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鵼の碑 京極夏彦 レビュー|17年ぶりに刊行された百鬼夜行シリーズ第10作 あらすじ・読みどころ完全ガイド【2026年最新】

2026 8/03
ジャンル別 ミステリー
2026年8月3日
鵼の碑(京極夏彦の百鬼夜行シリーズ第10作。前作から17年ぶりに刊行され昭和29年の日光を舞台にした長編)レビュー記事のアイキャッチ画像

『鵼の碑(ぬえのいしぶみ)』は、京極夏彦の百鬼夜行シリーズ(京極堂シリーズ)第10作にあたる長編ミステリーです。前作『邪魅の雫』(2006年)から17年——待ち続けた読者のもとに、2023年9月、ついに書き下ろしの新作が届きました。舞台は昭和29年の日光。五人の語り手がそれぞれの事情を抱えて土地に集まり、頭は猿、胴は狸、尾は蛇という「鵼」のように、正体の掴めない事件が姿を現します。この記事では、あらすじ・読みどころ・講談社文庫版のISBN・シリーズを読む順番まで、真相には一切触れずに紹介します。

※本ページはアフィリエイトリンクを含みます。

『鵼の碑』をAmazonでチェック
  • 17年ぶりに刊行された百鬼夜行シリーズ第10作
  • 昭和29年の日光を舞台に五つの視点が交錯する
  • 単行本・講談社ノベルス・講談社文庫・電子書籍版あり

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目次

鵼の碑とは|百鬼夜行シリーズ第10作

項目 内容
著者 京極夏彦
ジャンル ミステリー/妖怪・伝奇
単行本 2023年9月14日(講談社)
ノベルス 2023年9月(講談社ノベルス)
文庫 2024年9月13日(講談社文庫)
文庫ISBN 978-4-06-536243-3(講談社文庫)
シリーズ 百鬼夜行シリーズ第10作(前作『邪魅の雫』から17年ぶり)
時代設定 昭和29年(1954年)/舞台は日光
関連作 百鬼夜行シリーズを読む順番・京極夏彦の新刊ガイド

『鵼の碑』は、2023年9月14日に講談社から刊行された百鬼夜行シリーズ第10作です。

前作『邪魅の雫』が2006年ですから、実に17年ぶりの書き下ろし長編という、シリーズ史でも特別な一冊になりました。

刊行時にはSNSで驚きと喜びの声が広がり、書店の専用ブックカバー、鉄道の車内広告、新聞の全面広告と、話題は本の外にも広がりました。

832ページという厚みそのものが話のタネになったことも、この作品を象徴しています。

現在は2024年9月刊行の講談社文庫版があり、初めて手に取る人にも入りやすくなっています。

鵼の碑 - 京極夏彦

鵼の碑

京極夏彦|講談社文庫

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鵼の碑のあらすじ|昭和29年、日光に集まる五人

鵼の碑 昭和29年の日光で二十年前の未解決事件を追う木場をはじめ五人の語り手が交錯するあらすじの流れ

物語の舞台は、昭和29年の日光。

かつてこの地では、三人が殺され、その遺体が消えたという未解決事件が起きていました。

二十年前の事件を追って

刑事の木場修太郎は、長門五十次から二十年前の未解決事件について聞き、調査のため日光へ向かいます。

被害者の子どもたちは、当時この土地に預けられていました。

過去の出来事が、いま生きている人々の生活に、静かに影を落としている——その手触りから物語は始まります。

五つの視点が交錯する

本作は、五つの章がそれぞれ異なる語り手によって進みます。

久住加壽夫、御厨冨美、木場修太郎、築山公宣、緑川佳乃——目的も立場も違う五人が、それぞれの事情で日光の同じ土地に足を踏み入れます。

さらに、関口巽・中禅寺秋彦・益田龍一・榎木津礼二郎といったシリーズのレギュラー陣も姿を見せます。

別々の物語に見えたものが、どのように一つの相貌を結ぶのかは、ぜひご自身で確かめてください。

鵼の碑の3つの読みどころ

鵼の碑 3つの読みどころ(日光という土地の重層性・17年の空白を感じさせない語りの密度・鵼という構造)

1. 「鵼」というタイトルが構造そのものを表している

鵼(ぬえ)とは、頭・胴・尾がそれぞれ別の獣であるとされる、正体の定まらない妖です。

五つの視点がそれぞれ別の生き物のように見え、しかし一体である——この構造こそが、本作がタイトルに込めたものです。

『絡新婦の理』が蜘蛛の巣なら、本作は継ぎ接ぎの怪物。京極夏彦が妖の名を構成に重ねる手つきは、シリーズを通じて健在です。

2. 17年の空白を感じさせない語りの密度

17年という間隔があっても、文体も密度もまったく緩んでいません。

薀蓄と会話、そして憑き物落としへ向かう長い助走——シリーズを読んできた人ほど、「戻ってきた」という感覚を強く持つはずです。

厚さに怯む必要はなく、いつもの京極堂の速度で読み進められます。

3. 日光という土地が持つ重層性

日光は、信仰と歴史と観光が幾層にも積み重なった土地です。

その土地の来歴そのものが事件の背景に食い込んでいく構成は、『鉄鼠の檻』で禅寺を扱ったときの手法とも通じます。

土地を語ることが人を語ることになる——シリーズの根幹にある姿勢が、本作でも貫かれています。

鵼の碑の五つの視点と読み進め方

鵼の碑 前半で並走する五つの視点が後半で交錯していく構成の対比
項目 前半 後半
語られ方 語り手ごとに独立した章が並ぶ 別々だった線が接触しはじめる
読者の状態 関係が見えず断片を抱える 構図が組み上がっていく
登場する顔ぶれ 新たな語り手が中心 シリーズのレギュラー陣が前へ出る
読み方のコツ 焦らず各章を独立して味わう 前半で置かれた細部を思い出す

