『特急「しなの21号」殺人事件 〈新装版〉』は、西村京太郎の長編推理小説で、2026年12月11日に徳間文庫から出ます。946円(税込・本体860円)・文庫判320ページ。
本作は新作ではありません。1995年に徳間書店のノベルスで出た作品の、4度目の版です。
井の頭公園と特急車内で連続殺人発生! 被害者はともに長野善光寺の凶のおみくじを持っていたのだ…
出典:版元ドットコム(徳間書店登録データ・2026年11月2日時点)
著者は2022年3月3日に逝去しているため、本作は書き下ろしではなく既刊の改版です。つまり読者がまず知りたいのは「どの版を買えばいいのか」です。
国立国会図書館サーチで調べると、この作品には版が4つありました。 しかも版元が徳間書店→光文社→徳間書店と移って戻っています。 この記事では、4つの版を全部並べて、どれを買うべきかを整理します。
※本ページはアフィリエイトリンクを含みます。
※本記事は発売前に公表された情報にもとづいています。
- 2026年12月11日・徳間文庫・946円(税込)・320ページ
- 1995年の初刊から31年ぶりの改版。4つめの版
- 井の頭公園と特急車内の連続殺人。鍵は善光寺の「凶」のおみくじ
特急「しなの21号」殺人事件 新装版とは|31年ぶり・4つめの版
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | 特急「しなの21号」殺人事件 〈新装版〉 |
| 著者 | 西村京太郎(1930年9月6日−2022年3月3日) |
| 版元・レーベル | 徳間書店・徳間文庫 |
| 発売日 | 2026年12月11日 |
| 判型 | 文庫判(縦148mm×横105mm×厚さ12mm) |
| 重さ | 154g |
| ページ | 320ページ |
| 価格 | 946円(税込・本体860円) |
| ISBN | 978-4-19-895177-1 |
| Cコード | C0193(0:一般/1:文庫/93:日本文学、小説・物語) |
| 初刊 | 1995年・徳間書店(Tokuma novels) |
出典:版元ドットコム、国立国会図書館サーチ(2026年11月2日時点)
徳間書店は書誌登録に寸法と重さまで入れています。 厚さ12mm・154gという数字が出ている文庫は多くありません。320ページでこの厚さなので、鞄に入れて列車で読む分量です。
★4つの版を全部並べた|徳間→光文社→徳間と戻っている

国立国会図書館サーチで同じ作品の版を洗うと、4つ見つかりました。
| # | 刊行 | 版元・レーベル | 書名の表記 | ページ | ISBN |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 1995年 | 徳間書店・Tokuma novels | 特急「しなの21号」殺人事件 | 202ページ | 4-19-850191-2 |
| 2 | 1998年 | 徳間書店・徳間文庫 | 特急「しなの21号」殺人事件 | 301ページ | 4-19-890981-4 |
| 3 | 2005年 | 光文社・光文社文庫 | 特急「しなの21号」殺人事件 :長編推理小説 | 296ページ | 4-334-73920-2 |
| 4 | 2026年12月11日 | 徳間書店・徳間文庫〈新装版〉 | 特急「しなの21号」殺人事件 〈新装版〉 | 320ページ | 978-4-19-895177-1 |
出典:国立国会図書館サーチ、版元ドットコム(2026年11月2日時点)
版元の動きがこうなっています。
徳間書店(1995・ノベルス)→ 徳間書店(1998・文庫)→ 光文社(2005・文庫)→ 徳間書店(2026・文庫新装版)
いちど他社へ出た作品が、21年後に元の版元へ戻ってきた形です。西村京太郎の作品は複数の文庫レーベルを行き来しているため、「○○文庫で持っている」だけでは版の新しさが分かりません。
ページ数は202 → 301 → 296 → 320
| 移動 | 増減 | 何が起きたか |
|---|---|---|
| ノベルス → 徳間文庫(1995→1998) | +99 | 四六判相当から文庫判へ小さくなり、行数が減った分ページが増えた |
| 徳間文庫 → 光文社文庫(1998→2005) | −5 | 版元が替わって組み直され、ほぼ同じ厚さに収まった |
| 徳間文庫 → 新装版(1998→2026) | +19 | 同じレーベル・同じ作品で19ページ増 |
