『佐伯警部の油断』は、佐々木譲の警察小説で、2026年11月4日に角川春樹事務所から出ます。2,090円(税込)・四六判432ページ。
本作は道警(北海道警察)シリーズの最新刊です。ここに、このシリーズを追っている人だけが引っかかる点があります。著者は版元の公式対談で、このシリーズを「十作で完結」と明言していました。 第9作で何を書くか、第10作でどう締めるかまで具体的に語っています。
本作は13作目です。
この記事では、その対談の原文と、『佐伯警部の推理』から始まった「第2シーズン」で主人公の所属がどう変わったかを一次情報で整理します。あわせて、同じ佐々木譲の別シリーズ『秋葉断層』が翌日の11月5日に文春文庫から出るので、その取り違えにも触れます。
※本ページはアフィリエイトリンクを含みます。
※本記事は発売前に公表された情報にもとづいています。
- 2026年11月4日・角川春樹事務所・2,090円(税込)・四六判432ページ
- 道警(北海道警察)シリーズ第13作。第2シーズンの2作目
- 翌11月5日に別シリーズ『秋葉断層』が文春文庫で出ます
佐伯警部の油断とは|道警シリーズの最新刊

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 著者 | 佐々木譲 |
| 版元 | 角川春樹事務所(単行本) |
| 発売日 | 2026年11月4日 |
| 初版年月日 | 2026年11月8日 |
| 判型・頁 | 四六判・432ページ |
| 価格 | 2,090円(税込・本体1,900円) |
| ISBN | 978-4-7584-1520-0 |
| Cコード | C0093(一般・単行本・日本文学、小説・物語) |
| シリーズ | [道警シリーズ](国立国会図書館サーチの表記) |
出典:版元ドットコム、国立国会図書館サーチ(2026年10月7日時点)
★あらすじはまだ公表されていない
先に書いておきます。 2026年10月7日時点で、本作のあらすじは公表されていません。
| 確認先 | 状態 |
|---|---|
| 版元ドットコム | 内容紹介が空欄(登録 2026年7月25日/最終更新 2026年9月16日) |
| 角川春樹事務所 公式サイト | 新刊情報にまだ本作が掲載されていない(発売は11月4日) |
| openBD | タイトル・著者・版元のみ |
書誌(判型・ページ数・価格・ISBN)は確定していますが、物語の内容は出ていません。 本記事は推測であらすじを埋めることをしません。 代わりに、シリーズの成り立ちと、前作で主人公がどこまで来ているかを整理します。これは公表済みの情報だけで書けます。
なお、国立国会図書館サーチは本作を[道警シリーズ]と明記しており、版元以外の第2ソースでシリーズ所属が取れています。
佐伯警部の油断と「十作で完結」宣言|著者は第9作・第10作の中身まで語っていた

角川春樹事務所の公式特設サイトに、著者と文芸評論家・杉江松恋の対談が全文載っています。 第8作『真夏の雷管』(2017年)の刊行時のもので、現在も公開されています。
佐々木|そもそもこのシリーズの最初は『笑う警官』に始まる三部作の構想だったんです。(中略)それが途中から、警察小説が扱う可能性のある事件を順番に全部やって十作で完結という構想に変わったんです。
杉江|このシリーズは十作と決めておられると伺いましたが、今回が八作目でいよいよ終わりが見えてきました。残り二作の構想はもうできていらっしゃるんですか?
