『神話』は、知念実希人の長編で、2026年11月12日に実業之日本社から出ます。2,475円(税込)・四六判624ページ。単行本の新作です。
先に、検索して来た方がつまずきやすい点を3つ書きます。
ひとつ目。 森見登美彦『四畳半神話大系』とは無関係です。書名が2文字しかないため検索が混ざりやすいのですが、こちらは知念実希人の2026年の新作です。当サイトの『四畳半神話大系』のレビューは別の作品です。
ふたつ目。 医療ミステリではありません。 版元は本作を「医療ミステリの旗手が挑む、衝撃のAI×SF超大作!」と紹介しています。ジャンルを移した作品です。
みっつ目。 624ページ・重さ550g・2,475円という、知念実希人の本としては異例の規模です。版元自身が「作家デビュー15周年、勝負作!!」と書いています。
※本ページはアフィリエイトリンクを含みます。
※本記事は発売前に公表された情報にもとづいています。
- 2026年11月12日・実業之日本社・2,475円(税込)・四六判624ページ
- 版元が「作家デビュー15周年、勝負作」と記す書き下ろし長編
- 医療ミステリではなく「AI×SF」。重さ550g
神話とは|四六判624ページ・550gの単行本

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 著者 | 知念実希人(1978年・沖縄県生まれ) |
| 版元 | 実業之日本社 |
| 発売予定日 | 2026年11月12日 |
| 判型・頁 | 四六判・624ページ(縦195mm) |
| 重さ | 550g |
| 価格 | 2,475円(税込・本体2,250円) |
| ISBN | 978-4-408-53928-7 |
| Cコード | C0093(一般・単行本・日本文学、小説・物語) |
| 状態 | 2026年10月11日時点で予約受付中 |
Cコードが「0:単行本」=文庫化ではない
Cコードの2桁目が「0」で、これは単行本を意味します。 文庫なら「1」が入ります。本作は新作の単行本で、文庫化でも新装版でもありません。
書き下ろしか雑誌連載のまとめかは、2026年10月11日時点で公表されていません。 実業之日本社の公式ページにも版元ドットコムの書誌にも初出の記載がないため、本記事では断定しません。
版元のあらすじ
大学院生の佐藤枢は、婚約者の高橋栞織と初詣に訪れた帰り道、交通事故により頭部を強く打ち意識不明の重体に陥る。奇跡的に意識を取り戻した枢だったが、回復する過程で脳の回路が再構築され、圧倒的な知性を発揮しはじめる。因果律を支配しバタフライエフェクトを操って、自らの障害となる存在を次々と排除していく。時を同じくして、米国では世界の覇権を握り続けるために大統領が天才プログラマー、ルカ・スターリングに軍事用超高性能汎用AIを創らせていた。そして人の枠を超えた知性と、人工の超知能が出会ったとき、『神』が降臨し、世界は終末へと動き出す。神を崇める者、神を否定する者、神を殺そうとする者、そして神を人へと戻そうとする者。人々の思惑を呑み込んで、人類の未来を占う『神話』は終焉へと導かれていく――。
出典:実業之日本社 公式(2026年10月11日時点)
版元のキャッチコピー
その奇跡は、人類の救済か、終焉か…。医療ミステリの旗手が挑む、衝撃のAI×SF超大作! 作家デビュー15周年、勝負作!!
