『塗仏の宴(ぬりぼとけのうたげ)』は、京極夏彦の百鬼夜行シリーズ(京極堂シリーズ)第6作・第7作にあたる長編で、『宴の支度』『宴の始末』の前後編二部作として発表された作品です。静岡の山中で戦時中に集落ごと消えたという噂、そして戦後に現れた複数の怪しい団体・教団をめぐる謎が、支度でばらまかれた断片が始末で一気に収束していく構成で描かれます。シリーズ既刊の登場人物が総結集する集大成的な一作としても知られています。この記事では、あらすじ・読みどころ・講談社文庫のISBN・2冊セットでの読み方まで、真相には一切触れずに紹介します。
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- 京極夏彦の百鬼夜行シリーズ第6作・第7作の前後編二部作
- シリーズ既刊キャラクターが総結集する集大成的な一作
- 講談社文庫(宴の支度・宴の始末)・電子書籍版あり
塗仏の宴とは|百鬼夜行シリーズ第6作・第7作の二部作
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 著者 | 京極夏彦 |
| ジャンル | ミステリー/妖怪・伝奇 |
| ノベルス | 1998年(講談社ノベルス、『宴の支度』『宴の始末』の全2巻) |
| 文庫 | 宴の支度:2003年9月/宴の始末:2003年10月(講談社文庫) |
| 文庫ISBN | 宴の支度:978-4-06-273838-5/宴の始末:978-4-06-273859-0 |
| シリーズ | 百鬼夜行シリーズ第6作・第7作(前作『絡新婦の理』/次作『陰摩羅鬼の瑕』) |
| 構成 | 前後編の二部作。「宴の支度」→「宴の始末」の順に読む1つの物語 |
| 関連作 | 百鬼夜行シリーズを読む順番・京極夏彦のおすすめ |
『塗仏の宴』は、1998年に講談社ノベルスから刊行された百鬼夜行シリーズ第6作・第7作にあたる作品です。
『絡新婦の理』に続く長編ですが、『宴の支度』と『宴の始末』という2冊で1つの物語を構成している点がシリーズの中でも特異です。
シリーズを通じて積み重ねられてきた登場人物たちが、この二部作でほぼ全員そろって動くため、集大成的な一作として語られることが多い作品でもあります。
現在いちばん手に取りやすいのは、2003年9月・10月に刊行された講談社文庫版(電子書籍版もあり)です。
塗仏の宴のあらすじ|消えた集落と、宴に招かれる者たち

物語の発端にあるのは、静岡の山中にあったとされる集落です。
戦時中にこの集落で大量の人が命を落とし、集落そのものが消えてしまったという噂が語り継がれていました。
戦後に現れた複数の団体
戦後、この噂の周辺に、複数の怪しげな宗教団体・修行団体が現れます。
成仙道をはじめとするいくつもの団体が、それぞれ別の思惑を抱えて動き始め、表向きは無関係に見える出来事が各地で起こっていきます。
15年の時を経て、これらの動きが「宴の支度」という形で一つの計画に収斂していくのが前編の骨格です。
京極堂を誘う「宴」と、始末に向かう仲間たち
「宴の支度」の終盤、この一連の企みは、古書肆にして陰陽師の中禅寺秋彦——京極堂を誘い出すためのものだったことが見えてきます。
続く「宴の始末」では、関口巽が殺人容疑で身柄を拘束され、榎木津礼二郎や木場修太郎の消息が分からなくなり、中禅寺敦子が何者かに連れ去られるなど、シリーズのレギュラー陣が次々と巻き込まれていきます。
京極堂の指示を受けた青木文蔵・鳥口守彦・益田龍一が静岡へ向かい、事態の収拾に動くところから物語は加速していきますが、その先で何が明らかになるのかは、ぜひご自身で確かめてください。
塗仏の宴の3つの読みどころ

1. シリーズ既刊キャラクターが総結集する集大成
『姑獲鳥の夏』以来積み上げられてきたシリーズのレギュラー陣が、この二部作でほぼ総出演するのが最大の特徴です。
それぞれの登場人物が事件のどこかに絡んでいく展開は、シリーズを順に読んできた読者ほど楽しめる作りになっています。
2. 支度で撒かれた断片が、始末で一気に収束する構成
「宴の支度」は複数の出来事や団体が並行して語られる連作短編的な構成をとっており、読んでいる間は全体像がつかみにくい作りです。
それが「宴の始末」に入ると、バラバラだった断片が一つの流れに合流し始める——この落差が二部作構成ならではの読みどころです。
3. 複数の宗教・団体が交錯する伝奇色の濃さ
成仙道をはじめ、複数の宗教団体・修行団体が同時に動くことで、物語全体に濃い伝奇的な空気が漂います。
怪異や信仰がどのように人を動かし、事件に結びついていくのかという、京極堂シリーズならではの語り口が二部作を通じて存分に味わえます。
塗仏の宴の宴の支度と宴の始末の役割の違い

