『信玄戦旗 新装版』は、松本清張が武田信玄の生涯を描いた歴史長編の新装版で、2026年11月25日(水)に角川文庫から出ます。288ページ・1,034円(税込・本体940円)。
先に、検索して来た方がつまずきやすい点を3つ書きます。
ひとつ目。新作ではありません。 もとは1956年の『信玄軍記』で、1987年12月20日に角川書店から出たときに改稿されて『信玄戦旗』になりました。 本作は、その角川文庫版の新装版です。
ふたつ目。新装版のほうが薄いです。 1987年の単行本が294ページ、1989年の角川文庫が308ページ(国立国会図書館の書誌)。新装版は288ページで、3つの版でいちばん薄いことになります。新装版はふつう活字が大きくなってページが増えるので、これは逆です。
みっつ目。同じ日に出る東野圭吾の新装版とは、逆の動きをしています。 同じ角川文庫・同じ2026年11月25日発売の『探偵倶楽部 新装版』は304→336ページで+32ページ。『信玄戦旗』は308→288ページです。
※本ページはアフィリエイトリンクを含みます。
※本記事は発売前に公表された情報にもとづいています。
- 2026年11月25日・角川文庫・288ページ・1,034円(税込・本体940円)
- 1956年『信玄軍記』を1987年に改稿した『信玄戦旗』の新装版
- 武田信玄の初陣から死までを描く歴史長編
信玄戦旗 新装版とは|角川文庫の新装版

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 著者 | 松本清張(1909–1992) |
| 版元・レーベル | KADOKAWA・角川文庫 |
| 発売日 | 2026年11月25日(水) |
| 判型 | 文庫判 |
| ページ | 288ページ |
| 価格 | 1,034円(税込・本体940円) |
| ISBN | 978-4-04-117997-0 |
| 題材 | 武田信玄の初陣から死まで |
| もとの作品 | 『信玄軍記』(1956年) |
出典:KADOKAWA 製品ページ、国立国会図書館サーチ(2026年10月13日時点)
版元の紹介文
松本清張が描き出す、武田信玄の真の姿!
戦国乱世のただ中に天下制覇を目指した名将・武田信玄。その初陣から無念の死まで、波乱激動の生涯をたどる。歴史の転換点・名場面の仕組を、周到な時代考察をふまえ、巨匠・松本清張が鮮やかに描く、迫真の歴史小説。武田信玄ファン必読の書がここに。
出典:KADOKAWA 製品ページ(2026年10月13日時点)
1989年版の紹介文とくらべると2文増えている
同じKADOKAWAが、1989年の角川文庫版にも紹介文を出しています。
| 版 | 紹介文 |
|---|---|
| 1989年版 | 戦国乱世のただ中に天下制覇を目指した名将・武田信玄。その初陣から無念の死まで、波乱激動の生涯をたどる迫真の長編小説。歴史の転換点、名場面の仕組みを周到な時代考察をふまえて鮮やかに描く。 |
| 新装版 | 「松本清張が描き出す、武田信玄の真の姿!」+(ほぼ同文)+「武田信玄ファン必読の書がここに。」 |
出典:KADOKAWA 製品ページ(1989年版)、同(新装版)(2026年10月13日時点)
→ 本文の説明はほぼ同じで、前後に売り文句が足された形です。「武田信玄ファン」という呼びかけが新装版で加わっています。
国立国会図書館の書誌では「改訂版」と記録されている
出版流通データ(JPRO)由来の書誌では、版表示が「改訂版」になっています。
出典:国立国会図書館サーチ(2026年10月13日時点)
→ 版元は「新装版」と書き、流通データは「改訂版」と記録しているという食い違いです。本文に手が入るのかどうかは、2026年10月時点では公表されていません。
信玄戦旗の成り立ち|1956年『信玄軍記』からの改稿

もとの題は『信玄軍記』で、70年前の作品
