『金沢 歴史の殺人〈新装版〉』は、西村京太郎の十津川警部シリーズの長編で、2026年11月11日に双葉文庫から出ます。946円(税込)・文庫判368ページ。
先に、検索して来た方がつまずきやすい点を書きます。これは新作ではありません。 原作は2002年7月に双葉社から出た単行本で、本作は4つ目の版です。しかも途中に、双葉社ではなく祥伝社から出た文庫版が挟まっています。
そして価格です。同じ双葉文庫で、2004年版は552円・323ページ、2026年の新装版は946円・368ページ。 22年で394円上がり、45ページ増えています。
この記事では、4つの版を全部並べて、どれを買えばいいかを一次資料で整理します。
※本ページはアフィリエイトリンクを含みます。
※本記事は発売前に公表された情報にもとづいています。
- 2026年11月11日・双葉文庫・946円(税込)・文庫判368ページ
- 2002年の単行本から数えて4つ目の版(祥伝社文庫版あり)
- 十津川警部が3つの事件を1枚の写真で繋ぐ
金沢 歴史の殺人 新装版とは|双葉文庫の368ページ

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 著者 | 西村京太郎(1930年9月6日−2022年3月3日) |
| 版元・レーベル | 双葉社・双葉文庫 |
| 発売予定日 | 2026年11月11日 |
| 判型・頁 | 文庫判・368ページ |
| 価格 | 946円(税込・本体860円) |
| ISBN | 978-4-575-52969-2 |
| Cコード | C0193(一般・文庫・日本文学、小説・物語) |
| 初版 | 2002年7月・双葉社の単行本 |
出典:版元ドットコム、国立国会図書館サーチ(2026年10月11日時点)
版元のあらすじ
東京・麹町近くの新宿通りで、東央出版出版部長の小倉敬一が射殺された。続いて、石川・加賀百万石の城下町金沢で酒井由美が交通事故死し、東京の多摩川でモデルの小川明子の溺死体が発見された。三つの事件を繋ぐ糸は、ある女性カメラマンが撮影した写真にあると推測した十津川は、西本刑事を金沢に派遣するが……!?
出典:版元ドットコム(2026年10月11日時点)
事件は3件・場所は3か所に散っている
| # | 被害者 | 何が起きたか | 場所 |
|---|---|---|---|
| 1 | 小倉敬一(東央出版 出版部長) | 射殺 | 東京・麹町近くの新宿通り |
| 2 | 酒井由美 | 交通事故死 | 石川・金沢 |
| 3 | 小川明子(モデル) | 溺死体で発見 | 東京・多摩川 |
出典:版元ドットコム(2026年10月11日時点)
死因が3件とも違うのがこの作品の形です。射殺・交通事故死・溺死で、うち2件は一見「殺人」の形をしていません。 版元が「三つの事件を繋ぐ糸」と書いているので、最初は別件として扱われる3件が後から1本に繋がる構成だと読めます。
繋ぐのは「1枚の写真」
三つの事件を繋ぐ糸は、ある女性カメラマンが撮影した写真にあると推測した十津川は、西本刑事を金沢に派遣するが
繋ぎ役が物証でも目撃者でもなく「写真」であることが明示されています。しかも撮ったのは事件の被害者ではない第三者(女性カメラマン)です。
十津川自身は金沢へ行かず、西本刑事を派遣します。 十津川警部シリーズでよくある形で、所轄や部下が現地へ飛び、本庁の十津川が東京で全体を見る配置です。
「歴史の殺人」というタイトルの読み方
書名は「金沢 歴史の殺人」で、「歴史殺人事件」ではありません。 版元のあらすじには「加賀百万石の城下町金沢」という表現があるだけで、具体的にどの時代のどの史実が関わるかは公表されていません。 本記事では推測しません。
なお書名の表記は、国立国会図書館の書誌では「金沢歴史の殺人」(空きなし)、双葉社の新装版では「金沢 歴史の殺人」(空きあり)です。検索するときは両方試すのが確実です。
金沢 歴史の殺人の版は4つある|どれを買うか

同じ作品が、24年のあいだに4回出ています。 しかも2つの出版社にまたがります。