佐々木|はい。九作目ではこれまで扱ってこなかったんですが、さっぽろ雪まつりが背景として出てくる予定です。十作目はシリーズ全体の締めにふさわしい犯罪にしようと思っています。実は最初の三冊の中で、まだ解決していないサブプロットがあるんです。それを扱って、きちんと犯人も断罪して幕引きとしようと。すでに構想はできています。
出典:角川春樹事務所『佐々木譲/北海道警察シリーズ』特設サイト(著者インタビュー・聞き手 杉江松恋)(2026年10月7日時点)
予告は当たった。でも終わらなかった
第9作の予告は、そのとおりになっています。
| # | 作品 | 刊行 | 前作からの間隔 |
|---|---|---|---|
| 1 | うたう警官(文庫改題『笑う警官』) | 2004年12月 | — |
| 2 | 警察庁から来た男 | 2006年12月 | 2年0か月 |
| 3 | 警官の紋章 | 2008年12月 | 2年0か月 |
| 4 | 巡査の休日 | 2009年10月 | 10か月 |
| 5 | 密売人 | 2011年8月 | 1年10か月 |
| 6 | 人質 | 2013年1月 | 1年5か月 |
| 7 | 憂いなき街 | 2014年4月 | 1年3か月 |
| 8 | 真夏の雷管(対談の時点) | 2017年7月 | 3年3か月 |
| 9 | 雪に撃つ(=予告どおり雪まつり) | 2020年12月 | 3年5か月 |
| 10 | 樹林の罠(=「十作目」) | 2022年12月 | 2年0か月 |
| 11 | 警官の酒場 | 2024年2月 | 1年2か月 |
| 12 | 佐伯警部の推理(第2シーズン開幕) | 2025年9月 | 1年7か月 |
| 13 | 佐伯警部の油断(本作) | 2026年11月 | 1年2か月 |
出典:Wikipedia「佐々木譲」(道警シリーズ刊行一覧)、角川春樹事務所 特設サイト(2026年10月7日時点)
第9作『雪に撃つ』は、対談で予告されたさっぽろ雪まつりの作品です。つまり著者の構想どおりに進んでいました。 第10作『樹林の罠』が「十作目」にあたります。
そこからさらに3作出ています。
| 構想 | 実際 |
|---|---|
| 十作で完結 | 13作目が出る(2026年11月時点) |
| 第9作=さっぽろ雪まつり | 『雪に撃つ』(2020年12月)で実現 |
| 第10作=シリーズ全体の締め | 『樹林の罠』(2022年12月)が第10作 |
対談で杉江松恋はこう言っています。
杉江|実は日本の警察小説で数を決めて完結したものって、まだあまりないんですよ。大沢在昌さんの〈新宿鮫〉にしても十作まで行きましたけど、まだ続いています。もしかすると、初の十作という構想のまま完結するシリーズになるのかもしれません。
佐々木|やりがいがありますねえ。見事に完結させてみせよう(笑)。
出典:角川春樹事務所 特設サイト(著者インタビュー)(2026年10月7日時点)
結果として、同じことが起きました。 ここで引き合いに出された大沢在昌の『新宿鮫』と同じく、本シリーズも十作で止まりませんでした。 当サイトも同じ週に大沢在昌『語りつづけろ、届くまで』を扱っています。
なお、2026年10月7日時点で「完結を撤回した」という著者や版元の発表は確認できませんでした。 ここに書けるのは「対談で十作と述べていた」「13作目が出る」という2つの事実だけです。本記事はその理由を推測しません。
佐伯警部の油断の3つの読みどころ

1. 書名が「佐伯警部」に変わったのは、作中で昇任したから
前作『佐伯警部の推理』(2025年9月3日・432ページ・1,980円)から、シリーズは「第2シーズン」に入っています。 版元の公式あらすじが、その経緯をはっきり書いています。
厚真で強盗殺人事件を起こした犯人の一人が札幌ジャズバー「ブラックバード」に立てこもり、機動捜査隊の津久井に発砲した事件から約一年。重大事案の検挙実績で道警一だった大通署の佐伯宏一は、それまで受験すらしなかった警部昇任試験を受け合格、警察大学の研修を経て、函館方面本部捜査課に警部として着任した。
