『秋葉断層』は、佐々木譲の警察小説で、2026年11月5日に文春文庫から出ます。880円(税込)・文庫判320ページ。2024年11月の単行本(文藝春秋)の初めての文庫化で、元版からちょうど2年です。
本作は特命捜査対策室シリーズの第3作です。このシリーズには大きな空白があります。第2作『代官山コールドケース』(2013年8月)から第3作の本作(2024年11月)まで、11年3か月空いています。
もう1つ、同じ週に注意点があります。前日の2026年11月4日に、同じ佐々木譲の別シリーズ『佐伯警部の油断』が角川春樹事務所から出ます。 連日で2冊なので、「佐々木譲 新刊」で探すと並びます。この記事では、2つのシリーズの違いと、本作の版の系譜を一次情報で整理します。
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※本記事は発売前に公表された情報にもとづいています。
- 2026年11月5日・文春文庫・880円(税込)・320ページ
- 2024年11月の単行本から、ちょうど2年での初文庫化
- 特命捜査対策室シリーズ第3作。前日に別シリーズの新刊も出ます
秋葉断層とは|単行本からちょうど2年での初文庫化

| 項目 | 文庫版(本作) | 単行本 |
|---|---|---|
| 版元 | 文春文庫 | 文藝春秋 |
| 発売日 | 2026年11月5日 | 2024年11月 |
| 判型・頁 | 文庫判・320ページ | — |
| 価格(税込) | 880円(本体800円) | — |
| ISBN | 978-4-16-792574-1 | 978-4-16-391920-1 |
| Cコード | C0193(一般・文庫・日本文学) | — |
| 文庫化 | 初(1度目) | — |
| 間隔 | ちょうど2年0か月 | — |
出典:文藝春秋BOOKS『秋葉断層』、版元ドットコム、国立国会図書館サーチ(2026年10月7日時点)
国立国会図書館サーチで本作を検索すると、版は2つだけです(単行本 2024年11月/文春文庫 2026年11月5日)。初めての文庫化です。
版元の紹介は2行
27年前の電器店常務の轢き逃げ事案は〈殺し〉だったのか? 特命捜査対策室の刑事・水戸部は、秋葉原の〝ある一族〟の秘密を追う。
ここに本作の要素が全部入っています。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 扱う事件 | 27年前の電器店常務の轢き逃げ事案 |
| 問い | それは〈殺し〉だったのか |
| 主人公 | 特命捜査対策室の刑事・水戸部 |
| 舞台 | 秋葉原 |
| 追うもの | 秋葉原の〝ある一族〟の秘密 |
「27年前」「轢き逃げ事案」「〈殺し〉だったのか」という3点が、未解決事件の再捜査という本作の性格を示しています。書名の「秋葉」は秋葉原で、「断層」は27年という時間の層を指すと読めます(ただし版元は書名の意図を公表していません)。
電器店の常務という被害者の設定が、秋葉原という街の歴史と結びつきます。 27年前なら、秋葉原はまだ家電量販の街だった時期にあたります。
秋葉断層が属する特命捜査対策室シリーズ|11年3か月の空白

シリーズは3作です。
| # | 作品 | 単行本 | 文庫 | 単行本→文庫 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 地層捜査 | 2012年2月(文藝春秋) | 文春文庫 さ43-6/2014年7月 | 2年5か月 |
| 2 | 代官山コールドケース | 2013年8月(文藝春秋) | — | — |
| 3 | 秋葉断層(本作) | 2024年11月(文藝春秋) | 文春文庫/2026年11月5日 | ちょうど2年0か月 |
出典:国立国会図書館サーチ、Wikipedia「佐々木譲」(2026年10月7日時点)
★第2作から第3作まで11年3か月空いている
| 区間 | 間隔 |
|---|---|
| 第1作 → 第2作 | 1年6か月 |
| 第2作 → 第3作 | 11年3か月 |
第1作と第2作は1年半で続きました。 そこから11年3か月空いて、本作です。
書名の付け方も揃っています。
| # | 書名 | 共通する語 |
|---|---|---|
