メフィスト賞(講談社)の歴代受賞作と受賞作家を完全網羅。森博嗣『すべてがFになる』に始まり、西尾維新・辻村深月・舞城王太郎ら現代ミステリの巨匠を輩出した「面白ければなんでもあり」の新人賞のすべてを、最新第67回受賞作までこの1ページで確認できます。
※本ページはアフィリエイトリンクを含みます。
- 『すべてがFになる』など歴代の名作をまとめて検索
- 講談社文庫・講談社ノベルスの受賞作を横断チェック
- Kindle・文庫・単行本・中古まで価格比較できる
メフィスト賞とは|選考委員を置かない「面白ければOK」の新人賞
メフィスト賞は、他のどんな文学賞とも違う一点で際立っています。それは、選考委員(作家の先生)を一切置かず、講談社のメフィスト編集部だけが選ぶということ。下読みも、権威ある選考委員会もありません。「一人の編集者が絶賛したら、即デビュー」——これがこの賞の唯一のルールです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主催 | 講談社 |
| 開始年 | 1996年(第1回・森博嗣『すべてがFになる』) |
| 開催頻度 | 不定期(受賞作なしの回は欠番にせず次回持越し。近年は上期・下期の年2回ペース) |
| 対象 | 広義のエンターテインメント小説(ミステリー・SF・ファンタジー・伝奇など)。原稿枚数の上限なし |
| 選考基準 | 「面白ければなんでもあり」「読んでビックリ!」。メフィスト編集部が選考 |
メフィスト賞は、講談社の文芸雑誌『メフィスト』から生まれた公募新人賞です。1996年に森博嗣の『すべてがFになる』が第1回受賞作として刊行されて以来、森博嗣・西尾維新・辻村深月・舞城王太郎・佐藤友哉・周木律といった、いまや現代ミステリ/エンタメ小説を代表する作家たちを次々と世に送り出してきました。
最大の特徴は、枚数の上限がないこと。3,500枚(高田大介『図書館の魔女』)や900枚超(市塔承の受賞作)といった、他の新人賞ならまず門前払いになる規格外の長編が堂々と受賞してしまうのも、「面白ければOK」を貫くメフィスト賞ならでは。“一作家一ジャンル”と言われるほど、受賞作はどれもジャンルも作風もバラバラ。だからこそ、毎回「次に何が飛び出すか分からない」スリルがあります。
ヨムマップ編集部の注目ポイント|メフィスト賞は「新人賞の常識破り」が魅力

文学賞といえば、ふつうは著名作家が選考委員を務め、「文学的な完成度」で序列をつけるものです。ところがメフィスト賞は、その常識をまるごとひっくり返しています。
編集部が注目してほしいのは、「選ぶのが編集者だけ」だからこそ、とがった才能がそのまま世に出るという点。作家の好みや権威に左右されず、「これは絶対に売れる/読者を驚かせられる」という現場の編集者の直感だけで受賞が決まるため、デビュー作から完成度の高い”問題作”が多いのです。
実際、受賞作は音楽×理系ミステリ(森博嗣)、言葉遊びとキャラ造形の戯言(西尾維新)、1,000ページ超の青春群像ミステリ(辻村深月)、喋るゴリラの法廷劇(須藤古都離)、死んだ高校生がスピーカーに憑依する青春小説(金子玲介)と、まさに百花繚乱。「変わった小説が読みたい」「人と違う一冊を探している」という方には、メフィスト賞の受賞作リストは最高の宝の地図になります。
迷ったら、まずは第1回の金字塔『すべてがFになる』から。ここから現代ミステリの新しい流れが始まりました。
【2026年最新】メフィスト賞の最新受賞作
第67回受賞作: 大江戸フューチャーズ(稲葉大樹)
2025年下期の座談会で決定した第67回メフィスト賞受賞作が、稲葉大樹『大江戸フューチャーズ』です。倒産寸前の徳川幕府を救うため、八代将軍・徳川吉宗が謎の忍者集団「今猿(コンサル)」とタッグを組むという、抜群に振り切った設定の経済お仕事改革時代小説。コストカット、インセンティブ設計、貨幣改鋳、先物取引(フューチャーズ)といった現代経営のメソッドで国家再生に挑む痛快作です。「面白ければなんでもあり」のメフィスト賞らしい、ジャンル横断の意欲作として注目を集めています。
発表: 2025年下期 メフィスト賞座談会
出典: 講談社 公式商品ページ(https://www.kodansha.co.jp/book/products/0000426592)
第66回受賞作: 女王陛下に捧ぐ、王家の宝の在処(市塔承)