| 内容 | |
|---|---|
| 初出 | 『小説春秋』1956年3月号〜5月号 |
| 単行本 | 河出書房新社・1956年4月30日 |
| 書名 | 『信玄軍記』 |
出典:Wikipedia「信玄軍記」(2026年10月13日時点)
→ 1956年は、松本清張が「或る『小倉日記』伝」で芥川賞を受賞した1952年の4年後です。『点と線』(1958年)より前にあたります。
1987年に改稿されて『信玄戦旗』になった
31年後、角川書店から改稿版が出ました。
| 内容 | |
|---|---|
| 刊行 | 角川書店・1987年12月20日 |
| 書名 | 『信玄戦旗』(改題) |
| 仕様 | 294ページ・20cm・1,200円 |
| ISBN | 4-04-872469-X |
出典:国立国会図書館サーチ、Wikipedia「信玄軍記」(2026年10月13日時点)
改稿で足されたのは「評伝」の部分
章立てが変わり、小説以外の記述が加わっています。
| 加わったもの | 内容 |
|---|---|
| 評伝的な記述 | 信玄前史/『甲陽軍鑑』の史料的価値/武田軍の軍隊組織/信玄の謙信へのコンプレックス/鉄砲 |
| 周辺の人物・大名 | 越後の土着勢力と長尾為景/桶狭間の戦い |
| 呼称の変更 | 諏訪御料人を「女」から「百合」へ |
出典:Wikipedia「信玄軍記」(2026年10月13日時点)
→ 「周到な時代考察をふまえ」という版元の紹介文は、この改稿で足された部分を指しています。 物語だけでなく、史料の読み方そのものが本に入っているということです。
改稿後は10章構成
| 章題 | |
|---|---|
| 1 | 山峡の源氏 |
| 2 | 雪中初陣 |
| 3 | 実父追放 |
| 4 | 信濃の征旗 |
| 5 | 拡張政策 |
| 6 | 好敵手 |
| 7 | 八幡原の白い闇 |
| 8 | 同盟の崩壊 |
| 9 | 上洛急速 |
| 10 | 伊那路に墜つ |
出典:Wikipedia「信玄軍記」(2026年10月13日時点)
→ 「雪中初陣」から「伊那路に墜つ」まで=版元の言う「初陣から無念の死まで」が、そのまま章の並びになっています。 第7章「八幡原の白い闇」が川中島、第6章「好敵手」が上杉謙信にあたります。
70年で4つの器になった
| 刊行 | 書名 | 版元・レーベル | ページ | 価格 |
|---|---|---|---|---|
| 1956年4月30日 | 信玄軍記 | 河出書房新社 | — | — |
| 1987年12月20日 | 信玄戦旗(改稿・改題) | 角川書店 | 294ページ | 1,200円 |
| 1989年11月2日 | 信玄戦旗 | 角川文庫 | 308ページ(国立国会図書館)/320ページ(版元表示) | 430円(当時・税込) |
| 2026年11月25日 | 信玄戦旗 新装版 | 角川文庫 | 288ページ | 1,034円(本体940円) |
出典:国立国会図書館サーチ、KADOKAWA 製品ページ(1989年版)、同(新装版)、Wikipedia「信玄軍記」(2026年10月13日時点)
信玄戦旗 新装版のページと価格|新装版がいちばん薄い

288ページは3つの版でいちばん少ない
| 版 | ページ |
|---|---|
| 1987年 角川書店 単行本 | 294ページ |
| 1989年 角川文庫 | 308ページ(国立国会図書館の書誌) |
| 2026年 角川文庫 新装版 | 288ページ |
出典:国立国会図書館サーチ、KADOKAWA 製品ページ(新装版)(2026年10月13日時点)
→ 新装版が、単行本よりも薄いことになります。288ページという数字は、KADOKAWAの製品ページと流通データ(JPRO)の両方が同じです。なぜ減るのかは公表されていません。