| 1 | 地層捜査 | 地学の語 |
| 2 | 代官山コールドケース | 未解決事件を表す語(コールドケース) |
| 3 | 秋葉断層 | 地学の語 |
第1作『地層捜査』と第3作『秋葉断層』は、どちらも地学の語です。未解決事件を「掘る」仕事を、地層や断層に喩えているという読み方ができます。11年空いても、書名の付け方は第1作に戻っています。
なお、第2作『代官山コールドケース』は国立国会図書館サーチの書名検索で見つかりませんでした。 刊行自体は角川春樹事務所の公式サイトに載る著者紹介の著書一覧で確認できます(『ベルリン飛行指令』『天下城』『笑う警官』『警官の血』『代官山コールドケース』『沈黙法廷』など)。2026年10月7日時点で、第2作の文庫版の有無は確認できていません。
秋葉断層の3つの読みどころ

1. ★同じ作家の別シリーズが、前日に別版元から出る
これは買う前に必ず確認してほしい点です。
| 佐伯警部の油断 | 秋葉断層(本作) | |
|---|---|---|
| 発売日 | 2026年11月4日 | 2026年11月5日 |
| 版元 | 角川春樹事務所 | 文春文庫 |
| 形態 | 四六判の新作 | 文庫(2024年単行本の文庫化) |
| シリーズ | 道警(北海道警察)シリーズ第13作 | 特命捜査対策室シリーズ第3作 |
| 主人公 | 佐伯宏一(函館方面本部捜査課・警部) | 水戸部(特命捜査対策室) |
| 舞台 | 北海道(函館) | 秋葉原 |
| ページ | 432 | 320 |
| 価格(税込) | 2,090円 | 880円 |
出典:版元ドットコム『佐伯警部の油断』、文藝春秋BOOKS『秋葉断層』(2026年10月7日時点)
連日で2冊出ます。 片方は単行本の新作(2,090円)、片方は2年前の単行本の文庫化(880円)です。シリーズも主人公も舞台も版元も別で、物語のつながりはありません。
→ 新刊として読みたいなら『佐伯警部の油断』、安く読みたいなら本作という分かれ方になります。
2. 未解決事件の再捜査という設定が、現実の組織に対応している
「特命捜査対策室」は、未解決事件を専門に扱う部署として設定されています。 シリーズ第1作の書名が『地層捜査』で、第2作が『代官山コールドケース』——コールドケースは未解決事件を指す語です。
| 作品 | 扱う事件の古さ |
|---|---|
| 第2作 代官山コールドケース | 書名が示すとおり未解決事件 |
| 第3作 秋葉断層(本作) | 27年前の轢き逃げ事案 |
本作が扱うのは27年前の事案です。版元の紹介が「轢き逃げ事案は〈殺し〉だったのか?」と問いを立てているのは、事故として処理されたものを殺人として見直すという筋立てを示します。
著者はこの型を道警シリーズでも使っています。 角川春樹事務所の公式対談で、著者はこう語っています。
佐々木|いくつかの小さな事件が全然関係ないように見える形で発生して、あるところでパッとつながる。
出典:角川春樹事務所『佐々木譲/北海道警察シリーズ』特設サイト(著者インタビュー・聞き手 杉江松恋)(2026年10月7日時点)
本作の「秋葉原の〝ある一族〟の秘密」も、1件の轢き逃げから一族の話へ広がる構造と読めます。
3. 解説者は公表されていない
| 確認項目 | 状態 |
|---|---|
| 解説者 | 文藝春秋BOOKSに記載なし |
| 加筆の告知 | なし |
| シリーズ表記 | 文藝春秋BOOKSに「特命捜査対策室シリーズ」の明示なし |
文春文庫版に解説が付くかどうかは、2026年10月7日時点で公表されていません。
また、文藝春秋BOOKSの本作のページには「特命捜査対策室シリーズ」という表記がありません。 シリーズ所属が分かるのは内容紹介の「特命捜査対策室の刑事・水戸部」という一文と、シリーズ第1作『地層捜査』が同じ文春文庫(さ43-6)に入っていることからです。
→ シリーズ名で棚を探しても見つかりにくい作品です。「水戸部」という主人公名が、シリーズを辿る手がかりになります。
単行本(2024年11月)のページ数は、版元の書誌に登録がありませんでした。 そのため文庫化でページ数がどう変わったかは本記事では示せません。
秋葉断層に関するよくある質問
秋葉断層は新作ですか
