『心めくり/幸せさがし/夢のつづき』は、朝井リョウの連作中編集で、2026年12月15日に講談社文庫から出ます。550円(税込・本体500円)・A6判240ページ。
これは講談社文庫創刊55周年の企画「STORY IN POCKET」の1冊です。企画の定型文はこうなっています。
講談社文庫を代表する著者の短編作品を、既刊からセレクトし、編み直し、新刊として刊行します。
出典:講談社『心めくり/幸せさがし/夢のつづき』(2026年10月28日時点)
ところが、同じ講談社が出したプレスリリースは、本作をこう説明しています。
収録内容:「心めくり」「幸せさがし」「夢のつづき」の連作中編(単行本未収録&書き下ろし)
出典:講談社プレスリリース(2026年10月23日)(2026年10月28日時点)
「既刊からセレクト」と「単行本未収録&書き下ろし」は両立しません。 つまり本作は、550円の企画の中で中身だけが新作という例外です。この記事ではその食い違いを一次資料で確認し、本作の構成を整理します。
※本ページはアフィリエイトリンクを含みます。
※本記事は発売前に公表された情報にもとづいています。
- 2026年12月15日・講談社文庫・550円(税込)・240ページ
- 版元が「単行本未収録&書き下ろし」と明記した連作中編
- 2026年本屋大賞を受賞した年に出る550円の1冊
心めくり/幸せさがし/夢のつづきとは|550円で新作が読める1冊
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 著者 | 朝井リョウ |
| 版元・レーベル | 講談社文庫(企画名「STORY IN POCKET」) |
| 発売日 | 2026年12月15日 |
| 判型 | A6 |
| ページ | 240ページ |
| 価格 | 550円(税込・本体500円) |
| ISBN | 978-4-06-545999-7 |
| 収録 | 第1話 心めくり/第2話 幸せさがし/第3話 夢のつづき |
| 中身 | 単行本未収録&書き下ろしの連作中編 |
出典:講談社『心めくり/幸せさがし/夢のつづき』、講談社プレスリリース(2026年10月23日)(2026年10月28日時点)
550円÷240ページ=1ページあたり約2.29円です。当サイトが扱った同日発売の講談社文庫の中で最も安い単価になります。
| 同日発売の講談社文庫 | 価格 | ページ | 1ページあたり |
|---|---|---|---|
| 心めくり/幸せさがし/夢のつづき | 550円 | 240 | 約2.29円 |
| 時のない教室 | 550円 | 232 | 約2.37円 |
| 下垣内教授の江戸 | 990円 | 288 | 約3.44円 |
| 夜明けの花園 | 880円 | 204 | 約4.31円 |
出典:各作品の講談社製品ページ(2026年10月28日時点)
版元の2つの文書が食い違っている|「既刊からセレクト」か「書き下ろし」か

これが本作で最も大事な点です。
| 出どころ | 本作の中身の説明 |
|---|---|
| 講談社の製品ページ(企画の定型文) | 「講談社文庫を代表する著者の短編作品を、既刊からセレクトし、編み直し、新刊として刊行します」 |
| 講談社のプレスリリース(2026年10月23日) | 「『心めくり』『幸せさがし』『夢のつづき』の連作中編(単行本未収録&書き下ろし)」 |
出典:講談社『心めくり/幸せさがし/夢のつづき』、講談社プレスリリース(2026年10月23日)(2026年10月28日時点)
製品ページに載っているのは企画全体の説明文で、どのSTORY IN POCKETの製品ページにも同じ文章が載ります。 同日発売の『時のない教室』(辻村深月)の製品ページにも、一字一句同じ定型文が置かれています。
→ 本作の中身を具体的に書いているのはプレスリリース側だけです。そこに「単行本未収録&書き下ろし」と書かれているので、本作は既刊の寄せ集めではありません。
→ 「550円の企画だから中身は古い作品だろう」と判断すると、この1冊だけ取り違えます。
第2弾の3冊は、どれも定型文どおりではない
この食い違いは本作だけの話ではありません。 第2弾として発表された3冊を並べると、全部が定型文から外れています。
| 第2弾の3冊 | 版元の具体的な説明 | 定型文(既刊からセレクト)か |
