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頭の大きな毛のないコウモリ 澤村伊智 レビュー|収録7編の目次を全部並べた異形短編集の文庫化【2026年最新】

2026 10/11
ジャンル別 ホラー ミステリー 新刊レーダー
2026年10月11日
頭の大きな毛のないコウモリ 澤村伊智のレビュー記事アイキャッチ画像

『頭の大きな毛のないコウモリ 澤村伊智異形短編集』は、『ぼぎわんが、来る』でデビューした澤村伊智の短編集で、2026年11月11日に光文社文庫から出ます。990円(税込)・文庫判384ページ。2024年12月18日に出た単行本の文庫化です。

先に、検索して来た方の役に立つ点を3つ書きます。

ひとつ目。 光文社の公式サイトはこの文庫の目次を公開しています。 収録は小説7編+自作解説+文庫解説で、文庫解説を書くのは「ヱ藤(プロホラー読者)」という書き手です。

ふたつ目。 その目次と、版元の紹介文が食い違っています。 紹介文は「ほか八編を収録」と書いていますが、目次に並ぶ小説は7編です。本記事では目次を正として扱い、食い違い自体も記録します。

みっつ目。 990円安くなり、100ページ増えます。 単行本1,980円・284ページ → 文庫990円・384ページで、ちょうど半額です。

※本ページはアフィリエイトリンクを含みます。

※本記事は発売前に公表された情報にもとづいています。

『頭の大きな毛のないコウモリ』をAmazonでチェック
  • 2026年11月11日・光文社文庫・990円(税込)・文庫判384ページ
  • 単行本1,980円・284ページからの文庫化(ちょうど半額)
  • 小説7編+自作解説+文庫解説(ヱ藤)

Amazonで頭の大きな毛のないコウモリを見る →

目次

頭の大きな毛のないコウモリとは|光文社文庫の384ページ

頭の大きな毛のないコウモリの単行本と文庫で版元のキャッチコピーが変わったことを並べた図
項目 内容
著者 澤村伊智(1979年・大阪府生まれ)
版元・レーベル 光文社・光文社文庫
書店発売日 2026年11月11日
出版年月日(奥付) 2026年11月20日
判型・頁 文庫判・384ページ(縦152mm×横105mm×厚さ15mm)
価格 990円(税込・本体900円)
ISBN 978-4-334-11212-7
Cコード C0193(一般・文庫・日本文学、小説・物語)
底本 光文社の単行本(2024年12月18日・284ページ・1,980円)

出典:光文社の本、版元ドットコム、同(単行本)(2026年10月11日時点)

ページ数は版元の2つの発表で食い違う

光文社の公式サイトは384ページ、版元ドットコムの書誌は376ページと記録しています。8ページの差です。

情報源 ページ数
光文社の本(版元公式) 384ページ
版元ドットコム(版元登録の書誌) 376ページ

→ 本記事は版元公式サイトの384ページを採ります。 発売前の書誌は確定前の数値が入ることがあるため、この種の差は珍しくありません。 いずれにしても単行本284ページより90〜100ページ厚くなる点は変わりません。

「書店発売日」と「出版年月日」が9日ずれている

光文社の公式ページは、2つの日付を並べています。

項目 日付 意味
書店発売日 2026年11月11日 書店の棚に並ぶ日
出版年月日 2026年11月20日 奥付に刷られる日

買う人に関係するのは書店発売日の11月11日です。奥付の日付が後になるのは出版業界の慣行で、遅れるという意味ではありません。

版元のキャッチコピー

日常は檻だ。普通の人々は敵だ。だからホラーを、怪談を。

出典:光文社の本(2026年10月11日時点)

この1行が文庫版で新しく付いたコピーです。単行本のキャッチは「恐れと禍いの最高到達点。」でした。

コピー
単行本(2024年) 恐れと禍いの最高到達点。
文庫(2026年) 日常は檻だ。普通の人々は敵だ。だからホラーを、怪談を。

単行本は「到達点」=作品の格を売り、文庫は「なぜホラーを書くか」=作家の立場を売っています。 売り方が変わっているのが読み取れます。

版元のあらすじ

保育士と母親の連絡帳から浮かび上がる歪んだ日常を描く表題作「頭の大きな毛のないコウモリ」、ホラー映画撮影現場を襲う悪夢のような事件「禍 または2010年代の恐怖映画」ほか八編を収録。怪奇現象や怪談、都市伝説や昔話に、澤村伊智の描く多様な「異形」が影を落とす。どこまでも不気味で、どうしようもなく愉しい、暗黒奇譚集。

出典:光文社の本(2026年10月11日時点)

