日本ファンタジーノベル大賞(主催:一般財団法人 新潮文芸振興会/後援:読売新聞社)の歴代大賞受賞作を全網羅。2026年最新受賞作から、ここから巣立った大物作家、文庫で読める傑作までこの1ページで完結します。
最終更新日: 2026年6月11日
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日本ファンタジーノベル大賞とは
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主催 | 一般財団法人 新潮文芸振興会(後援:読売新聞社) |
| 創設 | 1989年(当初は三井不動産販売が創業20周年記念で創設) |
| 開催頻度 | 年1回 |
| 対象 | 未発表の創作ファンタジー小説(長編) |
| 発表誌 | 『小説新潮』 |
| 大賞賞金 | 300万円(2017年の再開後) |
日本ファンタジーノベル大賞は、未発表のファンタジー小説を公募で募る登竜門です。第1回(1989年)に酒見賢一『後宮小説』が大賞を受賞して以来、酒見賢一・池上永一・森見登美彦ら、後に一線で活躍する才能を数多く世に送り出してきました。
特筆すべきは、第25回(2013年度)をもって一度休止となったあと、2017年に主催を新潮文芸振興会としてリニューアル再開したこと。再開後は恩田陸・森見登美彦・ヤマザキマリらが選考委員を務め、いまも毎年新たな書き手を発掘し続けています。「ジャンルとしてのファンタジー」を幅広くとらえ、和風幻想譚から歴史改変、寓話まで多彩な作風が受賞しているのが大きな特徴です。
ヨムマップ編集部の注目ポイント|ここから巣立った大物作家

この賞の最大の見どころは、「受賞者リスト=現代エンタメ小説の名簿」になっている点です。編集部が声を大にして言いたいのは、ここから巣立った大物作家の顔ぶれの豪華さ。
- 森見登美彦(第15回『太陽の塔』)— のちに『夜は短し歩けよ乙女』『四畳半神話大系』で本屋大賞・山本周五郎賞を席巻し、アニメ化でも国民的人気に。
- 酒見賢一(第1回『後宮小説』)— デビュー作がいきなりアニメ化された伝説の第1回大賞作家。
- 池上永一(第6回『バガージマヌパナス』)— のちに『シャングリ・ラ』『テンペスト』で沖縄発の壮大な物語世界を確立。
- 西條奈加(第17回『金春屋ゴメス』)— のちに直木賞(『心淵』ほか時代小説)を受賞し、時代・人情ものの名手に。
つまりこの賞は、「数年後に売れっ子になる作家を、デビュー作の時点で先取りできる」場所。最新受賞作を追うほど、未来の大物を“発掘”する楽しみが味わえます。なお畠中恵『しゃばけ』は第13回の優秀賞、恩田陸『六番目の小夜子』は第3回の最終候補で、いずれも大賞ではありませんが、この賞が縁で世に出た作家として知られています。
【2026年】日本ファンタジーノベル大賞の最新受賞作
大賞: 天を朱に染め―御伽草子異聞―(加賀谷きよい)
2026年の大賞は、加賀谷きよい『天を朱に染め―御伽草子異聞―』(新潮社)が受賞しました。応募総数399編から選ばれた、酒呑童子(しゅてんどうじ)を題材にした和風幻想譚です。
抜粋が『小説新潮』2025年12月号に掲載され、全編の書籍化は2026年夏に予定されています(2026年6月11日時点でISBN・正式発売日は未確認)。著者は絵本作家としても活動する書き手で、選考委員の恩田陸・森見登美彦・ヤマザキマリから高く評価されました。
発表: 2026年(新潮文芸振興会)
出典: 新潮社「日本ファンタジーノベル大賞2026」公式発表
日本ファンタジーノベル大賞 歴代受賞作一覧表

大賞のみを掲載しています(「該当作なし」の回も明記)。第25回(2013年)を機に一度休止し、2017年に再開しているため、2014〜2016年は開催されていません。
| 回 | 年 | 大賞受賞作 | 著者 |
|---|---|---|---|
| 第1回 | 1989 | 後宮小説 | 酒見賢一 |
| 第2回 | 1990 | 該当作なし | — |
| 第3回 | 1991 | バルタザールの遍歴 | 佐藤亜紀 |
| 第4回 | 1992 | 該当作なし | — |
| 第5回 | 1993 | イラハイ | 佐藤哲也 |
| 第6回 | 1994 | バガージマヌパナス | 池上永一 |
| 第7回 | 1995 | 該当作なし | — |
| 第8回 | 1996 | 該当作なし | — |
| 第9回 | 1997 | 燃えるがままにせよ | 井村恭一 |
| 第10回 | 1998 | オルガニスト | 山之口洋 |
| 第11回 | 1999 | 信長 あるいは戴冠せるアンドロギュヌス | 宇月原晴明 |
