本多孝好(ほんだ・たかよし、1971年〜)は東京都生まれ。集英社の公式プロフィールによれば、慶應義塾大学卒業後、1994年に「眠りの海」で第16回小説推理新人賞を受賞し、1999年に受賞作を収録した短篇集『MISSING』で単行本デビューしました。
本多孝好でいちばん困るのは、代表作の文庫が4つの出版社に分かれていて、整理番号も4系統あることです。集英社文庫では「ほ17」、新潮文庫では「ほ-18」、角川文庫では「ほ20」、講談社文庫では「ほ37」。番号は近いのに、4社ぜんぶ別の会社です。書店の文庫棚を4か所まわらないと全体が見えません。
そして2026年11月10日に新刊『榊くんによれば、僕らは』が出ます。版元は、これまでの文芸出版社ではなく教科書会社の光村図書出版です。
本ページでは4レーベルの整理番号と、集英社公式が示す受賞歴から順番を決めます。
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本多孝好のおすすめ|まず結論(初心者はこの3冊から)
- はじめての1冊は角川文庫『MISSING』 … 302ページ。単行本デビュー作で、第16回小説推理新人賞の受賞作「眠りの海」が入ります。短篇集なので作風の判定が早いです。
- 代表作から入るなら集英社文庫『MOMENT』 … 330ページ。集英社が「ロングセラーの兄弟編三作」と呼ぶ3冊の1冊目で、収録は「Face」「Wish」「Firefly」「Moment」の4編です。
- 映像から入るなら角川文庫『dele』 … 333ページ。テレビドラマとのクロスオーバーで広く読まれた作品です。
本多孝好のおすすめ 人気ランキングTOP10

順位は、①デビュー作・受賞歴としての重み、②集英社公式が代表作として挙げる作品、③文庫での入手しやすさから、ヨムマップ編集部が整理しました。
| 順位 | 作品 | 文庫 | ページ | 入門度 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | MISSING | 角川文庫 ほ20-1 | 302ページ | ★★★ |
| 2 | MOMENT | 集英社文庫 | 330ページ | ★★★ |
| 3 | 真夜中の五分前 side-A | 新潮文庫 ほ-18-1 | 240ページ | ★★★ |
| 4 | WILL | 集英社文庫 ほ17-3 | 363ページ | ★★★ |
| 5 | dele | 角川文庫 ほ20-5 | 333ページ | ★★ |
| 6 | MEMORY | 集英社文庫 ほ17-4 | 261ページ | ★★ |
| 7 | チェーン・ポイズン | 講談社文庫 ほ37-1 | 426ページ | ★★ |
| 8 | アフター・サイレンス | 集英社文庫 ほ17-9 | 366ページ | ★★ |
| 9 | こぼれ落ちる欠片のために | 集英社(単行本) | 347ページ | ★★ |
| 10 | 榊くんによれば、僕らは | 光村図書出版(単行本) | 200ページ | ★ |
ページ数は各社の公式製品ページおよび国立国会図書館サーチの書誌によります(2026年11月時点)。
1位. MISSING(302ページ/角川文庫 ほ20-1)
単行本デビュー作です。集英社の公式プロフィールは「99年、受賞作を収録した短篇集『MISSING』で単行本デビュー」と書いています。つまり1994年の第16回小説推理新人賞受賞作「眠りの海」が入った1冊です。
まずここからです。短篇集なので1編ずつ試せますし、この作家がどこから始まったのかを最短で確かめられます。
ややこしいのは版元です。単行本は1999年に双葉社、文庫も2001年に双葉文庫で出たのですが、2013年に角川文庫へ移りました(整理番号ほ20-1)。現在書店で探すなら角川文庫です。
2位. MOMENT(330ページ/集英社文庫)
病院で「死ぬ前にひとつだけ願いを叶えてくれる」噂の少年をめぐる連作短篇です。収録は「Face」「Wish」「Firefly」「Moment」の4編。
集英社は公式サイトのインタビューで、この作品を『WILL』『MEMORY』と並べて「ロングセラーの兄弟編三作」と呼んでいます。「シリーズ」ではなく「兄弟編」という言い方で、続きものではなく独立して読める3冊だということです。
2003年に吉川英治文学新人賞候補になりました(出典:集英社の著者プロフィール)。青春小説として読まれることも多い1冊です。
3位. 真夜中の五分前 side-A(240ページ・506円/新潮文庫 ほ-18-1)