頭の大きな毛のないコウモリの収録作|目次9項目を全部並べる

頭の大きな毛のないコウモリの収録7編が漢字一字に「または」を足した題の4編とふつうの題の3編に分かれることを示した図

光文社の公式サイトが目次を公開しています。 以下が全項目です。

# 目次項目 種別
1 禍 または2010年代の恐怖映画 小説
2 ゾンビと間違える 小説
3 縊 または或るバスツアーにまつわる五つの怪談 小説
4 頭の大きな毛のないコウモリ 小説(表題作)
5 貍 または怪談という名の作り話 小説
6 くるまのうた 小説
7 鬼 または終わりの始まりの物語 小説
8 自作解説 著者による解説
9 文庫解説 ヱ藤(プロホラー読者) 文庫のために加わった解説

出典:光文社の本(2026年10月11日時点)

表題作は4番目に置かれている

表題作『頭の大きな毛のないコウモリ』は、7編のうち4番目です。真ん中に置かれています。

短編集で表題作を巻頭や巻末ではなく中央に置くのは、「ここが山」という配置です。巻頭は『禍 または2010年代の恐怖映画』で、版元のあらすじも表題作と『禍』の2編だけを名指ししています。→ 版元が推しているのはこの2編だと分かります。

「○ または〜」という型の題が4編ある

7編のうち4編が、漢字1字+「または」+説明という同じ型になっています。

型 作品
漢字1字+「または」+説明 禍(または2010年代の恐怖映画)/縊(または或るバスツアーにまつわる五つの怪談)/貍(または怪談という名の作り話)/鬼(または終わりの始まりの物語)
ふつうの題 ゾンビと間違える/頭の大きな毛のないコウモリ/くるまのうた

禍・縊・貍・鬼——いずれも「異形」や災いを一字で指す漢字です。副題の「または」以下がその一字を現代の何に重ねたかを示しています。

漢字 副題が示す現代の舞台
禍 2010年代の恐怖映画
縊 或るバスツアーにまつわる五つの怪談
貍 怪談という名の作り話
鬼 終わりの始まりの物語

副題は「2010年代」「バスツアー」「作り話」と、どれも現代の俗なものを指します。古い漢字一字と、いまの日常を突き合わせるのがこの4編の作りだと読めます。書名の「異形短編集」も、ここに掛かっています。

「縊」は中に五つの怪談が入っている

『縊 または或るバスツアーにまつわる五つの怪談』だけ、副題が「五つの怪談」と内部の数を名乗っています。

1編のなかに5つの怪談が入る入れ子構造で、単行本の紹介文にあった「元アイドルのバスツアー参加者たちが語る戦慄の一夜」がこれに対応すると読めます。参加者が順番に語る形式だと推測できますが、版元は構成を明言していないので断定しません。

版元の「ほか八編」と目次の7編は合わない

ここが本記事でいちばん注意を促したい点です。

情報源 編数
版元の紹介文 「ほか八編を収録」
版元公式サイトの目次 小説7編(+自作解説+文庫解説)

数え方の基準が示されていないため、どちらが正しいとは本記事では決めません。 ただし目次は項目名まで列挙された一次情報なので、収録作を知りたい読者は目次を見るのが確実です。自作解説を1編として数えれば8項目になりますが、これは推測です。

文庫で加わるのは「自作解説」と「文庫解説」

項目名が「文庫解説」である以上、9番目は文庫のために書かれたものです。

書き手の肩書が「プロホラー読者」となっているのが目を引きます。作家・評論家ではなく「読者」を名乗る肩書で、本職の批評より、読み手としての反応を置くという版元の選択だと読めます。

『自作解説』が単行本にもあったかは公表されていません。 光文社の単行本ページには目次が出ていないため、ここは確認できませんでした。

頭の大きな毛のないコウモリの単行本と文庫の違い|ちょうど半額になる

頭の大きな毛のないコウモリの単行本と文庫の発売日・ページ数・厚さ・価格を比較した図
単行本 2024年 文庫 2026年(本作)
発売日 2024年12月18日 2026年11月11日
判型 四六判(縦194mm×横133mm×厚さ21mm) 文庫判(縦152mm×横105mm×厚さ15mm)
ページ 284ページ 384ページ
価格(税込) 1,980円 990円
本体価格 1,800円 900円
ISBN 978-4-334-10515-0 978-4-334-11212-7

出典:版元ドットコム(単行本)、光文社の本(2026年10月11日時点)

価格はちょうど半分

1,980円 → 990円で、990円安くなります。 単行本のちょうど50.0%です。文庫化の値下がりとしては大きいほうで、本体価格が1,800円→900円とぴったり半分に設定されています。

