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乱反射 貫井徳郎 レビュー|第63回日本推理作家協会賞受賞作 あらすじ・読みどころ・誰が悪いのか完全ガイド【2026年最新】

2026 10/09
ジャンル別 ミステリー 日本推理作家協会賞
2026年9月6日2026年10月9日
乱反射(貫井徳郎・誰も罪に問えないまま子が死ぬ)レビュー記事のアイキャッチ画像

『乱反射』は、貫井徳郎が書いたミステリーで、強風で倒れた街路樹がベビーカーを直撃して幼い子どもが犠牲になり、その父親である新聞記者が「なぜ倒れたのか」を追う長編です。2009年2月に朝日新聞出版から516ページで刊行され、第63回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞、第141回直木賞候補にもなりました。この記事では、あらすじ・読みどころ・読む前に知っておきたいことまで紹介します。

※本ページはアフィリエイトリンクを含みます。

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  • 第63回日本推理作家協会賞受賞・第141回直木賞候補
  • 2009年刊行・516ページ。罪に問えない連鎖を書いた長編
  • 朝日文庫版が2011年11月に出ている

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目次

乱反射とは|罪に問えない連鎖を書いた受賞作

項目 内容
著者 貫井徳郎
初刊 朝日新聞出版・2009年2月20日・516ページ(ISBN 978-4-02-250541-5)
文庫 朝日文庫・2011年11月・599ページ
受賞 第63回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)/第141回直木賞候補
映像化 2018年9月22日 テレビ朝日系 主演・妻夫木聡/井上真央(2019年に劇場公開版あり)

出典:国立国会図書館サーチ、Wikipedia『乱反射 (小説)』『貫井徳郎』(2026年9月6日時点)

殺人事件を追う小説ではありません。起きるのは事故です。それでも推理小説の賞を受けたのは、「なぜ起きたか」を突き止める過程そのものが謎解きになっているからです。

乱反射のあらすじ|街路樹が倒れて、子どもが死ぬ

乱反射 の物語の入り口を順に示した図

事故そのものは一瞬で終わる

強風の日、街路樹が倒れてベビーカーを直撃します。

乗っていた幼い子どもが犠牲になります。物語はここから始まります。

誰も、罪には問われない

父親である新聞記者が原因をたどっていくと、その手前に無数の行為が並んでいることが分かります。

  • 街路樹の診断を怠った担当者
  • 伐採に反対した住民
  • 夜間救急を安易に使った患者
  • 患者をたらい回しにした病院
  • 犬のフンを片付けなかった人
  • 面子にこだわった市役所職員

そのどれも、単体では犯罪になりません。注意義務違反にすら届かない程度の、日常的な手抜きや自己都合です。

積み重なった結果としての死

しかし、それらが同じ日、同じ場所で重なったときに、子どもが1人死にました。

父親が追うのは犯人ではなく、「誰も悪くないのに人が死ぬ仕組み」そのものです。

乱反射の3つの読みどころ

乱反射 の3つの読みどころをまとめた図

1. 加害者が読者と地続きであること

登場する「小さな怠慢」は、どれも自分がやりかねないものばかりです。告発される側に自分を見つけてしまうため、読んでいて逃げ場がありません。

2. 群像劇の断片が最後に接続する構成

序盤は、無関係に見える人々の日常が並行して描かれます。それがどうつながるか分からないまま読み進めることになり、接続した瞬間の効果が大きくなります。題名の「乱反射」はこの構造を指しています。

3. 法で裁けないものをどう扱うか

刑事責任を問える相手がいないという結論は、序盤で見えてきます。そのうえで父親が何を求めるのかが終盤の焦点です。復讐でも赦しでもない着地の仕方が、本作の評価を支えています。

乱反射の版と入手方法

乱反射 の版や実績を比較した図
版 出版社 刊行
単行本 朝日新聞出版 2009年2月20日・516ページ
文庫 朝日文庫 2011年11月・599ページ
大活字本 埼玉福祉会 2017年6月・全3冊

新刊書店で手に入りやすいのは朝日文庫版です。

乱反射の読了時間と難易度

単行本516ページ、文庫599ページと、貫井作品のなかでも厚い部類です。一般的な読書速度で8〜11時間が目安になります。

文章そのものは平易で、専門知識も不要です。ただし登場人物が多く、序盤は誰の話か分からないまま進みます。人物メモを取りながら読むと後半が楽になります。また、幼児の死を扱うため、そこに耐性がない場合は無理をしないでください。

乱反射に関するよくある質問

乱反射はどんな賞を受賞しましたか

第63回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞し、第141回直木賞の候補にもなっています。

殺人事件が起きるミステリーですか

殺人ではなく事故です。犯人を捜す話ではなく、なぜ事故が起きたのかを追う構成になっています。

登場人物が多くて混乱しませんか

序盤は意図的にばらばらの断片として書かれています。後半でつながるので、分からないまま読み進めて問題ありません。

映像化されていますか

2018年9月22日にテレビ朝日系でドラマが放送されました。主演は妻夫木聡・井上真央です。2019年には劇場公開版も公開されています。

貫井徳郎の他の作品はどれを読むべきですか

デビュー作の『慟哭』がよく挙げられます。作品一覧は貫井徳郎の新刊・新作ガイドにまとめています。

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まとめ|誰も罪に問えないまま、子どもが1人死ぬ

  • 『乱反射』は、倒れた街路樹で子どもを失った父親が、罪に問えない怠慢の連鎖をたどる長編
  • 第63回日本推理作家協会賞受賞・第141回直木賞候補
  • 加害者が全員「自分もやりかねない」側にいるため、読者に逃げ場がない
  • 516ページ(文庫599ページ)と厚く、序盤は断片が並ぶ構成

読み終えたあとに、自分の日常の手抜きを1つずつ思い出すことになる作品です。

その一冊、“耳”で読むという手もあります

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乱反射・関連作品の読書ガイド

  • 貫井徳郎の新刊・新作ガイド
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