|---|---|---|
| 池井戸潤『劇場で会いましょう』(11月) | 著者初エッセイ集+「半沢直樹」スピンオフ | 違う |
| 朝井リョウ『心めくり/幸せさがし/夢のつづき』 | 単行本未収録&書き下ろしの連作中編 | 違う |
| 辻村深月『時のない教室』 | 既刊からのセレクト(ただし1編はKADOKAWAの本から) | 一部違う |
出典:講談社プレスリリース(2026年10月23日)(2026年10月28日時点)
→ STORY IN POCKETは、1冊ずつ中身の作り方が違う企画です。共通しているのは「550円」「コンパクト」「新しい題とデザイン」の3点だけです。
収録3編|第1話から第3話までの連作中編

講談社の製品ページは、収録作に話数を振っています。
| # | 題 |
|---|---|
| 第1話 | 心めくり |
| 第2話 | 幸せさがし |
| 第3話 | 夢のつづき |
出典:講談社『心めくり/幸せさがし/夢のつづき』(2026年10月28日時点)
「短編集」ではなく「連作中編」である
版元の言い方に注意してください。 企画の定型文は「短編作品」ですが、プレスリリースは本作を「連作中編」と呼んでいます。
| 短編集 | 連作中編 | |
|---|---|---|
| 各編の関係 | 独立していることが多い | つながっている |
| 1編の長さ | 短い | 短編より長い |
| 本作 | — | こちら |
240ページを3編で割ると、1編あたり約80ページです。短編(20〜40ページ程度)より明らかに長いので、「連作中編」という呼び方と分量が合っています。
書名が3つの題を並べたものになっている
本作の書名は、収録3編の題をそのまま「/」で繋いだものです。読み仮名は版元によれば「ココロメクリシアワセサガシユメノツヅキ」です。
企画の定型文には「デザイン・タイトルは新しく」とあります。同日発売の『時のない教室』は収録3編のどの題とも違う新しい書名が付けられているのに対し、本作は3編の題を全部並べるという逆のやり方です。
→ 同じ企画・同じ発売日・同じ550円でも、題の付け方は統一されていません。
心めくり/幸せさがし/夢のつづきの3つの読みどころ

1. 本屋大賞を受賞した年の年末に、550円の新作が出る
朝井リョウは2026年4月9日、『イン・ザ・メガチャーチ』(日経BP/日本経済新聞出版)で第23回本屋大賞を受賞しました。日本経済新聞夕刊の連載小説が本屋大賞を受賞するのは史上初です。
その年の12月に、別の版元から550円の新作が出るという並びになります。
| 2026年の朝井リョウ | |
|---|---|
| 4月9日 | 『イン・ザ・メガチャーチ』で第23回本屋大賞(日経BP) |
| 12月15日 | 『心めくり/幸せさがし/夢のつづき』(講談社文庫・550円) |
2. 「単行本未収録」の作品が文庫で読める
「単行本未収録」とは、雑誌などに発表されたが本にまとめられていない作品を指します。本作はそれに書き下ろしを足した構成です。
→ 朝井リョウの既刊をすべて持っている人でも、本作には読んだことのない作品が入ります。 これは550円の文庫としては珍しい条件です。
3. 1ページあたり約2.29円
240ページで550円です。当サイトが扱った同日発売の講談社文庫4点のうち最も安い単価で、『夜明けの花園』(約4.31円)の約53%にあたります。
朝井リョウの既刊文庫は一般に600〜900円台です。550円という価格は、企画によって作られた価格であり、作品の分量(240ページ)に対して安い側になります。
STORY IN POCKETとは|講談社文庫55周年の550円企画
| 時期 | 著者・書名 |
|---|---|
| 2026年4月15日 | 東野圭吾『小さな故意の物語』/赤川次郎『あしたの寄り道』 |
| 2026年5月 | 塩田武士『起点』 |
| 2026年6月 | 綾辻行人『心の闇』 |
| 2026年7月 | 宮部みゆき『人・で・なし』 |
| 2026年8月 | 村田沙耶香『清潔な結婚』 |
| 2026年11月 | 池井戸潤『劇場で会いましょう』(第2弾の開始) |
| 2026年12月15日 | 朝井リョウ『心めくり/幸せさがし/夢のつづき』/辻村深月『時のない教室』 |
| 今後 | 川上未映子/凪良ゆう/村上春樹/有栖川有栖/恩田陸/森博嗣 |
