『雨穴の家』は、『変な家』『変な絵』で知られる雨穴(ウケツ)の最新作で、2026年11月13日に双葉社から出ます。1,870円(税込)・四六判272ページ。
先に、検索して来た方がつまずきやすい点を3つ書きます。
ひとつ目。これは「小説1冊」ではありません。 双葉社の発表によれば、272ページのうち新作ミステリー小説は140ページです。残りの約130ページは、雨穴自身の資料・記録で埋まります。版元はこの形式を「ヒストリー」×「小説」の新ジャンル「ヒストリーノベル」と呼んでいます。
ふたつ目。 画像やイラストが300点を超えます。 272ページに300点なので、1ページあたり1枚以上です。
みっつ目。 「変な○○」というタイトルではありません。 書名に著者名そのものが入ります。シリーズの外に出た1冊です。
※本ページはアフィリエイトリンクを含みます。
※本記事は発売前に公表された情報にもとづいています。
- 2026年11月13日・双葉社・1,870円(税込)・四六判272ページ
- 272ページのうち新作ミステリー小説は140ページ
- 画像・イラスト300点超。「ヒストリーノベル」という新形式
雨穴の家とは|四六判272ページの「ヒストリーノベル」

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 著者 | 雨穴(ウケツ) |
| 版元 | 双葉社 |
| 発売予定日 | 2026年11月13日(金) |
| 判型・頁 | 四六判・272ページ |
| 価格 | 1,870円(税込・本体1,700円) |
| ISBN | 978-4-575-24934-7 |
| Cコード | C0093(一般・単行本・日本文学、小説・物語) |
| うち新作小説 | 140ページ |
| 画像・イラスト | 300点超 |
出典:双葉社 プレスリリース、版元ドットコム(2026年10月11日時点)
版元の紹介文
著書「変なシリーズ」全世界累計1000万部突破! 今、日本で一番売れている作家・雨穴の最新作は、これまでにない新ジャンルとも言える「ヒストリー」×「小説」がひとつにつながる「ヒストリーノベル」! 今日、あなたは『雨穴の家』をおとずれる――。『謎の部屋と弁当』『ヤツヱメヂキ』『尼の人形』『変な家』……。数年前に投稿された「動画」には、知られざるひとつなぎの真相があった!? 雨穴宅の「間取り」、「過去の作品」、「調査資料」、そして「栗原さんとの電話」を手がかりにたどる、雨穴の10年――。しかし、過去を振り返る二人の記憶には、なぜか”抜け落ちた部分”があった……。一見バラバラに見える「作品」、「記録」、そして「記憶」――。すべてがつながったとき、何かが明らかになる!!
出典:版元ドットコム(2026年10月11日時点)
272ページのうち小説は140ページ。残りは資料
本の中身の割り方が、双葉社のプレスリリースに明示されています。
| 要素 | 分量 |
|---|---|
| 新作ミステリー小説 | 140ページ |
| それ以外(ヒストリー部分) | 約132ページ |
| 合計 | 272ページ |
出典:双葉社 プレスリリース、版元ドットコム(2026年10月11日時点)
ほぼ半々です。 → 「雨穴の小説の新作」として買うと、分量は140ページ分になります。残りは読み物ではなく資料で、その資料が小説の手がかりになるという設計です。
「ヒストリー」側に何が入るか
版元は手がかりとして4種類を挙げています。
| # | 手がかり |
|---|---|
| 1 | 雨穴宅の「間取り」 |
| 2 | 「過去の作品」 |
| 3 | 「調査資料」 |
| 4 | 「栗原さんとの電話」 |
さらにプレスリリースは、「全作品」「『動画』『小説』『音楽』『変な物』」が掲載されると書いています。
| 種別 | 内容 |
|---|---|
| 動画 | YouTube等に投稿された作品 |
| 小説 | 既刊・既発表の作品 |
| 音楽 | 雨穴の音楽作品 |
| 変な物 | 版元の表記のまま |
→ 雨穴の活動の全領域が1冊に集められるという構えです。「音楽」が含まれているのは、小説の読者には意外な部分でしょう。
「雨穴宅の間取り」が手がかりになっている
ここが本作の一番おもしろい反転です。雨穴のデビュー作『変な家』は、他人の家の間取り図を読み解く話でした。
| 変な家(2021年) | 雨穴の家(本作) | |
|---|---|---|
| 読み解く対象 | 他人の家の間取り | 雨穴自身の家の間取り |