| # | 刊行 | 版元・レーベル | ページ | 書誌に記録された価格 | ISBN |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2002年7月 | 双葉社(Futaba novels 十津川警部シリーズ 4) | 243ページ | 800円 | 4-575-00713-7 |
| 2 | 2004年7月 | 双葉文庫 | 323ページ | 552円 | 4-575-50953-1 |
| 3 | 2008年2月 | 祥伝社文庫 | 342ページ | 638円 | 978-4-396-33404-8 |
| 4 | 2026年11月11日 | 双葉文庫〈新装版〉(本作) | 368ページ | 946円(税込) | 978-4-575-52969-2 |
出典:国立国会図書館サーチ(2026年10月11日時点)。1〜3の価格は同館の書誌に記録された数値で、税の内外は書誌に明示されていません。
版を追うごとにページが増えている
243 → 323 → 342 → 368ページ。 同じ本文が、24年で125ページ増えています。
| 比較 | ページ差 | 何が起きたか |
|---|---|---|
| 単行本 → 双葉文庫(2002→2004) | +80 | 四六判から文庫判へ小さくなった |
| 双葉文庫 → 祥伝社文庫(2004→2008) | +19 | 版元が替わり組み直された |
| 双葉文庫 → 新装版(2004→2026) | +45 | 同じレーベル・同じ作品で45ページ増 |
4番目の新装版が、22年前の同じ双葉文庫より45ページ厚いのが要点です。本文が増えたという告知は2026年10月11日時点でありません。活字が大きくなり、行間が広がった結果と読むのが自然です。
→ 「新装版」の実体は、読みやすく組み直したものだと数字から言えます。
価格は552円から946円へ、1.71倍
| 2004年 双葉文庫 | 2026年 新装版 | |
|---|---|---|
| 価格 | 552円 | 946円(税込) |
| ページ | 323ページ | 368ページ |
| 1ページあたり | 約1.71円 | 約2.57円 |
同じレーベルで同じ作品が、22年で394円高くなっています。 文庫全体の値上がりと判型の組み直しが重なった結果で、この作品だけが特別に高いわけではありません。
祥伝社文庫版だけ書名が違う
3番目の祥伝社文庫版は、書誌上の書名が『金沢歴史の殺人 : 長編推理小説』です。「長編推理小説」という副題が付きます。
| 版 | 書誌上の書名 |
|---|---|
| 双葉社 単行本・双葉文庫 | 金沢歴史の殺人 |
| 祥伝社文庫 | 金沢歴史の殺人 : 長編推理小説 |
| 双葉文庫 新装版 | 金沢 歴史の殺人〈新装版〉 |
出典:国立国会図書館サーチ(2026年10月11日時点)
中古で探すときは、この副題の有無で版を見分けられます。 西村京太郎の作品は複数の出版社から文庫が出ることが多く、『松島・蔵王殺人事件』は5つの版、『十津川警部 東北新幹線「はやぶさ」の客』も複数の版が並んでいます。版の数が多いのは人気の裏返しでもあります。
単行本は「十津川警部シリーズ」叢書の4巻目
2002年の単行本は、国立国会図書館の書誌で「Futaba novels. 十津川警部シリーズ ; 4」と記録されています。
双葉社が十津川警部もののノベルス叢書を組んでいて、その4冊目だったことが分かります。本作は最初から「十津川警部シリーズ」として売り出された作品で、後からシリーズに組み込まれたのではありません。
結論:これから読むなら新装版で足りる
| 新装版が向く人 | 旧版が向く人 | |
|---|---|---|
| 入手性 | 新刊として書店に並ぶ | 中古のみ |
| 読みやすさ | 368ページに組み直され、活字が大きい | — |
| 価格 | 946円 | 中古なら安い場合がある |
