『昇華 機捜235』は、『隠蔽捜査』シリーズで知られる今野敏の警察小説で、2026年11月11日に光文社文庫から出ます。968円(税込)・文庫判400ページ。2024年12月18日に出た単行本の文庫化で、〈機捜235〉シリーズの第3弾です。
先に、検索して来た方の役に立つ点を3つ書きます。
ひとつ目。 シリーズ名の「235」は、2人が乗る機捜車のコールサインです。単行本の版元紹介が「機捜車のコールサインは235だ」と明記しています。そして本作には「機捜231の大久保」が出てきます——別の番号の車です。
ふたつ目。 今回、2人は機捜車を降ります。 光文社の文庫紹介は「いつもは街中を機捜235で走って事件を追う高丸と縞長だったが」と前置きし、選挙事務所への潜入捜査を命じられると書いています。シリーズの型から外れる巻です。
みっつ目。 シリーズ3作の文庫化までの間隔が、3年1か月 → 2年6か月 → 1年11か月と縮み続けています。 単行本で待つ意味が年々小さくなっています。
※本ページはアフィリエイトリンクを含みます。
※本記事は発売前に公表された情報にもとづいています。
- 2026年11月11日・光文社文庫・968円(税込)・文庫判400ページ
- 単行本1,980円・336ページからの文庫化(1,012円安い)
- 〈機捜235〉シリーズ第3弾。今回は選挙事務所への潜入捜査
昇華 機捜235とは|光文社文庫の400ページ

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 著者 | 今野敏(1955年・北海道生まれ) |
| 版元・レーベル | 光文社・光文社文庫 |
| 書店発売日 | 2026年11月11日 |
| 出版年月日(奥付) | 2026年11月20日 |
| 判型・頁 | 文庫判・400ページ(縦152mm×横105mm×厚さ16mm) |
| 価格 | 968円(税込・本体880円) |
| ISBN | 978-4-334-11198-4 |
| Cコード | C0193(一般・文庫・日本文学、小説・物語) |
| シリーズ | 〈機捜235〉第3弾 |
| 底本 | 光文社の単行本(2024年12月18日・336ページ・1,980円) |
版元のあらすじ
警視庁機動捜査隊渋谷分駐所所属の高丸卓也と縞長省一。衆議院解散に伴う総選挙が決まったさなか、SNSに法務大臣・坂本の殺害予告が投稿される。いつもは街中を機捜235で走って事件を追う高丸と縞長だったが、機捜231の大久保とともに特別捜査本部に呼ばれ、坂本の選挙区・川越で彼の選挙事務所での潜入捜査を命じられる。勝手の違いにとまどいつつも、事務所では次々に浮かび上がるあやしい人物たちを懸命に捜査する三人だったが、そこへ新たな予告が投稿され………。血気盛んな高丸と定年間際の一見しょぼくれたおっさん縞長の異色バディで大人気のシリーズ第三弾!
出典:光文社の本(2026年10月11日時点)
事件の起点はSNSへの殺害予告
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 起点 | SNSに投稿された法務大臣・坂本の殺害予告 |
| 時期 | 衆議院解散に伴う総選挙が決まったさなか |
| 捜査の場 | 坂本の選挙区・川越の選挙事務所(潜入) |
| 展開 | 捜査中に「新たな予告」が投稿される |
出典:光文社の本(2026年10月11日時点)
まだ何も起きていない段階から始まるのがこの作品の形です。殺人が起きてから捜査する話ではなく、予告を潰す話です。しかも第2の予告が投稿されるとあるので、事件は「予告の連鎖」として進むと読めます。
対象が法務大臣であることの意味
狙われるのが「法務大臣」である点は、設定として選ばれたものです。法務大臣は検察・刑事施設・恩赦など、警察の仕事と地続きの領域を所管する閣僚です。
守る側が、自分たちの制度の上にいる人を守る。 しかも総選挙のさなかで、警備ではなく選挙事務所への潜入という手段が採られる。この組み合わせ自体が本作の仕掛けだと読めます。どんな理由で予告が出されたかは公表されていません。
「235」は機捜車のコールサイン
シリーズ名の数字の意味は、単行本の版元紹介がはっきり書いています。
警視庁機動捜査隊渋谷分駐所の名コンビ、高丸卓也と縞長省一。機捜車のコールサインは235だ。
出典:版元ドットコム(単行本)(2026年10月11日時点)
235は人名でも部署名でもなく、2人が乗る車の呼び出し番号です。「機捜235」=あの2人が乗っている車、という指し方になります。
→ シリーズ名が「車の番号」であること自体が、この作品が機動捜査隊という持ち場を主題にしていることを示しています。
本作には「機捜231の大久保」が出る
ここが第3弾の肝です。文庫のあらすじは「機捜231の大久保とともに」と、別の番号を出します。
| 呼称 | 誰 |
|---|---|
| 機捜235 | 高丸卓也・縞長省一(シリーズの主役) |
