『黒猫館の殺人(くろねこかんのさつじん)』は、綾辻行人の「館シリーズ」第6作にあたる長編推理小説です。火災に遭って記憶を失った老人が遺した一冊の手記をめぐり、探偵役の鹿谷門実と友人・江南孝明が、北海道の深い森に建つ「黒猫館」へと向かい、手記に記された過去の事件の謎を追っていきます。「手記」という語りの形式そのものを使った仕掛けが読みどころとされる一作です。この記事では、あらすじ・読みどころ・講談社文庫〈新装改訂版〉のISBNまで、トリックと結末には一切触れずに紹介します。
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- 館シリーズ第6作・記憶を失った老人の手記をめぐる物語
- 「手記」という語りの形式そのものを使った仕掛けが読みどころ
- 講談社文庫〈新装改訂版〉で今も入手しやすい一冊
黒猫館の殺人とは|手記という語りに仕掛けを込めた館シリーズ第6作
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 著者 | 綾辻行人 |
| ジャンル | 本格ミステリー/館もの |
| ノベルス | 1992年4月(講談社ノベルス) |
| 文庫 | 講談社文庫〈新装改訂版〉2014年1月 |
| 文庫ISBN | 978-4-06-277743-8 |
| シリーズ | 館シリーズ第6作 |
| 関連作 | 館シリーズを読む順番・本格ミステリー おすすめ |
『黒猫館の殺人』は、1992年4月に講談社ノベルスから刊行された館シリーズ第6作です。
現在の標準版は2014年1月刊行の講談社文庫〈新装改訂版〉で、シリーズを追う読者が今も入手しやすい一冊になっています。
前作『時計館の殺人』が分量と展開の強さで読ませる正攻法の一作だったのに対し、本作は「手記」という文章形式そのものを仕掛けに組み込んだ、シリーズの中でも実験性の高い構成が特徴です。
黒猫館の殺人のあらすじ|記憶を失った老人が遺した手記をめぐって

物語の発端は、滞在先のホテルで大火災に巻き込まれ、記憶を失った一人の老人です。
火災で記憶を失った老人からの依頼
老人・鮎田冬馬は、二月に滞在していたホテルの火災で重傷を負い、記憶を失ってしまいます。
唯一手元に残っていたのは一冊の手記——そしてその内容が、推理作家・鹿谷門実の過去の著作と奇妙な符合を見せることから、鮎田は鹿谷と、その友人である江南孝明に調査を依頼します。
北海道・黒猫館へ向かう鹿谷と江南
依頼を受けた鹿谷と江南は、東京から札幌、さらに北海道の奥地へと向かいます。
手記が指し示す先にあったのは、深い森の中にひっそりと建つ「黒猫館」でした。
二人は館へ足を踏み入れ、手記に記された過去の事件の謎を追い始めます。
手記に導かれて解き明かされる過去
物語は、鮎田が遺した手記の記述と、鹿谷たちの現在の調査とが交錯しながら進んでいきます。
手記というテキストそのものが、単なる過去の記録以上の意味を持っていることは、読み進めるうちに徐々に伝わってきます。
それが最終的にどのような真相へとつながっていくのかは、ぜひご自身の目で確かめてください。
黒猫館の殺人の3つの読みどころ

1. 「手記」という語りの形式そのものを使った仕掛け
本作最大の特徴は、記憶を失った老人が遺した「手記」というテキストの形式そのものが、物語の仕掛けに組み込まれている点です。
単に過去を回想させるための手段ではなく、語りの構造自体が謎解きの核に関わってくる作りになっています。
『時計館の殺人』が分量と展開の強さで読ませる正攻法だとすれば、本作は語りの仕掛けで読ませるタイプの構成といえるでしょう。
2. 探偵役・鹿谷門実というキャラクターの掘り下げ
館シリーズを通して探偵役を務める鹿谷門実(推理作家としての筆名で、本名は島田潔)が、手記の記述を手がかりに真相へ迫っていく過程が丁寧に描かれます。
シリーズを追ってきた読者にとっては、鹿谷というキャラクターの魅力を改めて確認できる一作です。
3. 北海道の深い森という舞台がもたらす閉塞感
札幌からさらに奥へ、深い森に囲まれた場所に建つ黒猫館という舞台設定が、読み進めるほどに閉塞感を強めていきます。
都市から切り離された孤立した館という、館シリーズらしい舞台立てが今回も物語を支えている点は見逃せません。
黒猫館の殺人のシリーズ内での位置づけ|前後作品とのつながり

