「物語の面白さ」を最重視する山本周五郎賞の歴代受賞作を完全網羅。最新受賞作の情報から、ゴールデンスランバー・楽園のカンヴァス・満願など過去の傑作の読みどころまで、この1ページで完結します。
最終更新日: 2026年6月4日
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山本周五郎賞とは
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主催 | 新潮文芸振興会(後援:新潮社) |
| 開始年 | 1988年(第1回) |
| 開催頻度 | 年1回(毎年5月発表) |
| 対象 | 前年4月〜当年3月に発表された、すぐれた物語性を持つ小説 |
| 選考基準 | 「物語性(ナラティブの面白さ)」を最重視 |
山本周五郎賞は、大衆文学・時代小説の名手である作家・山本周五郎にちなみ、新潮文芸振興会が主催する文学賞です。純文学を対象とする三島由紀夫賞と同じ日(毎年5月)に発表される「エンターテインメント側」の賞で、最大の特徴は「物語としての面白さ」を何より重視する点。そのためミステリ・時代小説・恋愛・社会派まで、ジャンルを問わず「読ませる小説」が選ばれます。対象が直木賞と近いため、両賞をダブル受賞する作品も史上3作生まれています。
【最新】山本周五郎賞の近年の受賞作

第38回(2025年): 女の国会(新川帆立)
2025年5月16日に発表された第38回山本周五郎賞は、新川帆立『女の国会』(幻冬舎)が受賞しました。女性政治家をめぐるスキャンダルと権力闘争を描いた、現代政治のリアルに切り込むエンターテインメントです。
第37回(2024年): 地雷グリコ(青崎有吾)
第37回は青崎有吾『地雷グリコ』(KADOKAWA)が受賞。独自ルールの頭脳戦を本格ミステリの推理構造に落とし込んだ連作で、本格ミステリ大賞・日本推理作家協会賞も同時に受賞した話題作です。
第36回(2023年): 木挽町のあだ討ち(永井紗耶子)
第36回は永井紗耶子『木挽町のあだ討ち』(新潮社)が受賞。同年の第169回直木賞もダブル受賞した、史上3例目のW受賞作として大きな話題になりました。
山本周五郎賞 歴代の代表的な受賞作一覧

