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連城三紀彦のおすすめ 人気ランキングTOP10|『戻り川心中』から読む【2026年最新】

2026 10/29
作者ハブ
2026年10月29日
連城三紀彦のおすすめ小説 人気ランキングを紹介する記事のアイキャッチ画像

連城三紀彦(れんじょう・みきひこ、1948年1月11日〜2013年10月19日)は、トリッキーなミステリーと抒情的な恋愛小説を往復しながら書き続けた小説家です。本名は加藤甚吾、愛知県名古屋市生まれ。真宗大谷派の僧侶でもありました。

受賞歴は幻影城新人賞・日本推理作家協会賞・吉川英治文学新人賞・直木賞・柴田錬三郎賞・日本ミステリー文学大賞にまたがり、受賞・候補をあわせると29件にのぼります。

ただし連城三紀彦は、「どの本を買えばいいのか」がいちばん分かりにくい作家でもあります。主要作が何度も版元を移っていて、同じ書名でも版によって収録作が違うからです。本ページでは、そこまで含めて整理します。

※本ページはアフィリエイトリンクを含みます。

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  • 日本推理作家協会賞受賞作「戻り川心中」をワンクリック
  • Kindle・文庫・中古もまとめてチェック可能
  • 主要作は光文社文庫・創元推理文庫・ハルキ文庫で入手できます

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目次

連城三紀彦のおすすめ|まず結論(初心者はこの3冊から)

  • はじめての1冊は『戻り川心中』 … 日本推理作家協会賞(短編部門)受賞作を含む短編集。光文社文庫で入手できます。
  • 長編から入るなら『造花の蜜』 … 「ミステリが読みたい!」2010年版の国内1位。ハルキ文庫で上下2巻です。
  • 恋愛小説から入るなら『恋文』 … 第91回直木賞受賞作。新潮文庫では『恋文・私の叔父さん』という題で出ています。

連城三紀彦のおすすめ 人気ランキングTOP10

連城三紀彦のおすすめを入門度でランキングした図。1位戻り川心中、2位恋文、3位造花の蜜、4位宵待草夜情、5位黄昏のベルリン

順位は、①受賞歴とミステリーランキングでの評価、②入門しやすさ、③現在も文庫で入手しやすいかから、ヨムマップ編集部が整理しました。

順位 タイトル 文庫 系統 受賞・評価 入門度
1 戻り川心中 光文社文庫 短編集 第34回日本推理作家協会賞(短編部門) ★★★
2 恋文 新潮文庫 恋愛短編集 第91回直木賞 ★★★
3 造花の蜜 ハルキ文庫(上下) 誘拐長編 「ミステリが読みたい!」2010年1位 ★★★
4 宵待草夜情 ハルキ文庫 短編集 第5回吉川英治文学新人賞 ★★★
5 黄昏のベルリン 創元推理文庫 謀略長編 週刊文春ミステリーベスト10 1988年1位 ★★
6 隠れ菊 集英社文庫(上下) 長編 第9回柴田錬三郎賞 ★★
7 小さな異邦人 文春文庫 短編集 「このミステリーがすごい!」2015年版4位 ★★★
8 私という名の変奏曲 河出文庫 長編 週刊文春ミステリーベスト10 1984年8位 ★★
9 運命の八分休符 創元推理文庫 連作短編集 — ★★★
10 人間動物園 双葉文庫(新装版) 誘拐長編 「このミステリーがすごい!」2003年版7位 ★★

1位. 戻り川心中(光文社文庫・短編集)

戻り川心中 - 連城三紀彦

戻り川心中

連城三紀彦|光文社文庫

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表題作「戻り川心中」が1981年に第34回日本推理作家協会賞(短編部門)を受賞しました。大正期の天才歌人・苑田岳葉が二度の心中事件を起こす、という筋立てです。

初出は『小説現代』1980年4月号。「文学賞の世界」が実測した枚数は94枚で、短編としては読み切れる長さです。この作品は第83回直木賞の候補にもなりましたが、このときは受賞を逃しています。