出典:講談社「講談社文庫創刊55周年! 550円「STORY IN POCKET」続々刊行!」、講談社プレスリリース(2026年10月23日)(2026年10月28日時点)
第1弾については版元が「全作品が重版出来! 累計35万部突破と大好評」と発表しています。
朝井リョウについて|戦後最年少の直木賞から本屋大賞まで
| 年 | できごと |
|---|---|
| 2009年 | 『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞・デビュー |
| 2013年 | 『何者』で戦後最年少の直木賞 |
| — | 『世界地図の下書き』で坪田譲治賞 |
| — | 『正欲』で柴田錬三郎賞 |
| 2026年 | 『イン・ザ・メガチャーチ』で本屋大賞 |
出典:講談社『心めくり/幸せさがし/夢のつづき』の著者紹介(2026年10月28日時点)
1989年生まれ。 他の著書に『どうしても生きてる』『スター』『そして誰もゆとらなくなった』『生殖記』など。全体像は朝井リョウの新刊・新作ガイド、入口の1冊はおすすめ人気ランキングTOP10にまとめています。
心めくり/幸せさがし/夢のつづきに関するよくある質問
これは既刊の寄せ集めですか
いいえ。 版元のプレスリリースは「単行本未収録&書き下ろし」と明記しています。製品ページに載っている「既刊からセレクト」という文章は、STORY IN POCKETという企画全体の定型文で、同日発売の他の1冊にも一字一句同じものが載っています。
持っている本と重なりますか
「単行本未収録」なので、朝井リョウの単行本には入っていない作品です。書き下ろしも含まれます。 ただし各編の初出(雑誌名・掲載号)は2026年10月28日時点で公表されていません。
短編集ですか
版元は「連作中編」と呼んでいます。 240ページを3編で割ると1編あたり約80ページで、短編より長い分量です。第1話「心めくり」、第2話「幸せさがし」、第3話「夢のつづき」と話数が振られているので、つながった話と考えられます。
どんな話ですか
2026年10月28日時点で、版元はあらすじを公表していません。 公表されているのは3編の題と話数、「連作中編」という形式、「単行本未収録&書き下ろし」という成り立ちまでです。内容が分かりしだい追記します。
550円は安いですか
240ページで550円=1ページあたり約2.29円です。当サイトが扱った同日発売の講談社文庫4点で最も安い単価です。しかも中身が新作なので、企画の中では条件が良い1冊です。
書名が長いのはなぜですか
収録3編の題をそのまま「/」で並べた書名です。読み仮名は「ココロメクリシアワセサガシユメノツヅキ」。同じ企画の『時のない教室』は収録作とは別の新しい書名なので、題の付け方は企画内で統一されていません。
朝井リョウを初めて読みます。これから読めますか
読めます。 シリーズではなく独立した1冊です。ただし内容が未公表なので、代表作から入りたい場合は『桐島、部活やめるってよ』や『何者』が確実です。
本屋大賞の受賞作はどれですか
2026年4月9日発表の第23回本屋大賞は『イン・ザ・メガチャーチ』(日経BP/日本経済新聞出版)です。本作とは別の本です。歴代受賞作は本屋大賞 歴代受賞作完全一覧にまとめています。
まとめ|550円の企画の中で、この1冊だけ中身が新作
- 『心めくり/幸せさがし/夢のつづき』は2026年12月15日・講談社文庫・550円(税込)・240ページ
- 講談社文庫創刊55周年企画「STORY IN POCKET」の1冊
- 製品ページの定型文は「既刊からセレクト」だが、版元のプレスリリースは「単行本未収録&書き下ろし」と書いている
- 収録は第1話「心めくり」/第2話「幸せさがし」/第3話「夢のつづき」の連作中編
- 240ページを3編で割ると1編あたり約80ページ=短編ではなく中編
- 1ページあたり約2.29円で、同日発売の講談社文庫4点で最も安い
- 朝井リョウは2026年4月9日に『イン・ザ・メガチャーチ』で本屋大賞を受賞している
550円の棚に並ぶのに、中身は読んだことのない作品。このねじれが本作の特徴です。企画の定型文だけを読んで「既刊の再編だろう」と飛ばすと、新作を1冊逃します。



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