横溝正史の名探偵「金田一耕助」が活躍するシリーズを読む順番を、発表順・おすすめ順で完全網羅します。デビュー作にして第1作『本陣殺人事件』に始まり、『獄門島』『八つ墓村』『犬神家の一族』といった不朽の名作群のあらすじ・読みどころから、どれから読むべきかという初心者向けの推奨ルート、市川崑監督×石坂浩二主演の角川映画まで、この1ページで確認できます。
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金田一耕助シリーズとは
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 著者 | 横溝正史 |
| ジャンル | 本格ミステリ(探偵小説の古典) |
| 開始年 | 1946年(『本陣殺人事件』) |
| 作品数 | 長編・中短編あわせて約77作(諸説あり) |
| 探偵 | 金田一耕助(もじゃもじゃ頭に袴姿の私立探偵) |
| 映像化 | 市川崑監督×石坂浩二主演の角川映画ほか、テレビ・映画で多数 |
金田一耕助シリーズは、横溝正史が生み出した私立探偵・金田一耕助が難事件を解き明かしていく、日本探偵小説の金字塔です。よれよれの着物に袴、もじゃもじゃ頭で、興奮すると頭を掻きむしりフケが飛ぶ——という飄々とした風貌ながら、その推理は鋭く、旧家の因習や血のつながりが絡む陰惨な連続殺人を次々と解決していきます。1946年に発表された第1作『本陣殺人事件』は、現在の日本推理作家協会賞の前身にあたる第1回探偵作家クラブ賞を受賞。横溝作品を彩る、おどろおどろしくも端正な「本格」の世界が幕を開けました。
各作品はそれぞれ独立した事件として読めるため、好きな作品から手に取って楽しめるのも魅力です。
結論: おすすめの読む順番

金田一耕助シリーズは一話完結型で、どの作品から読んでも物語として成立します。そのうえで、初めて読む方には次のルートをおすすめします。
初心者向け推奨ルート
まずは代表的な長編を発表順に近い形で読むのが王道です。具体的には、
- 『獄門島』 — シリーズ屈指の傑作で、本格ミステリとしての完成度が高く、最初の1冊に最適です。
- 『八つ墓村』 — 冒険活劇の要素が強く、ページをめくる手が止まらない一作。
- 『犬神家の一族』 — 映像化で最も有名。あらすじを知っていても原作の緻密さに驚かされます。
そのうえでシリーズの原点『本陣殺人事件』、妖しさ際立つ『悪魔が来りて笛を吹く』、童謡見立て殺人の『悪魔の手毬唄』へと広げていくと、横溝ワールドを存分に堪能できます。
じっくり派向け
発表順にこだわって読みたい方は、『本陣殺人事件』(1946)→『獄門島』(1947)→『八つ墓村』(1949)→『犬神家の一族』(1950)の順に進めると、戦後まもない時代背景や金田一耕助の人物像の変化も味わえます。
金田一耕助 主要長編の読む順番|発表順

代表的な長編を、雑誌連載の開始年(発表年)順に並べました。年代は諸説ある場合があり、ここでは連載開始年を基準としています。
| # | タイトル | 発表年(連載開始) | 読みどころ |
|---|---|---|---|
| 1 | 本陣殺人事件 | 1946年 | 金田一耕助デビュー作。日本家屋の密室 |
| 2 | 獄門島 | 1947年 | 俳句の見立て殺人。シリーズ屈指の名作 |
| 3 | 八つ墓村 | 1949年 | 落武者伝説と財宝、冒険活劇の傑作 |
| 4 | 犬神家の一族 | 1950年 | 遺産相続をめぐる連続殺人。映像化で有名 |
| 5 | 女王蜂 | 1951年 | 美貌の女性をめぐる宿命の物語 |
| 6 | 悪魔が来りて笛を吹く | 1951年 | フルートの旋律と血の呪縛 |
| 7 | 悪魔の手毬唄 | 1957年 | 童謡の歌詞に見立てた連続殺人 |
| 8 | 病院坂の首縊りの家 | 1975年 | 金田一最後の事件とされる長編大作 |
※連載開始年は『金田一耕助』ほか各資料に基づきます。
各作品のあらすじ・読みどころ

