『ヒポクラテスの悲嘆』は、中山七里のヒポクラテスシリーズ第5作で、2026年10月9日に祥伝社文庫から出ます。946円(税込)。2024年3月に出た単行本の文庫化です。相次いで見つかる餓死した遺体の共通点は”引きこもり”。浦和医大法医学教室の光崎藤次郎教授が、空っぽのはずの胃から意外なものを見つけ出します。この文庫化で、シリーズは第5作まで文庫で読めるようになります。この記事では、あらすじと読みどころ、そしてシリーズ全6巻の単行本・文庫の刊行順を一次資料で整理します。
※本ページはアフィリエイトリンクを含みます。
※本記事は発売前に公表された情報にもとづいています。
- 2026年10月9日・祥伝社文庫・946円(税込)
- 法医学ミステリ「ヒポクラテスシリーズ」第5弾
- この文庫化で第5作まで文庫で揃う
ヒポクラテスの悲嘆とは|単行本から2年7か月での文庫化
| 項目 | 文庫版(本作) | 単行本 |
|---|---|---|
| 著者 | 中山七里 | 同左 |
| 版元・レーベル | 祥伝社文庫 | 祥伝社 |
| 発売日 | 2026年10月9日 | 2024年3月 |
| ページ | — | 301ページ |
| 価格 | 946円(税込・本体860円) | — |
| ISBN | 978-4-396-35218-9 | 978-4-396-63660-9 |
| Cコード | C0193(一般・文庫・日本文学) | C0093(一般・単行本・日本文学) |
| シリーズ上の位置 | 第5作 | 同左 |
出典:版元ドットコム(祥伝社登録データ)、国立国会図書館サーチ(2026年10月3日時点)
単行本から文庫までは約2年7か月です。版元は本作を「法医学ミステリー第5弾」と明記しています。
ヒポクラテスの悲嘆のあらすじ|約3か月で4体目のミイラ化遺体

法医学教室にミイラ化遺体が運び込まれる
浦和医大法医学教室にミイラ化遺体が運び込まれます。約三か月で四体目です。
亡くなったのは、20年以上引きこもっていた40歳の独身女性
県警の古手川刑事の調べによると、亡くなったのは両親と暮らしていた40歳の独身女性でした。大学受験に失敗して以来20年以上引きこもり、70代の両親が更生を試みるも、果てに絶食、餓死に至ったといいます。
光崎教授は、空っぽのはずの胃から意外なものを見つけ出す
だが法医学教室の光崎藤次郎教授は、空っぽのはずの胃から意外なものを見つけ出し……。
出典:版元ドットコム(祥伝社登録データ)の内容紹介(2026年10月3日時点)
版元の惹句は、こうです。
「現代日本で連続するミイラ化遺体」
「浮かび上がった共通点は”引きこもり”。」
「浦和医大法医学教室の光崎教授が暴き出す、家族の闇とは?」
「死体には真実だけが残る――」
出典:版元ドットコム(祥伝社登録データ)(2026年10月3日時点)
「空っぽのはずの胃」という言い方が、本作の手がかりの置き場所を示しています。餓死の遺体に、餓死では説明できない何かが残っていたという組み立てです。
ヒポクラテスの悲嘆の3つの読みどころ

1. 餓死が「連続」している、という設定
本作のミイラ化遺体は、約3か月で4体目です。
餓死は本来、一件ごとに個別の家庭の事情として処理されやすい死因です。それが約3か月で4件、しかも「引きこもり」という共通点を持って集まることで、個別の不幸ではなく連続した何かとして扱われます。
法医学ミステリは、1体の遺体から死因を暴くのが基本形です。本作は4体の共通点から入るので、シリーズの中でも構えが大きい側にあたります。
2. 「家族の闇」が、加害の形をとらない
版元は本作のテーマを「家族の闇」と書いています。ただし本作の筋立てでは、70代の両親は「更生を試みた」と書かれています。
| 登場する立場 | 版元の記述 |
|---|---|
| 亡くなった40歳の女性 | 大学受験に失敗して以来20年以上引きこもり |
| 70代の両親 | 更生を試みるも、果てに絶食、餓死に至った |
出典:版元ドットコム(祥伝社登録データ)(2026年10月3日時点)
「試みた」と書かれている親が、結果として子を餓死させているという配置です。殺意のある加害者を探す話ではなく、誰も殺そうとしていない家の中で人が死ぬ話として置かれています。光崎教授がそこに別の筋を見つけるのが本作です。
3. 同じ週に、もう1冊「引きこもり」の文庫が出る
本作が出る2026年10月9日の前日(10月8日)に、葉真中顕の『鼓動』文庫版が光文社文庫から出ます。
| 作品 | 版元 | 発売日 | 引きこもりの扱い |
|---|---|---|---|
| 鼓動 | 光文社文庫 | 2026年10月8日 | 犯人が18年の引きこもり。殺人の背景として |
| ヒポクラテスの悲嘆 | 祥伝社文庫 | 2026年10月9日 | 被害者が20年以上の引きこもり。餓死の背景として |
出典:版元ドットコム(祥伝社)、版元ドットコム(光文社)(2026年10月3日時点)
一方は加害者側、もう一方は被害者側から同じ社会問題を扱っています。版元も作家も別ですが、1日違いで棚に並ぶので、合わせて読むと主題の両面が見えます。
ヒポクラテスシリーズの単行本・文庫の刊行順|本作で文庫は第5作まで