光文社文庫版の収録は「藤の香」「桔梗の宿」「桐の柩」「白蓮の寺」「戻り川心中」の5編。花の名を題にした〈花葬〉と呼ばれる連作です。

2位. 恋文(新潮文庫・恋愛短編集)

恋文・私の叔父さん - 連城三紀彦

恋文・私の叔父さん

連城三紀彦|新潮文庫

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1984年に第91回直木賞を受賞した短編集です。受賞時は36歳6ヵ月でした。

新潮文庫では『恋文・私の叔父さん』と改題されていて、収録は「恋文」「紅き唇」「十三年目の子守唄」「ピエロ」「私の叔父さん」の5編。書名で検索すると見つからないことがあるので、買うときは改題後の題で探してください。

3位. 造花の蜜(ハルキ文庫・上下)

造花の蜜(上) - 連城三紀彦

造花の蜜(上)

連城三紀彦|ハルキ文庫

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2008年10月に角川春樹事務所から刊行された誘拐ミステリーで、「ミステリが読みたい!」2010年版の国内編1位になりました。第9回本格ミステリ大賞(小説部門)の候補にもなっています。

ハルキ文庫では上下2巻(上316ページ・下316ページ)です。買うときは巻数をご確認ください。

4位. 宵待草夜情(ハルキ文庫・短編集)

宵待草夜情 - 連城三紀彦

宵待草夜情

連城三紀彦|ハルキ文庫

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1984年に第5回吉川英治文学新人賞を受賞した短編集です。収録は「能師の妻」「野辺の露」「宵待草夜情」「花虐の賦」「未完の盛装」の5編。

この本は第90回直木賞の候補でもありました。つまり同じ本で、直木賞は落ちて吉川英治文学新人賞は獲っていることになります。2015年5月にハルキ文庫で新装版が出ています。

5位. 黄昏のベルリン(創元推理文庫・単巻)

黄昏のベルリン - 連城三紀彦

黄昏のベルリン

連城三紀彦|創元推理文庫

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1988年刊の長編で、週刊文春ミステリーベスト10の1988年で1位、「このミステリーがすごい!」1988年版で3位。戦前のベルリンを舞台にした謀略小説です。

講談社→文春文庫を経て、2022年1月に創元推理文庫で出ています(413ページ)。

6位. 隠れ菊(集英社文庫・上下)

隠れ菊(上) - 連城三紀彦

隠れ菊(上)

連城三紀彦|集英社文庫

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1996年に第9回柴田錬三郎賞を受賞した長編です。新潮社の単行本は580ページの1冊でしたが、文庫では上下2巻になります(集英社文庫版は上369ページ・下430ページ)。

7位. 小さな異邦人(文春文庫・短編集)

小さな異邦人 - 連城三紀彦

小さな異邦人

連城三紀彦|文春文庫

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没後に編まれた最後の短編集です。2014年3月刊で、「このミステリーがすごい!」2015年版4位、「本格ミステリ・ベスト10」2015年版3位。

収録は「指飾り」「無人駅」「蘭が枯れるまで」「冬薔薇」「風の誤算」「白雨」「さい涯てまで」「小さな異邦人」の8編です。

8位. 私という名の変奏曲(河出文庫・単巻)

私という名の変奏曲 - 連城三紀彦

私という名の変奏曲

連城三紀彦|河出文庫

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1984年刊の長編で、7人の容疑者がそれぞれの一人称で語る形式のミステリーです。双葉社→双葉ノベルス→双葉文庫→新潮文庫→ハルキ文庫→文春文庫→河出文庫と7つの版を渡り歩いた作品で、現行版は2021年8月の河出文庫(316ページ)です。

9位. 運命の八分休符(創元推理文庫・連作短編集)

運命の八分休符 - 連城三紀彦

運命の八分休符

連城三紀彦|創元推理文庫

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1983年刊の連作短編集で、収録は「運命の八分休符」「邪悪な羊」「観客はただ一人」「紙の鳥は青ざめて」「濡れた衣裳」の5編。ユーモアの効いた軽い語り口で、連城三紀彦の作品のなかでは入りやすい1冊です。2020年5月に創元推理文庫で復刊しました。

