年!」と掲げています。
オレンジカテドラル1996のあらすじ|震災とサリンの翌年、院内でコンテストが始まる

1996年——大転換に揺れる日本
版元が置く時代設定はこうです。「世紀末に向かう1990年代半ば——未曽有の震災、地下鉄テロ事件、大転換に揺れる日本」。作中年は1995年の大震災とサリン事件の翌年にあたります。
病院長肝いりの“ヤングガン・コンテスト”がぶちあがる
東城大病院では、盤石な地位を築いた江尻病院長肝いりの“ヤングガン・コンテスト”が始まります。
第一外科のエース対、放射線科の理論派
競うのは2つの構想です。
| 候補 | 人物 | 所属 | 構想 |
|---|---|---|---|
| 候補① | 速水晃一 | 第一外科のエース | 救命救急センター |
| 候補② | 島津吾郎 | 放射線科の理論派 | 画像診断センター |
蠢く院内謀略をかわし、東城大病院の未来を切り拓くため、ライバル二人はしのぎを削ります。
その頃、チリで「消えた男」と再会する
同時にもう一本の筋が走ります。JICAの研修で南米チリを訪れた猫田麻里が、10年前に姿を消した「オペ室の悪魔」渡海征司郎と衝撃的な邂逅をはたします。
版元が引く作中の一句は「翔べないイカロスが、大空に羽ばたく時が来たか……」です。
出典:版元ドットコム(講談社登録データ)の内容紹介(2026年10月4日時点)
オレンジカテドラル1996の3つの読みどころ