| 語り手 | 雨穴(ウェブライター役) | 雨穴 |
| 相棒 | 栗原さん | 栗原さんとの電話 |
間取り図を読んで家の秘密を暴いてきた書き手が、自分の家の間取りを差し出す。 → シリーズの看板をそのまま自分に向けた作りだと読めます。書名が『雨穴の家』である理由もここにあります。
300点超の画像が入る
272ページに「300点を超える画像やイラスト」が入ります。単純計算で1ページあたり1枚以上です。
→ ふつうの小説の組み方ではありません。 間取り図・資料・記録を並べる本なので、ページあたりの文字量は小説部分より少なくなると見込まれます。価格が高めなのもここが理由と読めます(後述)。
あらすじに出てくる4つの作品名
版元のあらすじは、4つの作品名を並べています。
| 作品名 | 当サイトの扱い |
|---|---|
| 謎の部屋と弁当 | — |
| ヤツヱメヂキ | — |
| 尼の人形 | — |
| 変な家 | レビューあり |
『変な家』以外の3つは、書籍ではなくウェブ上の作品と見られます(版元は「数年前に投稿された『動画』」と書いています)。これらを知らなくても読めるかは版元が明言していません。 ただし本に「過去の作品」が収録されると書かれているので、本の中で読める形になっていると読むのが自然です。
「二人の記憶に抜け落ちた部分がある」
版元のあらすじの核心はここです。
過去を振り返る二人の記憶には、なぜか”抜け落ちた部分”があった……。
「二人」は雨穴と栗原さんです。資料は残っているのに、当事者2人の記憶が欠けている。 → 記録と記憶の食い違いを埋めていく構成だと読めます。
何が抜けているかは当然公表されていません。 本記事では結末・真相には触れません。
雨穴の家の位置づけ|変なシリーズ5冊を全部並べる

雨穴の書籍は、飛鳥新社と双葉社の2社から出ています。
| 刊行 | 書名 | 版元 | 判型・頁 | 価格(税込) | 1ページあたり |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021年7月26日 | 変な家 | 飛鳥新社 | 四六判248ページ | 1,400円 | 約5.65円 |
| 2022年10月20日 | 変な絵 | 双葉社 | 四六判288ページ | 1,540円 | 約5.35円 |
| 2023年12月18日 | 変な家2 ~11の間取り図~ | 飛鳥新社 | 440ページ | 1,650円 | 約3.75円 |
| 2025年10月31日 | 変な地図 | 双葉社 | 四六判416ページ | 1,760円 | 約4.23円 |
| 2026年11月13日 | 雨穴の家(本作) | 双葉社 | 四六判272ページ | 1,870円 | 約6.88円 |
ページは最少に近いのに、価格は最高
ここが本作の数字上の特徴です。
| 変な地図(前作) | 雨穴の家(本作) | 差 | |
|---|---|---|---|
| ページ | 416ページ | 272ページ | −144 |
| 価格(税込) | 1,760円 | 1,870円 | +110円 |
| 1ページあたり | 約4.23円 | 約6.88円 | +2.65円 |
ページが144減るのに110円高くなります。 1ページあたりは約6.88円で、5冊のなかで最も高いです。
→ 理由は「300点超の画像」と読めます。図版の多い本は、文字だけの本より1ページの製作費が高いためです。内容量が減ったのではなく、ページの中身が変わったと見るのが妥当です。
最も割安だったのは『変な家2 ~11の間取り図~』の約3.75円で、440ページで1,650円でした。
1年に1冊のペースで出ている
| 前作からの間隔 | |
|---|---|
| 変な家 → 変な絵 | 約1年3か月 |
| 変な絵 → 変な家2 | 約1年2か月 |
| 変な家2 → 変な地図 | 約1年10か月 |
| 変な地図 → 雨穴の家 | 約1年0か月 |
2025年10月31日の『変な地図』から、ほぼちょうど1年です。
前作『変な地図』の主人公は栗原さんだった
『変な地図』は、双葉社が「『変な家』『変な絵』に続く、雨穴『変な』シリーズの集大成!」と位置づけた作品で、主人公は栗原さんでした。
主人公はあの栗原さん!! (中略)2015年、大学生の栗原は、意外な事実を知る。彼の祖母が、正体不明の古地図を握りしめて、不審死を遂げたという。
出典:版元ドットコム(変な地図)(2026年10月11日時点)
