『少女(しょうじょ)』は、湊かなえが2009年に発表した長編小説です。主役は、桜川高校に通う親友同士の女子高生・草野敦子(あつこ)と桜井由紀(ゆき)。ある同級生の告白をきっかけに「人が死ぬ瞬間を見てみたい」という衝動に駆られた二人が、それぞれ別の場所で過ごすひと夏を、章ごとに視点を切り替えて描きます。『告白』に続くイヤミスの一作として知られ、少女たちの心の闇と、そこにわずかに灯る友情を映し出す一冊です。この記事では、あらすじ・読みどころ・双葉文庫版のISBN・2016年の映画版まで、ネタバレを最小限にして紹介します。
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少女とは|湊かなえのイヤミス
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 著者 | 湊かなえ |
| ジャンル | イヤミス/ヒューマンミステリー |
| 初刊 | 2009年(早川書房) |
| 文庫 | 双葉文庫(2012年) |
| 文庫ISBN | 978-4-575-51483-4(双葉文庫) |
| 映画化 | 2016年(東映系/三島有紀子監督) |
| 主役 | 草野敦子・桜井由紀 |
| 関連作 | 告白・贖罪・Nのために |
『少女』は、湊かなえがデビュー作『告白』に続いて発表した長編小説です。
2009年に早川書房から単行本が刊行され、のちに双葉文庫から文庫版が出ています。
「人が死ぬのを見てみたい」という衝動に駆られた二人の女子高生・敦子と由紀を主役に据え、それぞれのひと夏を交互の視点で描きます。
読後に苦い感情が残る「イヤミス」の一作でありながら、少女たちのあいだにある確かな友情も静かに描かれる作品です。
少女のあらすじ|敦子と由紀のひと夏

物語の始まりは、桜川高校のある教室。転校生が「親友の自殺を目撃した」と語る場面を、親友同士の草野敦子と桜井由紀が耳にするところから動き出します。
「人の死を見てみたい」という衝動
その告白を聞いて以来、二人の胸には「自分も人が死ぬ瞬間を見てみたい」という衝動が芽生えます。
かつて剣道で全国優勝を果たしながら、けがと中傷をきっかけに自信を失った敦子。
物語を書くことに執着し、他人との距離をはかりかねている由紀。
それぞれに屈託を抱えた二人は、互いに打ち明けないまま、別々の場所でその夏を過ごすことを選びます。
老人ホームと小児科病棟、二つの夏
夏休み、敦子は老人ホームで、由紀は小児科病棟でボランティアを始めます。
死に近い場所へ自ら歩み寄る二人は、そこで出会う人々との関わりのなかで揺れ動いていきます。
別々の場所で進む二つの夏が、章ごとの視点の切り替えを通して少しずつ交わり、やがて思いがけない事実へとつながっていく——それが本作の骨格です。
少女の3つの読みどころ

1. 敦子と由紀、二人の視点で描く構成
本作は、敦子の章と由紀の章を交互に置く二視点構成で進みます。
同じ出来事や人物が、二人それぞれの目を通して別の意味を帯びるため、読み手は少しずつ全体像を組み替えながら読むことになります。
湊かなえが『告白』で見せた多視点の語りを、親友二人の関係に絞り込んだ作りです。
2. 「死を見たい」という衝動が映す心の闇
「人の死を見てみたい」という願いは、単なる猟奇ではなく、劣等感や孤独、認められたいという思いと分かちがたく結びついています。
少女たちがなぜその衝動に駆られるのかを丁寧にたどることで、思春期の心の危うさが立ち上がってきます。
読後に残る苦さは、まさにイヤミスと呼ばれる湊かなえ作品らしい味わいです。
3. 苦さの奥にある友情
一見すると救いのない物語のようでいて、敦子と由紀のあいだには確かな友情が流れています。
すれ違い、隠しごとを抱えながらも、最後に二人の関係がどこへ向かうのかが、本作を単なる後味の悪い話に終わらせません。
苦い読み心地の奥に、ほのかな温度が残る点が本作の魅力です。
少女の構造|敦子と由紀の対比