| 項目 | 講談社ノベルス(初版) | 講談社文庫〈新装改訂版〉 |
|---|---|---|
| 刊行 | 1992年4月 | 2014年1月 |
| 判型 | ノベルス判 | 文庫判 |
| ISBN | ー(現在は入手が難しい) | 978-4-06-277743-8 |
| 向いている人 | 初版当時の造本を辿りたい人 | まず読むならこちら |
現在まず手に取るなら、2014年1月刊行の講談社文庫〈新装改訂版〉が入手しやすく、シリーズを順に揃える際の標準版になっています。
『黒猫館の殺人』は、『時計館の殺人』(第5作)の後に位置する館シリーズ第6作で、続く第7作は『暗黒館の殺人』です。
刊行順に読み進めると、シリーズがどのように作風の幅を広げていったかが分かりやすい位置にある一冊です。
| 関連作品 | 概要 | 関係性 |
|---|---|---|
| 館シリーズを読む順番完全ガイド | シリーズ全体の刊行順と読む順番 | まず全体像をつかめる |
| 時計館の殺人 | シリーズ第5作・時計に囲まれた館 | 本作の一つ前の作品 |
| 暗黒館の殺人 | シリーズ第7作・九州の湖上の館 | 本作の次に位置する大作 |
| 本格ミステリー おすすめ | 本格ミステリーの入門・代表作紹介 | ジャンル全体を俯瞰できる |
黒猫館の殺人の読了時間と難易度
- 読了時間目安: 約5〜7時間(講談社文庫〈新装改訂版〉・単巻)
- 難易度: ★★★☆☆(語りの構造に注意して読むタイプの一冊)
- おすすめタイプ: 館シリーズを順番に読み進めたい人/叙述の仕掛けが好きな人/鹿谷門実というキャラクターに関心がある人
上下巻に分かれる前後作と違い、本作は単巻で読み切れる分量です。
手記のパートと現在のパートを行き来する構成なので、それぞれの時系列を意識しながら読むと理解しやすいでしょう。
黒猫館の殺人に関するよくある質問
Q. 黒猫館の殺人はどんな話ですか?
A. 火災に遭って記憶を失った老人が遺した手記をめぐり、探偵役の鹿谷門実と友人・江南孝明が北海道の「黒猫館」へ向かい、過去の事件の謎を追っていく物語です。
「手記」という語りの形式そのものを使った仕掛けが読みどころの一作です。
Q. 黒猫館の殺人は映像化されていますか?
A. 2026年8月時点で、映像化に関する情報は確認されていません。
館シリーズの映像化としては、これまでに『十角館の殺人』(Hulu・2024年)と『時計館の殺人』(Hulu・2026年)が確認されています。
Q. 黒猫館の殺人はシリーズの何作目ですか?
A. 綾辻行人「館シリーズ」の第6作です。
第5作『時計館の殺人』の後、第7作『暗黒館の殺人』の前に位置する作品です。
Q. 黒猫館の殺人はどの版を買えばいいですか?
A. 2014年1月刊行の講談社文庫〈新装改訂版〉が、現在もっとも入手しやすい標準版です。
初版の講談社ノベルス(1992年4月)は現在では入手が難しくなっています。
まとめ|黒猫館の殺人は手記という語りの仕掛けで読ませる館シリーズ第6作
『黒猫館の殺人』は、綾辻行人が1992年に発表した館シリーズ第6作です。
火災で記憶を失った老人が遺した手記、北海道の深い森に建つ黒猫館、探偵役・鹿谷門実による調査——「手記」という語りの形式そのものを仕掛けに組み込んだ構成が、シリーズの中でも独自の位置を占めています。
前作『時計館の殺人』とは異なる読み味を持つ一冊なので、シリーズを順に読み進めている人にはぜひ手に取ってほしい作品です。
読み終えたら、館シリーズを読む順番に沿って前後の作品を辿るのがおすすめです。
- 講談社文庫〈新装改訂版〉2014年1月刊で入手しやすい
- 単巻で読み切れるボリューム
- 「手記」の仕掛けは事前情報を入れずに読むのがおすすめ
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黒猫館の殺人・関連作品の読書ガイド
出典・参考情報
- 講談社『黒猫館の殺人<新装改訂版>』製品情報(2014年1月・ISBN 978-4-06-277743-8)
- openBD 書誌情報(ISBN 9784062777438)
- 国立国会図書館サーチ 書誌情報(講談社ノベルス版 1992年4月)
- 各種書評・読書メモサイトによるあらすじ確認(最終確認: 2026年8月5日)




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