| 変な地図(2025年) | 雨穴の家(2026年) | |
|---|---|---|
| 版元の位置づけ | 「変な」シリーズの集大成 | 「これまでにない新ジャンル」 |
| 中心人物 | 栗原さん(主人公) | 雨穴(栗原さんは「電話」で登場) |
→ 前作で栗原さんの側を描き、本作で雨穴自身の側を描く。 2年で語り手と相棒の両方を掘り返す流れになっています。
シリーズ名から外れた理由は公表されていない
『雨穴の家』は書名に「変な」が入りません。 版元は本作を「変なシリーズ」の続編とは書かず、「新ジャンル」と呼んでいます。
シリーズの外に出たのか、シリーズの総括なのかは版元が明言していません。 ただし『変な家』の名前があらすじに出るので、内容としては地続きです。
雨穴の実績|版元が示している数字

版元の紹介文と著者プロフィールには、具体的な数字が入っています。
| 項目 | 数字 |
|---|---|
| 「変なシリーズ」 | 全世界累計1000万部突破 |
| 『変な絵』 | 世界累計350万部突破 |
| 『変な絵』の翻訳 | 40の国と地域で翻訳出版が決定 |
| 『変な絵』の賞 | 英国ミステリー文学賞「ダガー賞」翻訳部門 最終候補 |
| 『変な家』 | 2024年に実写映画化 |
| 『変な地図』 | 2024年書籍売り上げ1位(版元の表記) |
版元は「今、日本で一番売れている作家」と書いている
この表現は双葉社の販促文です。何を基準にした順位かは示されていません。 本記事では版元がそう書いているという事実として扱います。
著者はウェブライター・YouTuberである
ミステリーホラーを得意とするウェブライター。白い仮面と黒いタイツが特徴で、ユーチューバーとしても活動している。
出典:版元ドットコム(2026年10月11日時点)
本作が「動画」を手がかりに置けるのは、作品の出発点がウェブにあるからです。小説家としてデビューした作家にはできない作りで、10年分のウェブ上の作品が資料として存在することが前提になっています。
『変な絵』はコミカライズも続いている
『変な絵』は双葉社でコミカライズされ、2024年10月以降に複数巻が出ています。 最新巻は2026年11月26日刊行予定で、『雨穴の家』の13日後です。
出典:国立国会図書館サーチ(2026年10月11日時点)
→ 2026年11月は、双葉社から雨穴の本が2冊出る月になります。
雨穴の家の3つの読みどころ

1. 「資料が本文」である本の読み方
この本は、小説を読み進めるだけでは完結しません。 版元は間取り・過去の作品・調査資料・電話の記録を「手がかり」と呼んでいます。
| 読み方 | できること |
|---|---|
| 小説140ページだけ読む | 筋は追える |
| 資料も読む | 「ひとつなぎの真相」に手が届く |
『変な家』が間取り図1枚を読者に読ませたのと同じ作りを、1冊丸ごとに拡大したものと考えると分かりやすいです。→ 図を飛ばして読む癖のある人には向きません。
2. 「記録はあるのに記憶がない」という謎の形
ふつうのミステリは、記録(証拠)が足りないところから始まります。 本作は逆で、資料は300点超あるのに、当事者2人の記憶が欠けている。
| ふつうのミステリ | 本作 | |
|---|---|---|
| 不足しているもの | 証拠・記録 | 記憶 |
| 余っているもの | 証言 | 記録(300点超) |
| 解く方向 | 記録を集める | 記録から記憶を復元する |
この形は、雨穴の過去作とも噛み合っています。 『変な絵』は4つの絵という記録から人の事情を読み解く話で、「残されたものから、語られなかったことを出す」のが一貫した手法です。
3. 作者自身が題材になることの危うさ
「雨穴の10年」をたどるという作りは、実在の活動歴をそのまま素材にするものです。
ただし雨穴は白い仮面とタイツで活動する匿名の書き手で、「雨穴」そのものが作られた人格でもあります。→ どこまでが事実の記録で、どこからが作品なのかが、読者には最初から分かりません。 その曖昧さを使った作りだと読めます。
版元も「一見バラバラに見える『作品』、『記録』、そして『記憶』――。すべてがつながったとき、何かが明らかになる!!」と書くだけで、何が明らかになるかは示していません。 本記事でも結末・真相には触れません。
雨穴の家に関するよくある質問
雨穴の家はいつ発売ですか
2026年11月13日(金)です。 双葉社から1,870円(税込・本体1,700円)・四六判272ページで出ます。