本編の文字量が変わったわけではありません。 判型・文字サイズ・行間の設計が変わると、同じ本文でもページ数が動きます。 新装版の320ページは4つの版で最多で、1995年のノベルス202ページの1.58倍です。
→ 数字が大きいほど「組みがゆったりしている」とみてよく、新装版は4つの版でいちばん文字が大きい可能性が高いことになります(版元は文字サイズを公表していません)。
どの版を買うか|答えは1つに決まる
| あなたの状況 | 買うべき版 |
|---|---|
| 初めて読む | 本作(2026年の徳間文庫〈新装版〉・946円)。新刊で買える版はこれだけ |
| 1998年の徳間文庫を持っている | 買い直す必要はありません。本編は同じ |
| 2005年の光文社文庫を持っている | 同じく不要 |
| 1995年のノベルスを持っている | 同じく不要。ただし文字は新装版のほうが読みやすいとみられる |
| 文字の大きさを重視する | 本作。4つの版で最多の320ページ=組みがいちばんゆるい |
1995年・1998年・2005年の3つの版はいずれも新刊書店の店頭にはありません。 古書で買う場合は、価格と状態で選んでください。 本編の違いを気にする必要はありません。
★徳間文庫の〈新装版〉は2026年に2冊出ている

当サイトは2026年10月に『松島・蔵王殺人事件 〈新装版〉』を扱いました。 並べると、同じレーベルの同じ企画だと分かります。
| 刊行 | 書名 | ページ | 価格(税込) | ISBN |
|---|---|---|---|---|
| 2026年10月9日 | 松島・蔵王殺人事件 〈新装版〉 | 304ページ | 913円 | 978-4-19-895159-7 |
| 2026年12月11日 | 特急「しなの21号」殺人事件 〈新装版〉(本作) | 320ページ | 946円 | 978-4-19-895177-1 |
出典:版元ドットコム『松島・蔵王殺人事件 〈新装版〉』、『特急「しなの21号」殺人事件 〈新装版〉』(2026年11月2日時点)
ISBNの書籍番号は895159と895177で、18しか離れていません。 同じ年に登録された近い番号です。どちらも1990年代のトクマ・ノベルズが初刊で、徳間文庫版を経て新装版になっているという点まで共通しています。
→ 徳間文庫は、西村京太郎の旧作を〈新装版〉として継続的に出し直しているとみられます。次に何が出るかは公表されていませんが、同じ条件(初刊がトクマ・ノベルズ)の作品が候補になります。
★1995年の時点で、徳間書店は録音版も同時に出していた
国立国会図書館サーチで引くと、1995年の徳間書店の登録に、本と別のかたちが2つあります。
| 形態 | 登録内容 |
|---|---|
| 書籍 | Tokuma novels・202ページ・18cm |
| 録音(カセット) | 1巻(5時間23分) |
| 録音(CD) | 3巻 |
出典:国立国会図書館サーチ(2026年11月2日時点)
1995年の時点で、本と同時に録音版まで用意されていたことになります。朗読の収録時間は5時間23分です。
さらに1999年には、調布市立中央図書館と浜松市立中央図書館が、それぞれ手製の録音図書(カセット4巻)を作っています。 視覚障害者向けの図書館製作録音図書で、作品が広く読まれていた証拠です。
2014年にはDVDコレクションにも入っている
| 年 | 発行 | 内容 |
|---|---|---|
| 2014年 | 東京ニュース通信社 | 隔週刊『西村京太郎サスペンス 十津川警部シリーズ DVDコレクション』 |
出典:国立国会図書館サーチ(2026年11月2日時点)
本作は映像化されており、2014年のDVDコレクションに収録されています。 本を読む前に映像を見た人もいる作品です。
2026年は、西村京太郎の「長野」が2冊出た年
本作の紹介文に出てくる「長野善光寺」は、2026年に出たもう1冊とつながります。
| 刊行 | 書名 | 版元 | 長野との関係 |
|---|---|---|---|
| 2026年10月8日 | 信濃迷宮殺人ルート | 光文社文庫 | 長野県を舞台にした中短編5編を編んだセレクション第3弾 |
| 2026年12月11日 | 特急「しなの21号」殺人事件 〈新装版〉(本作) | 徳間文庫 | 被害者が持つのは善光寺の「凶」のおみくじ |
出典:版元ドットコム『信濃迷宮殺人ルート』、『特急「しなの21号」殺人事件 〈新装版〉』(2026年11月2日時点)