| 収集 | — | 4つの版を揃えたい場合 |
→ 内容の違いは公表されていないので、これから読むなら新装版で足ります。
双葉社の西村京太郎は2か月おきに出ている|本作は12点目

この新装版は単発の企画ではありません。 国立国会図書館サーチで双葉社から出た西村京太郎作品(2025年以降)を数えると、本作を含めて12点が並びます。
| 刊行 | 書名 |
|---|---|
| 2025年1月 | 兇悪な街 |
| 2025年3月 | 仙台青葉の殺意 |
| 2025年5月 | 十津川警部捜査行 車窓に流れる殺意の風景 |
| 2025年7月 | 出雲神々の殺人 |
| 2025年9月 | 海の見える駅 愛ある伊予灘線 |
| 2025年11月 | 生命 |
| 2026年1月 | 三河恋唄 |
| 2026年4月 | 桜の下殺人事件 |
| 2026年5月 | 南風の中で眠れ |
| 2026年8月 | 能登半島殺人事件 |
| 2026年9月 | 愛と復讐の桃源郷〈新装版〉 |
| 2026年11月11日 | 金沢 歴史の殺人〈新装版〉(本作) |
出典:国立国会図書館サーチ、双葉文庫新刊(2026年10月11日時点)。当サイトが同館の書誌を集計しました。
ほぼ2か月に1冊のペース
2025年1月から2026年11月までの23か月で12点。 平均すると約1.9か月に1冊です。
この刊行ペースが意味するのは、次も出るということです。2026年9月には『愛と復讐の桃源郷〈新装版〉』が同じ946円で出ています。本作を買って気に入ったなら、2か月後にまた新装版が出ると見ておけます。
著者は2022年に亡くなっている
西村京太郎は2022年3月3日に亡くなりました。 1930年9月6日生まれで、91歳でした。
出典:国立国会図書館典拠データ(西村, 京太郎, 1930-2022)(2026年10月11日時点)
→ 2026年に出る「新刊」は、すべて既刊の新装版・文庫化・セレクションです。新作はもう出ません。 だから版元は旧作を組み直して出し続けているわけで、この構図を知っておくと「新刊」の表示に戸惑わなくなります。
当サイトでは、同じ構図で出た『信濃迷宮殺人ルート』(地域別セレクション)や『松島・蔵王殺人事件〈新装版〉』(徳間文庫)も扱っています。
金沢 歴史の殺人の3つの読みどころ

1. 「殺人に見えない死」から始まる
3件のうち、はっきり殺人の形をしているのは1件目の射殺だけです。2件目は交通事故死、3件目は溺死体の発見。
| 死因 | 普通なら |
|---|---|
| 射殺 | 即、殺人として扱われる |
| 交通事故死 | 交通部門の扱いになる |
| 溺死 | 事故・自殺の可能性が先に立つ |
別の部署・別の管轄で処理されるはずの3件を、1本に繋ぐ。これが本作の骨格です。「繋がっていると気づくこと」自体が最初の謎になっています。
2. 証拠が「写真」であること
十津川が繋ぎ目と見たのは、ある女性カメラマンが撮影した写真です。
写真は、撮った本人が意図しなかったものが写り込むという性質を持ちます。証言は変わるが写真は変わらない一方で、写真は「いつ・どこで」を自分では語らない。その読み解きが推理になる作りだと読めます。
この女性カメラマンが事件のどこに立っているのかは、版元のあらすじでは明かされていません。 本記事では結末・真相には触れません。
3. 金沢は「行き先」として出てくる
十津川は東京に残り、西本刑事が金沢へ行きます。
| 人物 | 動き |
|---|---|
| 十津川 | 東京で3件を繋ぐ推測を立てる |
| 西本刑事 | 金沢へ派遣される |
西村京太郎のトラベルミステリーは、土地の鉄道・地理・歴史が捜査の道具になるのが型です。『寝台特急殺人事件』や『終着駅殺人事件』(第34回日本推理作家協会賞)がその代表で、本作では「加賀百万石の城下町」が舞台として置かれています。
ただし作中でどこまで金沢が描かれるかは、版元の情報からは分かりません。
金沢 歴史の殺人に関するよくある質問
金沢 歴史の殺人 新装版はいつ発売ですか