1. 6日前に出る前日譚とセットになっている。渡海の「消えた理由」と「消えた後」
2026年10月は、このシリーズにとって特殊な月です。同じシリーズの「いちばん古い話」と「いちばん新しい話」が6日違いで出ます。
| 作品 | 版元・形態 | 発売日 | 作中年 | 位置 |
|---|---|---|---|---|
| プラチナハーケン1980 | 講談社文庫 | 2026年10月15日 | 1980〜85年 | 前日譚(渡海征司郎の原点) |
| オレンジカテドラル1996(本作) | 講談社(四六判) | 2026年10月21日 | 1996年 | 最新刊 |
出典:版元ドットコム(プラチナハーケン1980・文庫)、版元ドットコム(本作)(2026年10月4日時点)
2つは宣伝上の偶然ではなく、同じ人物で噛み合っています。
- 『プラチナハーケン1980』は渡海征司郎がなぜ「オペ室の悪魔」と呼ばれるに至ったかを描く本で、作中は1980〜85年
- 本作の内容紹介は「10年前に姿を消した」渡海を、1996年のチリで再会させます
前日譚で原点を見てから本作へ進むと、「消えた理由」と「消えた後」が1週間のうちに繋がります。順番としては10月15日の文庫→10月21日の本作が、そのまま読む順にもなります。
2. 作中1996年という年の選び方
シリーズは題名に作中年を入れる型です。本作が置かれた1996年は、シリーズの年表のなかで空いていた年でした。
| 作中年代 | 書名 | 刊行 |
|---|---|---|
| 1980〜85年 | プラチナハーケン1980 | 2024年7月 |
| 1988年 | ブラックペアン1988 | 2007年9月 |
| 1990年 | ブレイズメス1990 | 2010年7月 |
| 1991年 | スリジエセンター1991 | 2012年10月 |
| 1996年 | オレンジカテドラル1996(本作) | 2026年10月 |
出典:Wikipedia「桜宮サーガ」作品一覧(2026年10月4日時点)。※本作はWikipedia側に未反映で、同ページの一覧は『アルゴリズムの査証』(2026年8月)が末尾です。最新刊という位置づけは版元の紹介文にもとづきます。
1988・1990・1991年が「バブル三部作」と呼ばれる並びで、本作は1991年から5年飛んだ1996年です。版元が「未曽有の震災、地下鉄テロ事件」を時代の説明に置いているとおり、バブル後の日本に局面が変わってからの東城大が舞台になります。
「救命救急センター」と「画像診断センター」のどちらを作るかという院内の争いは、その後のシリーズで両方が存在することを知っている読者にとって、結末が分かっていながら過程を読む話になります。『チーム・バチスタの栄光』より10年前の東城大です。
3. 「オムニバス」と銘打たれた全サーガの交差点
版元は本作を「オールスター登場! シリーズが鮮やかに交錯する極上のオムニバス」「全『桜宮サーガ』がクロスする!」と紹介しています。
桜宮サーガは、海堂尊の作品群を貫く世界観の総称です。東海地方の架空都市・桜宮市を中心に、架空の極北市・浪速府と東京を舞台として、ある作品の登場人物が性格や経歴を引き継いだまま別の作品にも出てくるという作り方をしています。この名称は書評家の東えりかが文庫版『ナイチンゲールの沈黙』の巻末解説で用いたことから生まれました。
本作で名前が挙がる人物も、それぞれ別の系列から来ています。
| 人物 | 主に出ていた系列 |
|---|---|
| 速水晃一 | 田口・白鳥シリーズ(『ジェネラル・ルージュの凱旋』2007年4月)/『ひかりの剣』/『極北ラプソディ』 |
| 渡海征司郎 | ブラックペアンシリーズ(『ブラックペアン1988』/『プラチナハーケン1980』) |
出典:Wikipedia「桜宮サーガ」(2026年10月4日時点)
ブラックペアン系列の渡海と、田口・白鳥系列の速水が同じ1冊に入るのが「クロスする」の中身です。シリーズをどれか1つでも読んでいれば、知っている名前が必ず出てくる構成になっています。
オレンジカテドラル1996に関するよくある質問
文庫版はいつ出ますか
2026年10月4日時点で未公表です。参考として、同シリーズの『プラチナハーケン1980』は単行本2024年7月3日→文庫2026年10月15日で2年3か月でした。同じ間隔なら2028年後半以降になりますが、版元の告知はありません。
シリーズを最初から読むべきですか
本作は「オールスターが交差する最新刊」なので、1冊目には向きません。初めて読むなら『ブラックペアン1988』(2007年9月)か、デビュー作の『チーム・バチスタの栄光』から入るのがおすすめです。
『プラチナハーケン1980』を読んでから本作を読むべきですか
その順番が効きます。『プラチナハーケン1980』は渡海征司郎の原点を描く前日譚で、本作の内容紹介は「10年前に姿を消した」渡海を1996年のチリで再会させます。前日譚が6日前の2026年10月15日に文庫化されるので、10月のうちに続けて読めます。
ブラックペアンシリーズの何作目ですか
版元は通し番号を付けていません。「ブラックペアンシリーズ最新刊」とだけ紹介されています。刊行順では『ブラックペアン1988』『ひかりの剣』『ブレイズメス1990』『スリジエセンター1991』『プラチナハーケン1980』に続く6番目ですが、『ひかりの剣』は文藝春秋から出たのち講談社へ出版権が移ってシリーズに組み込まれたため、数え方によって番号は変わります。
ドラマ化されますか
2026年10月4日時点で発表はありません。版元は『ブラックペアン1988』が2018年にTBS系日曜劇場でドラマ化されたことを著者紹介で挙げています。
医療の知識がないと読めませんか
不要です。救命救急センターと画像診断センターのどちらを作るかという病院内の構想と権力の争いが話の軸で、医療ミステリーとして書かれていますが専門知識は前提になりません。
「オレンジカテドラル」とは何ですか
版元の内容紹介に語の説明はありません。シリーズの題名は『ブラックペアン』(ペアン=手術用鉗子)『ブレイズメス』『スリジエセンター』『プラチナハーケン』のように器具や建物を指す語+作中年で統一されていて、本作もその型に沿っています。
読了時間はどれくらいですか
256ページなので、通しで4〜5時間が目安です。シリーズでは短めの分量です。
まとめ|1996年の東城大で、二人が未来を取り合う
- 『オレンジカテドラル1996』は2026年10月21日・講談社・2,200円(税込)・四六判256ページ
- ブラックペアンシリーズ最新刊。海堂尊デビュー20周年の刊行
- 作中は1996年=阪神・淡路大震災と地下鉄サリン事件の翌年
- 江尻病院長肝いりの“ヤングガン・コンテスト”で、速水晃一の救命救急センターと島津吾郎の画像診断センターが競う
- 猫田麻里がJICA研修のチリで、10年前に消えた渡海征司郎と再会する
- ★6日前の10月15日に前日譚『プラチナハーケン1980』が文庫化。渡海の「消えた理由」と「消えた後」が繋がる
- 版元は「全『桜宮サーガ』がクロスする」「極上のオムニバス」と紹介
救命救急センターと画像診断センターは、どちらも後のシリーズに存在します。つまり結末を知っている読者が、それが生まれる過程を読む話です。10月15日の前日譚と合わせて読むのが、今年だけできる読み方です。



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