2025年上期の座談会で決定した第66回メフィスト賞受賞作。応募時19歳の現役大学生による、原稿900ページ超の大作です。言語・歴史・宗教・創作という4つの主題が立体的に交差し、5つの作中作が入れ子になった迷宮構造の歴史ファンタジーミステリ。「この才能を絶対に世に届けたい」と編集部に言わしめた怪作として話題になりました。
メフィスト賞 歴代受賞作一覧(主要回)

第1回の森博嗣から最新の第67回まで、2026年6月時点で講談社公式・複数ソースで確認できた主要な受賞作を年代順に掲載します(受賞作なしの回は欠番にせず次回へ持ち越されるのがメフィスト賞のルールです)。
| 回 | 受賞作 | 著者 | ジャンル |
|---|---|---|---|
| 1 | すべてがFになる | 森博嗣 | 理系ミステリ |
| 2 | コズミック 世紀末探偵神話 | 清涼院流水 | 超絶技巧ミステリ |
| 13 | ハサミ男 | 殊能将之 | 倒叙ミステリ |
| 19 | 煙か土か食い物 | 舞城王太郎 | 暴力青春小説 |
| 21 | フリッカー式 | 佐藤友哉 | 鏡家サーガ |
| 23 | クビキリサイクル | 西尾維新 | 戯言シリーズ |
| 31 | 冷たい校舎の時は止まる | 辻村深月 | 学園ミステリ |
| 45 | 図書館の魔女 | 高田大介 | 言語ファンタジー |
| 47 | 眼球堂の殺人〜The Book〜 | 周木律 | 本格ミステリ |
| 50 | ○○○○○○○○殺人事件 | 早坂吝 | 本格ミステリ |
| 51 | 恋と禁忌の述語論理 | 井上真偽 | 論理ミステリ |
| 59 | 線は、僕を描く | 砥上裕將 | 青春小説 |
| 60 | 絞首商會 | 夕木春央 | 本格ミステリ |
| 62 | 法廷遊戯 | 五十嵐律人 | リーガルミステリ |
| 63 | スイッチ 悪意の実験 | 潮谷験 | 心理ミステリ |
| 64 | ゴリラ裁判の日 | 須藤古都離 | 法廷×動物小説 |
| 65 | 死んだ山田と教室 | 金子玲介 | 青春小説 |
| 66 | 女王陛下に捧ぐ、王家の宝の在処 | 市塔承 | 歴史ファンタジー |
| 67 | 大江戸フューチャーズ | 稲葉大樹 | 経済時代小説 |
※第3回〜第63回には上記以外にも多数の受賞作があります。第68回以降の受賞作については、2026年6月時点で講談社公式での確認が取れた段階で順次追記します。
メフィスト賞 過去の傑作TOP10|何を読むか迷ったらこの10冊

歴代受賞作の中から、入門のしやすさ・知名度・後世への影響を基準に、ヨムマップ編集部が選ぶ傑作TOP10をランキング形式で紹介します。
| 順位 | タイトル | 著者 | 回・受賞年 | 入門度 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | すべてがFになる | 森博嗣 | 第1回・1996 | ★★★ |
| 2 | クビキリサイクル | 西尾維新 | 第23回・2002 | ★★★ |
| 3 | 線は、僕を描く | 砥上裕將 | 第59回・2019 | ★★★ |
| 4 | 死んだ山田と教室 | 金子玲介 | 第65回・2024 | ★★★ |
| 5 | ゴリラ裁判の日 | 須藤古都離 | 第64回・2022 | ★★★ |
| 6 | 冷たい校舎の時は止まる | 辻村深月 | 第31回・2004 | ★★ |
| 7 | ハサミ男 | 殊能将之 | 第13回・1999 | ★★ |
| 8 | 法廷遊戯 | 五十嵐律人 | 第62回・2020 | ★★ |
| 9 | 図書館の魔女 | 高田大介 | 第45回・2010 | ★ |
| 10 | 大江戸フューチャーズ | 稲葉大樹 | 第67回・2025 | ★★ |
1位: すべてがFになる(森博嗣・第1回)
記念すべき第1回受賞作にして、メフィスト賞の方向性を決定づけた金字塔。孤島の研究施設の密室から、ウェディングドレスをまとった四肢のない死体が現れる——天才工学博士・真賀田四季をめぐる密室殺人に、犀川助教授と西之園萌絵が挑む理系ミステリ(S&Mシリーズ)の傑作です。映像化・コミカライズもされた、現代ミステリの新しい潮流の起点。まず1冊読むならこれです。
2位: クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い(西尾維新・第23回)