出典:角川春樹事務所『佐伯警部の推理』書籍情報(2026年10月7日時点)
主人公の状況が3点変わっています。
| 第1シーズン | 第2シーズン | |
|---|---|---|
| 階級 | 巡査部長〜(大通署 刑事課盗犯係) | 警部 |
| 所属 | 札幌・大通署 | 函館方面本部 捜査課 |
| 書名 | 『笑う警官』『密売人』など事件・情景 | 『佐伯警部の〜』(主人公の名を冠する) |
「それまで受験すらしなかった警部昇任試験を受け」という一文が効いています。第1シーズンの佐伯は、出世に関心のない立場で描かれていました。 対談でも著者は「佐伯と新宮がいるのは不遇な部署」と語っています。その人物が試験を受けて警部になり、札幌を離れた——これが第2シーズンの出発点です。
舞台が札幌から函館へ移ったことも大きい変化です。第1シーズンはよさこいソーラン祭り(『巡査の休日』)、サッポロ・シティ・ジャズ(『憂いなき街』)、さっぽろ雪まつり(『雪に撃つ』)と、札幌の行事を背景に使ってきました。
2. 第1シーズンの「4人の非公式チーム」という形
シリーズの型について、著者が対談で説明しています。
佐々木|主人公たちのセクションが、佐伯と新宮は刑事課盗犯係、津久井は機動捜査隊で小島は生活安全課、ということでバラバラですから、いきなり合流するわけがない。四人の警察官たちがそれぞれの抱える事件解決の為に非公式のチームを作り上げる、という形式を毎回踏襲しているのも他の人たちの警察小説にない、このシリーズの特徴ですよね。
出典:角川春樹事務所 特設サイト(著者インタビュー)(2026年10月7日時点)
| 人物 | 所属(第1シーズン) |
|---|---|
| 佐伯宏一 | 刑事課 盗犯係 |
| 新宮 | 刑事課 盗犯係 |
| 津久井卓 | 機動捜査隊 |
| 小島百合 | 生活安全課 |
「小さな事件が、全然関係ないように見える形で発生して、あるところでパッとつながる」のが基本構成だと著者は述べています。第1作『笑う警官』は、道警の裏金問題と射殺命令という不祥事の隠蔽を扱い、佐伯たちがそこに立ち向かう三部作の構想から始まりました。
佐伯が函館へ異動した第2シーズンで、この4人の形がどうなるのかは、本作のあらすじが未公表のため分かりません。
3. 432ページという厚さが、前作と同じ
| 佐伯警部の推理 | 佐伯警部の油断(本作) | |
|---|---|---|
| 発売 | 2025年9月3日 | 2026年11月4日 |
| 判型 | 四六判上製 | 四六判 |
| ページ | 432ページ | 432ページ |
| 価格(税込) | 1,980円 | 2,090円 |
| ISBN | 978-4-7584-1492-0 | 978-4-7584-1520-0 |
出典:角川春樹事務所『佐伯警部の推理』、版元ドットコム『佐伯警部の油断』(2026年10月7日時点)
ページ数がぴったり同じ432ページで、価格は110円上がっています。 シリーズの長さが安定している、ということでもあります。
なお、角川春樹事務所は2026年9月10日に「文庫の価格改定について」というお知らせを出しています。 本作は単行本なので直接の対象ではありませんが、同社の価格が動いている時期にあたります。
佐伯警部の油断に関するよくある質問
佐伯警部の油断はシリーズの何作目ですか
道警(北海道警察)シリーズの13作目です。 第1作『うたう警官』(2004年12月/文庫改題『笑う警官』)から数えた通算で、『佐伯警部の推理』(2025年9月)から始まった第2シーズンでは2作目にあたります。国立国会図書館サーチも本作を[道警シリーズ]と表記しています。
あらすじはどんな話ですか
2026年10月7日時点で公表されていません。 版元ドットコムの内容紹介は空欄(最終更新 2026年9月16日)で、角川春樹事務所の公式サイトにもまだ本作のページがありません。発売は11月4日なので、刊行が近づけば版元から出る見込みです。