出典:実業之日本社 公式ページのメタディスクリプション(2026年10月11日時点)
「医療ミステリの旗手が挑む」という書き方そのものが、本作がこれまでと違うジャンルであるという版元の説明です。
「デビュー15周年」の数え方
知念実希人は、版元の著者紹介によれば2011年に第4回島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を『レゾン・デートル』で受賞しています。
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 2011年 | 第4回島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞 |
| 2015年 | 『仮面病棟』が啓文堂文庫大賞を受賞 |
| 2026年 | 本作。版元は「作家デビュー15周年」と記す |
出典:版元ドットコム(2026年10月11日時点)
2011年の受賞から数えると2026年で15年になります。版元が何を起点にしているかは明記されていないため、本記事では「版元が15周年と記している」という事実だけを扱います。
神話の設定|2つの「超知能」が出会う

版元のあらすじは、独立した2本の筋を示しています。
| 筋A(日本) | 筋B(米国) | |
|---|---|---|
| 誰 | 大学院生・佐藤枢 | 天才プログラマー・ルカ・スターリング |
| 何が起きる | 交通事故で頭部を強打→脳の回路が再構築され圧倒的な知性を得る | 大統領の指示で軍事用超高性能汎用AIを創る |
| 知性の出自 | 事故による偶然 | 国家の意思による設計 |
| 発動 | 「因果律を支配しバタフライエフェクトを操る」 | 記載なし |
出典:実業之日本社 公式(2026年10月11日時点)
この2つが「出会ったとき」に『神』が降臨する——版元はそう書いています。
片方は偶然、片方は国家の計画
設定の対称性が意図的です。佐藤枢の知性は、初詣の帰り道の交通事故という完全な偶然から生まれます。 一方ルカ・スターリングのAIは、「世界の覇権を握り続けるために」大統領が創らせたものです。
| 佐藤枢 | 人工の超知能 | |
|---|---|---|
| きっかけ | 事故(偶然) | 大統領の指示(計画) |
| 由来 | 人の脳の再構築 | 軍事用汎用AI |
| 目的 | 記載なし(「自らの障害となる存在を排除」) | 覇権の維持 |
→ 偶然に生まれた知性と、目的を持って作られた知性。 この対比が本作の土台だと読めます。
「因果律を支配しバタフライエフェクトを操る」
主人公の能力の説明として、版元はこの一文を使っています。
バタフライエフェクトは、小さな初期条件の差が大きな結果の差を生むという考え方です。それを「操る」と書かれているのが要点で、超能力で直接相手を倒すのではなく、遠い原因を動かして結果を起こすという形だと読めます。
「自らの障害となる存在を次々と排除していく」とあるので、主人公の側が加害する構図です。善悪が最初から割れている話ではありません。
具体的にどう作用するかは版元が説明していないため、本記事では推測しません。
著者は現役の内科医である
知念実希人は東京慈恵会医科大学卒・日本内科学会認定医です。
本作の出発点が「交通事故による頭部外傷」と「回復過程での脳の回路の再構築」である点は、医師である著者の領域と地続きです。医療ミステリから離れた作品でありながら、設定の入口には医学が置かれていると読めます。
ただし版元はこの関連を明言していないので、読み方のひとつです。
「神」をめぐって4つの立場が並ぶ
版元のあらすじは、登場人物の立場を4つに分けて並べています。
| # | 立場 |
|---|---|
| 1 | 神を崇める者 |
| 2 | 神を否定する者 |
| 3 | 神を殺そうとする者 |
| 4 | 神を人へと戻そうとする者 |
出典:実業之日本社 公式(2026年10月11日時点)
4つ目の「神を人へと戻そうとする者」だけが、他の3つと性質が違います。 崇める・否定する・殺すは神に対する態度ですが、「人へ戻す」は、神が元は人だったと知っている者の態度です。
→ 婚約者の高橋栞織がこの位置に立つと読めますが、版元は誰がどの立場かを示していません。 本記事では結末・真相・人物の正体には触れません。
神話の規模|624ページ・550gは知念実希人の本として異例

この本の分量と価格は、同時期の新刊と並べると際立ちます。
| 神話(本作) | 放課後ミステリクラブ 10 | |
|---|---|---|
| 発売 | 2026年11月12日 | 2026年11月9日 |
| 版元 | 実業之日本社 | ライツ社 |
| 判型・頁 | 四六判624ページ | 四六判 |