光文社のセレクション第3弾の紹介文には「善光寺、松本城、軽井沢」が挙げられています。 本作の新装版も善光寺が出てきます。
ただし、本作が『信濃迷宮殺人ルート』に収録されているわけではありません。 『信濃迷宮殺人ルート』は中短編5編の作品集で、本作は長編です。同じ長野を扱う別の本です。
→ 長野が舞台の西村京太郎を読むなら、中短編を広く読める『信濃迷宮殺人ルート』と、長編1本をじっくり読む本作という選び方になります。
特急「しなの21号」殺人事件の3つの読みどころ

1. 2つの殺人を結ぶのが「凶のおみくじ」
版元の紹介文が示す鍵は、被害者が2人とも持っていた「長野善光寺の凶のおみくじ」です。凶を引いたという共通点だけで2人がつながるという入り方で、鉄道トリックより先に「なぜ2人とも凶なのか」が謎になります。
2. 井の頭公園と特急車内という、離れた2つの現場
最初の現場は東京の井の頭公園、次の現場は特急の車内です。都内の公園と走る列車という、移動距離のある2つの現場が同じ事件として扱われます。時刻表のトリックが働く余地がここにあります。
3. 320ページ・946円で、長編1本が読み切れる
4つの版でいちばんページ数が多いので、文字は読みやすいとみられます。十津川警部シリーズの長編を1冊試したい人には、新刊で買える・組みがゆるい・946円という条件が揃っています。
特急「しなの21号」殺人事件 新装版に関するよくある質問
新装版で本文は変わりますか
変わりません。 〈新装版〉は組み直しと装丁の更新で、本編は1995年の作品と同じです。版元は本文の改訂を告知していません(2026年11月2日時点)。
1998年の徳間文庫を持っています。買い直す必要はありますか
ありません。 本編は同じです。文字の大きさだけが違うとみられるので、読みやすさを求める場合だけ買い直す意味があります。
光文社文庫版とどちらが新しいですか
本作(2026年の徳間文庫〈新装版〉)です。 光文社文庫版は2005年で、21年前の版です。
十津川警部は出てきますか
版元は紹介文で登場人物を明示していません。 ただし2014年の『西村京太郎サスペンス 十津川警部シリーズ DVDコレクション』に収録されていることから、十津川警部シリーズの作品とみられます。版元が明言した情報ではありません。
シリーズの何作目ですか
番号はついていません。 十津川警部シリーズは巻数で管理されていないため、どの作品からでも読めます。 本作も1冊で完結します。
電子書籍で読めますか
2026年11月2日時点で、徳間書店は本作の電子版を告知していません。 旧版(1998年の徳間文庫・2005年の光文社文庫)の電子版が流通している場合がありますが、〈新装版〉の電子化は未公表です。
『信濃迷宮殺人ルート』と内容は重複しますか
しません。 『信濃迷宮殺人ルート』は長野県が舞台の中短編5編を編んだ作品集で、本作は長編1本です。別の本です。
まとめ|新刊で買える版はこれだけ
- 『特急「しなの21号」殺人事件 〈新装版〉』は2026年12月11日・徳間文庫・946円(税込)・320ページ
- ★版は4つ。1995年ノベルス(202ページ)→1998年徳間文庫(301ページ)→2005年光文社文庫(296ページ)→2026年徳間文庫新装版(320ページ)
- ★版元が徳間→光文社→徳間と移って戻っている
- 新刊で買える版は本作だけ。旧版を持っている人は買い直し不要
- ★1995年の初刊時点で、徳間書店は録音カセット(5時間23分)とCDも出していた
- ★2026年の徳間文庫〈新装版〉は、10月の『松島・蔵王殺人事件』と本作の2冊。ISBNの番号が18違い
- 鍵は被害者2人が持っていた「長野善光寺の凶のおみくじ」
- 著者は1930年9月6日−2022年3月3日。本作は既刊の改版
特急「しなの21号」殺人事件・関連作品の読書ガイド
- 西村京太郎のおすすめ・代表作ガイド — 十津川警部シリーズの名作を網羅
- 松島・蔵王殺人事件 新装版 レビュー|5つの版を全部並べた — 同じ徳間文庫〈新装版〉の2026年10月刊
- 金沢 歴史の殺人 新装版 レビュー|4つの版を全部並べた — 双葉文庫の新装版。価格が552円→946円に
- 信濃迷宮殺人ルート レビュー|地域別セレクション第3弾・長野編 — 長野県が舞台の中短編5編
- 寝台特急殺人事件 レビュー|トラベルミステリーの代表作 — 鉄道ミステリーの出発点
- ミステリーのおすすめ — 国内ミステリーのガイド




コメント