『デンジャラス』は、桐野夏生の長編小説で、文豪・谷崎潤一郎とその家をとりまく女たちを題材にしています。2027年1月スタートのNHK総合ドラマの原作です。
先に、検索して来た方がつまずきやすい点を3つ書きます。
ひとつ目。実在の作家が題材です。 谷崎潤一郎と、その妻・義妹・義息の嫁という実在の人々をもとにした小説です。評伝ではなく小説として書かれています。
ふたつ目。語り手は『細雪』の「雪子」のモデルとされた人物です。 妻の妹にあたる重子の側から、谷崎家の内側が語られます。
みっつ目。同名の別作品が多数あります。 「デンジャラス」で検索すると、1988年のCDや漫画・雑誌連載が大量に出てきます。 本作を探すときは「デンジャラス 桐野夏生」で検索してください。
※本ページはアフィリエイトリンクを含みます。
※本記事はドラマの内容には踏み込まず、原作小説の書誌と公表済みの情報を中心にまとめています(2026年10月20日時点)。
- 中公文庫・2020年・330ページ・本体660円(解説=千葉俊二)
- 2027年1月スタートのNHK総合ドラマ原作(吉岡里帆・上白石萌歌ほか)
- 単行本は中央公論新社・2017年6月・287ページ
デンジャラスとは|谷崎潤一郎をとりまく三人の女たちの物語

まず内容です。中公文庫版の紹介文が一次情報です。
版元の紹介は「大作家をとりまく魅惑的な三人の女たち」
美しい妻は絶対的な存在。楚々とした義妹は代表作の原点。そして義息の若い嫁は、新たな刺激を与えてくれる……。大作家をとりまく魅惑的な三人の女たち。嫉妬と葛藤が渦巻くなか、翻弄される男の目に映っているものは――。文豪「谷崎潤一郎」を題材に、桐野夏生が織りなす物語世界から炙り出される人間たちの「業」と「欲」。<解説>千葉俊二
出典:版元ドットコム『デンジャラス』(中公文庫)(2026年10月20日時点)
→ 「三人の女たち」は、妻・義妹・義息の嫁です。版元は「業」と「欲」という言葉で内容をまとめています。 恋愛小説ではなく、ひとつの家の内側の力関係を描く小説です。
「義妹は代表作の原点」は『細雪』の雪子を指す
| 人物 | 紹介文での位置 |
|---|---|
| 妻 | 絶対的な存在 |
| 義妹 | 代表作の原点 |
| 義息の若い嫁 | 新たな刺激を与えてくれる |
出典:版元ドットコム『デンジャラス』(中公文庫)(2026年10月20日時点)
→ 谷崎潤一郎の代表作『細雪』は四姉妹の物語で、「雪子」は妻の妹がモデルとされてきました。 版元が「義妹は代表作の原点」と書いているのは、この関係を指しています。 本作はその義妹の側から語られます。
Cコードは1193で教養文庫の小説
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| Cコード | C1193(教養・文庫・日本文学小説) |
出典:版元ドットコム『デンジャラス』(中公文庫)(2026年10月20日時点)
→ 中公文庫は教養系の文庫として登録されています。 末尾の93は日本文学・小説です。
デンジャラスの版|単行本287ページ・中公文庫330ページ

単行本と文庫はどちらも中央公論新社
| 版 | 版元 | 刊行 | ページ | 判型 | 価格 | ISBN |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 単行本 | 中央公論新社 | 2017年6月 | 287ページ | 20cm | — | 978-4-12-004985-9 |
| 中公文庫 | 中央公論新社 | 2020年 | 330ページ | 16cm | 本体660円 | 978-4-12-206896-4 |
出典:国立国会図書館サーチ/版元ドットコム『デンジャラス』(単行本)/版元ドットコム『デンジャラス』(中公文庫)(2026年10月20日時点)
→ 単行本と文庫で版元が同じです。『おもかげ』のように版元をまたぐ文庫化ではありません。 文庫化までは約3年です。
文庫化で43ページ増え、解説が千葉俊二
| ページ | |
|---|---|
| 単行本(2017年6月) | 287ページ |
| 中公文庫(2020年) | 330ページ |
| 差 | +43ページ |
出典:国立国会図書館サーチ(2026年10月20日時点)
→ 判型が20cm→16cmに小さくなったぶんの増加です。加えて千葉俊二の解説が付きます。 千葉俊二は谷崎潤一郎の研究者で、谷崎を題材にした小説の文庫解説として選ばれている形です。