| 価格(税込) | 2,475円 | 1,540円 |
| 対象 | 一般(Cコード0:一般) | 児童向け |
| ジャンル | AI×SF | 児童向け本格ミステリ |
3日違いで2冊出る
2026年11月9日に児童向けシリーズの第10巻、11月12日にAI×SFの624ページ。 3日違いです。
同じ著者が、読者層もジャンルも分量もまったく違う2冊を同じ週に出す。 知念実希人は『放課後ミステリクラブ1 金魚の泳ぐプール事件』でも本屋大賞にノミネートされており、児童書と一般書を並行させている作家です。
→ 書店で名前を見かけても、どちらの本かで中身が別物です。買う前に判型と価格を確認するのが確実です。
重さ550gが書誌に出ている
版元ドットコムの書誌に「重さ 550g」が記録されています。 書誌に重量が載るのは多くありません。
| 数値 | |
|---|---|
| ページ | 624ページ |
| 縦 | 195mm(四六判) |
| 重さ | 550g |
四六判624ページで550g——文庫3冊分に近い重さです。持ち歩いて読む本ではありません。
価格は本体2,250円。1ページあたり約3.97円
| 数値 | |
|---|---|
| 税込価格 | 2,475円 |
| 本体価格 | 2,250円 |
| 1ページあたり(税込) | 約3.97円 |
四六判の長編としては高めですが、624ページあるため1ページあたりは約3.97円です。300ページで1,800円の本(1ページ約6円)より割安です。分量に対しては妥当な値付けと言えます。
版元公式サイトに書影は出ていない
2026年10月11日時点で、実業之日本社の公式ページに書影(カバー画像)は掲載されていません。 「予約受付中」の表示のみです。
発売前の新刊では珍しくありません。 カバーが決まり次第、公式ページに載ると見られます。
神話の3つの読みどころ

1. 「知性が増えること」が災厄として書かれている
ふつう物語では、主人公が力を得ることは前進です。本作は逆で、主人公が圧倒的な知性を得た結果、「自らの障害となる存在を次々と排除していく」と版元が書いています。
| ふつうの構図 | 本作 | |
|---|---|---|
| 能力を得る | 主人公が強くなる | 主人公が人を排除しはじめる |
| 周囲 | 助けられる | 「障害」として扱われる |
| 読者の立場 | 主人公を応援する | 止めたいと思う |
版元のキャッチも「その奇跡は、人類の救済か、終焉か…。」と、両方の可能性を並べています。 事故からの回復というふつうなら喜ばしい出来事を、そのまま災厄の入口にしているのが本作の作りです。
2. 人の知性と人工の知性を同じ天秤に置く
AIを扱う小説では、人間が人工知能に対抗する形が多いです。本作は人間の側も「人の枠を超えた知性」になっているため、人対AIではなく、超知能対超知能になります。
| 出自 | 版元の呼び方 | |
|---|---|---|
| 佐藤枢 | 人の脳の再構築 | 人の枠を超えた知性 |
| ルカ・スターリングのAI | 軍事用超高性能汎用AI | 人工の超知能 |
この2つが出会うと『神』が降臨すると版元は書きます。→ どちらか一方では神にならないということで、出会いそのものが仕掛けになっています。
知念実希人は『硝子の塔の殺人』のような本格ミステリも書いており、仕掛けを設計して物語を組む書き手です。その設計の対象が、今回は事件ではなく世界になっていると読めます。
3. 「医療ミステリの旗手」が看板を外した作品
知念実希人は医療を舞台にした作品で読者を得てきた作家です。『仮面病棟』、『崩れる脳を抱きしめて』、天久鷹央シリーズ——いずれも病院と医師が中心にあります。
| 作品 | 舞台 |
|---|---|
| 仮面病棟 | 閉鎖された病院 |
| 崩れる脳を抱きしめて | 病院(医療×純愛) |
| 硝子の塔の殺人 | 雪の森の館(本格ミステリ) |
| 神話(本作) | 日本と米国。AI×SF |
版元が自ら「医療ミステリの旗手が挑む」と書いているのは、読者が持っている期待をいったん外す必要があるからです。→ 医療ミステリを求めて買うと前提が違います。
ただし出発点が頭部外傷と脳の回復であることは前述のとおりで、医学が完全に消えているわけではありません。
神話に関するよくある質問
神話はいつ発売ですか
2026年11月12日です。 実業之日本社から2,475円(税込・本体2,250円)・四六判624ページで出ます。2026年10月11日時点で予約受付中です。
森見登美彦の『四畳半神話大系』と関係はありますか
まったく別の作品です。 本作は知念実希人の2026年の新作で、『四畳半神話大系』は森見登美彦の小説です。当サイトでは『四畳半神話大系』のレビューも別に用意しています。