第132回直木賞候補作です(2005年)。本多孝好が候補になった主要文学賞のなかで、もっとも大きな賞です。
この作品は上下2分冊なので、買うときに注意が要ります。単行本の時点から2冊(2004年10月30日・side-A 205ページ/side-B 171ページ)で、新潮文庫も2007年6月28日に2冊同時で出ました。
| 整理番号 | 書名 | ページ | 定価 |
|---|---|---|---|
| ほ-18-1 | 真夜中の五分前―five minutes to tomorrow side-A― | 240ページ | 506円 |
| ほ-18-2 | 真夜中の五分前―five minutes to tomorrow side-B― | 192ページ | 440円 |
2冊で432ページ・946円です。side-Aだけ買って終わると話が完結しません。 なお506円と440円は、本ページで扱った文庫のなかでもっとも安い2冊でもあります。
4位. WILL(363ページ/集英社文庫 ほ17-3)
「兄弟編三作」の2冊目で、第23回山本周五郎賞候補(2010年)。山本周五郎賞の候補になった作品です。
単行本は2009年に集英社から322ページ、文庫は2012年に363ページ。『MOMENT』を読んで合った人が次に取る1冊です。
5位. dele(333ページ/角川文庫 ほ20-5)
「死後にデータを消す」依頼を扱う作品で、集英社の公式インタビューも「映像作品とのクロスオーバーで人気となった」シリーズとして挙げています。
単行本は2017年にKADOKAWAから300ページ、文庫は2018年に333ページ(ほ20-5)。続刊も角川文庫で出ています(ほ20-7)。ドラマから入った人の入口がここです。
6位. MEMORY(261ページ/集英社文庫 ほ17-4)
「兄弟編三作」の3冊目で、2013年に集英社文庫から直接出た1冊です(整理番号ほ17-4・261ページ)。『MOMENT』『WILL』を読んだあとの締めにあたります。
7位. チェーン・ポイズン(426ページ/講談社文庫 ほ37-1)
自殺をめぐる連鎖を描いた長編です。単行本は2008年に講談社から332ページ、文庫は2012年に426ページ(ほ37-1)。この1冊から講談社文庫の「ほ37」という4つめの整理番号が始まります。
426ページでこの一覧でもっとも厚く、2021年には同じ講談社文庫で新しい番号(ほ37-3)の版も出ています。ミステリーとして読める作品です。
8位. アフター・サイレンス(366ページ/集英社文庫 ほ17-9)
警察専門の女性カウンセラーが主人公の長編です。単行本は2021年に集英社から310ページ、文庫は2024年に366ページ(ほ17-9)。
集英社はこの作品と次の『こぼれ落ちる欠片のために』が「世界を共有」していると公式サイトに書いています。2冊続けて読む設計です。警察小説の棚に並ぶ1冊です。
9位. こぼれ落ちる欠片のために(347ページ/集英社・単行本)
本多孝好が初めて書いた警察小説です。集英社の公式インタビューは「本多孝好さんが初めて挑んだ警察小説」「初めて『組織の一員』である警察官を描いた」と紹介しています。2024年刊・347ページ。
同じインタビューで本人は「前作の『アフター・サイレンス』から三年ぶりの新作なんですが、何を書くのかという当てのない自問から始まってしまいまして」と語っています。『アフター・サイレンス』と世界を共有するので、先に8位を読むほうが分かりやすいです。
10位. 榊くんによれば、僕らは(200ページ/光村図書出版・単行本)
2026年11月10日発売の新刊です(版元ドットコムの発売予定日)。四六判・200ページ・定価1,700円+税(税込1,870円)、本多孝好が著・「かない」が絵という構成です。
光村図書出版の紹介文はこうです。
このクラスに、君の居場所はあったのだろうか? 12人のクラスメイトが語る、転校する榊くんとの思い出と、「謎」。すべての記憶がつながるとき、見えていた景色は一変する。ミステリーの名手が紡ぐ、忘れられない青春。
中学3年生の9月、卒業を半年後に控えて転校していく「榊」を、12人が語るという形式です。本多孝好としては新しい版元なので、刊行直後は書店の文芸棚に見つけにくい可能性があります。
本多孝好は文庫の整理番号が4つある|集英社「ほ17」新潮「ほ-18」角川「ほ20」講談社「ほ37」

この作家を探すときに最初につまずくところです。同じ著者なのに、文庫の整理番号が4系統あります。 しかも番号は「ほ17」「ほ-18」「ほ20」「ほ37」と近いのに、全部ちがう出版社です。
| レーベル | 整理番号 | 主な収録作 |