2026年11月11日です。 双葉文庫から946円(税込・本体860円)・文庫判368ページで出ます。
これは新作ですか
いいえ。 初版は2002年7月の双葉社の単行本で、本作は4つ目の版です。著者の西村京太郎は2022年3月3日に亡くなっているため、新作は出ません。
新装版は前の双葉文庫版と中身が違いますか
2026年10月11日時点で、加筆や改稿の告知はありません。 ページ数は323→368ページで45ページ増えていますが、これは組み直しによるものと読むのが自然です。
祥伝社文庫版と双葉文庫版は別の作品ですか
同じ作品です。 祥伝社文庫版(2008年2月)は書誌上の書名が『金沢歴史の殺人 : 長編推理小説』で、「長編推理小説」という副題が付きます。中古で版を見分けるときの手がかりになります。
どの版を買うのがいいですか
これから読むなら新装版です。 新刊として書店に並び、368ページに組み直されていて活字が読みやすいためです。旧版は中古のみになります。
シリーズものですか。前に読んでおく本はありますか
十津川警部シリーズの1冊ですが、各作品は独立した事件なので本作から読めます。 2002年の単行本は「Futaba novels 十津川警部シリーズ 4」として出ました。シリーズ全体は西村京太郎のおすすめ・代表作ガイドにまとめています。
事件は何件起きますか
版元のあらすじには3件出てきます(東京・新宿通りの射殺、金沢の交通事故死、多摩川の溺死体)。本文でさらに起きるかは公表されていません。
金沢が舞台の作品ですか
東京と金沢の両方が出てきます。 版元のあらすじでは1件目と3件目が東京、2件目が金沢で、十津川は東京に残り、西本刑事が金沢へ派遣されます。
368ページは読むのにどれくらいかかりますか
文庫判368ページなので、通しで5〜6時間が目安です。
西村京太郎は初めてです。どれから読めばいいですか
本作からでも読めます。 代表作から入りたい場合は『寝台特急殺人事件』、受賞作から入りたい場合は『終着駅殺人事件』(第34回日本推理作家協会賞)が入口です。全体像は西村京太郎のおすすめ・代表作ガイドにあります。
次の双葉文庫の西村京太郎はいつ出ますか
公表されていません。 ただし双葉社は2025年1月以降、約1.9か月に1冊のペースで西村京太郎作品を出しています(本作で12点目)。次も近いうちに出ると見ておけます。
まとめ|4つ目の版。22年で394円上がり45ページ増えた
- 『金沢 歴史の殺人〈新装版〉』は2026年11月11日・双葉文庫・946円(税込)・文庫判368ページ
- ★新作ではない。 初版は2002年7月の双葉社の単行本で、本作は4つ目の版
- ★4つの版は2002年 双葉社単行本243ページ/2004年 双葉文庫323ページ/2008年 祥伝社文庫342ページ/2026年 双葉文庫新装版368ページ
- ★同じ双葉文庫で552円→946円(1.71倍)、323→368ページ(+45)。 本文が増えた告知はなく、組み直しによる増加と読める
- ★3番目は祥伝社文庫で、書誌上の書名に「長編推理小説」という副題が付く=中古で版を見分ける手がかり
- 2002年の単行本は「Futaba novels 十津川警部シリーズ 4」として出た
- 事件は3件・死因が全部違う(新宿通りの射殺/金沢の交通事故死/多摩川の溺死体)
- ★繋ぐのは物証ではなく、ある女性カメラマンが撮った1枚の写真。十津川は東京に残り、西本刑事が金沢へ
- ★双葉社は2025年1月以降、約1.9か月に1冊のペースで西村京太郎を出し続けており、本作は12点目
- ★著者は2022年3月3日に91歳で亡くなっている=今後の「新刊」はすべて既刊の新装版・文庫化・セレクション
- 具体的にどの史実が関わるかは未公表。 本記事では結末・真相には触れていない
同じ作品が、同じレーベルで22年ぶりに組み直されて並ぶ。 増えた45ページは本文ではなく、読みやすさの分です。



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