医療ミステリですか
いいえ。 版元は「医療ミステリの旗手が挑む、衝撃のAI×SF超大作!」と紹介しています。AIとSFの作品です。ただし物語の出発点は交通事故による頭部外傷と、回復過程での脳の回路の再構築です。
文庫版はありますか
ありません。 本作は2026年11月12日に出る新作の単行本です(Cコードの2桁目が「0:単行本」)。文庫化の予定は2026年10月11日時点で公表されていません。
どんな話ですか
大学院生の佐藤枢が交通事故で意識不明になり、回復の過程で脳の回路が再構築されて圧倒的な知性を得ます。 同時に米国では大統領の指示で軍事用超高性能汎用AIが作られており、この2つが出会ったとき『神』が降臨する——というのが版元のあらすじです。本記事では結末・真相には触れません。
624ページは読むのにどれくらいかかりますか
四六判624ページなので、通しで10〜13時間が目安です。版元は「至高のノンストップ・サスペンス」と書いています。重さ550gあるので、持ち歩きには向きません。
シリーズものですか。前に読んでおく本はありますか
版元の書誌にシリーズ表記はありません。 単独の長編で、本作から読めます。
『放課後ミステリクラブ 10』とは別の本ですか
別の本です。 『放課後ミステリクラブ 10 怪盗マスカレードと黄金の不死鳥像事件』は2026年11月9日にライツ社から出る児童向け本格ミステリ(1,540円)で、本作はその3日後に出る一般向けのAI×SF(2,475円・624ページ)です。読者層もジャンルも違います。
SFを読んだことがなくても読めますか
版元の説明は「因果律」「バタフライエフェクト」「汎用AI」といった言葉を使いますが、いずれも説明の必要な専門用語ではありません。 版元が「ノンストップ・サスペンス」と位置づけているので、物語として進む作りだと読めます。SFから入りたい場合はSF小説おすすめ18選が入口です。
知念実希人は初めてです。どれから読めばいいですか
本作は規模もジャンルも異例なので、まずは代表作から入るのがおすすめです。 『仮面病棟』(2015年・啓文堂文庫大賞)、『崩れる脳を抱きしめて』、本格ミステリなら『硝子の塔の殺人』が入口です。全体像は知念実希人の新刊・新作ガイドとおすすめランキングTOP10にまとめています。
「デビュー15周年」とは何年からの数えですか
版元は起点を明記していません。 著者紹介によれば2011年に第4回島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞しており、そこから数えると2026年で15年になります。
まとめ|医療ミステリの書き手が出す624ページのAI×SF
- 『神話』は2026年11月12日・実業之日本社・2,475円(税込)・四六判624ページ・重さ550g
- ★森見登美彦『四畳半神話大系』とは無関係。書名が2文字で検索が混ざりやすい
- ★医療ミステリではない。 版元は「医療ミステリの旗手が挑む、衝撃のAI×SF超大作!」と書く
- ★版元自身が「作家デビュー15周年、勝負作!!」と記す。受賞は2011年で、そこから数えると2026年が15年(版元は起点を明記していない)
- ★Cコードの2桁目が「0:単行本」=文庫化でも新装版でもない新作。初出(書き下ろしか連載か)は未公表
- ★筋は2本。 事故で知性を得た大学院生佐藤枢(日本)と、大統領が天才プログラマールカ・スターリングに作らせた軍事用超高性能汎用AI(米国)。この2つが出会うと『神』が降臨する
- ★片方は偶然(事故)、片方は国家の計画という対称構造になっている
- ★主人公は「因果律を支配しバタフライエフェクトを操って、自らの障害となる存在を次々と排除していく」=力を得ることが災厄として書かれる
- ★「神を崇める者/否定する者/殺そうとする者/人へと戻そうとする者」の4つの立場が並ぶ。4つ目だけが神が元は人だったと知っている者の立場
- ★書誌に「重さ550g」が記録されている(四六判624ページ)。持ち歩き向きではない
- ★3日前(11月9日)に児童向けの『放課後ミステリクラブ 10』(1,540円)が出る=同じ週に読者層の違う2冊が並ぶ
- 1ページあたりは約3.97円で、分量に対しては割高ではない
- 著者は日本内科学会認定医で、出発点の「頭部外傷と脳の回復」は著者の領域と地続き
- 版元公式サイトに書影はまだ出ていない(2026年10月11日時点)
事故から回復したことが、災厄の始まりになる。 救済か終焉か——版元が両方を並べて書いているのは、どちらとも決まっていないからです。




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