|---|---|---|
| 集英社文庫 | ほ17 | MOMENT/正義のミカタ(ほ17-2)/WILL(ほ17-3)/MEMORY(ほ17-4)/ストレイヤーズ・クロニクル(ほ17-5)/Good old boys(ほ17-8)/アフター・サイレンス(ほ17-9) |
| 新潮文庫 | ほ-18 | 真夜中の五分前 side-A(ほ-18-1)/side-B(ほ-18-2) |
| 角川文庫 | ほ20 | MISSING(ほ20-1)/ALONE TOGETHER(ほ20-2)/FINE DAYS(ほ20-3)/at Home(ほ20-4)/dele(ほ20-5)/dele 2(ほ20-7) |
| 講談社文庫 | ほ37 | チェーン・ポイズン(ほ37-1/ほ37-3)/君の隣に(ほ37-2) |
文庫だけで4社です。
さらに厄介なのがレーベル移籍です。初期の作品は、単行本の出版社とも、最初の文庫の出版社とも違う文庫に入っています。
| 作品 | 単行本 | 最初の文庫 | 現在の文庫 |
|---|---|---|---|
| MISSING | 双葉社(1999) | 双葉文庫(2001) | 角川文庫(2013・ほ20-1) |
| ALONE TOGETHER | 双葉社(2000) | 双葉文庫(2002) | 角川文庫(2013・ほ20-2) |
| FINE DAYS | 祥伝社(2003) | 祥伝社文庫(2006) | 角川文庫(2013・ほ20-3) |
| 正義のミカタ | 双葉社(2007) | — | 集英社文庫(2010・ほ17-2) |
2013年に角川文庫がほ20-1から4までを一気に出して、初期4作をまとめ直しました。 古い書評やまとめ記事を見て「双葉文庫」や「祥伝社文庫」で探すと見つからないのは、これが理由です。現行版は角川文庫です。
受賞は新人賞1つだけで、主要4賞はすべて候補止まり
集英社の公式プロフィールを受賞歴だけ抜き出すと、はっきりした形になります。
| 年 | 作品 | 賞 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 1994 | 眠りの海 | 第16回小説推理新人賞 | 受賞 |
| 2003 | MOMENT | 吉川英治文学新人賞 | 候補 |
| 2004 | FINE DAYS | 吉川英治文学新人賞 | 候補 |
| 2005 | 真夜中の五分前 | 第132回直木賞 | 候補 |
| 2010 | WILL | 第23回山本周五郎賞 | 候補 |
受賞は1994年のデビュー新人賞1つで、以後の主要4回はすべて候補止まりです。しかも吉川英治文学新人賞は2003年・2004年と2年連続で候補になっています(集英社公式の表記も「2年連続吉川英治文学新人賞候補」)。
ここで注意したいのが、デビュー賞の名前がよく間違われる点です。集英社の公式プロフィールは「小説推理新人賞」と書いています。「小説すばる新人賞」ではありません。 小説推理新人賞は双葉社の賞で、だから『MISSING』の単行本も双葉社から出たという筋が通ります。
もう一つの数字が受賞から単行本デビューまでの5年です。
- 1994年 第16回小説推理新人賞 受賞(「眠りの海」)
- 1999年 受賞作を収録した『MISSING』で単行本デビュー
5年空いています。 集英社の2024年のインタビューでも、聞き手が「単行本デビュー作の『MISSING』から今年でちょうど二十五年ですよね。新人賞を取られた時から数えると三十年」と確認しています。2026年の時点では、新人賞から32年・単行本デビューから27年になります。
2026年11月10日の新刊『榊くんによれば、僕らは』は教科書会社から出る
本多孝好の最新刊は、2026年11月10日発売の『榊くんによれば、僕らは』です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | 榊くんによれば、僕らは |
| 著者 | 本多孝好(著)/かない(絵) |
| 版元 | 光村図書出版 |
| 判型 | 四六判(縦188mm・横128mm・厚さ16mm・260g) |
| ページ | 200ページ |
| 定価 | 1,700円+税(税込1,870円) |
| ISBN | 978-4-8138-0698-1 |
| Cコード | C0093(一般・単行本・日本文学 小説・物語) |
| 書店発売日 | 2026年11月10日 |
注目したいのは版元です。光村図書出版は国語などの教科書を出している会社で、本多孝好がこれまで本を出してきた集英社・KADOKAWA・講談社・双葉社・新潮社・祥伝社・文藝春秋とは系統が違います。