| 項目 | 草野敦子 | 桜井由紀 |
|---|---|---|
| 立場 | 由紀の親友 | 敦子の親友 |
| 抱えるもの | 剣道の挫折と中傷による不安 | 物語への執着と孤独 |
| その夏の場所 | 老人ホームでのボランティア | 小児科病棟でのボランティア |
| 視点 | 敦子章として語られる | 由紀章として語られる |
本作の構造は、「敦子」と「由紀」という親友二人の対比で成り立っています。
かつての栄光を失い不安を募らせる敦子と、他人と物語のあいだで距離を測りかねる由紀——異なる屈託を抱えた二人が、同じ「死を見たい」という衝動を軸に、それぞれの夏を歩みます。
湊かなえが二つの視点を交互に重ねることで、一つの出来事の見え方を反転させていく——その語りの妙が、本作の核といえます。
少女の湊かなえ作品での位置づけ・関連作
湊かなえは、読後に苦い感情が残る「イヤミス」の書き手として知られる作家です。
| 関連作品 | 概要 | 関係性 |
|---|---|---|
| 告白 | 娘を失った教師の告白から始まる多視点ミステリ | 湊かなえのデビュー作・多視点の原点 |
| 贖罪 | 事件を目撃した少女たちのその後を描く | 少女たちの罪と時間を描く一作 |
| Nのために | 一つの事件を複数の視点で再構成する | 多視点で真相へ迫る作風の一作 |
『少女』は、デビュー作『告白』に続いて発表された長編で、多視点で人の心の闇を描く湊かなえの作風がよく表れた一冊です。
少女たちの罪や心の翳りを扱う点では『贖罪』と、複数の視点から一つの出来事を組み立てる点では『Nのために』や『母性』・『リバース』と響き合います。
湊かなえの世界を広く味わいたい人は、あわせて手に取ってみてください。
少女の読了時間と難易度
- 読了時間目安: 約4〜6時間(双葉文庫版・長編)
- 難易度: ★★☆☆☆(二視点の切り替えに慣れれば読みやすい)
- おすすめタイプ: 『告白』が好きな人/イヤミスを読みたい人/思春期の心の闇を描く物語に惹かれる人
視点が敦子と由紀で切り替わるため、序盤は語り手を意識しながら読むとスムーズです。
苦い後味を含めて物語を味わいたい方、湊かなえのイヤミスを一冊試したい方に向いた作品です。
少女に関するよくある質問
Q. 少女はどんな話?
A. 「人が死ぬのを見てみたい」という衝動に駆られた高校生・敦子と由紀のひと夏を描く物語です。
二人はそれぞれ老人ホームと小児科病棟でボランティアを始め、死に近い場所で揺れ動きます。
苦い後味と、その奥にある友情を描く湊かなえのイヤミスです。
Q. 少女は映画化されている?
A. 2016年に映画化されています。
本田翼が由紀、山本美月が敦子を演じ、三島有紀子監督が手がけ、東映系で公開されました。
原作の二視点の物語を、二人の女優の共演で映像化した作品です。
Q. 告白と少女はどちらを先に読むべき?
A. どちらから読んでも問題ありません。
本作と『告白』は独立した物語ですが、多視点で人の心の闇を描く作風は共通しています。
湊かなえの入り口としては、話題になった『告白』から読むのも一つの手です。
Q. 少女は受賞作?
A. 本作の文学賞受賞は未公表です。
湊かなえはデビュー作『告白』で本屋大賞などを受賞していますが、『少女』については受賞情報が確認できていません。
受賞歴の有無にかかわらず、映画化されるなど広く読まれてきた一冊です。
まとめ|少女は少女たちの心の闇を映すイヤミス
『少女』は、湊かなえが『告白』に続いて発表した長編で、「人の死を見てみたい」という衝動に駆られた高校生・敦子と由紀を主役に据えた物語です。
老人ホームと小児科病棟という別々の夏を、二人の視点で交互に描き、思春期の心の闇と、その奥にある友情を映し出します。
『告白』が好きな人・イヤミスを読みたい人・思春期の危うさを描く物語に惹かれる読者におすすめできる一冊。
『贖罪』や『Nのために』とあわせて、湊かなえの世界を味わってみてください。
- 双葉文庫版がおすすめ・電子書籍版あり
- 二人の少女の視点で描くイヤミス長編
- 『告白』もまとめてチェック可
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少女・関連作品の読書ガイド
出典・参考情報
- 早川書房『少女』公式書籍情報(単行本・2009年)
- Amazon『少女(双葉文庫)』製品情報(ISBN 978-4-575-51483-4)
- openBD 書誌情報(ISBN 9784575514834)
- 映画.com「少女(2016)」作品情報(本田翼・山本美月主演/三島有紀子監督)
- Wikipedia「少女(湊かなえ)」項目(最終確認: 2026年7月8日)




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