皆川博子(みながわ・ひろこ、1930年生まれ)は、時代小説・幻想小説・海外歴史ミステリを横断して書き続けてきた小説家です。1973年、43歳のときに第20回小説現代新人賞でデビューし、2022年2月には91歳で第63回毎日芸術賞を受けました。
受賞歴は直木賞・日本推理作家協会賞・柴田錬三郎賞・吉川英治文学賞・本格ミステリ大賞・日本ミステリー文学大賞・毎日芸術賞と7つの賞にまたがります。
作風の幅が広いので、どこから入るかで印象がまったく変わる作家です。本ページでは系統別に整理します。
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- 吉川英治文学賞受賞作『死の泉』をワンクリック
- Kindle・文庫・中古もまとめてチェック可能
- 主要作はハヤカワ文庫JA・創元推理文庫・文春文庫で入手できます
皆川博子のおすすめ|まず結論(初心者はこの3冊から)
- はじめての1冊は『死の泉』 … 吉川英治文学賞受賞作。ハヤカワ文庫JAで単巻です。
- ミステリから入るなら『開かせていただき光栄です』 … 本格ミステリ大賞受賞作。18世紀ロンドンが舞台。
- 時代小説から入るなら『恋紅』 … 直木賞受賞作。江戸の吉原が舞台です。
皆川博子のおすすめ 人気ランキングTOP10

順位は、①受賞歴、②入門しやすさ、③現在も文庫で入手しやすいかから、ヨムマップ編集部が整理しました。
| 順位 | タイトル | 文庫 | 系統 | 受賞 | 入門度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 死の泉 | ハヤカワ文庫JA | 海外歴史 | 第32回吉川英治文学賞 | ★★★ |
| 2 | 開かせていただき光栄です | ハヤカワ文庫JA | 海外歴史ミステリ | 第12回本格ミステリ大賞 | ★★★ |
| 3 | 恋紅 | 春陽文庫 | 時代小説 | 第95回直木賞 | ★★★ |
| 4 | 薔薇忌 | 実業之日本社文庫 | 幻想短編集 | 第3回柴田錬三郎賞 | ★★★ |
| 5 | インタヴュー・ウィズ・ザ・プリズナー | ハヤカワ文庫JA | 海外歴史 | 第63回毎日芸術賞 | ★★ |
| 6 | アルモニカ・ディアボリカ | ハヤカワ文庫JA | 海外歴史ミステリ | シリーズ第2作 | ★★ |
| 7 | 倒立する塔の殺人 | PHP文芸文庫 | 戦時下の少女たち | — | ★★★ |
| 8 | 双頭のバビロン | 創元推理文庫 | 海外歴史 | 上下2巻 | ★★ |
| 9 | 伯林蝋人形館 | 文春文庫 | 海外歴史 | — | ★★ |
| 10 | 壁・旅芝居殺人事件 | — | ミステリ | 第38回日本推理作家協会賞 | ★ |
1位. 死の泉(ハヤカワ文庫JA・単巻)
1998年に第32回吉川英治文学賞を受賞した長編です。第二次世界大戦下のドイツを舞台にした作品で、皆川博子の代表作として最も多く挙げられる1冊です。
1997年に早川書房から刊行され、2001年にハヤカワ文庫JAで文庫化されました。単巻で読み切れるので、入口としてはここが最適です。
2位. 開かせていただき光栄です(ハヤカワ文庫JA・単巻)
2012年に第12回本格ミステリ大賞(小説部門)を受賞した長編です。18世紀ロンドンの解剖教室を舞台にしたミステリで、城平京『虚構推理 鋼人七瀬』との2作同時受賞でした。
収録は表題作と「チャーリーの受難」。ミステリとして読めるので、推理小説から入りたい人はここからどうぞ。
3位. 恋紅(春陽文庫・単巻)
1986年7月に第95回直木賞を受賞した長編です。江戸・吉原を舞台にした時代小説で、56歳での直木賞受賞でした。
長く新潮文庫で読まれてきましたが、2024年3月に春陽文庫から新しく出ています。
4位. 薔薇忌(実業之日本社文庫・短編集)
1990年に第3回柴田錬三郎賞を受賞した短編集です。収録は「薔薇忌」「禱鬼」「紅地獄」「桔梗合戦」「化粧坂」「化鳥」「翡翠忌」の7編。
1編が短いので試し読みに向きます。皆川博子の幻想的な側面がよく出ています。
5位. インタヴュー・ウィズ・ザ・プリズナー(ハヤカワ文庫JA・単巻)
2022年2月に第63回毎日芸術賞を受けた長編です。2021年6月に早川書房から刊行されました。
刊行時に91歳。受賞歴のなかでもっとも新しい1冊です。
6位. アルモニカ・ディアボリカ(ハヤカワ文庫JA・単巻)
『開かせていただき光栄です』の続編にあたります。第1作を読んでから手に取ってください。
7位. 倒立する塔の殺人(PHP文芸文庫・単巻)
戦時下の女学校を舞台にした作品です。海外が舞台の作品が多いなかで、日本を舞台にした入りやすい1冊です。
8位. 双頭のバビロン(創元推理文庫・上下)
2012年刊の長編です。創元推理文庫では上下2巻なので、買うときは巻数をご確認ください。
9位. 伯林蝋人形館(文春文庫・単巻)
ベルリンを舞台にした作品です。海外歴史物の系統に入ります。
10位. 壁・旅芝居殺人事件
1985年4月に第38回日本推理作家協会賞(長編部門)を受賞した作品です。北方謙三『渇きの街』との2作同時受賞でした。
現在入手しやすい文庫版が確認しづらいため、書影カードは掲載していません。古書での入手になります。
系統で選ぶ
皆川博子は系統がはっきり分かれるので、好みから選ぶのが確実です。
| 系統 | 代表作 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 海外歴史 | 死の泉/インタヴュー・ウィズ・ザ・プリズナー/双頭のバビロン/伯林蝋人形館 | ヨーロッパを舞台にした重厚な長編が読みたい |
| 海外歴史ミステリ | 開かせていただき光栄です → アルモニカ・ディアボリカ | 謎解きの形式があるほうが読みやすい |
| 時代小説 | 恋紅 | 江戸を舞台にした日本の物語から入りたい |
| 幻想短編 | 薔薇忌 | まず短いもので作風を確かめたい |
| 日本が舞台の近代 | 倒立する塔の殺人 | 海外物に抵抗がある |
選考委員を務めた賞を、のちに自分が受賞している