| 年 | 回 | 受賞作 | 著者 |
|---|---|---|---|
| 1988 | 1 | 異人たちとの夏 | 山田太一 |
| 1989 | 2 | TUGUMI(つぐみ) | 吉本ばなな |
| 1993 | 6 | 火車 | 宮部みゆき |
| 1995 | 8 | 閉鎖病棟 | 帚木蓬生 |
| 1999 | 12 | エイジ | 重松清 |
| 2003 | 16 | 覘き小平次 | 京極夏彦 |
| 2004 | 17 | 邂逅の森 | 熊谷達也(直木賞W受賞) |
| 2007 | 20 | 夜は短し歩けよ乙女/中庭の出来事 | 森見登美彦/恩田陸 |
| 2008 | 21 | ゴールデンスランバー | 伊坂幸太郎 |
| 2012 | 25 | 楽園のカンヴァス | 原田マハ |
| 2014 | 27 | 満願 | 米澤穂信 |
| 2016 | 29 | ユートピア | 湊かなえ |
| 2019 | 32 | 平場の月 | 朝倉かすみ |
| 2021 | 34 | テスカトリポカ | 佐藤究(直木賞W受賞) |
| 2023 | 36 | 木挽町のあだ討ち | 永井紗耶子(直木賞W受賞) |
※年によっては2作が同時受賞しています(2007年・2008年など)。
山本周五郎賞の傑作10選|まず読みたい受賞作
1. ゴールデンスランバー(伊坂幸太郎・2008年)
仙台で凱旋パレード中の首相が爆殺され、配達員の青柳雅春が暗殺犯に仕立て上げられる。巨大な陰謀と警察に追われながら、かつての仲間や記憶を頼りに孤独な逃走を続ける逃亡サスペンス。本屋大賞もダブル受賞した伊坂幸太郎の代表作です。伊坂幸太郎の全作品ガイド、ゴールデンスランバーのあらすじもどうぞ。
2. 楽園のカンヴァス(原田マハ・2012年)
ニューヨーク近代美術館のキュレーター・ティムと、日本人研究者・早川織絵が、ルソーの名画「夢」に酷似した一枚の真贋を7日間で競う。古書を手がかりにルソーとピカソが絵に込めた真実へ迫る、アート・ミステリの傑作です。
3. 満願(米澤穂信・2014年)
表題作「満願」ほか全6編を収める短編集。人間の業と動機が、結末で鮮やかに反転する。各種ミステリランキングで史上初の3冠を達成した連作短編集です。米澤穂信の全作品ガイドもあわせてどうぞ。
4. 火車(宮部みゆき・1993年)
休職中の刑事・本間俊介が、失踪した遠縁の婚約者・関根彰子の行方を追う。やがて浮かぶのは、多重債務とカード社会に呑まれ、自らの存在を消した女の姿だった。消費者金融の闇を描いた社会派ミステリの金字塔です。宮部みゆきの全作品ガイドもどうぞ。
5. 夜は短し歩けよ乙女(森見登美彦・2007年)
京都を舞台に、黒髪の乙女に恋い焦がれる先輩が、彼女の後を追って珍事件の数々に巻き込まれる。先輩と乙女の視点が交互に語られる、奇想とロマンに満ちた青春恋愛ファンタジーです。
6. テスカトリポカ(佐藤究・2021年)
メキシコ麻薬カルテルの密売人バルミロが、日本人臓器ブローカーと結託し川崎へ。天涯孤独の少年コシモが犯罪に巻き込まれていく。アステカ神話と暴力が交錯する、直木賞W受賞のクライムノベルです。
7. 中庭の出来事(恩田陸・2007年)
ホテルの中庭で脚本家が変死し、容疑は主演女優候補の3人に。彼女たちに一人芝居を演じさせる戯曲を執筆中の劇作家がいて――。虚実と内外が反転する、芝居とミステリが融合したメタフィクションです。
8. 平場の月(朝倉かすみ・2019年)
離婚して地元に戻った青砥は、病院の売店で中学の同級生・須藤と再会する。50年を生きた二人が、互いの傷を抱えながら静かに惹かれ合う。人生後半の恋と別れを描く、大人の恋愛小説です。
9. エイジ(重松清・1999年)
東京郊外のニュータウンに住む中学2年のエイジ。町で起きた連続通り魔の犯人が同級生だったと知り、「自分もいつかキレるのか」と揺れる。家族・友人・恋への思いの中で揺れる14歳のリアルな成長譚です。
10. 木挽町のあだ討ち(永井紗耶子・2023年)
雪の夜、木挽町の芝居小屋裏で若衆・菊之助が父の仇を討つ。二年後、目撃者を訪ねる武士が現れ、芝居小屋で生きる者たちが語るあの夜の真実とは。直木賞とのW受賞、歌舞伎化・映画化もされた時代小説です。
よくある質問(FAQ)
Q. 山本周五郎賞の最新受賞作は?
A. 第38回(2025年)は新川帆立『女の国会』(幻冬舎)が受賞しました。前年の第37回は青崎有吾『地雷グリコ』、第36回は永井紗耶子『木挽町のあだ討ち』です。
Q. 山本周五郎賞はどんな賞?
A. 新潮文芸振興会が主催し、毎年5月に発表されるエンターテインメント小説の賞です。「物語としての面白さ」を最重視するのが特徴で、ジャンルを問わず「読ませる小説」が選ばれます。
Q. 山本周五郎賞と直木賞の違いは?
A. どちらも大衆・エンタメ文学を対象とし対象が近いですが、山本周五郎賞は新潮社系・年1回(5月)で「物語性」を軸に直木賞よりやや幅広く拾う傾向があります。両賞のダブル受賞は『邂逅の森』『テスカトリポカ』『木挽町のあだ討ち』の3作です。
Q. 山本周五郎賞で最も売れた受賞作は?
A. 本屋大賞もダブル受賞した伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』や、累計ベストセラーとなった原田マハ『楽園のカンヴァス』が代表格です。映像化された作品も多数あります。
まとめ
山本周五郎賞は、「物語の面白さ」で選ばれるエンターテインメント小説の登竜門です。何を読むか迷ったら、本ページで紹介した傑作10選――まずは『ゴールデンスランバー』『楽園のカンヴァス』『満願』あたりから手に取れば、外れのない読書体験が待っています。
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出典・参考情報
- 山本周五郎賞 公式(新潮社・過去受賞作アーカイブ)
- 各出版社 公式商品ページ
- Wikipedia「山本周五郎賞」項目(最終確認: 2026年6月4日)












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