「京都の二十歳」として鮮烈デビューした西尾維新の原点にして、〈戯言シリーズ〉第1作。孤島に集められた天才たちのあいだで起こる首切り殺人を、語り手「ぼく」と青色サヴァンの天才・玖渚友が解き明かします。会話のテンポとキャラクター造形は、後の〈物語〉シリーズへと続く西尾維新の魅力が全開。詳しくは西尾維新の新刊・新作ガイドもどうぞ。
3位: 線は、僕を描く(砥上裕將・第59回)
ミステリではなく、水墨画の世界を描いた青春小説でメフィスト賞を受賞した異色作。両親を事故で失い心を閉ざした大学生・青山霜介が、水墨画と出会い、一本の線を引くことで自分自身を取り戻していく——。本屋大賞にもノミネートされ映画化もされた、ジャンルの枠を超えて愛される一冊。「ミステリが苦手」という方にも自信を持っておすすめできます。
4位: 死んだ山田と教室(金子玲介・第65回)
夏休みの終わり、人気者の山田が交通事故で死亡。ところが二学期初日、教室のスピーカーから山田の声が聞こえてくる——。声だけになった山田と二年E組の仲間たちの、おかしくて切ない日々を描いた青春小説。本の雑誌2024年度上半期ベスト10第1位、2025年本屋大賞ノミネートと高く評価された、近年メフィスト賞屈指の話題作です。
5位: ゴリラ裁判の日(須藤古都離・第64回)
カメルーン生まれの手話を操る天才ゴリラ・ローズが、夫を射殺した人間相手に法廷で闘う——という、あらすじだけで唯一無二の感動巨編。アメリカで議論を呼んだ「ハランベ事件」をモチーフに、言葉とは何か・人間とは何かを問いかけます。満場一致でメフィスト賞を受賞した、まさに「読んでビックリ!」を体現する一冊です。
6位: 冷たい校舎の時は止まる(辻村深月・第31回)
のちに直木賞・本屋大賞を制する辻村深月のデビュー作。雪の日、閉じ込められた8人の高校生が、自殺したクラスメイトが誰なのか思い出せないまま謎に挑む学園ミステリ。1,000ページを超える大長編ながら一気読み必至の、青春と痛みが詰まった傑作です。詳しくは辻村深月の新刊・新作ガイドへ。
7位: ハサミ男(殊能将之・第13回)
少女の首にハサミを突き立てる連続殺人鬼「ハサミ男」。ところが第三の被害者が自分の手口を真似た何者かに殺される——犯人自身が”模倣犯”を追う、という前代未聞の倒叙ミステリ。叙述の妙が光る、本格ミステリ史に残る傑作です。映画化もされました。
8位: 法廷遊戯(五十嵐律人・第62回)
現役の弁護士資格を持つ作家によるリーガルミステリ。法律家を目指す3人の若者——弁護士になる者、被告人になる者、命を落とす者。ロースクールの模擬裁判「無辜ゲーム」から始まる物語が、やがて現実の法廷へと雪崩れ込みます。15万部超のベストセラーとなり映画化もされた、新世代リーガルミステリの代表作。
9位: 図書館の魔女(高田大介・第45回)
言語学者でもある著者が、原稿3,500枚という規格外の長さで書き上げた壮大な言語ファンタジー。声を持たず手話で意思を伝える”図書館の魔女”マツリカと、彼女に仕えることになった少年キリヒトの物語。「枚数上限なし」のメフィスト賞だからこそ世に出た、骨太の本格ファンタジーです。
10位: 大江戸フューチャーズ(稲葉大樹・第67回)
最新の第67回受賞作。徳川吉宗が忍者集団「今猿(コンサル)」と組んで倒産寸前の幕府を立て直すという、痛快な経済お仕事改革時代小説。貨幣改鋳や先物取引(フューチャーズ)といった経済メソッドが時代劇に溶け込む、ジャンル横断の意欲作です。
メフィスト賞出身のおすすめ作家
メフィスト賞は「デビューの登竜門」であり、受賞作家のその後の活躍こそが賞の真価。代表的な出身作家を紹介します。
森博嗣(第1回・すべてがFになる)
- 代表作: S&Mシリーズ、Vシリーズ、四季シリーズ
- 理系ミステリの第一人者。アニメ・ドラマ化多数。
西尾維新(第23回・クビキリサイクル)
- 代表作: 〈戯言シリーズ〉、〈物語〉シリーズ、〈忘却探偵〉シリーズ
- 全作品ガイド: 西尾維新の新刊・新作ガイド
辻村深月(第31回・冷たい校舎の時は止まる)
- 代表作: 『かがみの孤城』『ツナグ』『鍵のない夢を見る』
- 直木賞・本屋大賞受賞。全作品ガイド: 辻村深月の新刊・新作ガイド
須藤古都離(第64回・ゴリラ裁判の日)
- 代表作: 『ゴリラ裁判の日』『無限の月』
- 「読んでビックリ!」を地で行く近年メフィスト賞の顔。
五十嵐律人(第62回・法廷遊戯)
- 代表作: 『法廷遊戯』『不可逆少年』『幻告』
- 弁護士作家として活躍するリーガルミステリの旗手。
よくある質問(FAQ)