| 第12回 | 2000 | 該当作なし | — |
| 第13回 | 2001 | 太陽と死者の記録 | 粕谷知世 |
| 第14回 | 2002 | ショート・ストーリーズ(後に『世界の果ての庭』に改題) | 西崎憲 |
| 第15回 | 2003 | 太陽の塔(応募時『太陽の塔/ピレネーの城』) | 森見登美彦 |
| 第16回 | 2004 | ラス・マンチャス通信 | 平山瑞穂 |
| 第17回 | 2005 | 金春屋ゴメス | 西條奈加 |
| 第18回 | 2006 | 僕僕先生 | 仁木英之 |
| 第19回 | 2007 | 厭犬伝 | 弘也英明 |
| 第20回 | 2008 | 天界の都 ある建築家をめぐる物語 | 中村弦 |
| 第21回 | 2009 | 月桃夜/増大派に告ぐ(W受賞) | 遠田潤子/小田雅久仁 |
| 第22回 | 2010 | わだつみの鎮魂歌 | 紫野貴李 |
| 第23回 | 2011 | さざなみの国 | 勝山海百合 |
| 第24回 | 2012 | 該当作なし | — |
| 第25回 | 2013 | 今年の贈り物 | 古谷田奈月 |
| == | 2014〜2016 | 休止 | — |
| 再開 | 2017 | 権三郎狸の話 | 柿村将彦 |
| — | 2018 | 勿怪の憑 | 大塚已愛 |
| — | 2019 | 黒よりも濃い紫の国 | 高丘哲次 |
| — | 2020 | 該当作なし(優秀賞のみ) | — |
| — | 2021 | 鯉姫婚姻譚 | 藍銅ツバメ |
| — | 2023 | 夢現の神獣 未だ醒めず | 武石勝義 |
| — | 2024 | 猫と罰 | 宇津木健太郎 |
| — | 2025 | 宝蔵山誌 | 明里桜良 |
| — | 2026 | 天を朱に染め―御伽草子異聞― | 加賀谷きよい |
※2022年の大賞は確認できる範囲で該当作なし(2026年6月時点で未確認の年は掲載していません)。
過去の傑作TOP10|日本ファンタジーノベル大賞の名作

歴代大賞作の中から、いま文庫などで手に取りやすく、入門にもおすすめの傑作を編集部が厳選しました。
| 順位 | タイトル | 著者 | 受賞 | 入門度 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 太陽の塔 | 森見登美彦 | 第15回(2003) | ★★★ |
| 2 | 後宮小説 | 酒見賢一 | 第1回(1989) | ★★★ |
| 3 | 金春屋ゴメス | 西條奈加 | 第17回(2005) | ★★★ |
| 4 | 僕僕先生 | 仁木英之 | 第18回(2006) | ★★★ |
| 5 | バガージマヌパナス | 池上永一 | 第6回(1994) | ★★ |
| 6 | 鯉姫婚姻譚 | 藍銅ツバメ | 2021年 | ★★ |
| 7 | 猫と罰 | 宇津木健太郎 | 2024年 | ★★ |
| 8 | バルタザールの遍歴 | 佐藤亜紀 | 第3回(1991) | ★★ |
| 9 | 信長 あるいは戴冠せるアンドロギュヌス | 宇月原晴明 | 第11回(1999) | ★ |
| 10 | 太陽と死者の記録 | 粕谷知世 | 第13回(2001) | ★ |
1位: 太陽の塔(森見登美彦・第15回)
京都を舞台に、失恋した冴えない大学生が元恋人を“研究”し続ける——理屈っぽくも可笑しい青春小説。森見登美彦のデビュー作にして、のちの『夜は短し歩けよ乙女』へとつながる独特の文体が全開。この賞が生んだ最大の出世作のひとつで、ファンタジー初心者にも最もすすめやすい1冊です。
2位: 後宮小説(酒見賢一・第1回)
架空の中国王朝を舞台に、田舎娘・銀河が後宮へ送られ、やがて歴史の渦に巻き込まれていく——ユーモアと哲学が同居した記念すべき第1回大賞作。アニメ映画化もされた、この賞の“原点”にして看板作品です。
3位: 金春屋ゴメス(西條奈加・第17回)
近未来、日本国内に作られた「江戸国」を舞台にした和風SFファンタジー。後に直木賞作家となる西條奈加のデビュー作で、時代小説の名手の原点が味わえます。シリーズ化もされた人気作。
4位: 僕僕先生(仁木英之・第18回)
中国・唐代を舞台に、美少女の姿をした仙人「僕僕先生」と青年の旅を描く、ゆるやかで心温まる中華幻想譚。シリーズ累計で長く愛される人気作となり、この賞らしい“やさしいファンタジー”の代表格です。
5位: バガージマヌパナス(池上永一・第6回)
沖縄・八重山の離島を舞台に、ぐうたらな少女ナビィと島の人々、神々が織りなす生命力あふれる物語。のちに『テンペスト』『シャングリ・ラ』で知られる池上永一のデビュー作。南国の熱気がそのまま閉じ込められた一冊です。