小説ですか。資料集ですか
両方です。 双葉社の発表によれば、272ページのうち新作ミステリー小説が140ページで、残りの約130ページは雨穴の間取り・過去の作品・調査資料・栗原さんとの電話などで構成されます。版元はこの形式を「ヒストリーノベル」と呼んでいます。
「ヒストリーノベル」とは何ですか
双葉社が本作のために使っている呼び方です。版元は「『ヒストリー』×『小説』という新ジャンルとも言える」と説明しています。既にあるジャンル名ではありません。
『変な家』『変な絵』を読んでいないと分かりませんか
版元は明言していません。 ただし本に「過去の作品」が収録されるとされているため、本の中で前提を追えると読めます。当サイトでは『変な家』と『変な絵』のレビューも用意しています。
変なシリーズの続編ですか
版元は「変なシリーズ」の続編とは書かず、「これまでにない新ジャンル」と呼んでいます。 書名にも「変な」が入りません。ただしあらすじに『変な家』の名前が出るので、内容としては地続きです。
栗原さんは出てきますか
出てきます。 版元は手がかりのひとつとして「栗原さんとの電話」を挙げています。なお前作『変な地図』(2025年10月31日)は栗原さんが主人公でした。
画像は何点入っていますか
300点を超える画像やイラストが掲載されます(双葉社の発表)。272ページに300点超なので、1ページあたり1枚以上です。
前作『変な地図』より高いのはなぜですか
『変な地図』は416ページで1,760円、本作は272ページで1,870円です。ページは144減りますが110円高くなります。 1ページあたりは約4.23円→約6.88円。300点超の図版が入るためと読めますが、版元は値付けの理由を説明していません。
272ページは読むのにどれくらいかかりますか
小説部分が140ページなので、筋を追うだけなら2〜3時間が目安です。ただし300点超の資料を読み込むなら、それ以上かかります。 この本は読み終える時間が人によって大きく変わるタイプです。
電子版はありますか
2026年10月11日時点で、版元ドットコムの書誌に電子版の記載はありません。 図版が300点超の本なので、紙で読むことを前提に作られていると見るのが自然です。
雨穴は初めてです。どれから読めばいいですか
『変な家』(2021年・飛鳥新社・1,400円)が入口です。 間取り図1枚から始まる作りで、雨穴の手法がそのまま分かります。絵が題材のものなら『変な絵』(ダガー賞翻訳部門 最終候補)です。本作は形式が特殊なので、1冊目には向きません。
まとめ|272ページ中140ページが小説。残りは300点超の資料
- 『雨穴の家』は2026年11月13日(金)・双葉社・1,870円(税込)・四六判272ページ
- ★272ページのうち新作ミステリー小説は140ページ。 残り約130ページは雨穴の間取り・過去の作品・調査資料・栗原さんとの電話などの資料
- ★画像・イラストが300点超=272ページに対し1ページあたり1枚以上
- ★版元は「ヒストリー」×「小説」の新ジャンル「ヒストリーノベル」と呼ぶ。既存のジャンル名ではなく、双葉社の造語
- ★書名に「変な」が入らず、著者名そのものが書名になっている。 版元も続編ではなく「新ジャンル」と書く
- ★『変な家』は他人の家の間取りを読む話だったが、本作は雨穴自身の家の間取りが手がかりになる
- ★資料は300点超あるのに、雨穴と栗原さんという当事者2人の記憶に「抜け落ちた部分」がある=記録から記憶を復元する形
- ★変なシリーズ5冊で、1ページあたりの価格は本作が最高の約6.88円(前作『変な地図』は約4.23円、最安は『変な家2』の約3.75円)
- ★前作よりページが144減るのに110円高くなる。図版の多さが理由と読める
- ★雨穴の書籍は飛鳥新社(変な家・変な家2)と双葉社(変な絵・変な地図・本作)の2社にまたがる
- 前作『変な地図』(2025年10月31日)からほぼちょうど1年
- 「音楽」「変な物」も本に収録される=雨穴の活動の全領域が1冊に集まる
- 版元の数字:変なシリーズ全世界累計1000万部突破/『変な絵』世界累計350万部・40の国と地域で翻訳決定・ダガー賞翻訳部門 最終候補
- 電子版の記載は書誌にない(2026年10月11日時点)。図版の多さから紙前提と見られる
間取り図を読んで他人の家の秘密を暴いてきた書き手が、自分の家の間取りを差し出す。 資料はすべて残っているのに、本人たちの記憶だけが欠けています。




コメント