『鴨川ホルモー』は、万城目学が2006年に産業編集センターから刊行したデビュー長編です。二浪してようやく京都大学に入った主人公・安倍が、謎のサークル「京大青竜会」に勧誘され、体長20センチの「オニ」1000匹を率いて戦う競技〈ホルモー〉に巻き込まれていきます。第4回ボイルドエッグズ新人賞を受賞した一作で、京都の街を舞台にした奇想と、どうしようもなく等身大の青春が同居するファンタジーです。この記事では、あらすじ・読みどころ・受賞と候補の正確な線引き・角川文庫版のISBNまで、結末に触れずに紹介します。
※本ページはアフィリエイトリンクを含みます。
- 第4回ボイルドエッグズ新人賞受賞のデビュー作
- 京都×オニ×青春ファンタジーの代表格
- 角川文庫・電子書籍・中古版すべてチェック可能
鴨川ホルモーとは|万城目学のデビュー作にして京都青春ファンタジー
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 著者 | 万城目学 |
| ジャンル | ファンタジー/青春・京都 |
| 単行本 | 2006年4月(産業編集センター) |
| 文庫 | 角川文庫(2009年2月25日) |
| 文庫ISBN | 978-4-04-393901-5 |
| 受賞 | 第4回ボイルドエッグズ新人賞 |
| 主な舞台 | 京都(京都大学・葵祭・祇園祭ほか) |
| 鍵になる存在 | 体長20センチの「オニ」1000匹 |
『鴨川ホルモー』は、万城目学が2006年4月に産業編集センターから刊行したデビュー長編です。
第4回ボイルドエッグズ新人賞を受賞し、著者はこの一作で作家デビューを果たしました。
2009年2月には角川文庫版が刊行され、現在もっとも入手しやすいのはこの文庫版です。
※本屋大賞は2007年の第4回でノミネート(最終順位6位)にとどまり、受賞ではありません(大賞は佐藤多佳子『一瞬の風になれ』)。
※本作は直木賞の候補にもなっていません。著者が直木賞候補となったのは第2作『鹿男あをによし』が最初で、受賞は2024年の第170回『八月の御所グラウンド』です。
鴨川ホルモーのあらすじ|二浪の京大生が「オニ」を操る競技に挑む

物語の舞台は、大学生の日常がそのまま奇想へ地続きになった京都です。
二浪の末に京大へ、そして謎のサークルへ
主人公・安倍は、二浪の末にようやく京都大学へ入学します。
新歓の時期、彼は「京大青竜会」という得体の知れないサークルに勧誘されます。
決め手になったのは、サークルにいた早良京子という女性への淡い恋心でした。
「ホルモー」という競技の正体
入会後に明かされるのは、青竜会が〈ホルモー〉という競技に参加する集団だという事実です。
選手が率いるのは、その姿が使役者にしか見えない、体長20センチほどの「オニ」1000匹。
彼らを「オニ語」で指揮し、京都の街を舞台に他大学と勝敗を競います。
京都の四大学がぶつかる
ホルモーを戦うのは、作中では京都大学青竜会・龍谷大学フェニックス・立命館大学白虎隊・京都産業大学玄武組の4団体。
安倍は、同期の高村、才覚に恵まれた芦屋満、無口な楠木ふみらとともに、
恋も友情もこじれさせながら、この馬鹿げて壮大な戦いへ足を踏み入れていきます。
鴨川ホルモーの3つの読みどころ

1. 奇想と日常が地続きになる「京都」の使い方
葵祭や祇園祭が続く現実の京都に、オニという異物が何のためらいもなく置かれる——この配合が本作の核です。
荒唐無稽なのに、街の描写がやたら具体的だから、読者はいつの間にか信じ込まされてしまいます。
ファンタジー入門としても入りやすい、生活感のある異世界感です。
2. どうしようもなく等身大の青春
ホルモーという壮大な設定を用意しておきながら、主人公を動かしているのは終始「恋」と「見栄」と「意地」です。
格好悪さを隠さない一人称が、この作品を「変な話」ではなく「自分の話」に変えます。
勝敗よりも、こじれていく人間関係のほうがずっと痛い、という配分が絶妙です。
3. 声に出したくなる文章のリズム
「ホルモー」という叫び、オニ語、大真面目に語られる会の作法——語り口そのものが娯楽になっています。
読んでいる最中に何度も吹き出すタイプの小説で、
デビュー作にして著者の芸風がすでに完成していることがわかります。
鴨川ホルモーの受賞歴と評価|「受賞」と「候補」を正しく区別する