| 機捜231 | 大久保 |
出典:光文社の本(2026年10月11日時点)
単行本の紹介文では「同僚の大久保実乃里」と書かれていました。 つまり同じ人物を、単行本は氏名で、文庫は車の番号で紹介しているわけです。
| 大久保の紹介のされ方 | |
|---|---|
| 単行本(2024年) | 同僚の大久保実乃里 |
| 文庫(2026年) | 機捜231の大久保 |
→ 文庫の書き方のほうが、シリーズの世界を分かっている読者向けです。「235の2人が、231の1人と組む」という一文で、読者に「別の車の人が入る」と伝わる。 シリーズが3作続いて、番号が通じる言葉になったということでもあります。
なお「大久保実乃里」という氏名は単行本の紹介文に出てくるもので、文庫の紹介文には下の名前がありません。
「いつもは街中を機捜235で走って」=型から外れる巻
文庫のあらすじには、シリーズの通常の型が明示されています。
| いつも | 本作 | |
|---|---|---|
| 動き方 | 街中を機捜235で走って事件を追う | 選挙事務所に潜入する |
| 所属先 | 機動捜査隊渋谷分駐所 | 特別捜査本部に呼ばれる |
| 人数 | 2人 | 3人(大久保が加わる) |
| 状態 | — | 「勝手の違いにとまどいつつも」 |
機動捜査隊は、事件発生直後に現場へ急行するのが本来の役割です。本作ではその車を降り、本部付きの潜入捜査に回されます。
版元が「勝手の違いにとまどいつつも」と書いているのは、その違和感が作中で描かれるという予告です。→ シリーズの持ち味である「街を流す2人」から意図的に外した巻だと読めます。
昇華 機捜235のシリーズ3作|単行本と文庫を全部並べる

〈機捜235〉は3作とも光文社から出ており、すべて単行本→文庫の順です。
| 巻 | 書名 | 単行本 | 文庫 |
|---|---|---|---|
| 1 | 機捜235 | 2019年3月6日・四六判280ページ・1,650円 | 2022年4月12日・312ページ・770円 |
| 2 | 石礫 機捜235 | 2022年5月25日・四六判336ページ・1,870円 | 2024年11月12日・392ページ・880円 |
| 3 | 昇華 機捜235(本作) | 2024年12月18日・四六判336ページ・1,980円 | 2026年11月11日・400ページ・968円 |
出典:版元ドットコム、同、同、同、同、光文社の本(2026年10月11日時点)。当サイトが各書誌を突き合わせて集計しました。
文庫化までの間隔が縮み続けている
ここが3作を並べて初めて見えることです。
| 巻 | 単行本 | 文庫 | 間隔 |
|---|---|---|---|
| 1 | 2019年3月6日 | 2022年4月12日 | 約3年1か月 |
| 2 | 2022年5月25日 | 2024年11月12日 | 約2年6か月 |
| 3 | 2024年12月18日 | 2026年11月11日 | 約1年11か月 |
3年1か月 → 2年6か月 → 1年11か月。 1作ごとに約7か月ずつ短くなっています。
→ シリーズが売れて、文庫化が前倒しされていると読むのが自然です。「文庫で待つ」判断の損得も変わります。 第1弾では3年待ちでしたが、本作では2年を切りました。
文庫の価格は770円から968円へ上がり続けている
| 巻 | 文庫の価格(税込) | 文庫のページ |
|---|---|---|
| 1 | 770円 | 312ページ |
| 2 | 880円 | 392ページ |
| 3 | 968円 | 400ページ |
770 → 880 → 968円で、4年半で198円(25.7%)上がっています。 ただしページも312→400と88増えているので、1ページあたりは約2.47円→約2.42円でほぼ変わりません。
| 巻 | 1ページあたり |
|---|---|
| 1 | 約2.47円 |
| 2 | 約2.24円 |
| 3 | 約2.42円 |
→ 値上がりの主因は厚さです。ページ単価は3作でほぼ横並びで、第2弾がいちばん割安でした。
単行本は第2弾と第3弾が同じ336ページ
| 巻 | 単行本のページ | 単行本の価格 |
|---|---|---|
| 1 | 280ページ | 1,650円 |
| 2 | 336ページ | 1,870円 |
| 3 | 336ページ | 1,980円 |
第2弾と第3弾は同じ336ページなのに、110円高くなっています。 これはこの2年の製作コストの上昇を反映したものと読めます。第1弾からは280→336ページ(+56)で、分量そのものが増えています。
第2弾『石礫』は爆弾テロ犯の取り調べを扱っていた
第2弾の版元紹介には、2人の肩書がより具体的に書かれています。
「機捜235」の高丸と縞長が発見した爆弾テロ犯・内田が建築現場に立てこもった。(中略)機動捜査隊出身・高丸と見当たり捜査の天才・縞長の異色バディによる大人気シリーズ第2弾!
