『歌うクジラ』は、村上龍が発表した近未来長編で、第52回毎日芸術賞を受賞しました。
ザトウクジラから不老不死遺伝子が発見された100年後、徹底的に階層化され管理された社会を、15歳の少年アキラが旅していきます。講談社文庫では上下2巻、合わせて816ページの大長編です。
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著者・村上龍さんの逝去について
著者の村上龍さんは、2026年10月17日に自宅で逝去されました。74歳でした。版元の幻冬舎BOOKSが同年10月23日に公表し、葬儀は家族葬として執り行われたと発表されています。謹んでお悔やみ申し上げます。本ページは追悼を目的としたものではなく、村上さんが遺した作品を読み継ぐための資料としてまとめています。
『歌うクジラ』の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 著者 | 村上龍 |
| 現在の版 | 講談社文庫(上 む 3-31/下 む 3-32)/2013年10月16日発売 |
| ページ数 | 上 416ページ/下 400ページ(計816ページ) |
| 定価 | 各759円(本体690円) |
| ISBN | 上 978-4-06-277675-2/下 978-4-06-277676-9 |
| 受賞 | 第52回毎日芸術賞(2011年1月) |
| その他 | 第8回本屋大賞 68位(2011年) |
上下巻で完結します。上巻だけでは話が終わらないため、読み始める前に下巻も用意しておくことをおすすめします。
あらすじ(上巻)|不老不死が発見された、その100年後
版元・講談社による上巻の紹介は次のとおりです。
二〇二二年、ハワイの海底を泳ぐザトウクジラから、人類は遂に不老不死遺伝子を発見する。だがその百年後、人間は徹底的に階層化され、政府の管理下に置かれていた。流刑地に住む十五歳の少年アキラは、人類の秘密を握るデータを託され、悪夢のような社会を創造した人物に出会うため、壮絶な旅に出る。
出発点は不老不死の実現です。しかしその100年後に描かれるのは理想郷ではなく、人間が階層に分けられ、政府に管理された社会でした。主人公のアキラは最下層の流刑地に生まれ、あるデータを託されて旅に出ます。
あらすじ(下巻)|旅の果てに

下巻の紹介は次のとおりです。
突然変異の人類“クチチュ”らと共に旅を続けるアキラは、生への執着から解き放たれた人々が猿のように生きる村や、ロボット制御の病院で人間が管理される残酷な姿を見届け、遂に宇宙空間へと向かう。冒険の果てに辿り着いたのは絶望か、それとも希望なのか――。
アキラの旅は、管理された社会のさまざまな形を順に通過していく構成です。生への執着を失った人々の村、ロボットが管理する病院——それぞれが「不老不死が実現した後の世界」のひとつの帰結として並べられ、最終的に舞台は宇宙空間へ向かいます。
巻末によしもとばななの文章が入っている
本作の文庫版には、よしもとばななによる巻末の文章「なんのためにでもなく」が収録されています。版元の紹介文でも、そこから次の一節が引かれています。
もし自分がアキラだったら、どこまでもちこたえられるか。どの段階で投げてゆだねてしまうか、考えてみてほしい。
読み終えた後にどう受け止めればよいか迷う種類の作品なので、この巻末文は読書の支えになります。文庫を選ぶ理由のひとつと言えます。
村上龍の近未来長編のなかでの位置
| 作品 | 発表 | 設定 |
|---|---|---|
| 五分後の世界 | 1994 | 降伏しなかった日本 |
| 希望の国のエクソダス | 2000 | 中学生が経済圏をつくる |
| 半島を出よ | 2005 | 福岡が占拠される |
| 歌うクジラ | — | 不老不死の100年後 |
村上龍は「社会の仕組みを一点変えたら何が起きるか」を繰り返し書いてきました。そのなかで本作は、もっとも遠い未来まで踏み込んだ作品にあたります。
よくある質問
Q. 『歌うクジラ』はどんな話ですか?
A. 2022年にザトウクジラから不老不死遺伝子が発見された100年後、徹底的に階層化され管理された社会を、流刑地に住む15歳の少年アキラが旅していく近未来長編です。
Q. 上下巻ですか?
A. はい。講談社文庫では上下2巻です。上416ページ・下400ページで、合計816ページになります。
Q. 何の賞を受賞しましたか?
A. 第52回毎日芸術賞を受賞しました(2011年1月)。2011年の第8回本屋大賞では68位に入っています。
Q. 解説は誰が書いていますか?
A. 巻末によしもとばななによる文章「なんのためにでもなく」が収録されています。
Q. 『五分後の世界』『半島を出よ』と話はつながっていますか?
A. つながっていません。いずれも独立した作品です。ただし「設定を一点変えた世界を精密に描く」という手法は共通しています。
まとめ|村上龍がいちばん遠くまで行った長編
『歌うクジラ』は、不老不死が実現した100年後の管理社会を、15歳の少年の旅を通して描いた816ページの大長編です。第52回毎日芸術賞を受賞しており、村上龍の近未来路線の到達点にあたります。
ほかの作品との比較は村上龍のおすすめ小説ランキングにまとめています。
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出典・参考情報
- 講談社 公式製品情報『歌うクジラ(上)(下)』(発売日・判型・ページ数・定価・ISBN・内容紹介・巻末文)
- 「文学賞の世界」村上龍の受賞記録(第52回毎日芸術賞・2011年1月/第8回本屋大賞68位)
- NHK・共同通信・オリコンニュース 各報道(2026年10月23日/逝去日・年齢・発表者)





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