単行本の表題は『デンジャラス = Dangerous』
出典:国立国会図書館サーチ(2026年10月20日時点)
→ 国立国会図書館の書誌では、単行本の本タイトルに英語表記が併記されています。
デンジャラスは「婦人公論」に全27回連載された

ここは版元の商品ページには載っていない情報です。 国立国会図書館の雑誌記事索引から確認できます。
連載は2015年2月から2016年4月まで
| 回 | 掲載 |
|---|---|
| 第1回 | 2015年2月24日 |
| 第2回 | 2015年3月10日 |
| (中略・隔週で継続) | |
| 第26回 | 2016年3月22日 |
| 最終回 | 2016年4月12日 |
出典:国立国会図書館サーチ 雑誌記事索引(2026年10月20日時点)
→ 全26回+最終回で、索引上は27本の記事として残っています。 2015年2月24日から2016年4月12日まで、約1年2か月です。隔週刊の雑誌に、ほぼ毎号載る形でした。
連載終了から単行本まで約1年2か月
| 時期 | |
|---|---|
| 連載開始 | 2015年2月24日 |
| 連載終了 | 2016年4月12日 |
| 単行本 | 2017年6月 |
| 文庫 | 2020年 |
出典:国立国会図書館サーチ/版元ドットコム(2026年10月20日時点)
→ 連載終了から単行本まで1年2か月あります。版元の商品ページには連載の記載がないため、初出を知るには雑誌記事索引をたどる必要があります。
刊行は谷崎潤一郎の没後50年・中央公論新社130周年と重なる
2015年は谷崎潤一郎の没後50年にあたります。連載が2015年2月に始まっているのは、この節目に合わせたものと見られます。
→ 谷崎と中央公論社の関係は長く、『細雪』も中央公論社から出ています。 自社と縁の深い作家を題材にした小説を、節目に合わせて自社の雑誌に連載し、自社から単行本と文庫で出したという流れです。
デンジャラスのNHKドラマ|2027年1月スタート
ドラマは2027年1月スタートです。2026年10月20日時点で、具体的な放送日・曜日・時間は発表されていません。
放送はNHK総合・2027年1月
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 放送局 | NHK総合 |
| 開始 | 2027年1月スタート(日付未定) |
出典:映画ナタリー 2027年冬ドラマ一覧(2026年10月20日時点)
→ 冬クールは2026年12月〜2027年2月に放送が始まる枠です。本作は2027年1月開始とだけ告知されています。
キャストは吉岡里帆・上白石萌歌・オダギリジョーほか
| キャスト |
|---|
| 吉岡里帆 / 上白石萌歌 / 宇野祥平 / 片岡凜 / 井上祐貴 / 芋生悠 / 菅原大吉 / 菊地凛子 / オダギリジョー |
出典:映画ナタリー 2027年冬ドラマ一覧(2026年10月20日時点)
→ 脚本は長田育恵・米内山陽子・高羽彩・松本優紀の4名、演出は黒崎博・田中健二ほかです。脚本が4名体制という規模です。どの俳優がどの人物を演じるかは、2026年10月20日時点で公表されていません。
原作は9年前の本なので放送前に読み終えられる
| 時期 | |
|---|---|
| 原作 単行本 | 2017年6月 |
| 原作 文庫 | 2020年 |
| ドラマ放送 | 2027年1月〜 |
→ 放送開始までに2か月以上あります。 中公文庫(330ページ・本体660円)は新刊で手に入るので、放送前に読み終えることができます。
デンジャラスの3つの注目点
1. 実在の作家を題材にしながら小説として書かれている
→ 版元は「文豪『谷崎潤一郎』を題材に、桐野夏生が織りなす物語世界」と書いています。評伝でも研究書でもなく、小説です。どこまでが記録に基づき、どこからが創作かは、本文と千葉俊二の解説を読み比べる形になります。
2. 語り手を義妹に置いたことが構成の核
→ 谷崎を主人公にすれば作家の話になりますが、語り手を義妹に置くと「見られていた側」の話になります。 版元が「翻弄される男の目に映っているものは――」と書いているとおり、作家を観察する視点から書かれています。
3. 題名が一般語なので検索しづらい
| 「デンジャラス」で出てくる別物の例 |
|---|
| 1988年の音楽CD |