10位. 人間動物園(双葉文庫・新装版)

人間動物園 - 連城三紀彦

人間動物園

連城三紀彦|双葉文庫

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2002年刊の誘拐長編です。同年に『白光』と連続して発表され、話題になりました。「このミステリーがすごい!」2003年版7位。2021年5月に双葉文庫の新装版が出ています(338ページ)。

同じ書名でも、買う版によって収録作が変わる

連城三紀彦『戻り川心中』の光文社文庫版とハルキ文庫版を比較した図。光文社文庫は5編301ページ、ハルキ文庫は8編457ページ

連城三紀彦でいちばん注意が必要なのがここです。書名が同じでも、版によって収録作の数が違います。

書名 版 ページ数 収録
戻り川心中 光文社文庫(2006年1月) 301ページ 5編
戻り川心中 ハルキ文庫(1998年5月) 457ページ 8編
夜よ鼠たちのために 新潮文庫(1986年4月) 290ページ 6編
夜よ鼠たちのために 宝島社文庫(2014年9月) 413ページ 9編

光文社文庫の『戻り川心中』の目次は「藤の香/桔梗の宿/桐の柩/白蓮の寺/戻り川心中」の5編です。これに対しハルキ文庫版には「菊の塵」「花緋文字」「夕萩心中」の3編が加わり、156ページ分多くなっています。

『夜よ鼠たちのために』も同じで、宝島社文庫版には「代役」「ベイ・シティに死す」「ひらかれた闇」の3編が追加されています(123ページ分多い)。

「どの版でも中身は同じ」という前提で買うと、入っていると思った作品が入っていません。 目的の短編がある場合は、収録作一覧を見てから買ってください。

直木賞は4回落ちてから受賞している

連城三紀彦の直木賞候補から受賞までの経過を示した図。第83回から第90回まで4回候補となり第91回で恋文が受賞

連城三紀彦の直木賞は、5回目の候補でようやくの受賞でした。

回 時期 候補作 結果
第83回 1980年上期 「戻り川心中」 候補
第88回 1982年下期 「白い花」「ベイ・シティに死す」「黒髪」 候補
第89回 1983年上期 「紅き唇」 候補
第90回 1983年下期 『宵待草夜情』 候補
第91回 1984年上期 『恋文』 受賞

初回の第83回で「戻り川心中」を評した選考委員の言葉が残っています。源氏鶏太は「モデルがあるのかと思って読んだのだが、創作と聞かされて、その才能に感心した」としながら「ぜんたいとしてやや古風であった」と書き、村上元三は「これだけでは作者の実力は、はっきりしない」としました(選評出典:『オール讀物』1980年10月号)。

落選した「戻り川心中」が翌1981年に日本推理作家協会賞を受賞し、同じく落選した『宵待草夜情』が吉川英治文学新人賞を受賞しています。直木賞の結果だけでは、この作家の評価は追えません。

なお第91回の受賞者は連城三紀彦と難波利三の2人で、このときの候補者には林真理子(「星影のステラ」)が入っていました。

短編から入るなら創元推理文庫の『傑作集』2冊

連城三紀彦の短編は数が多く、しかも版をまたいで散っています。まとめて読むなら、松浦正人が編んだ創元推理文庫の『連城三紀彦傑作集』が早いです。

巻 書名 刊行 ページ数
1 六花の印 2018年6月 701ページ
2 落日の門 2018年12月 733ページ

『六花の印』には「六花の印」「菊の塵」「桔梗の宿」「桐の柩」「能師の妻」「ベイ・シティに死す」「黒髪」「花虐の賦」「紙の鳥は青ざめて」「紅き唇」のほか、直木賞受賞作の「恋文」も入っています。巻末には「ボクの探偵小説観」「〈花葬〉シリーズのこと」「幻影城へ還る」などのエッセイも収録されています。

『落日の門』は「ゴースト・トレイン」「化鳥」「水色の鳥」「輪島心中」「落日の門」「残菊」「夕かげろう」「家路」「火の密通」などに加え、「小さな異邦人」まで入ります。