内容も中学3年生の9月が舞台で、12人のクラスメイトが転校していく同級生について語るという形式です。光村図書出版は紹介文を「ミステリーの名手が紡ぐ、忘れられない青春」で締めています。ページ数200・絵が付くという体裁からも、若い読者を想定した1冊だと読めます。
『こぼれ落ちる欠片のために』(2024年・集英社・347ページ)から2年ぶりの新作にあたります。
本多孝好のプロフィール|1971年〜

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 生年 | 1971年(東京都) |
| 学歴 | 慶應義塾大学卒業 |
| デビュー | 1994年「眠りの海」第16回小説推理新人賞/1999年『MISSING』で単行本デビュー |
| 受賞 | 第16回小説推理新人賞(1994年) |
| 候補 | 吉川英治文学新人賞(2003・2004年)/第132回直木賞(2005年)/第23回山本周五郎賞(2010年) |
| 文庫の整理番号 | 集英社文庫 ほ17/新潮文庫 ほ-18/角川文庫 ほ20/講談社文庫 ほ37 |
| 最新刊 | 榊くんによれば、僕らは(2026年11月10日・光村図書出版) |
集英社が代表作として挙げるのは『MOMENT』『WILL』『MEMORY』の「兄弟編三作」と、「dele」シリーズです。ほかに『ストレイヤーズ・クロニクル』(映画化)、『at Home』、『正義のミカタ』、『君の隣に』、『Good old boys』などがあります。
よくある質問
Q. 本多孝好は何から読むのがおすすめ?
A. 『MISSING』(角川文庫・302ページ)です。単行本デビュー作で、第16回小説推理新人賞の受賞作「眠りの海」が入った短篇集なので、作風の判定が早いです。代表作から入るなら『MOMENT』(集英社文庫・330ページ・4編)をどうぞ。なお『真夜中の五分前』は上下2分冊なので、1冊だけ買わないよう注意してください。
Q. 『MOMENT』『WILL』『MEMORY』は順番に読むべきですか?
A. 集英社は公式に「兄弟編三作」と呼んでいて、「シリーズ」とは書いていません。どれも独立して読めますが、発表順は『MOMENT』(2002年単行本)→『WILL』(2009年)→『MEMORY』(2013年集英社文庫)です。迷ったら『MOMENT』からどうぞ。
Q. 本多孝好のデビュー賞は何ですか?
A. 第16回小説推理新人賞です(1994年・「眠りの海」)。双葉社の新人賞で、「小説すばる新人賞」と間違われやすいので注意してください。受賞作を収録した『MISSING』の単行本デビューは5年後の1999年です。
Q. 直木賞は受賞していますか?
A. していません。2005年に『真夜中の五分前』で第132回直木賞の候補になりました。ほかに吉川英治文学新人賞(2003・2004年の2年連続)と第23回山本周五郎賞(2010年・『WILL』)の候補歴があります。受賞歴はデビュー新人賞の1つだけです。
Q. 『MISSING』はなぜ双葉文庫と角川文庫の両方にあるのですか?
A. レーベルが移ったためです。 単行本は1999年に双葉社、文庫は2001年に双葉文庫で出ましたが、2013年に角川文庫(ほ20-1)へ移りました。同じ2013年に『ALONE TOGETHER』『FINE DAYS』『at Home』も角川文庫へ入っています。現在書店で探すなら角川文庫です。
Q. 2026年の新刊はありますか?
A. あります。2026年11月10日に『榊くんによれば、僕らは』(光村図書出版・200ページ・税込1,870円)が発売されます。本多孝好が著・「かない」が絵で、中学3年生のクラスを12人の語りで描く青春ミステリーです。
まとめ|まずは『MISSING』から
本多孝好は、文庫の整理番号が4系統(ほ17/ほ-18/ほ20/ほ37)に分かれ、初期作はレーベル移籍まで起きているため、全体像が見えにくい作家です。迷ったら単行本デビュー作の『MISSING』(角川文庫)から。代表作なら『MOMENT』(集英社文庫)、薄く試すなら直木賞候補の『真夜中の五分前』(新潮文庫・side-Aとside-Bの2分冊・計946円)をどうぞ。
探すときは、初期4作の現行版が角川文庫であること、そしてデビュー賞が「小説すばる新人賞」ではなく「小説推理新人賞」であることを押さえておいてください。













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