いいえ。 原作は2024年11月に文藝春秋から出た単行本で、今回の文春文庫版はちょうど2年後の初めての文庫化です。
これは初の文庫化ですか
はい。 国立国会図書館サーチで確認できる版は単行本(2024年11月)と文春文庫(2026年11月5日)の2つだけです。
秋葉断層はシリーズの何作目ですか
特命捜査対策室シリーズの第3作です。 ①地層捜査(2012年2月/文春文庫 さ43-6・2014年7月)②代官山コールドケース(2013年8月)③秋葉断層(2024年11月/本作の文庫版は2026年11月5日)。第2作から第3作まで11年3か月空いています。
第1作から読まないと分かりませんか
版元の紹介に前作の前提は示されていません。 本作が扱うのは27年前の轢き逃げ事案という独立した事件です。ただし主人公・水戸部の人物像はシリーズで積み上げられているので、第1作『地層捜査』(文春文庫 さ43-6)から読むと人物が入ってきます。第1作も同じ文春文庫に入っているので揃えやすいです。
『佐伯警部の油断』と同じシリーズですか
違います。 『佐伯警部の油断』は道警(北海道警察)シリーズ第13作で、主人公は函館方面本部捜査課の佐伯宏一警部、版元は角川春樹事務所、形態は四六判の新作(2,090円)です。本作は特命捜査対策室シリーズ第3作で、主人公は水戸部、舞台は秋葉原です。2026年11月4日と5日で連日発売なので、取り違えに注意してください。
どんな話ですか
版元の紹介は2行です。 「27年前の電器店常務の轢き逃げ事案は〈殺し〉だったのか? 特命捜査対策室の刑事・水戸部は、秋葉原の〝ある一族〟の秘密を追う。」 事故として処理された古い事案を、殺人として見直す再捜査ものです。
単行本を持っています。文庫も買う必要はありますか
2026年10月7日時点で、加筆や新規解説の告知はありません。 そのため読むためだけなら買い直す理由は見当たりません。 文庫を選ぶ理由になるのは880円という価格と持ち運びやすさです。
解説は付きますか
公表されていません。 文藝春秋BOOKSの本作のページに解説者の記載はありません。
320ページは読むのにどれくらいかかりますか
文庫320ページなので、5〜6時間が目安です。
佐々木譲はどんな作家ですか
1950年北海道生まれで、1979年「鉄騎兵、跳んだ」でオール讀物新人賞を受賞してデビューしました。1990年『エトロフ発緊急電』で山本周五郎賞・日本推理作家協会賞・日本冒険小説協会大賞、2002年『武揚伝』で新田次郎文学賞、2010年『廃墟に乞う』で第142回直木賞、2016年に日本ミステリー文学大賞を受賞しています。当サイトでは『路上の輝き』と『佐伯警部の油断』を扱っています。
まとめ|11年空いたシリーズが、文庫で追いつく
- 『秋葉断層』文春文庫版は2026年11月5日・880円(税込)・文庫判320ページ
- 2024年11月の単行本(文藝春秋)の初めての文庫化で、ちょうど2年0か月後
- 特命捜査対策室シリーズ第3作
- ★第2作『代官山コールドケース』(2013年8月)から第3作(2024年11月)まで11年3か月空いている(第1作→第2作は1年6か月)
- 第1作『地層捜査』も同じ文春文庫(さ43-6・2014年7月)に入っているので揃えやすい
- 書名は第1作『地層捜査』と第3作『秋葉断層』がどちらも地学の語。未解決事件を掘る仕事の喩えと読める
- 扱うのは27年前の電器店常務の轢き逃げ事案。主人公は特命捜査対策室の刑事・水戸部、舞台は秋葉原の〝ある一族〟
- ★前日の2026年11月4日に、同じ佐々木譲の『佐伯警部の油断』(道警シリーズ第13作・角川春樹事務所・四六判432ページ・2,090円)が出る。 シリーズも主人公も舞台も版元も別
- 文藝春秋BOOKSに「特命捜査対策室シリーズ」の明示はない。 シリーズを辿る手がかりは「水戸部」という主人公名
- 解説者・加筆の告知は2026年10月7日時点で無い
- 単行本のページ数は版元の書誌に登録が無く、文庫化でのページ変化は確認できない
27年前の轢き逃げは、事故として処理されました。 それを〈殺し〉だったのかと問い直すのが本作です。シリーズ自体も11年眠っていて、同じように掘り起こされました。 書名の「断層」は、たぶん事件の時間の層のことです。



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