もっとも大切な注意点として、「宴の支度」だけを読んで止めると、物語は完結しません。
支度と始末は分割された1つの長編であり、支度は多くの伏線が回収されないまま幕を閉じます。
| 項目 | 宴の支度(前編) | 宴の始末(後編) |
|---|---|---|
| 形式 | 連作短編形式で進む | 長編として一気に収束する |
| 視点 | 複数の団体・出来事が並行して描かれる | シリーズ登場人物が総出演する |
| 読者の位置 | 断片を追いながら全体像がつかめない | 断片が一つの流れに合流していく |
| 単独での完結性 | しない(謎が開かれたまま終わる) | 支度とあわせて初めて完結する |
「宴の支度」を読み終えた時点では、多くの謎が解かれないまま残ります。
必ず「宴の始末」まで通しで読むことを前提に、支度を手に取ることをおすすめします。
塗仏の宴と京極夏彦の関連作品
『塗仏の宴』は百鬼夜行シリーズの第6作・第7作にあたります。
シリーズは『絡新婦の理』から本作を経て、『陰摩羅鬼の瑕』へと続いていきます。
| 関連作品 | 概要 | 関係性 |
|---|---|---|
| 百鬼夜行シリーズを読む順番完全ガイド | シリーズ全体の刊行順と読む順番 | まず全体像をつかめる |
| 絡新婦の理 | シリーズ第5作・房総の女学校をめぐる連続殺人 | 本作の前作にあたる |
| 陰摩羅鬼の瑕 | シリーズ第8作・「鳥の館」で繰り返される花嫁殺人 | 本作の次作にあたる |
| 京極夏彦のおすすめ小説 人気ランキング | 京極夏彦作品全体のおすすめ紹介 | 他作品にも触れられる |
本作はシリーズのレギュラー陣がほぼ総出演するため、既刊を読んでから手に取るほど楽しめます。
シリーズ全体の順番は百鬼夜行シリーズを読む順番完全ガイドにまとめています。
塗仏の宴の読了時間と難易度
- 読了時間目安: 約20〜25時間(講談社文庫『宴の支度』『宴の始末』全2巻)
- 難易度: ★★★★★(分量が多く、前編は複数の出来事が並行するため見通しが利きにくい)
- おすすめタイプ: シリーズを順に読み進めている人/シリーズの集大成を味わいたい人/伝奇色の濃い謎解きが好きな人
2冊合わせるとシリーズ屈指のボリュームですが、始末に入ると一気に加速するタイプの構成です。
「宴の支度」の時点で分かりにくさを感じても、そこで止めずに「宴の始末」まで読み進めることが前提の作品だと考えておくと迷いません。
塗仏の宴に関するよくある質問
Q. 塗仏の宴はどんな話ですか?
A. 静岡の山中で戦時中に集落ごと消えたという噂と、戦後に現れた複数の宗教団体をめぐる謎が、前後編二部作の中で少しずつ収束していく長編です。
シリーズのレギュラー陣がほぼ総出演する、百鬼夜行シリーズ第6作・第7作にあたります。
Q. 塗仏の宴は百鬼夜行シリーズの何作目ですか?
A. 第6作『宴の支度』・第7作『宴の始末』の二部作です。
『絡新婦の理』に続き、1998年に講談社ノベルスから刊行されました。
Q. 宴の支度だけ読んでも大丈夫ですか?
A. おすすめしません。
「宴の支度」は多くの謎が解かれないまま終わる前編で、「宴の始末」まで読んで初めて1つの物語として完結する構成になっています。
2冊セットで読むことを前提に手に取ってください。
Q. 塗仏の宴はどの版を買えばいいですか?
A. 2003年9月刊行の『宴の支度』(ISBN 978-4-06-273838-5)と、同年10月刊行の『宴の始末』(ISBN 978-4-06-273859-0)の講談社文庫版が基本です。
どちらも電子書籍版が用意されています。
まとめ|塗仏の宴は二部作で読み切るシリーズ集大成
『塗仏の宴』は、京極夏彦が1998年に発表した百鬼夜行シリーズ第6作・第7作であり、「宴の支度」「宴の始末」の前後編二部作として1つの物語をなす長編です。
静岡の消えた集落、戦後に現れた複数の団体、シリーズ既刊キャラクターの総結集——素材の多さがそのまま集大成的な読み応えにつながっています。
支度だけを読んで止めると物語は完結しないため、必ず始末までセットで読み進めることをおすすめします。
読み終えたら、百鬼夜行シリーズを読む順番に沿って『陰摩羅鬼の瑕』へ進むのがおすすめです。
- 講談社文庫(宴の支度・宴の始末)・電子書籍版あり
- 百鬼夜行シリーズ第6作・第7作の前後編二部作
- 前作『絡新婦の理』や次作『陰摩羅鬼の瑕』もまとめてチェック可
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塗仏の宴・関連作品の読書ガイド
出典・参考情報
- openBD 書誌情報(ISBN 9784062738385/9784062738590・講談社文庫 2003年9月・10月)
- 国立国会図書館サーチ 書誌情報(講談社ノベルス版 1998年)
- Wikipedia「塗仏の宴 宴の支度」「塗仏の宴 宴の始末」「京極夏彦」項目(百鬼夜行シリーズ第6作・第7作/二部作構成/最終確認: 2026年8月5日)





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