6位: 鯉姫婚姻譚(藍銅ツバメ・2021年)
江戸を舞台に、人に化けた鯉や狐などのあやかしたちが繰り広げる、騒がしくも温かい婚姻騒動。再開後の大賞作らしい和風幻想譚で、近年の受賞作から入りたい人にぴったりの読みやすさです。
7位: 猫と罰(宇津木健太郎・2024年)
夏目漱石とともに暮らした黒猫が、何度も生まれ変わりながら“魔女”の営む書店にたどり着く——文学への愛とファンタジーが溶け合う、心あたたまる近年の大賞作。2024年の最新世代を代表する受賞作です。
8〜10位
8位『バルタザールの遍歴』(佐藤亜紀)、9位『信長 あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』(宇月原晴明)、10位『太陽と死者の記録』(粕谷知世)は、いずれも歴史・幻想を大胆に交差させた本賞ならではの意欲作。手に取りやすい版を上のAmazon検索からチェックしてみてください。
受賞作家のおすすめ|巣立った大物作家の代表作
森見登美彦(第15回『太陽の塔』)
- 代表作: 夜は短し歩けよ乙女/四畳半神話大系/有頂天家族
- この賞のデビュー作から、本屋大賞・山本周五郎賞作家へ。日常×幻想の第一人者。
酒見賢一(第1回『後宮小説』)
- 代表作: 後宮小説/墨攻/陋巷に在り
- 記念すべき第1回大賞作家。デビュー作がアニメ化された伝説の書き手。
池上永一(第6回『バガージマヌパナス』)
- 代表作: シャングリ・ラ/テンペスト/黙示録
- 沖縄を舞台にした壮大な物語世界を確立。映像化作品も多数。
西條奈加(第17回『金春屋ゴメス』)
- 代表作: 心淵/善人長屋/まるまるの毬
- 本賞デビューから直木賞作家へ。時代・人情ものの名手。
上橋菜穂子(児童ファンタジーの巨匠)
- 代表作: 精霊の守り人/獣の奏者/鹿の王
- 本賞の受賞者ではありませんが、日本ファンタジーを語るうえで外せない作家。あわせて読みたい一人です。→ 上橋菜穂子の全作品ガイド
よくある質問(FAQ)
Q. 日本ファンタジーノベル大賞の2026年(最新)受賞作は?
A. 加賀谷きよい『天を朱に染め―御伽草子異聞―』(新潮社)が大賞を受賞しました。酒呑童子を題材にした和風幻想譚で、書籍化は2026年夏に予定されています。
Q. 日本ファンタジーノベル大賞は誰が主催している?
A. 現在は一般財団法人 新潮文芸振興会が主催し、読売新聞社が後援、発表誌は『小説新潮』です。創設時(1989年)は三井不動産販売が創業20周年記念として始めました。
Q. 日本ファンタジーノベル大賞は一度なくなった?
A. はい。第25回(2013年度)をもって一度休止しましたが、2017年に主催を新潮文芸振興会としてリニューアル再開しました。再開時に大賞賞金は500万円から300万円へ変更されています。
Q. この賞から有名になった作家は?
A. 第1回の酒見賢一、第6回の池上永一、第15回の森見登美彦、第17回の西條奈加(のち直木賞)などが代表的です。畠中恵『しゃばけ』は第13回優秀賞、恩田陸『六番目の小夜子』は第3回最終候補でした。
Q. 初めて読むならどの受賞作がおすすめ?
A. 読みやすさと知名度から、森見登美彦『太陽の塔』、酒見賢一『後宮小説』、西條奈加『金春屋ゴメス』が入門におすすめです。
まとめ
日本ファンタジーノベル大賞は、1989年の創設以来、酒見賢一・池上永一・森見登美彦・西條奈加といった“のちの大物”をデビュー時点で世に送り出してきた登竜門です。2013年の休止と2017年の再開を経て、2026年も加賀谷きよい『天を朱に染め』という新たな才能を発掘しました。「未来の人気作家を先取りしたい」「和風幻想譚や寓話的なファンタジーを読みたい」という方は、まず歴代大賞作から手に取ってみてください。
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出典・参考情報
- 新潮社「日本ファンタジーノベル大賞」公式サイト(https://www.shinchosha.co.jp/prizes/fantasy/)
- 新潮社「日本ファンタジーノベル大賞 過去の受賞作品」(https://www.shinchosha.co.jp/prizes/fantasy/archive.html)
- 新潮社プレスリリース「日本ファンタジーノベル大賞2026 大賞決定」(PR TIMES)
- Wikipedia「日本ファンタジーノベル大賞」項目(最終確認: 2026年6月11日)
- 文学賞の世界「日本ファンタジーノベル大賞受賞作・候補作一覧」(最終確認: 2026年6月11日)









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