皆川博子の受賞歴で特徴的なのが日本ミステリー文学大賞です。
| 回 | 年度 | 皆川博子の立場 |
|---|---|---|
| 第5回〜第8回 | 2001〜2004年度 | 選考委員 |
| 第16回 | 2012年度 | 受賞(正賞シエラザード像+副賞300万円) |
選ぶ側を4年務めたあと、8年後に自分が選ばれています。日本ミステリー文学大賞は個々の作品でなく、作家の功績に対して贈られる賞です。
皆川博子の受賞歴
| 年 | 賞 | 対象 |
|---|---|---|
| 1972年 | 第19回小説現代新人賞 候補 | 「地獄のオルフェ」 |
| 1973年 | 第20回小説現代新人賞 | 「アルカディアの夏」(デビュー) |
| 1979年 | 第7回泉鏡花文学賞 候補 | 『冬の雅歌』 |
| 1985年4月 | 第38回日本推理作家協会賞(長編部門) | 『壁・旅芝居殺人事件』 |
| 1986年7月 | 第95回直木賞 | 『恋紅』 |
| 1990年 | 第3回柴田錬三郎賞 | 『薔薇忌』 |
| 1998年 | 第32回吉川英治文学賞 | 『死の泉』 |
| 2012年5月 | 第12回本格ミステリ大賞(小説部門) | 『開かせていただき光栄です』 |
| 2012年度 | 第16回日本ミステリー文学大賞 | 作家の功績に対して |
| 2022年2月 | 第63回毎日芸術賞 | 『インタヴュー・ウィズ・ザ・プリズナー』 |
デビューが1973年、最新の受賞が2022年。約50年にわたって賞を受け続けている作家です。
よくある質問
Q. 皆川博子は何から読むのがおすすめ?
A. 『死の泉』(ハヤカワ文庫JA)です。吉川英治文学賞の受賞作で、代表作として最も多く挙がります。ミステリが好きなら『開かせていただき光栄です』、時代小説が好きなら『恋紅』からどうぞ。
Q. 直木賞を受賞した作品はどれですか?
A. 『恋紅』です。1986年7月に第95回直木賞を受賞しました。江戸・吉原を舞台にした時代小説です。
Q. いつデビューしましたか?
A. 1973年、第20回小説現代新人賞(受賞作「アルカディアの夏」)です。43歳でのデビューでした。
Q. 『開かせていただき光栄です』と『アルモニカ・ディアボリカ』はどちらが先?
A. 『開かせていただき光栄です』が先です。『アルモニカ・ディアボリカ』は続編にあたります。
Q. 上下巻の作品はありますか?
A. 『双頭のバビロン』が創元推理文庫で上下2巻です。それ以外の主要作はおおむね単巻で読めます。
まとめ|まずは『死の泉』から
皆川博子は43歳でデビューし、7つの賞を受けながら50年以上書き続けてきた作家です。迷ったら吉川英治文学賞の『死の泉』から。短いもので試したいなら『薔薇忌』、ミステリとして読みたいなら『開かせていただき光栄です』をどうぞ。
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出典・参考情報
- 「文学賞の世界」皆川博子の受賞・候補・選考委員記録(小説現代新人賞・泉鏡花文学賞・日本推理作家協会賞・直木賞・柴田錬三郎賞・吉川英治文学賞・本格ミステリ大賞・日本ミステリー文学大賞・毎日芸術賞)
- openBD(書誌・ISBN・収録作・刊行年の確認)












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