100ページ増えるが、厚さは6mm薄くなる

284 → 384ページで100ページ増えるのに、厚さは21mm → 15mmで6mm薄くなります。

単行本 文庫
ページ 284 384
厚さ 21mm 15mm
1mmあたり 約13.5ページ 約25.6ページ

文庫の紙がずっと薄いためです。ページが増えるのは判型が小さくなり1ページに入る字数が減るからで、加筆の告知は2026年10月11日時点でありません。 ただし『文庫解説』が加わるので、その分は確実に増えています。

文庫化までは約1年11か月

出来事 日付
単行本 発売 2024年12月18日
文庫 発売 2026年11月11日

約1年11か月。文庫化は単行本の2〜3年後が目安なので、やや早いほうです。

同じ日に出た今野敏の単行本も、同じ日に文庫化される

ここが面白いところです。光文社は2024年12月18日に、本書と今野敏『昇華 機捜235』の単行本を同じ日に出しました。 そして2026年11月11日に、2冊を同じ日に文庫化します。

頭の大きな毛のないコウモリ 昇華 機捜235
単行本 2024年12月18日・284ページ・1,980円 2024年12月18日・336ページ・1,980円
文庫 2026年11月11日・384ページ・990円 2026年11月11日・400ページ・968円
ISBN(単行本) 978-4-334-10515-0 978-4-334-10512-9

出典:版元ドットコム、同、光文社の本(2026年10月11日時点)

単行本のISBNも10512と10515で3しか離れていません。 → 同じ刊行ロットで作られ、2年後も揃って文庫になるという、版元の計画がそのまま見える並びです。11月11日の光文社文庫は、ホラー短編集と警察小説が同時に出る日になります。

どちらを買うか

単行本が向く人 文庫が向く人
価格 — 990円安い(ちょうど半額)
文字の大きさ 四六判で読みやすい —
持ち運び — 厚さ15mmで薄い
解説 — 文庫解説(ヱ藤)が付く

→ これから読むなら文庫です。 値段が半分で、文庫解説という追加もあります。

頭の大きな毛…
BOOK

頭の大きな毛のないコウモリ 澤村伊智異形短編集

澤村伊智|光文社文庫

Amazonで見る →

頭の大きな毛のないコウモリの3つの読みどころ

光文社が2024年12月18日に同時に出した2冊が2026年11月11日に同時に文庫化されることを示した図

1. 怖さの入口が「書類」であること

表題作の設定は、版元の説明によれば「保育士と母親の連絡帳から浮かび上がる歪んだ日常」です。

連絡帳は、毎日書かれ、相手に読まれる前提の文書です。嘘を書けばいつか合わなくなるし、本音を書けば相手に伝わってしまう。日常の記録そのものが、読み手に恐怖を組み立てさせる装置になっています。

なお単行本の紹介文では「連絡日記」、文庫では「連絡帳」と、版元の表記が変わっています。

版元の表記
単行本(2024年) 保育士と母親の連絡日記
文庫(2026年) 保育士と母親の連絡帳

→ 作中でどちらの語が使われるかは、本で確かめることになります。

2. 古い漢字一字と、現代の俗なものを突き合わせる

前述のとおり、4編の題が「禍」「縊」「貍」「鬼」という漢字一字+「または」+現代の説明という型です。

副題が指すのは「2010年代の恐怖映画」「バスツアー」「作り話」で、どれもいまの日常の中にあるものです。古い言葉で呼ばれてきた恐れを、現代の具体物に重ねる——版元の言う「怪奇現象や怪談、都市伝説や昔話に、澤村伊智の描く多様な『異形』が影を落とす」は、この構えを説明しています。

澤村伊智は2019年に「学校は死の匂い」で第72回日本推理作家協会賞【短編部門】を受けており、短編の書き手としての評価が確立している作家です。

3. 2026年は短編集が2冊続いた年になる

本書の文庫化は、2026年10月に出た『靴と自転車』(KADOKAWA・248ページ・「はじめに」+8編)の翌月です。

刊行 書名 版元 構成
2026年10月1日 靴と自転車 KADOKAWA 「はじめに」+8編
2026年11月11日 頭の大きな毛のないコウモリ(本作) 光文社文庫 7編+自作解説+文庫解説

『靴と自転車』は版元が「デビュー10周年を迎えたホラーの旗手」と紹介した新刊で、本書は2024年の単行本の文庫化です。性質は違いますが、2か月続けて澤村伊智の短編集が書店に並ぶことになります。

どちらから読んでもかまいません。 本書はシリーズものではなく、代表作の〈比嘉姉妹〉シリーズとも独立しています。

頭の大きな毛のないコウモリに関するよくある質問

頭の大きな毛のないコウモリの文庫版はいつ出ますか

2026年11月11日です(書店発売日)。 光文社文庫から990円(税込・本体900円)・文庫判384ページで出ます。奥付の出版年月日は2026年11月20日です。