| 隔週刊誌の別の連載(全26回) |
| 同名の漫画・映像作品 |
出典:国立国会図書館サーチ(2026年10月20日時点・書名「デンジャラス」で32件)
→ 国立国会図書館で「デンジャラス」を引くと32件が返り、桐野夏生の本に関係するのは数件です。検索するときは必ず著者名を足してください。
- 中公文庫・2020年・330ページ・本体660円(解説=千葉俊二)
- 文豪・谷崎潤一郎とその家の女たちを題材にした長編
- 2027年1月スタートのNHK総合ドラマ原作
デンジャラスに関するよくある質問
デンジャラスの原作小説はどれを買えばいいですか
中公文庫版(2020年・330ページ・本体660円・ISBN 978-4-12-206896-4)です。単行本(中央公論新社・2017年6月・287ページ・ISBN 978-4-12-004985-9)もありますが、新刊で手に入りやすいのは文庫です。
どんな話ですか
文豪・谷崎潤一郎を題材にした小説です。絶対的な存在である美しい妻、代表作の原点となった楚々とした義妹、義息の若い嫁という三人の女たちをめぐって、嫉妬と葛藤が渦巻きます。 語り手は義妹にあたる人物です。
実話ですか
実在の人物を題材にした小説です。版元は「文豪『谷崎潤一郎』を題材に、桐野夏生が織りなす物語世界」と書いており、評伝や研究書ではありません。
『細雪』を読んでいないと分かりませんか
読んでいなくても読めます。 ただし版元が「義妹は代表作の原点」と書いているとおり、『細雪』の「雪子」のモデルとされた人物が語り手です。『細雪』を知っていると背景が分かりやすくなります。
ドラマはいつから放送しますか
2027年1月スタートです。NHK総合です。2026年10月20日時点で、放送日・曜日・時間は発表されていません。
ドラマのキャストは誰ですか
吉岡里帆、上白石萌歌、宇野祥平、片岡凜、井上祐貴、芋生悠、菅原大吉、菊地凛子、オダギリジョーです。脚本は長田育恵・米内山陽子・高羽彩・松本優紀、演出は黒崎博・田中健二ほかです。役の配分は未公表です。
初出はどこですか
隔週刊誌「婦人公論」です。2015年2月24日号から2016年4月12日号まで、全26回+最終回で、国立国会図書館の雑誌記事索引に27本の記事として残っています。 版元の商品ページには連載の記載がありません。
単行本と文庫で中身は違いますか
本編は同じ作品です。違いは、文庫版に千葉俊二の解説が付くことと、判型が小さくなってページ数が287→330ページに増えていることです。
何ページですか
中公文庫版は330ページです。単行本は287ページでした。
1988年のCDや漫画の「デンジャラス」と同じですか
違います。 「デンジャラス」は一般語なので、同名の音楽・漫画・別の雑誌連載が多数あります。 検索するときは「デンジャラス 桐野夏生」としてください。
まとめ|谷崎潤一郎の家を義妹の側から書いた長編。放送は2027年1月
- 『デンジャラス』は桐野夏生の長編小説で、2027年1月スタートのNHK総合ドラマの原作
- ★文豪・谷崎潤一郎を題材にした小説。絶対的な妻/代表作の原点となった義妹/義息の若い嫁という三人の女たちをめぐる話で、版元は「業」と「欲」とまとめている
- ★「義妹は代表作の原点」は『細雪』の雪子のモデルを指す。語り手を義妹に置いたことが構成の核で、作家を観察する側から書かれている
- ★単行本と文庫はどちらも中央公論新社(2017年6月・287ページ → 2020年・中公文庫330ページ・本体660円)。文庫化までは約3年で、43ページ増え、千葉俊二の解説が付く
- ★初出は「婦人公論」の全26回+最終回(2015年2月24日〜2016年4月12日)。版元の商品ページには連載の記載がなく、国立国会図書館の雑誌記事索引でしか確認できない
- ★連載開始の2015年は谷崎潤一郎の没後50年。『細雪』も中央公論社から出ており、自社と縁の深い作家を節目に合わせて自社の雑誌で連載した流れ
- ★ドラマのキャストは吉岡里帆・上白石萌歌・菊地凛子・オダギリジョーほか、脚本は4名体制。放送日・曜日・時間と役の配分は2026年10月20日時点で未公表
- 題名が一般語で、国立国会図書館で「デンジャラス」を引くと32件返り、1988年のCDや別の雑誌連載が混ざる。検索には著者名を足す
- Cコードは1193(教養・文庫・日本文学小説)
- 放送開始まで2か月以上あるので、文庫330ページを読み終えてから見られる




コメント