出典:版元ドットコム(石礫 文庫)(2026年10月11日時点)
| 人物 | 第2弾での肩書 | 本作(第3弾)での書き方 |
|---|---|---|
| 高丸 | 機動捜査隊出身 | 血気盛んな高丸 |
| 縞長 | 見当たり捜査の天才 | 定年間際の一見しょぼくれたおっさん |
「見当たり捜査」は、人の顔を覚えて街中で手配犯を見つける捜査手法です。縞長の能力はここにあります。
→ 第3弾で機捜車を降りて潜入捜査に回されるのは、縞長の「人を見る」能力が車の外でも効くという配置と読めますが、版元は関連を明言していないので推測です。
シリーズは本作から読めるか
版元は本作を「大人気のシリーズ第三弾」と明示しています。 ただし各巻は独立した事件で、本作の予告事件は過去作と繋がっていません。
| 本作から読む | 1巻から読む | |
|---|---|---|
| 事件の理解 | 問題なく読める | — |
| 2人の関係 | 版元の紹介で補える | 高丸と縞長の組み方が分かる |
| 価格 | 968円 | 770+880+968=2,618円 |
→ 本作から読めますが、「異色バディ」が売りのシリーズなので、余裕があれば第1弾『機捜235』からが得です。第1弾の文庫は770円で、3冊のなかで最も安いです。
昇華 機捜235の単行本と文庫の違い|1,012円安く、64ページ厚い

| 単行本 2024年 | 文庫 2026年(本作) | |
|---|---|---|
| 発売日 | 2024年12月18日 | 2026年11月11日 |
| 判型 | 四六判(縦194mm×横133mm×厚さ25mm) | 文庫判(縦152mm×横105mm×厚さ16mm) |
| ページ | 336ページ | 400ページ |
| 価格(税込) | 1,980円 | 968円 |
| 本体価格 | 1,800円 | 880円 |
| ISBN | 978-4-334-10512-9 | 978-4-334-11198-4 |
出典:版元ドットコム(単行本)、光文社の本(2026年10月11日時点)
価格差は1,012円。単行本の48.9%
1,980円 → 968円で、1,012円安くなります。 単行本の48.9%で、半額を下回ります。 文庫化の値下がりとしては大きいほうです。
64ページ増えるのは判型が変わるから
336 → 400ページで64ページ増えます。 判型が四六判から文庫判へ小さくなり、1ページに入る字数が減るためです。加筆・改稿の告知は2026年10月11日時点でありません。
厚さは25mm → 16mmで、9mm薄くなります。
文庫のあらすじは単行本より詳しい
本作では珍しいことに、文庫の紹介文のほうが情報が多いです。
| 要素 | 単行本の紹介 | 文庫の紹介 |
|---|---|---|
| 235の意味 | 「機捜車のコールサインは235だ」と明記 | 記載なし |
| 大久保 | 「同僚の大久保実乃里」(氏名) | 「機捜231の大久保」(所属車) |
| いつもの動き | 記載なし | 「いつもは街中を機捜235で走って事件を追う」 |
| 2人の性格 | 「名コンビ」 | 「血気盛んな高丸」「定年間際の一見しょぼくれたおっさん縞長」 |
| とまどい | 記載なし | 「勝手の違いにとまどいつつも」 |
→ 両方を読まないと全体像が取れません。 本記事では両方を出典として扱いました。 文庫化・続刊の記事を書くときは、前の巻と単行本の書誌も必ず引くのが確実です。
同じ日に、光文社は澤村伊智の短編集も文庫化する
光文社は2024年12月18日に、本書と澤村伊智『頭の大きな毛のないコウモリ』の単行本を同じ日に出しました。 そして2026年11月11日に、2冊を同じ日に文庫化します。
| 昇華 機捜235 | 頭の大きな毛のないコウモリ | |
|---|---|---|
| 単行本 | 2024年12月18日・336ページ・1,980円 | 2024年12月18日・284ページ・1,980円 |
| ISBN(単行本) | 978-4-334-10512-9 | 978-4-334-10515-0 |
| 文庫 | 2026年11月11日・400ページ・968円 | 2026年11月11日・384ページ・990円 |
単行本のISBNは10512と10515で3しか離れていません。 → 同じロットで作られ、2年後も揃って文庫になるという、版元の計画が数字にそのまま出ています。
昇華 機捜235に関するよくある質問
昇華 機捜235の文庫版はいつ出ますか