何編入っていますか

光文社公式サイトの目次では、小説7編+自作解説+文庫解説(ヱ藤)の9項目です。版元の紹介文は「ほか八編を収録」と書いており、目次と数が合いません。 収録作を確かめたい場合は目次を見るのが確実です。

収録作のタイトルを教えてください

禍 または2010年代の恐怖映画/ゾンビと間違える/縊 または或るバスツアーにまつわる五つの怪談/頭の大きな毛のないコウモリ/貍 または怪談という名の作り話/くるまのうた/鬼 または終わりの始まりの物語——以上7編です。これに自作解説と文庫解説(ヱ藤)が加わります。

単行本と文庫で中身は違いますか

文庫には「文庫解説」(ヱ藤)が加わります。 本文の加筆・改稿の告知は2026年10月11日時点でありません。 ページ数は284→384へ増えますが、これは判型が小さくなったためです。

単行本と文庫はどちらを買うべきですか

これから読むなら文庫です。 単行本1,980円に対し文庫は990円で、ちょうど半額。さらに文庫解説が付きます。

〈比嘉姉妹〉シリーズと関係はありますか

版元の紹介文に〈比嘉姉妹〉シリーズとの関連は記載されていません。 独立した短編集です。本書から読めます。

「異形短編集」とはどういう意味ですか

版元は「怪奇現象や怪談、都市伝説や昔話に、澤村伊智の描く多様な『異形』が影を落とす」と説明しています。 7編のうち4編が「禍」「縊」「貍」「鬼」という漢字一字の題を持ち、副題で現代の舞台に結び直されています。

ホラーが苦手でも読めますか

版元は「どこまでも不気味で、どうしようもなく愉しい、暗黒奇譚集」と書いています。 流血や直接的な恐怖ではなく、連絡帳・バスツアー・恐怖映画の撮影現場といった日常の側から入る作りです。 とはいえホラーとして売られている本なので、苦手な方はホラー・怪談小説おすすめ15選で傾向を見てから選ぶのが安全です。

384ページは読むのにどれくらいかかりますか

7編+解説で文庫判384ページなので、通しで5〜6時間が目安です。短編集なので1編ずつ区切って読めます。

澤村伊智は初めてです。どれから読めばいいですか

本書から読めます。 短編集なので1編で作家の手触りが分かります。2026年10月に出た『靴と自転車』も入口になります。代表作から入りたい場合は〈比嘉姉妹〉シリーズの『ぼぎわんが、来る』(第22回ホラー小説大賞〈大賞〉)です。

まとめ|目次が公開されている。収録は7編+自作解説+文庫解説

  • 『頭の大きな毛のないコウモリ 澤村伊智異形短編集』は2026年11月11日・光文社文庫・990円(税込)・文庫判384ページ
  • ★光文社公式が目次を公開しており、収録は小説7編+自作解説+文庫解説(ヱ藤)の9項目
  • ★版元の紹介文は「ほか八編」と書くが、目次の小説は7編で数が合わない。 数え方の基準は示されていない
  • ★7編のうち4編が「禍」「縊」「貍」「鬼」という漢字一字+「または」+現代の説明という型。副題は「2010年代の恐怖映画」「バスツアー」「作り話」と、いまの日常を指す
  • ★表題作は7編の4番目=中央に置かれ、版元が名指しするのは表題作と巻頭の『禍』の2編
  • ★文庫解説の書き手の肩書が「プロホラー読者」=作家・評論家でなく読者を立てている
  • ★底本は2024年12月18日の単行本(284ページ・1,980円)。文庫は990円でちょうど半額、本体価格も1,800円→900円とぴったり半分
  • ★100ページ増えるのに厚さは21mm→15mmと6mm薄くなる(文庫の紙が薄いため)
  • ★ページ数は光文社公式384/版元ドットコム376で8ページ食い違う。本記事は版元公式を採った
  • ★光文社が2024年12月18日に同時に出した今野敏『昇華 機捜235』も、2026年11月11日に同時に文庫化される
  • 「書店発売日 11月11日」と「出版年月日 11月20日」は別物で、棚に並ぶのは11月11日
  • 〈比嘉姉妹〉シリーズとは独立。本書から読める

連絡帳は、毎日書かれ、必ず読まれる。 その往復のなかに歪みが積み上がっていく——書類が怖さの入口になる短編集です。

頭の大きな毛のないコウモリ・関連作品の読書ガイド

  • 靴と自転車 澤村伊智 レビュー|デビュー10周年の恐怖短篇集 あらすじ・収録作・読みどころ
  • 昇華 機捜235 今野敏 レビュー|同じ日に文庫化される光文社の警察小説
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