1989年版のページ数は版元と国立国会図書館で食い違う
| 情報源 | 1989年版のページ |
|---|---|
| 国立国会図書館サーチ | 308ページ |
| KADOKAWA 製品ページ | 320ページ |
出典:国立国会図書館サーチ、KADOKAWA 製品ページ(1989年版)(2026年10月13日時点)
→ 同じISBN(4-04-122750-X)で12ページ違います。 どちらで数えても、新装版の288ページより多いことに変わりはありません。
価格は1989年の430円から1,034円へ
| 1989年版 | 新装版 | |
|---|---|---|
| 税込 | 430円(刊行当時) | 1,034円 |
| 版元の現行表示 | 525円 | — |
| 本体 | — | 940円 |
出典:国立国会図書館サーチ、KADOKAWA 製品ページ(1989年版)、同(新装版)(2026年10月13日時点)
→ 版元が現在表示している525円と比べても、新装版は約2倍です。ページは減って、値段は上がります。
同じ日の東野圭吾の新装版は逆に厚くなる
同じ角川文庫から、同じ2026年11月25日に出る新装版です。
| 『探偵倶楽部 新装版』 | 『信玄戦旗 新装版』 | |
|---|---|---|
| 著者 | 東野圭吾 | 松本清張 |
| 旧版のページ | 304ページ | 308ページ(国立国会図書館) |
| 新装版のページ | 336ページ(+32) | 288ページ(−20) |
| 新装版の本体 | 1,000円 | 940円 |
出典:KADOKAWA 製品ページ(探偵倶楽部 新装版)、同(信玄戦旗 新装版)、国立国会図書館サーチ(2026年10月13日時点)
→ 同じレーベル・同じ日・同じ「新装版」という表示で、ページの動きが逆です。「新装版だから厚くなる」とは限らないことになります。
信玄戦旗 新装版の3つの読みどころ

1. 小説と評伝が1冊に入っている
1987年の改稿で足されたのは、物語ではなく「調べた結果」でした。信玄前史・『甲陽軍鑑』の史料的価値・武田軍の軍隊組織・鉄砲といった記述が入っています。→ 『点と線』や『砂の器』で捜査の手順を書いた作家が、戦国の史料で同じことをしているという読み方ができます。
2. 「信玄の謙信へのコンプレックス」という切り口
改稿で加えられた記述のひとつが、信玄の上杉謙信に対するコンプレックスです。第6章の題は「好敵手」。→ 英雄譚ではなく、人の心理から戦国を読むという松本清張らしい角度です。
3. 70年前の作品が、いまも現役で出し直されている
1956年の『信玄軍記』が、1987年に改稿、1989年に文庫、2026年に新装版です。70年で4つの器になりました。→ 松本清張の歴史ものが、ミステリの代表作とは別の線で読み継がれていることの実例です。
信玄戦旗 新装版に関するよくある質問
信玄戦旗 新装版はいつ発売ですか
2026年11月25日(水)です。角川文庫から288ページ・1,034円(税込・本体940円)で出ます。
新作ですか
新作ではありません。 もとは1956年に『小説春秋』3月号〜5月号に載り、同年4月30日に河出書房新社から『信玄軍記』として刊行された作品です。1987年12月20日に角川書店から改稿版が『信玄戦旗』として出て、1989年11月2日に角川文庫になりました。 本作はその新装版です。
『信玄軍記』と『信玄戦旗』は同じ本ですか
同じ作品の、改稿前と改稿後です。章立てが10章に組み直され、信玄前史・『甲陽軍鑑』の史料的価値・武田軍の軍隊組織・信玄の謙信へのコンプレックス・鉄砲といった評伝的な記述と、越後の土着勢力と長尾為景、桶狭間の戦いなど周辺の記述が加わっています。諏訪御料人の呼称も「女」から「百合」に変わりました。
旧版を持っています。買い直す意味はありますか