2026年11月11日です(書店発売日)。 光文社文庫から968円(税込・本体880円)・文庫判400ページで出ます。奥付の出版年月日は2026年11月20日です。
「機捜235」の235は何の数字ですか
高丸と縞長が乗る機捜車のコールサイン(呼び出し番号)です。 単行本の版元紹介が「機捜車のコールサインは235だ」と明記しています。本作には「機捜231の大久保」も登場します。
シリーズの何作目ですか
第3弾です。 第1弾『機捜235』(2019年)、第2弾『石礫 機捜235』(2022年)に続きます。
本作から読めますか
読めます。 各巻は独立した事件です。ただし「異色バディ」が売りのシリーズなので、2人の関係から追いたい場合は第1弾『機捜235』(文庫770円)が入口です。
単行本と文庫で中身は違いますか
2026年10月11日時点で、加筆や改稿の告知はありません。 ページ数は336→400へ増えますが、これは判型が四六判から文庫判へ小さくなったためです。
単行本と文庫はどちらを買うべきですか
これから読むなら文庫です。 単行本1,980円に対して文庫は968円で、1,012円安い(単行本の48.9%)。内容の違いは公表されていません。
どんな事件が起きますか
SNSに法務大臣・坂本の殺害予告が投稿されます。 高丸と縞長は機捜231の大久保とともに特別捜査本部に呼ばれ、坂本の選挙区・川越の選挙事務所に潜入します。捜査中に新たな予告が投稿されます。 本記事では結末・真相には触れません。
機動捜査隊とはどんな部署ですか
事件発生直後に車で現場へ急行する警視庁の部署です。本作ではその本来の動き(街中を機捜235で走る)から離れ、潜入捜査に回されます。 版元も「勝手の違いにとまどいつつも」と書いています。
『隠蔽捜査』シリーズと関係はありますか
別のシリーズです。 版元の書誌に関連の記載はありません。今野敏の警察小説の全体像は警察小説おすすめ20選にまとめています。
400ページは読むのにどれくらいかかりますか
文庫判400ページなので、通しで6〜7時間が目安です。
今野敏は初めてです。どれから読めばいいですか
本作からでも読めます。 代表作から入りたい場合は『隠蔽捜査』(第27回吉川英治文学新人賞)、『果断 隠蔽捜査2』(第21回山本周五郎賞・第61回日本推理作家協会賞のダブル受賞)が入口です。当サイトでは『歌舞伎町特別診療所 闇の争覇〈新装版〉』も扱っています。
まとめ|文庫化の間隔が縮み続けている。今回は機捜車を降りる
- 『昇華 機捜235』は2026年11月11日・光文社文庫・968円(税込)・文庫判400ページ
- ★シリーズ名の「235」は高丸と縞長が乗る機捜車のコールサイン。単行本の版元紹介が明記している
- ★本作には「機捜231の大久保」が登場する=別の番号の車の人物。単行本は同じ人を「同僚の大久保実乃里」と氏名で紹介していた
- ★今回2人は機捜車を降りる。 版元は「いつもは街中を機捜235で走って事件を追う」と前置きし、選挙区・川越の選挙事務所への潜入捜査を命じられると書く(「勝手の違いにとまどいつつも」)
- ★シリーズ3作の文庫化までの間隔が3年1か月→2年6か月→1年11か月と、1作ごとに約7か月短くなっている
- ★文庫の価格は770円→880円→968円と上がるが、1ページあたりは約2.47→2.24→2.42円でほぼ横並び(第2弾が最も割安)
- ★単行本は第2弾と第3弾が同じ336ページなのに110円高い
- 事件の起点はSNSに投稿された法務大臣・坂本の殺害予告。まだ起きていない殺人を潰す話で、捜査中に新たな予告が出る
- 第2弾の版元紹介によれば高丸は機動捜査隊出身、縞長は見当たり捜査の天才
- ★底本は2024年12月18日の単行本(336ページ・1,980円)。文庫は1,012円安い(単行本の48.9%)
- ★本作では文庫の紹介文のほうが情報が多い=文庫化の記事は単行本側の書誌も必ず引く必要がある
- ★光文社が2024年12月18日に同時に出した澤村伊智『頭の大きな毛のないコウモリ』も、2026年11月11日に同時に文庫化される(単行本ISBNは10512と10515)
- 各巻は独立した事件なので本作から読めるが、第1弾の文庫は770円で3冊のなかで最も安い
事件が起きる前に動く話です。機捜車を降り、選挙事務所の中に座って、予告の主を探す。 街を流すのが仕事の2人にとって、いちばん勝手の違う持ち場になります。



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