本陣殺人事件(1946年)
旧家・一柳家の婚礼の夜、離れの一室で新郎新婦が惨殺される。雪に囲まれ、出入りした足跡もない「密室」に響いたのは、不気味な琴の音だった——。金田一耕助が初めて登場する記念碑的作品で、第1回探偵作家クラブ賞(現・日本推理作家協会賞)を受賞しました。日本家屋を舞台にした密室トリックの古典であり、シリーズの原点を知るうえで外せない一冊です。
獄門島(1947年)
復員した金田一耕助が、戦友の遺言に導かれて瀬戸内海の孤島「獄門島」へ。旧家の三姉妹が、俳句の句に見立てられるように次々と殺されていく——。横溝作品のなかでも最高傑作との呼び声が高く、「見立て殺人」の代名詞とも言える一作です。本格ミステリとしての完成度が極めて高く、最初の1冊に強くおすすめできます。
八つ墓村(1949年)
落武者を惨殺した過去を持つ村「八つ墓村」。そこにまつわる連続毒殺事件と、隠された財宝をめぐる冒険——。本格ミステリでありながら、鍾乳洞での探索など冒険活劇の要素も色濃い、エンタメ性の高い傑作です。「祟りじゃ〜」のフレーズで映像化でも広く知られています。
犬神家の一族(1950年)
製薬王・犬神佐兵衛の遺言をめぐり、莫大な遺産を相続する権利を持つ親族のあいだで連続殺人が起こる。湖面から突き出した両脚(スケキヨ)の場面で知られる、シリーズ随一の知名度を誇る一作です。1976年の市川崑監督・石坂浩二主演による映画化が大ヒットし、横溝ブームの火付け役となりました。
悪魔が来りて笛を吹く(1951年)
自作のフルート曲「悪魔が来りて笛を吹く」を遺して失踪した元子爵。彼の一族を、その旋律とともに不可解な死が襲う——。妖美で陰鬱な雰囲気に満ちた、横溝ゴシックの真骨頂とも言える長編です。複雑な血縁関係が織りなす悲劇に、最後まで引き込まれます。
悪魔の手毬唄(1957年)
山あいの温泉地で、土地に伝わる手毬唄の歌詞になぞらえるように、若い娘たちが殺されていく。金田一耕助と、好敵手・磯川警部の名コンビが光る、「童謡見立て殺人」の代表作です。哀切な物語性と緻密なプロットが両立した、ファン人気の高い一作です。
よくある質問(FAQ)
Q. 金田一耕助シリーズはどれから読むのがおすすめ?
A. 一話完結型なので好きな作品から読めますが、初めてなら『獄門島』が最初の1冊におすすめです。本格ミステリとしての完成度が高く、シリーズの魅力を凝縮しています。続けて『八つ墓村』『犬神家の一族』と読み進めるとよいでしょう。
Q. 金田一耕助シリーズは全部で何作ある?
A. 長編・中短編をあわせて約77作とされますが、長編と短編の区分の仕方によって数え方が変わるため、作品数には諸説あります。少年少女向け作品まで含めるとさらに数は増えます。
Q. 金田一耕助シリーズの最後の作品は?
A. 金田一耕助の「最後の事件」として描かれた長編が『病院坂の首縊りの家』(1975〜1977年連載)です。なお、連載時期で見ると『悪霊島』(1978〜1980年連載)がさらに後にあたります。
Q. 順番に読まないと話が分からなくなる?
A. いいえ。各作品は独立した事件として完結しているため、順番に読まなくても問題ありません。発表順に読むと、時代背景や金田一耕助の描かれ方の変化も楽しめます。
Q. 金田一耕助は映像化されている?
A. はい。なかでも市川崑監督・石坂浩二主演による角川映画シリーズが有名で、テレビドラマでも繰り返し映像化されています。詳しくは次の章で紹介します。
金田一耕助シリーズの映像化
金田一耕助は、日本でもっとも繰り返し映像化された名探偵のひとりです。とりわけ有名なのが、市川崑監督・石坂浩二主演による角川映画シリーズ。1976年公開の『犬神家の一族』が大ヒットし、横溝正史ブームを巻き起こしました。
市川崑×石坂浩二のコンビによる主な作品は次のとおりです。
- 『犬神家の一族』(1976年)
- 『悪魔の手毬唄』(1977年)
- 『獄門島』(1977年)
- 『女王蜂』(1978年)
- 『病院坂の首縊りの家』(1979年)
このほか、テレビドラマでは古谷一行や片岡鶴太郎が金田一耕助を演じたシリーズが長く親しまれ、近年も新たな映像化が続いています。原作を読んでから映像を観ると、トリックや雰囲気の再現度を一層楽しめます。
まとめ
金田一耕助シリーズは、横溝正史が築き上げた日本探偵小説の最高峰です。一話完結なのでどの作品からでも読み始められますが、初めての方はまず『獄門島』『八つ墓村』『犬神家の一族』といった代表的な長編から。さらに原点『本陣殺人事件』や、妖しさ漂う『悪魔が来りて笛を吹く』『悪魔の手毬唄』へと広げれば、旧家の因習と血のドラマが織りなす横溝ワールドを存分に味わえます。市川崑×石坂浩二の角川映画とあわせて楽しむのもおすすめです。
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出典・参考情報
- 各作品の書誌情報: openBD(2026年6月時点)
- 「金田一耕助」「病院坂の首縊りの家」: Wikipedia
- KADOKAWA・角川文庫 公式サイト
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