ページは308ページ(国立国会図書館)から288ページへ減ります。 価格は本体940円・税込1,034円で、版元が現在表示している旧版525円の約2倍です。新しい解説や加筆があるかは、2026年10月時点では公表されていません。 → 版元の発表を待つのが安全です。
なぜ新装版のほうがページが少ないのですか
理由は公表されていません。 288ページという数字は、KADOKAWAの製品ページと出版流通データ(JPRO)の両方で一致しています。新装版は活字を大きくしてページが増えることが多いので、この本は例外にあたります。
内容は小説ですか。それとも歴史解説ですか
小説です。 ただし1987年の改稿で評伝的な記述が加えられているので、物語の合間に史料の検討が入ります。 版元の紹介文も「周到な時代考察をふまえ」と書いています。
川中島の戦いは出てきますか
出てきます。 第7章の題が「八幡原の白い闇」で、八幡原は川中島の古戦場です。第6章「好敵手」が上杉謙信にあたります。
何章ありますか
10章です。山峡の源氏/雪中初陣/実父追放/信濃の征旗/拡張政策/好敵手/八幡原の白い闇/同盟の崩壊/上洛急速/伊那路に墜つ。
何ページ、何時間で読めますか
288ページなので、4〜5時間が目安です。松本清張の文庫としては薄いほうです。
松本清張は初めてです。これから読んでいいですか
歴史時代ものから入るなら本作でも読めますが、代表作から入るなら『点と線』『砂の器』『ゼロの焦点』が定番です。全体像は松本清張のおすすめ・代表作ガイドにまとめています。
同じ時期に出る松本清張の新装版は他にありますか
2026年9月25日に『アムステルダム運河殺人事件 新装版』が角川文庫から出ています。 角川文庫は松本清張の新装版を続けて出しており、『信玄戦旗 新装版』はその流れの中にあります。
まとめ|70年前の作品が、4つめの器でいちばん薄くなる
- 『信玄戦旗 新装版』は2026年11月25日(水)・角川文庫・288ページ・1,034円(税込・本体940円)
- ★新作ではない。 1956年『小説春秋』3〜5月号に載り、同年4月30日に河出書房新社から『信玄軍記』として刊行された作品。1987年12月20日に角川書店で改稿されて『信玄戦旗』になった
- ★新装版がいちばん薄い。 1987年の単行本294ページ、1989年の角川文庫308ページ(国立国会図書館)に対して、新装版は288ページ。 減る理由は公表されていない
- ★同じ角川文庫・同じ2026年11月25日発売の『探偵倶楽部 新装版』は304→336ページで+32。「新装版だから厚くなる」とは限らない
- ★1989年版のページ数は版元320ページ・国立国会図書館308ページで12ページ食い違う(ISBNは同じ4-04-122750-X)
- ★流通データ(JPRO)の版表示は「改訂版」。版元の表示は「新装版」で、本文に手が入るかは未公表
- ★改稿で足されたのは評伝部分=信玄前史/『甲陽軍鑑』の史料的価値/武田軍の軍隊組織/信玄の謙信へのコンプレックス/鉄砲、および越後の土着勢力と長尾為景・桶狭間の戦い。諏訪御料人の呼称も「女」→「百合」へ
- ★改稿後は10章=山峡の源氏/雪中初陣/実父追放/信濃の征旗/拡張政策/好敵手/八幡原の白い闇/同盟の崩壊/上洛急速/伊那路に墜つ。「初陣から無念の死まで」がそのまま章の並び
- ★価格は1989年の430円(税込)から1,034円へ。版元の現行表示525円と比べても約2倍
- 1956年は芥川賞受賞(1952年)の4年後で、『点と線』(1958年)より前の作品
- 2026年9月25日には『アムステルダム運河殺人事件 新装版』も出ている=角川文庫の松本清張 新装版が続いている
70年で4つめの器になりました。 いちばん新しい版が、いちばん薄いです。



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