著者は「十作で完結」と言っていませんでしたか
言っていました。 角川春樹事務所の公式特設サイトに載る杉江松恋との対談で、「警察小説が扱う可能性のある事件を順番に全部やって十作で完結という構想に変わった」と述べています。第9作でさっぽろ雪まつりを扱う予告は『雪に撃つ』(2020年12月)で実現し、第10作は『樹林の罠』(2022年12月)でした。その後も『警官の酒場』『佐伯警部の推理』と続き、本作が13作目です。完結構想の変更について、著者や版元の発表は2026年10月7日時点で確認できていません。
前作を読んでいないと分かりませんか
前作『佐伯警部の推理』で主人公の所属が変わっているので、読んでおいたほうが前提が揃います。大通署の佐伯宏一が警部昇任試験に合格し、警察大学の研修を経て函館方面本部捜査課へ着任した——これが第2シーズンの出発点です。本作のあらすじが未公表のため、どこまで前作を前提にするかは現時点で判断できません。
第1作から読んだほうがいいですか
シリーズを通して読むなら第1作『笑う警官』からです。第1作は道警の裏金問題と射殺命令を扱う作品で、著者は当初三部作として構想していたと述べています。ただし第2シーズンは主人公の階級・所属が変わっている区切りなので、『佐伯警部の推理』から入る選択もあります。
「笑う警官」と「うたう警官」は同じ本ですか
同じ本です。 2004年12月に『うたう警官』として角川春樹事務所から刊行され、文庫化の際に『笑う警官』へ改題されました。シリーズ第1作です。
『秋葉断層』とはどういう関係ですか
別のシリーズです。 『秋葉断層』は特命捜査対策室シリーズ(文藝春秋)の第3作で、主人公は水戸部という刑事です。本作の翌日、2026年11月5日に文春文庫から出ます。 道警シリーズとは主人公も舞台も版元も別なので、「佐々木譲 新刊」で探すと2冊並ぶ点に注意してください。
佐々木譲はどんな作家ですか
1950年北海道生まれで、1979年「鉄騎兵、跳んだ」でオール讀物新人賞を受賞してデビューしました。1990年『エトロフ発緊急電』で山本周五郎賞・日本推理作家協会賞・日本冒険小説協会大賞、2002年『武揚伝』で新田次郎文学賞、2010年『廃墟に乞う』で直木賞、2016年に日本ミステリー文学大賞を受賞しています。当サイトでは『路上の輝き』のレビューを公開しています。
432ページは読むのにどれくらいかかりますか
四六判432ページなので、8〜9時間が目安です。
まとめ|構想を3作超えて、主人公は函館にいる
- 『佐伯警部の油断』は2026年11月4日・角川春樹事務所・2,090円(税込)・四六判432ページ
- 道警(北海道警察)シリーズ第13作。国立国会図書館サーチも[道警シリーズ]と明記
- ★著者は版元公式の対談で「十作で完結」と明言していた。 第9作でさっぽろ雪まつりを扱う予告は『雪に撃つ』(2020年12月)で実現、第10作は『樹林の罠』(2022年12月)。そこから3作続いて本作が13作目
- ★あらすじは2026年10月7日時点で未公表(版元ドットコムの内容紹介が空欄、版元公式サイトに本作のページなし)
- ★書名が「佐伯警部の〜」になったのは、作中で警部に昇任したから。 前作『佐伯警部の推理』で大通署→警部昇任試験合格→警察大学研修→函館方面本部捜査課へ
- 第1シーズンの型は佐伯・新宮(刑事課盗犯係)/津久井(機動捜査隊)/小島(生活安全課)の4人が非公式チームを作る構成
- 前作『佐伯警部の推理』と同じ432ページ。価格は1,980円→2,090円
- ★翌11月5日に別シリーズの『秋葉断層』(文春文庫)が出る。 連日で2冊なので取り違えに注意
「それまで受験すらしなかった警部昇任試験を受け」——前作のあらすじにある一文です。不遇な部署で小さな事件を追っていた刑事が、試験を受けて階級を上げ、札幌を離れました。 十作で終わるはずだったシリーズが、主人公の人生を先へ進めることで続いています。
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