Q. メフィスト賞の2026年(最新)の受賞作は?
A. 2025年下期に決定した第67回受賞作が稲葉大樹『大江戸フューチャーズ』(講談社)、2025年上期に決定した第66回受賞作が市塔承『女王陛下に捧ぐ、王家の宝の在処』(講談社)です。
Q. メフィスト賞の選考はどのように行われる?
A. メフィスト賞は選考委員(作家)を一切置かず、講談社のメフィスト編集部が選考します。下読みを介さず、編集者が絶賛すれば即受賞・即デビューが原則。受賞に値する作品がない回は、欠番にせず次回へ持ち越されます。
Q. メフィスト賞と他の文学賞との違いは?
A. 直木賞や江戸川乱歩賞が著名作家による選考委員会で選ぶのに対し、メフィスト賞は「面白ければなんでもあり」を掲げ、編集部だけが選ぶ点が最大の違い。原稿枚数の上限がなく、ジャンルも不問のため、規格外の長編や型破りな作品が受賞しやすいのが特徴です。
Q. メフィスト賞は誰が決めている?
A. 講談社のメフィスト編集部です。著名作家による選考委員会を置かない、文学賞としては珍しい運営方式をとっています。2020年からはWEB応募のみとなり、選評(座談会)も公開される開かれた形になりました。
Q. メフィスト賞出身の有名作家は?
A. 森博嗣(第1回)、西尾維新(第23回)、辻村深月(第31回)、舞城王太郎(第19回)、佐藤友哉(第21回)、周木律(第47回)など、現代ミステリ・エンタメ小説を代表する作家を多数輩出しています。
まとめ|メフィスト賞は「常識破りの傑作」を探す最強の地図
メフィスト賞は、選考委員を置かず、メフィスト編集部の「面白ければOK」という直感だけで選ぶ、唯一無二の新人賞。1996年の森博嗣『すべてがFになる』に始まり、西尾維新・辻村深月ら現代ミステリの巨匠を世に送り出してきました。最新の第67回『大江戸フューチャーズ』まで、受賞作はどれもジャンルも作風もバラバラで、「次に何が来るか分からない」ワクワクがあります。
初めての方には、まず第1回の金字塔『すべてがFになる』から。ミステリが苦手な方には水墨画の青春小説『線は、僕を描く』を。最新の話題作なら『死んだ山田と教室』や『ゴリラ裁判の日』がおすすめです。人と違う一冊を読みたいなら、メフィスト賞の受賞作リストはあなたの最高の道しるべになります。
- 第1回の金字塔『すべてがFになる』(森博嗣)
- 最新第67回『大江戸フューチャーズ』(稲葉大樹)
- 本記事のリンクから受賞作の最安値を比較
こんな記事も読まれています
出典・参考情報
- 講談社 公式商品ページ・メフィスト賞 応募要項/座談会(tree)
- 講談社 文芸第三出版部 公式X(@kodansha_novels)
- Wikipedia「メフィスト賞」項目(最終確認: 2026年6月11日)
- 文学賞の世界「メフィスト賞受賞作・応募作一覧」(最終確認: 2026年6月11日)













コメント