| # | 作品 | 単行本 | 文庫 |
|---|---|---|---|
| 1 | ヒポクラテスの誓い | 2015年5月 | 2016年6月 |
| 2 | ヒポクラテスの憂鬱 | 2016年9月 | 2019年6月 |
| 3 | ヒポクラテスの試練 | 2020年6月 | 2021年12月 |
| 4 | ヒポクラテスの悔恨 | 2021年5月 | 2023年6月 |
| 5 | ヒポクラテスの悲嘆 | 2024年3月 | 2026年10月9日(本作) |
| 6 | ヒポクラテスの困惑 | 2025年1月 | 未文庫化(2026年10月3日時点) |
出典:国立国会図書館サーチ(2026年10月3日時点)
本作の文庫化で、文庫で読める範囲が第5作まで広がります。第6作『ヒポクラテスの困惑』だけが、2026年10月3日時点では単行本のみです。
文庫化までの期間はばらついています。
| 作品 | 単行本→文庫の期間 |
|---|---|
| 誓い | 約1年1か月(最短) |
| 憂鬱 | 約2年9か月 |
| 試練 | 約1年6か月 |
| 悔恨 | 約2年1か月 |
| 悲嘆 | 約2年7か月 |
第1作だけ1年ほどで文庫化され、第2作以降は1年半〜2年9か月です。第1作は2016年にWOWOWで北川景子主演のドラマになったため、映像化に合わせた文庫化だったと見られます。第6作『困惑』は2025年1月刊なので、この傾向で見るなら文庫化は2026年後半から2027年中が目安ですが、版元からの告知は出ていません。
読む順番の全体像はヒポクラテスシリーズを読む順番完全ガイドにまとめています。
中山七里について|「どんでん返しの帝王」の法医学シリーズ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 生年・出身 | 1961年・岐阜県 |
| デビュー | 2009年『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞 |
| 本シリーズの映像化 | 第1作『ヒポクラテスの誓い』がWOWOWで連続ドラマ化 |
| 他の著書 | 『暗殺の交響曲』『刑事葛城 正義の銃弾』『作家刑事毒島の暴言』ほか |
出典:版元ドットコム(祥伝社登録データ)の著者プロフィール(2026年10月3日時点)
ヒポクラテスの悲嘆に関するよくある質問
第1作から読まないと分かりませんか
本作は第5作です。事件そのものは1冊で完結しますが、研修医・栂野真琴の成長と光崎教授との関係が巻を追って深まる構成なので、第1作『ヒポクラテスの誓い』から刊行順に読むのがおすすめです。
単行本と文庫で中身は違いますか
本編は同じ作品です。単行本は301ページ、文庫版のページ数は2026年10月3日時点で未公表です。解説が新規収録されるかも公表されていません。
単行本を持っています。文庫も買う必要はありますか
本編が同じなので、買い直す必要はありません。文庫を選ぶ理由は946円という価格と、新規収録の有無が判明した場合です。
シリーズは文庫で揃えられますか
本作の発売で、第1作から第5作までが祥伝社文庫で揃います。第6作『ヒポクラテスの困惑』(2025年1月)は、2026年10月3日時点では単行本のみです。
シリーズは完結していますか
2026年10月3日時点で完結の告知は出ていません。最新刊は第6作『ヒポクラテスの困惑』(2025年1月)です。
解剖の描写はきついですか
法医学教室を舞台にしたシリーズで、解剖が事件解決の手段です。本作ではミイラ化遺体と餓死が扱われます。苦手な場合は注意してください。
ドラマは本作が原作ですか
いいえ。WOWOWの連続ドラマ(北川景子主演)は第1作『ヒポクラテスの誓い』が原作です。本作の映像化は公表されていません。
中山七里を初めて読みます。どれから読むべきですか
本シリーズから入るなら第1作『ヒポクラテスの誓い』です。単発の代表作から試したいなら『連続殺人鬼カエル男』や『護られなかった者たちへ』が入口に向きます。
まとめ|4体の餓死体の共通点が「引きこもり」だった
- 『ヒポクラテスの悲嘆』文庫版は2026年10月9日・祥伝社文庫・946円(税込)
- 2024年3月の単行本(301ページ)の文庫化。約2年7か月後
- 約3か月で4体目のミイラ化遺体。共通点は“引きこもり”
- 亡くなったのは20年以上引きこもっていた40歳の独身女性。70代の両親が更生を試みた末の餓死
- 光崎教授が、空っぽのはずの胃から意外なものを見つけ出す
- この文庫化で、シリーズは第5作まで文庫で揃う(第6作『困惑』のみ単行本)
誰も殺そうとしていない家の中で人が死に、それが3か月で4件起きている。その共通点から入る法医学ミステリです。シリーズを文庫で追ってきた人には、待っていた1冊です。




コメント