2冊で1,434ページ。文庫1冊ずつ買い集めるより、ここから入るほうが重複が出にくいです。

六花の印 - 連城三紀彦

六花の印

連城三紀彦|創元推理文庫

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連城三紀彦の受賞歴

年 賞 対象
1978年 第3回幻影城新人賞(小説部門) 「変調二人羽織」(デビュー)
1980年 第83回直木賞 候補 「戻り川心中」
1981年 第34回日本推理作家協会賞(短編部門) 「戻り川心中」
1981年 第9回泉鏡花文学賞 候補 『戻り川心中』
1981年度 第3回吉川英治文学新人賞 候補 『変調二人羽織』
1982年 第88回直木賞 候補 「白い花」他
1982年度 第4回吉川英治文学新人賞 候補 『密やかな喪服』
1983年 第89回・第90回直木賞 候補 「紅き唇」/『宵待草夜情』
1983年度 第5回吉川英治文学新人賞 『宵待草夜情』
1984年 第91回直木賞 『恋文』
1990年 第17回キネマ旬報読者賞 「試写室のメロディー」
1996年 第9回柴田錬三郎賞 『隠れ菊』
2009年 第9回本格ミステリ大賞 候補 『造花の蜜』
2014年 第18回日本ミステリー文学大賞(特別賞) 没後の受賞

デビューが1978年、最後の受賞が没後の2014年。日本ミステリー文学大賞は特別賞での受賞です。

映画好きでもありました。大学在学中にシナリオを学ぶためフランスへ留学しており、1990年の第17回キネマ旬報読者賞は映画雑誌からの受賞です。

よくある質問

Q. 連城三紀彦は何から読むのがおすすめ?

A. 『戻り川心中』(光文社文庫)です。日本推理作家協会賞を受賞した表題作を含む短編集で、1編が短いので作風を確かめやすいです。長編が読みたいなら『造花の蜜』、恋愛小説なら『恋文』からどうぞ。

Q. 直木賞を受賞した作品はどれですか?

A. 『恋文』です。1984年に第91回直木賞を受賞しました。新潮文庫では『恋文・私の叔父さん』と改題されています。

Q. 『戻り川心中』はどの文庫を買えばいいですか?

A. 収録作の数が違います。光文社文庫版は5編(301ページ)、ハルキ文庫版は8編(457ページ)です。「菊の塵」「花緋文字」「夕萩心中」も読みたいならハルキ文庫版を選んでください。

Q. 上下巻の作品はありますか?

A. 『造花の蜜』(ハルキ文庫)と『隠れ菊』(集英社文庫)が上下2巻です。『女王』も講談社文庫で上下2巻になります。

Q. 短編をまとめて読む方法はありますか?

A. 創元推理文庫の『連城三紀彦傑作集』全2巻(『六花の印』『落日の門』)があります。2冊あわせて1,434ページで、直木賞受賞作「恋文」も入ります。

まとめ|まずは『戻り川心中』から

連城三紀彦は、直木賞に4回落ちてから受賞し、落選作で別の賞を2つ獲った作家です。迷ったら日本推理作家協会賞の『戻り川心中』から。長編なら『造花の蜜』、短編をまとめて読むなら創元推理文庫の『連城三紀彦傑作集』をどうぞ。

買うときは、書名が同じでも版によって収録作が変わることだけ覚えておいてください。

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出典・参考情報

  • 「文学賞の世界/直木賞のすべて」連城三紀彦の受賞・候補歴(幻影城新人賞・直木賞・日本推理作家協会賞・泉鏡花文学賞・吉川英治文学新人賞・柴田錬三郎賞・本格ミステリ大賞・日本ミステリー文学大賞)および第83回直木賞の選評(出典:『オール讀物』1980年10月号)
  • openBD(『戻り川心中』光文社文庫版・『夜よ鼠たちのために』宝島社文庫版・『連城三紀彦傑作集』の目次/書誌)
  • 国立国会図書館サーチ(各版のページ数・刊行年月)


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