『鵼の碑』は、五つの視点が順に置かれ、後半にかけて交錯していく構成です。

前半は「この話はどこへ向かうのか」が分からないまま進むため、読者には多少の忍耐が求められます。

ただし前半に置かれた細部が後半で意味を持つため、読み飛ばさずに進めるほど、終盤の手応えが増していきます。

鵼の碑と京極夏彦の関連作品と読む順番

『鵼の碑』は百鬼夜行シリーズの第10作です。

シリーズは『姑獲鳥の夏』(1994年)から始まり、本作までが刊行済みです。

関連作品 概要 関係性
百鬼夜行シリーズを読む順番完全ガイド シリーズ全体の刊行順と読む順番 まず全体像をつかめる
姑獲鳥の夏 シリーズ第1作・京極夏彦のデビュー作 ここから読むのが基本
魍魎の匣 シリーズ第2作・日本推理作家協会賞受賞作 シリーズ初期の代表作
鉄鼠の檻 シリーズ第4作・禅寺を舞台にした長編 土地と信仰を扱う点で通じる
絡新婦の理 シリーズ第5作・複数の事件が絡み合う長編 構成の妙で並び称される

本作から読み始めるのはおすすめしません。

レギュラー陣の関係や過去作の出来事が前提になっているため、『姑獲鳥の夏』から刊行順に進むのが確実です。

シリーズ全体の順番は百鬼夜行シリーズを読む順番完全ガイドにまとめています。

鵼の碑の読了時間と難易度

  • 読了時間目安: 約15〜20時間(単行本832ページ/講談社文庫版)
  • 難易度: ★★★★☆(分量が多く、前半は視点が独立して進む)
  • おすすめタイプ: シリーズを追ってきた読者/大長編をじっくり読みたい人/土地の来歴ごと物語を味わいたい人

厚さは相当ですが、章ごとに語り手が変わるので区切りをつけて読み進められます。

通勤時間に少しずつ読むなら文庫版、腰を据えて読むなら単行本という選び方になるでしょう。

17年待った読者にとっては、この分量こそがご褒美という声も少なくありません。

鵼の碑に関するよくある質問

Q. 鵼の碑はどんな話ですか?

A. 昭和29年の日光を舞台に、二十年前の未解決事件を追う刑事をはじめ、五人の語り手がそれぞれの事情で同じ土地に集まり、事件の全体像が少しずつ姿を現していく長編ミステリーです。

百鬼夜行シリーズ第10作にあたります。

Q. 鵼の碑は何年ぶりの新作ですか?

A. 前作『邪魅の雫』(2006年)から17年ぶりの書き下ろし長編です。

2023年9月14日に講談社から刊行され、刊行時には大きな話題となりました。

Q. 鵼の碑から読み始めても大丈夫ですか?

A. おすすめしません。

シリーズのレギュラー陣の関係や過去作の出来事が前提になっているため、『姑獲鳥の夏』から刊行順に読むほうが確実に楽しめます。

Q. 鵼の碑に文庫版はありますか?

A. あります。

2024年9月13日に講談社文庫版が刊行されました(ISBN 978-4-06-536243-3)。単行本と講談社ノベルス版、電子書籍版も流通しています。

まとめ|鵼の碑は17年の空白を越えて届いたシリーズ第10作

『鵼の碑』は、京極夏彦が2023年9月に発表した百鬼夜行シリーズ第10作であり、前作から17年ぶりに書き下ろされた長編です。

昭和29年の日光、二十年前の未解決事件、五つの視点——ばらばらに見えるものが一体の妖として立ち上がる構成は、シリーズの読者が待ち望んでいたものそのものでした。

厚みも密度もシリーズ随一ですが、その分だけ読み終えたときの充足も大きい一冊です。

まだシリーズに触れていない方は、百鬼夜行シリーズを読む順番を確認して『姑獲鳥の夏』から始めてみてください。

鵼の碑 - 京極夏彦

鵼の碑

京極夏彦|講談社文庫

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鵼の碑・関連作品の読書ガイド

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  • 京極夏彦の新刊・最新刊ガイド
  • 京極夏彦のおすすめ小説 人気ランキング
  • 姑獲鳥の夏 レビュー
  • 鉄鼠の檻 レビュー
  • 絡新婦の理 レビュー

出典・参考情報

  • openBD 書誌情報(ISBN 9784065362433/講談社文庫・2024年9月/ISBN 9784065330722 単行本・2023年9月)
  • 国立国会図書館サーチ 書誌情報(講談社 2023年9月/講談社ノベルス 2023年9月・ISBN 978-4-06-515045-0)
  • Wikipedia「鵼の碑」「京極夏彦」項目(百鬼夜行シリーズ第10作/前作『邪魅の雫』から17年ぶり/832ページ/最終確認: 2026年8月3日)


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