| 賞・ランキング | 年 | 結果 |
|---|---|---|
| ボイルドエッグズ新人賞(第4回) | 2005年 | 受賞(デビュー作) |
| 本屋大賞(第4回) | 2007年 | ノミネート・6位(受賞ではない) |
| 直木賞 | — | 本作は候補になっていない |
本作が「受賞」したと言えるのは、第4回ボイルドエッグズ新人賞のみです。
本屋大賞は2007年(第4回)にノミネートされましたが、最終順位は6位で受賞ではありません。大賞は佐藤多佳子『一瞬の風になれ』でした。
また、本作は直木賞の候補作ではありません。著者が直木賞候補になったのは第2作『鹿男あをによし』が最初で、受賞は2024年1月・第170回の『八月の御所グラウンド』です(本作から数えて長い道のりでした)。
ネット上では「本屋大賞受賞作」「直木賞受賞作」と紹介されることがありますが、いずれも正確ではありません。作品選びの際はご注意ください。
鴨川ホルモーの映画版とシリーズ続編
| 関連 | 内容 |
|---|---|
| 映画版 | 2009年4月18日公開/監督:本木克英/主演:山田孝之(配給:松竹) |
| 漫画版 | 『月刊少年エース』連載(2008〜2009年)・全3巻 |
| 続編1 | 『ホルモー六景』2007年11月刊行(のち角川文庫) |
| 続編2 | 『ホルモー燦燦』2026年6月24日刊行(KADOKAWA・第3作にして完結編) |
映画版は2009年4月18日に公開されました。監督は本木克英、主演は山田孝之で、栗山千明・濱田岳らが出演しています(配給:松竹)。
シリーズは2026年6月24日刊行の『ホルモー燦燦』(KADOKAWA)で完結しました。版元は同作を「『鴨川ホルモー』『ホルモー六景』に続く第3作にして完結編」と位置づけています。
なお、2026年7月時点で、本作のアニメ化やドラマ化は公表されていません。
シリーズを追うなら、『鴨川ホルモー』→『ホルモー六景』→『ホルモー燦燦』の刊行順が素直です。著者の他作品は万城目学の全作品ガイドにまとめています。
鴨川ホルモーの読了時間と難易度
- 読了時間目安: 約3〜4時間(角川文庫版)
- 難易度: ★★☆☆☆(設定は奇抜だが文章は平易・京都の予備知識は不要)
- おすすめタイプ: 京都が好きな人/大学生の青春が読みたい人/笑えるファンタジーを探している人
設定の突飛さに身構える必要はありません。
語り口が軽快なので、ファンタジーを普段読まない人ほど驚くタイプの一冊です。
鴨川ホルモーに関するよくある質問
Q. 鴨川ホルモーはどんな話?
A. 二浪して京都大学に入った安倍が、謎のサークル「京大青竜会」に勧誘され、体長20センチの「オニ」1000匹を率いる競技〈ホルモー〉に挑む青春ファンタジーです。
京都の街を舞台に、京大・龍谷大・立命館大・京都産業大の4サークルが戦います。
壮大な設定の裏で描かれるのは、恋と友情がこじれていく等身大の学生生活です。
Q. 鴨川ホルモーは何かの賞を受賞していますか?
A. 第4回ボイルドエッグズ新人賞を受賞した、万城目学のデビュー作です。
一方で本屋大賞は2007年(第4回)のノミネート・6位どまりで、受賞ではありません。
直木賞については本作は候補にもなっていません(著者の直木賞受賞は2024年・第170回『八月の御所グラウンド』)。
Q. 映画化されていますか?
A. 2009年4月18日に映画が公開されています。監督は本木克英、主演は山田孝之、配給は松竹です。
栗山千明・濱田岳らが出演しました。
漫画版も『月刊少年エース』で連載され全3巻が刊行済みですが、2026年7月時点でアニメ化・ドラマ化は公表されていません。
Q. 続編はありますか?
A. 『ホルモー六景』(2007年11月)と『ホルモー燦燦』(2026年6月24日・KADOKAWA)があります。
版元は『ホルモー燦燦』を第3作にして完結編と位置づけています。
読む順番は刊行順(鴨川ホルモー → ホルモー六景 → ホルモー燦燦)が素直です。
Q. 文庫版はどこから出ている?
A. 角川文庫から2009年2月25日に刊行されています(ISBN 978-4-04-393901-5)。
単行本は2006年4月に産業編集センターから刊行されました。
現在もっとも手に取りやすいのは角川文庫版です。
まとめ|鴨川ホルモーは京都で「オニ」を率いて恋にこじれる青春ファンタジー
『鴨川ホルモー』は、万城目学が第4回ボイルドエッグズ新人賞を受賞してデビューした、京都を舞台の青春ファンタジーです。
1000匹のオニを率いる荒唐無稽な競技と、恋と見栄でこじれる等身大の学生たち——その落差が、20年近く読み継がれてきた理由です。
京都が好きな方・笑えるファンタジーを探している方にまず薦めたい一冊。
万城目学の全作品ガイドや、ファンタジー小説おすすめ20選もあわせてご覧ください。
- 角川文庫版が入手しやすくおすすめ
- 京都×オニ×青春、笑えるファンタジー
- 続編『ホルモー六景』『ホルモー燦燦』もチェック可
ヨムマップは小説情報を実体験ベースで継続更新しています
鴨川ホルモー・関連作品の読書ガイド
出典・参考情報
- KADOKAWA/版元ドットコム『鴨川ホルモー』角川文庫 製品情報(ISBN 978-4-04-393901-5・2009年2月25日)https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784043939015
- 本屋大賞 公式サイト「2007年 第4回本屋大賞」結果(『鴨川ホルモー』6位) https://www.hontai.or.jp/history/hontai2007.html
- KADOKAWA 公式トピックス『ホルモー燦燦』2026年6月24日発売 https://www.kadokawa.co.jp/topics/16714/
- 松竹 映画『鴨川ホルモー』作品データベース(2009年公開・監督 本木克英) https://www.shochiku.co.jp/cinema/database/04699/
- 京都大学 公式ニュース「本学卒業生の万城目学さんが、第170回 直木賞を受賞されました」 https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news/2024-01-18-0
- Wikipedia「鴨川ホルモー」 https://ja.wikipedia.org/wiki/鴨川ホルモー
- openBD 書誌情報(ISBN 9784043939015)(最終確認: 2026年7月14日)




コメント